うさぎ年ブームを前に、出来ることがあるかもしれない

ここ1ヶ月ほど、迫り来るウサギ年ウサギブームを前に、何か出来ることがあるのか、ずっと考えてきました。
ウサギという動物がペットとしてポピュラーになる事自体は勿論大歓迎なのですが、ウサギという動物の魅力と同時に大変さも十分に伝わらないと、飼い主もウサギも不幸になってしまう危険もはらむものでもあります。
それで、個人で何かできることはないかと、半月ほど前、「来年はウサギ年!でもちょっと待って、ウサギを買う前に…」という記事を書きました。
最初は、お客様がそんなに居ないうちのブログで、こんなこと偉そうに書くのもなあ、と少々気後れする部分はありました。
でも、最近の検索機能は優秀だから、もしかしたら一人くらいは、うちのブログの情報を見てウサギの何が大変なのかを知ってくれるかもしれない。
だったら、全部で何人見てくれるかなんて関係ない。
何も知らなかった私達のせいで、3日でお月さまに帰らなければならなかったちびえせるのような子が、たった一匹でも減ってくれたら意味がある、と思ったのです。
で、正直、個人でできるウサギ年ブーム対策なんて、こんなもんだろう、と思ってました……。
今日までは!
(ちょっと、感動したので色変えてみた(笑))

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急に今まで食べていたものを食べなくなったとき

(このエントリーは、アメリカのHouse Rabbit Societyから管理人が学んだことをもとにしています)

注)特定の何か(ペレットなど)だけでなく、何をあげても食べない場合は、深刻な体調不良です。こちらの記事 をご覧下さい。

うさぎが「食わず嫌い」の激しい動物であることは、ウサギを飼っている方なら身にしみて感じていることでしょう。
しかし、たまに、今まで問題なく食べていたものをパッタリと食べなくなる事があります。

一番困るのは、同じメーカー、同じ銘柄のペレットを買って来たのに、新しい袋をあけたらまったく口をつけてくれない、という例です。
こういう場合、かなりの割合で、その袋のペレットを作った工場が違う、あるいは原料の仕入れ先を変えた、などの問題が絡んでいることがあります。

「エエッ、成分や材料は一緒なのに、どうして?!」 と人間なら叫びたくなりますが、ウサギにしてみれば、育った土が違えば味も違って当然なのです。
工場が複数あり、原料を工場の近くから調達していれば、ペレットは「その土地の味」になります。
ウサギによっては、この違いを危険とみなして、口にしない、ということもあるのですね。

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野ウサギの足跡

昨日うさぎ大好き「うさぎホイホイ」のエントリーで、HRSのバザーが雪で延期になった、という話をしたのですが、実はこれだけ雪が積もっているのに野ウサギの足跡を見ないのが気になっていました。
で、今朝。
外を見てみたら……
あっ、あった!!!
PICT0010
サンダルの隣に細長くふたつついているのがそうです。
えっ、ホントか、って?(笑)
それじゃ、証拠。。

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うさぎ大好き「うさぎホイホイ」

本日、Wisconsin HRSのWinter Bunny Bazaarだったのですが……(汗)
大雪でバスがとまり、延期(爆)
しかし、知らずに行ったお陰で、毎年バザーの人気商品であっという間に売り切れてしまう「うさぎホイホイ」が手に入りました!
こんな物体です。
PICT0002
中はこんな感じ。
PICT0003
そして、ウサギはこれをみると……
ああっ、入らずにはいられない!!!
PICT0011
これは、HRSの会員さんが手作りしているもので、筒は工事用の紙筒(なんかコンクリートに丸い穴をあけて固めるときに使うものらしいです)、中の下面には滑り止めにカーペットが接着されているものです。
転がらないよう、木で足台を作って固定してあります。
なにしろ、家の修理(時には建築)ができないと一人前の男として認めてもらえないアメリカ(の田舎)、一軒家にはかならず工作室があり、このくらいの工作はお茶の子サイサイ、なのです。。
……で、これが、ホントに重宝するのですよ(笑)
どういうときに使うかというと……

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大人ウサギの付加価値

ウサギ年ウサギブーム対策記事を書いていて、我ながら、こんなに「大人ウサギがいい!」と書きまくってるブログはあんまりないだろうな、と思いました。

しかし、別に動物愛護精神に燃えてそういう主張をしているわけではなくて、、、
これが、ホントにホントの私の実感なのです。
正しくは、HRSの活動を通して、そう学んだ、というべきですが……。

大体、日本のペットショップ業界では、何でも「仔」でないと価値がありません。
(まあアメリカでもそういう傾向はありますが、成体を扱うところもあり、日本ほど偏ってはいません)
犬でも猫でも、売れ残って大人になったら赤字覚悟の大幅値引き。
日本にいた頃は、私もそれは仕方がない、と思っていました。

でも、よく考えたら、それっておかしくないですか?
成長したら成長しただけ、きちんと躾けられ、人間にも慣れさせ、正しい食習慣を作り、体調の管理もし……と、本来、「仔」ペットよりずっと沢山付加価値がつけられるはずなのです。

ペットショップがそこをきちんとアピールした販売努力をしているか否かはおいておくとして。
問題は、何故、それでも「小さい子がいい」と多くの人が思うのか、です。
見た目が可愛いから?
そりゃ勿論可愛いに決まっています。が、ウサギなら子供の姿でいてくれるのなんて、精々3ヶ月です。
まさか、ウサギを飼う人全員が、本気で残り10年の寿命とその3ヶ月を秤にかけて、たった3ヶ月の可愛い姿に引きずられている、とは思えません。
つまり、大人ウサギと仔ウサギの価値(嫌な言い方ですが)は基本的に同じで、だったら3ヶ月可愛い姿が見られる方がいい──と、そう思っている、としか思えないのです。
あるいは、「仔ウサギの方が良い」と思い込んでいるかです。

だけど、よくよく考えてみたら、その思い込みって絶対におかしいのです。
(このブログではあっちこっちで同じこと書いてますが)
だって、ペットショップでよく売っている1ヶ月前後のウサギなんて、人間でいえば、幼児どころか乳児ですよ。
つまり、立派な乳児売買!
乳児の状態で母親から離された子を、健康に育てることがどれだけ精神的にも金銭的にも大変か、人間に置き換えてみればすぐに分かるはずです。
つまり、健康面を考えたら、「仔ウサギは不利」。

また、人間だって、乳児の頃には大人になったらどんな性格になるかなんて、分かりませんよね。
躾や教育で、やってはいけない事を教えるくらいは出来るかもしれないけれど、自分の思う通りの性格に育ってくれるわけじゃない。
言葉が通じる人間同士だってそうなのに、ウサギの言葉も喋れない人間が育てたウサギの子が、いくら乳児の頃から愛情込めて育てたからといって、殆どの場合はこちらの希望通りになんて育ってくれないのです。

百歩譲って、乳児の仔ウサギを一匹だけ、親からも兄弟からも離して人間のもとで飼うことで、ウサギに自分がウサギであることを忘れさせることが出来る、という人もいるかもしれません。
そういう子は、(成功すれば)本当に人間にべったり、といった感じでなつきますから、「そのために、仔ウサギのうちに買うんだ」という方もいると思います。
勿論、ウサギもペットですから、そういった関係を否定するつもりはないですが、「うさぎが人間になつく」という形式、うさぎと人間の関係は、けっしてそれだけではありません。

クールに、かつ律儀に、人間と良いお友達な子もいます。
普段はよっても来ないくせに、具合が悪いときだけ、「なんとかしてよ」と甘えて来る子もいます。
自分の気が向いたときだけ人間と遊びたがる子もいれば、こちらが忙しいことを理解して、順番がくるまで勝手に遊んで待っている、という子もいます。
障害を負ったために、人間に文字通り全幅の信頼を置いてくれる子もいます。

一方、私達人間の側も、必ずしも人間に依存心の強いウサギが自分のライフスタイルに合っているとは限りません。
たとえば、仔ウサギの頃は珍しくて、かわいくて、毎日家に飛んで帰って可愛がってあげたけれど、数ヶ月したら少し熱も冷めて、仕事も大変になって残業が増えてきた、なんてこともあるかも知れません。
こんな家のウサギが、人間にベッタリの子に育っていたら、一日の殆どの時間、そのウサギさんは、折角人間大好きな子なのに、じっと待ちぼうけを食わされるのです。
そのうちストレスがたまって、オシッコ飛ばしで気をひこうとしたり、ケージの中で夜中じゅう物音をたてたりするかもしれません。

人間にもライフスタイルがあり、ウサギにも性格がある。
ウサギと人間だって、ちゃんとどちらもが幸せになれる相性があるのです。
その相性は、お互いの性格で決まるわけですから、まだ性格の分からない仔ウサギを買って来るというのは、ある意味バクチです。
これも、むしろ「仔ウサギの方が不利」な例。

更に、1ヶ月の仔ウサギには躾なんかできません。
トイレを覚えてくれる子になるかどうかもわからない(まあ、ちゃんと手順を踏めば、大抵は覚えますが……)。
将来、オシッコ飛ばし(スプレー)をするかどうかもわからない。
将来、噛み癖が出て来るかどうかもわからない。
何一つ、将来の保証がありません。

ヒドイ言い方だというのを承知の上で、敢えて書きますが。
これが商品だったら、仔ウサギなんてものは、保証書もなんにもない、海のものとも山のものともつかないアヤシイ商品、ってことになります。
もし隣に、トイレも覚えていて、オシッコ飛ばしはやらず、牧草もカンペキに食べ、ペレットも残さず食べ、噛み癖がなく、しかも人間に慣れていてフレンドリー、という大人ウサギがいたとして。
これらの項目の○×だけを見て判断したら、誰だって大人ウサギの方が「価値がある」と思うんじゃないでしょうか?

実は私がHRSを知って、一番目からウロコだったのが、この部分なのです。
Wisconsin HRSのニュースレターの里親募集ページには、必ずこのひとことが書いてあります。
“Remember, anyone can sell you a rabbit – WHRS will find you a friend!”
(忘れないで、だれでもあなたにウサギを売ることは出来る ー でも、WHRSはあなたの友達を探します!)

この一文に出会うまで、私は、里親募集活動というのは、「かわいそうな動物たちを救うため、なんとか新しい家をみつける活動」なんだと思い込んでいました。

でも、そうじゃないのです。
HRSのボランティアに十分にケアされ、人間との付き合い方を学び、トイレや食習慣の改善、その他様々な躾をされ、去勢/避妊手術も済ませたアダプション待ちウサギさんたちは、そのへんのペットショップに売っているウサギよりも、ずっとエリートなのです。

そうして、HRSのメンバーが飼い主のライフスタイルを聞き、「それならこの子が一番おすすめですよ」と紹介する。
ウサギのことをよく知らない人が、姿形だけで選ぼうとしたら、じっくり腰をすえて相談し、本当に一番その人の性格とライフスタイルに合った子を一緒に探す。
だからこそ、「ただのペット」ではなく、人間の「友達」になれるのです。

そして、ダメオシに、一生ハウスラビットとして可愛がること、もしそれが破られたときには、HRSが再びウサギを取り返す権利があることを明記した書類にサインさせられます。
つまり、人間の方が、もしエリートウサギに見合わない飼い主だったら、譲ってやらない、という態度なのですね(笑)。

大人のウサギには、きちんとした人に育てられていれば、付加価値がある。
実は、アメリカでも、ヨーロッパでも、こういった考え方は決してマイナーではありません。
犬など、わざわざ訓練士のところで育てさせた子を迎え入れる、という人もいるくらいです。
日本でも、もっとこういう考え方が一般に広まって欲しい、と思います。

日本にはHRSはありませんが、HRSのボランティアと同じく、里子のウサギさんたちを愛情込めて可愛がり、しつけ、健康管理もしっかりしている個人や非営利のシェルターが沢山あります。
また、心をこめて大切に可愛がっていたのに、どうしても続けて飼えなくなり、里親を募集している人もいます。
こういった人達のもとで里親を待っているウサギも、「大人のエリートウサギ」だと思うのです。
(私がWebでみた限り、よさそうだと思った里親募集サイトをリンクしました。こちらをご覧下さい。ただし、トイレ等のしつけができているかどうかは、それぞれお尋ね下さい──もっとも、トイレの躾はそんなに難しくないですが。)

勿論、生き物を安易に飼い始めて、安易に里子に出すのは絶対によくないです。
でも、決して安易ではなく、どうしようもない場合、というのも、残念ながら存在する、と思うのです。
そしてそうである限り、里子に出される子達というのは決してなくならない。

なんだか、ね。
「新卒じゃないと就職が難しい」みたいな馬鹿げた習慣を、なにも動物の世界にまで持ち込まなくていいじゃない、と思うのですよ(笑)。
いろんな躾が出来ている子や、なついている子に、ちゃんとそれなりの評価をしてあげて欲しい。
そうじゃない子は、そういう難しい子でも愛せる経験と度量のある人の家に辿り着けるような、セカンドチャンスが欲しい。

そんな事を思って、こんなツブヤキを書いてみました。ウサギ年ウサギブーム対策記事を書いていて、我ながら、こんなに「大人ウサギがいい!」と書きまくってるブログはあんまりないだろうな、と思いました。
しかし、別に動物愛護精神に燃えてそういう主張をしているわけではなくて、、、
これが、ホントにホントの私の実感なのです。
正しくは、HRSの活動を通して、そう学んだ、というべきですが……。
大体、日本のペットショップ業界では、何でも「仔」でないと価値がありません。
(まあアメリカでもそういう傾向はありますが、成体を扱うところもあり、日本ほど偏ってはいません)
犬でも猫でも、売れ残って大人になったら赤字覚悟の大幅値引き。
日本にいた頃は、私もそれは仕方がない、と思っていました。
でも、よく考えたら、それっておかしくないですか?
成長したら成長しただけ、きちんと躾けられ、人間にも慣れさせ、正しい食習慣を作り、体調の管理もし……と、本来、「仔」ペットよりずっと沢山付加価値がつけられるはずなのです。
ペットショップがそこをきちんとアピールした販売努力をしているか否かはおいておくとして。
問題は、何故、それでも「小さい子がいい」と多くの人が思うのか、です。
見た目が可愛いから?
そりゃ勿論可愛いに決まっています。が、ウサギなら子供の姿でいてくれるのなんて、精々3ヶ月です。
まさか、ウサギを飼う人全員が、本気で残り10年の寿命とその3ヶ月を秤にかけて、たった3ヶ月の可愛い姿に引きずられている、とは思えません。
つまり、大人ウサギと仔ウサギの価値(嫌な言い方ですが)は基本的に同じで、だったら3ヶ月可愛い姿が見られる方がいい──と、そう思っている、としか思えないのです。
あるいは、「仔ウサギの方が良い」と思い込んでいるかです。
だけど、よくよく考えてみたら、その思い込みって絶対におかしいのです。
(このブログではあっちこっちで同じこと書いてますが)
だって、ペットショップでよく売っている1ヶ月前後のウサギなんて、人間でいえば、幼児どころか乳児ですよ。
つまり、立派な乳児売買!
乳児の状態で母親から離された子を、健康に育てることがどれだけ精神的にも金銭的にも大変か、人間に置き換えてみればすぐに分かるはずです。
つまり、健康面を考えたら、「仔ウサギは不利」。
また、人間だって、乳児の頃には大人になったらどんな性格になるかなんて、分かりませんよね。
躾や教育で、やってはいけない事を教えるくらいは出来るかもしれないけれど、自分の思う通りの性格に育ってくれるわけじゃない。
言葉が通じる人間同士だってそうなのに、ウサギの言葉も喋れない人間が育てたウサギの子が、いくら乳児の頃から愛情込めて育てたからといって、殆どの場合はこちらの希望通りになんて育ってくれないのです。
百歩譲って、乳児の仔ウサギを一匹だけ、親からも兄弟からも離して人間のもとで飼うことで、ウサギに自分がウサギであることを忘れさせることが出来る、という人もいるかもしれません。
そういう子は、(成功すれば)本当に人間にべったり、といった感じでなつきますから、「そのために、仔ウサギのうちに買うんだ」という方もいると思います。
勿論、ウサギもペットですから、そういった関係を否定するつもりはないですが、「うさぎが人間になつく」という形式、うさぎと人間の関係は、けっしてそれだけではありません。
クールに、かつ律儀に、人間と良いお友達な子もいます。
普段はよっても来ないくせに、具合が悪いときだけ、「なんとかしてよ」と甘えて来る子もいます。
自分の気が向いたときだけ人間と遊びたがる子もいれば、こちらが忙しいことを理解して、順番がくるまで勝手に遊んで待っている、という子もいます。
障害を負ったために、人間に文字通り全幅の信頼を置いてくれる子もいます。
一方、私達人間の側も、必ずしも人間に依存心の強いウサギが自分のライフスタイルに合っているとは限りません。
たとえば、仔ウサギの頃は珍しくて、かわいくて、毎日家に飛んで帰って可愛がってあげたけれど、数ヶ月したら少し熱も冷めて、仕事も大変になって残業が増えてきた、なんてこともあるかも知れません。
こんな家のウサギが、人間にベッタリの子に育っていたら、一日の殆どの時間、そのウサギさんは、折角人間大好きな子なのに、じっと待ちぼうけを食わされるのです。
そのうちストレスがたまって、オシッコ飛ばしで気をひこうとしたり、ケージの中で夜中じゅう物音をたてたりするかもしれません。
人間にもライフスタイルがあり、ウサギにも性格がある。
ウサギと人間だって、ちゃんとどちらもが幸せになれる相性があるのです。
その相性は、お互いの性格で決まるわけですから、まだ性格の分からない仔ウサギを買って来るというのは、ある意味バクチです。
これも、むしろ「仔ウサギの方が不利」な例。
更に、1ヶ月の仔ウサギには躾なんかできません。
トイレを覚えてくれる子になるかどうかもわからない(まあ、ちゃんと手順を踏めば、大抵は覚えますが……)。
将来、オシッコ飛ばし(スプレー)をするかどうかもわからない。
将来、噛み癖が出て来るかどうかもわからない。
何一つ、将来の保証がありません。
ヒドイ言い方だというのを承知の上で、敢えて書きますが。
これが商品だったら、仔ウサギなんてものは、保証書もなんにもない、海のものとも山のものともつかないアヤシイ商品、ってことになります。
もし隣に、トイレも覚えていて、オシッコ飛ばしはやらず、牧草もカンペキに食べ、ペレットも残さず食べ、噛み癖がなく、しかも人間に慣れていてフレンドリー、という大人ウサギがいたとして。
これらの項目の○×だけを見て判断したら、誰だって大人ウサギの方が「価値がある」と思うんじゃないでしょうか?
実は私がHRSを知って、一番目からウロコだったのが、この部分なのです。
Wisconsin HRSのニュースレターの里親募集ページには、必ずこのひとことが書いてあります。
“Remember, anyone can sell you a rabbit – WHRS will find you a friend!”
(忘れないで、だれでもあなたにウサギを売ることは出来る ー でも、WHRSはあなたの友達を探します!)

この一文に出会うまで、私は、里親募集活動というのは、「かわいそうな動物たちを救うため、なんとか新しい家をみつける活動」なんだと思い込んでいました。
でも、そうじゃないのです。
HRSのボランティアに十分にケアされ、人間との付き合い方を学び、トイレや食習慣の改善、その他様々な躾をされ、去勢/避妊手術も済ませたアダプション待ちウサギさんたちは、そのへんのペットショップに売っているウサギよりも、ずっとエリートなのです。
そうして、HRSのメンバーが飼い主のライフスタイルを聞き、「それならこの子が一番おすすめですよ」と紹介する。
ウサギのことをよく知らない人が、姿形だけで選ぼうとしたら、じっくり腰をすえて相談し、本当に一番その人の性格とライフスタイルに合った子を一緒に探す。
だからこそ、「ただのペット」ではなく、人間の「友達」になれるのです。
そして、ダメオシに、一生ハウスラビットとして可愛がること、もしそれが破られたときには、HRSが再びウサギを取り返す権利があることを明記した書類にサインさせられます。
つまり、人間の方が、もしエリートウサギに見合わない飼い主だったら、譲ってやらない、という態度なのですね(笑)。
大人のウサギには、きちんとした人に育てられていれば、付加価値がある。
実は、アメリカでも、ヨーロッパでも、こういった考え方は決してマイナーではありません。
犬など、わざわざ訓練士のところで育てさせた子を迎え入れる、という人もいるくらいです。
日本でも、もっとこういう考え方が一般に広まって欲しい、と思います。
日本にはHRSはありませんが、HRSのボランティアと同じく、里子のウサギさんたちを愛情込めて可愛がり、しつけ、健康管理もしっかりしている個人や非営利のシェルターが沢山あります。
また、心をこめて大切に可愛がっていたのに、どうしても続けて飼えなくなり、里親を募集している人もいます。
こういった人達のもとで里親を待っているウサギも、「大人のエリートウサギ」だと思うのです。
(私がWebでみた限り、よさそうだと思った里親募集サイトをリンクしました。こちらをご覧下さい。ただし、トイレ等のしつけができているかどうかは、それぞれお尋ね下さい──もっとも、トイレの躾はそんなに難しくないですが。)
勿論、生き物を安易に飼い始めて、安易に里子に出すのは絶対によくないです。
でも、決して安易ではなく、どうしようもない場合、というのも、残念ながら存在する、と思うのです。
そしてそうである限り、里子に出される子達というのは決してなくならない。
なんだか、ね。
「新卒じゃないと就職が難しい」みたいな馬鹿げた習慣を、なにも動物の世界にまで持ち込まなくていいじゃない、と思うのですよ(笑)。
いろんな躾が出来ている子や、なついている子に、ちゃんとそれなりの評価をしてあげて欲しい。
そうじゃない子は、そういう難しい子でも愛せる経験と度量のある人の家に辿り着けるような、セカンドチャンスが欲しい。
そんな事を思って、こんなツブヤキを書いてみました。

まんごろし太とAngelのお見合い(5回目)

こんなに長引くはずではなかったのだが……(汗)
まんごろし太とAngelちゃんのお見合い5回目です。
(1回目の映像はこちら
多頭飼いで、新しい子とお見合いさせる手順についてはこちらのカテゴリをどうぞ。
※なぜかサムネールの画像がひどいですが、映像はここまでひどくありません。

本来なら、お見合い3回くらいでパスするペアだったと思います。
が、まんごろし太が我が家の全てをテリトリーとみなしており、まんごろし太がAngelにアグレッシブに攻撃、お見合い中にお互い噛み付いてしまったので、少々時間がかかってしまいました。(普段ウサギを入れないバスルームなどで見合いさせたのですが…)
以後、家でのお見合いはせず、1週間に一度HRSで掃除している間にお見合いさせてもらっていました。
ウサギによっては、一度でも噛み付くと絶対許さない、という子もいるようですが、まんごろし太もAngelもそこまで執念深い性格ではなかったようです。
以下、時系列にご説明。
ちなみに、うちのウサギはまんごろし太♂(白と茶色のブチサテン、去勢済み)、お相手はAngle♀(イングリッシュロップとニュージーランドホワイトのミックス?、避妊済み)。
冒頭:
お互い、相手に先に顔をなめさせようと、顔を押し付け合って沈黙。
二匹のウサギが同じテリトリーに居るとき、先に相手の顔を舐めた方が、ウサギの間で決められる順位が低くなります。
(一度順位が固まってしまえば、どちらも相手を舐めます)
00:35:
おっ、Angelが舐めているか?! と思いきや、多分臭いかいでいただけ……
00:39:
Angelがまんごろし太にマウンティング! まんごろし太は逃げます。
この逃げ方ですが、それほどパニックに陥っていないのが重要です。
Angelも、逃げるまんごろし太をそれほど真剣には追いかけていません。
こういう状態ならお見合い成功の見込みアリです。
(逆に、追いかけられる方がパニックになったり、追いかける方が唸りながら突撃するようだと、見込みは薄いかも……)
01:28:
まんごろし太が、頭をかいて毛繕いしています。
毛繕いの行動が出るのは、比較的リラックスしている状況ですので、悪くありません。
02:22:
まんごろし太が、Angelの前に頭を差し出して、「顔をなめろ」と要求しています。
が、Angelは「いやよ!」とまんごろし太の背後をとり、まんごろし太は逃げます。
02:30:
再び、交渉。
お互い、ど───しても相手の下につくのは嫌みたいですねえ……
04:20:
ついに、まんごろし太の方から一歩歩み寄りました。
Angelの耳をなめています。
が、「耳をなめる」は、あくまで「握手」、まだ負けたと意思表示したわけではありません。
……こういうところ、チラっと舐めて、居心地わるそうにしているあたり、子供が喧嘩して「仲直りしようよ」って言うときの居心地悪そうな感じとホント似てますよね(笑)
「ほんとはカッコわるいな〜」と思ってるのが見え見え(笑)
05:05:
仕方なく(?)まんごろし太がAngelの耳と頭のてっぺんを舐め始めました。
通常は、こういう行動がみられたら、お見合いは90%成功です。
あとは、自宅に連れて帰ったときに、新しい子がパニックにならなければお見合い成立です。
頭のてっぺん、というのはなかなか微妙。
耳の間、とも解釈できるし……
まんごろし太は負けを認めたのか? それとも、まだボスの座を諦めていないのか?
……まあ、マウンティングされて逃げて奥に引っ込んだ時点で、はっきりいって気迫負けしてますけどね(笑)
昨日WHRSの会報冬の号が届いて、アダプション待ちウサギをみてみたら、既にAngelの名前はなかった(汗)
まだ、アダプション書類にサインしてないんだってば!!!(焦)
しかし、この外見、この大きさ、しかもどうやらエンセファリトゾーンにやられているらしく、頭がふーらふら、と3拍子揃ったら、ホント行き先ないんだろうな……この子(涙)
まんごろし太には、もっと穏やかな優しい子をつけてあげたかったけど、お前が寂しそうな顔をしなくなったってことは、Angelでもいいんだよな? 多分。
というわけで、多分Angelちゃん(もう既にうちではメイと呼ばれているけど……。「あらしのよるに」のメイからとってつけた。ヤギとかヒツジとか、そういう雰囲気だから。もしかしたらまだ名前変えるかも)はかなり高い確率で我が家の一員になりそうです……。
はああ。
今思うと、えせるは本当にパーフェクトにおしとやかで優しくて美人で面倒見のいい子だった……。
しかし、見慣れると、あんたも愛嬌あるよ、メイ(笑)。

(里親募集改め)ウサギのパーマネントホーム募集サイトリンク

2014/1/31 リンクを一部整理しました。

大人のウサギは、ペットショップの仔ウサギよりも人間になつきにくい?
いいえ、そんなことはありません!
理由は、こちらの記事に書いてあります
むしろ、大人のウサギの方が、それぞれの飼い主さんに相性ピッタリの子が探せますよ!
(よかったらこちらのツブヤキもどうぞ)

注)飼い主の募集をしているからといって、タダで譲ってもらえるとは限りません。むしろ、タダで譲ると言うと、ウサギを可愛がると嘘をついて、ペットの爬虫類のエサにしたり、転売したり、という悪質な詐欺を招きかねないので、それなりの金銭負担を要求される場合がほとんどだと思って下さい。
ここに掲載されている保護先の殆どは、そんな多少の譲渡費ではまったく埋め合わせにならないくらい、沢山のお金をウサギの治療費に使っていることもご理解下さい。

というわけで、ウサギのパーマネントホーム募集サイトさんを集めてみました。

うさぎを飼うのが初めての方におすすめのサイト

うさぎを飼うのは初めて! という方は、是非以下のカテゴリーもご覧下さい。
これからウサギを飼う方へ

ウサギについて十分に知識のある方が運営されていて、引き渡し後暫くは、相談にのってもらえる可能性のあるサイトで、かつ(一般に)ワンオーナーのウサギを保護しておられる、と思われるサイトを集めてみました。
(掲載数が多く地域が選べるサイトや、何度も養い主が変わっている、多頭飼い&屋外飼いで人間とのコミュニケーションの機会が少なかったと思われる子が主体のサイトは便宜上別項目にしてありますが、勿論そちらにも、問い合わせれば初心者の方にピッタリの子がいると思います。)
皆様ボランティアでされていることですので、お問い合わせなどはその点を十分に配慮の上でお願いします。
飼育書を読んだり、少しWebを検索すれば分かるようなことを質問するのはお止め下さいね!

  • 兎鳥庵 日記
    実験ウサギさん(純血種ダッチまたは日本白色種)のお家探しをされています。実験終了後の安楽死の運命から救い出された子や、実験で使われなかった子などで、とても可愛い子たちばかりです。ダッチはたまに募集、日本白色種は常時募集が出ています。いずれも、もはやペットショップでは買えない種類。流行のネザーのように小さくはありませんが、一般に性格はとても良いです。(だから実験に使われちゃうんだけど…(汗))
  • Mixi内「【兎的里親探し】うさぎのわ
    SNSサイトmixiの中のコミュニティです(閲覧にはmixiのアカウントが必要です)。ウサギさんの状態がよくアップロードされていて、預かっておられる方の情熱が伝わってきます。
  • LOVE AND PIECE
    非営利NPO団体が主催するサイトです。1ヶ月のトライアル期間を設けるなど、ウサギの飼育が初めての方には心強いサポート体制が整っているようです。
  • うさぎSUMMIT(特定非営利活動法人ディブル)
    近畿地方で、長い間個人で活動されていましたが、2011年からNPOになったとのことです。去勢、避妊をしてから渡すというポリシーでやっておられますので、手術が怖い方は是非ご検討下さい(その分、譲渡時に手術費用一部負担があります)。

募集地域が選べるサイト

  • ペットのおうち」「里親募集WhiteCat
    いずれも、募集地の都道府県がすぐにわかる作りになっているのが便利です。が、誰かウサギに詳しい方が運営していて、飼い主に助言も出来る、という性質のものではないのと、保護中の様子などはこのページでは見られないので、ウサギ初心者さんには少々敷居が高いかもしれません。(熱心な飼い主さんの投稿は読めば大体分かりますから、そういう募集主さんを当たれば良いと思いますが)
  • SeekFamily」(Facebook)
    ウサギと小動物のための飼い主募集サイト(リンク先はブログになっていますが、そこからサイトへのリンクがあります)。募集地域がすぐわかる作りになっています。各保護団体さんのブログへのリンクがあり、詳細はそちらでご覧になれます。保護団体の皆様は、どなたもウサギに詳しい方々ばかりです。

その他

多頭飼いされていた子が主体のサイトを集めました。
勿論、個別に問い合わせれば、ウサギ初めての方におすすめの子もいると思います。

多頭飼いされていた子は、一般にあまり人間にべったりなつかない傾向が見られますが(例外は勿論います)、一方で、今いるウサギのパートナーとしては、むしろ一頭飼いされていた子よりも、うまくペアが作れる可能性が高いです。(ウサギ社会のきまりごとを弁えているので)
こういう子が、もともと人間になついていた子とペアになると、新しい子も人間にフレンドリーな方向に変化する傾向があります。パートナーをお探しの方は、検討されてみてはいかがでしょうか。

ただし、今いるウサギにパートナーをつけるには手順があり、これを守らないと殺し合いの喧嘩に発展することがあります。多頭飼いをご検討の方はこちらのカテゴリもご覧下さい。

  • ランコントレ・ミグノン
    東京の動物愛護団体です。メインは犬と猫ですが、現在ウサギの募集もしています。多頭飼育崩壊家庭から救出したウサギ達が若干います。
  • 静岡ウサギ飼い主様募集
    静岡多頭飼育現場から救出された子たちです。現在、愛護団体様や個人シェルターの皆様が飼い主探しの活動を引き継いでおられます。連絡先はリンクをご覧下さい。

ウサギ専門店で探す

ウサギ専門店さんでは、繁殖を引退したウサギさんの飼い主募集をしていることがあります。
大人のウサギが欲しいけど、長期にわたって色々飼育について相談に乗ってもらいたい、という方にはおすすめです。
※繁殖ウサギさんは、人に慣れているとは限りません。ご自身でお確かめ下さい。里子に出されている大人のウサギは、ペットショップの仔ウサギよりも人間になつきにくい?
いいえ、そんなことはありません!
理由は、こちらの記事に書いてあります。
むしろ、大人のウサギの方が、それぞれの飼い主さんに相性ピッタリの子が探せますよ!
(よかったらこちらのツブヤキもどうぞ)
というわけで、里親募集サイトさんを集めてみました。
うさぎを飼うのが初めての方におすすめのサイト
うさぎを飼うのは初めて! という方は、是非以下のカテゴリーもご覧下さい。
・これからウサギを飼う方へ
ウサギについて十分に知識のある方が運営されていて、引き渡し後暫くは、相談にのってもらえる可能性のある里親募集サイトを集めました。
皆様ボランティアでされていることですので、お問い合わせなどはその点を十分に配慮の上でお願いします。
(飼育書を読んだり、少しWebを検索すれば分かるようなことを質問するのはお止め下さいね!)

  • 兎鳥庵 日記」実験ウサギさん(純血種ダッチ)の里親探しをされています。実験終了後の安楽死の運命から救い出された子や、実験で使われなかった子などで、とても可愛い子たちばかりです。ついに、全てのウサギさんの行き先が決まりました!(夏頃また募集があるかもしれないそうなので、リンクは残しておきます)あまり市場には流通していないダッチについての紹介記事もあります。
  • Mixi内「【兎的里親探し】うさぎのわ」SNSサイトmixiの中のコミュニティです(閲覧にはmixiのアカウントが必要です)。里親募集中のウサギさんの状態がよくアップロードされていて、預かっておられる方の情熱が伝わってきます。
  • LOVE AND PIECE SAVE THE RABBITS事務局」非営利NPO団体が主催する里親募集サイトです。1ヶ月のトライアル期間を設けるなど、ウサギの飼育が初めての方には心強いサポート体制が整っているようです。
  • うさぎは太陽(SUN) 」神奈川県で、動物保護センターから保護期限の切れたウサギさんを引き取り、引き続き里親募集活動を続けておられます。
  • うさぎSUMMIT(特定非営利活動法人ディブル)」近畿地方で、長い間個人で活動されていましたが、2011年からNPOになったとのことです。去勢、避妊をしてから渡すというポリシーでやっておられますので、手術が怖い方は是非ご検討下さい(その分、譲渡時に手術費用一部負担があります)。楽天ポイントによる寄付も受付けておられます。期限切れ間近のポイントがある方は、こちらも是非!

募集地域が選べるサイト

  • 里親募集WhiteCat」検索で上位に上がって来るサイトで、募集地の都道府県がすぐにわかる作りになっているのが便利です。が、誰かウサギに詳しい方が運営していて、飼い主に助言も出来る、という性質のものではないのと、保護中の様子などはこのページでは見られないので、ウサギ初心者さんには少々敷居が高いかもしれません。(熱心な飼い主さんの投稿は読めば大体分かりますから、そういう募集主さんを当たれば良いと思いますが)

その他
一番目のカテゴリに入れるか迷いましたが、どういう方々がウサギの世話をされているか、という点と、ウサギさんたちの保護宅での様子などがWebページからはよく分からなかったので、別項目にしました。

  • 日本うさぎ愛護協会」東京板橋区にシェルターを持つ非営利市民団体のウサギ里親募集ページです。シェルターで実際にウサギさんに会えます(土日のみ、土曜は要予約)。
  • 社団法人 日本動物福祉協会」犬猫の他に、ウサギの里親募集もあるようです。「譲渡の流れ」をみる限り、飼育のアドバイスと譲渡後の相談にも乗っていただけそうです。

ウサギ専門店の里親募集
ウサギ専門店さんでは、繁殖を引退したウサギさんの里親募集をしていることがあります。
このサイトは、なるべく店舗の情報は載せない、というポリシーでやっていますが(そこはお店の方が努力するところですからネ)、ウサギ初心者さんの場合、専門店の方のアドバイスが受けられるというのは大変なメリットですし、大人ウサギさんにも幸せになるチャンスを掴んで欲しい、という願いを込めて、敢えて掲載しました。
私が知っているウサギ屋さんしか掲載していませんが、他のお店でも引退ウサギさんの里親募集をやっていると思います。
いつの日か、大人のウサギさんでもちゃんと値段をつけて売れる日が来る日を願って。
※繁殖ウサギさんは、人に慣れているとは限りません。ご自身でお確かめ下さい。

  • ねことうさぎの専門店バオバブ私が昔世話になったウサギ屋さんです。「ウサギは自分の目でみなきゃ分からない」と、webには最低限の情報しか載せないというポリシーでやっておられますので、検索にはなかなかかかりませんが、アフターサービスは本当に良いです。

※ひとつ、蛇足かもしれませんが。
上記のウサギ屋さんが、「飼料を買ってくれるお客さんも大切」と仰っていました。
勿論ウサギ屋さんですから、ウサギが売れることも大事ですが、牧草やペレットなどをコンスタントに買ってくれるお客さんが居る、ということが、お店をやっていく上で非常に大事だということです。
そういうことを念頭に置いているウサギ専門店さんは、アフターサービスもしっかりしていますし、たとえ無料でひきとった里子ウサギの飼い主でも、色々と親身になって相談に乗ってくれると思います。
逆に言えば、ウサギの生体を売ることにしか興味のない専門店さんからは、あまりアフターサービスは期待できないかも知れません。薄情なのではなく、ウサギが10年生きることを考えれば、その後10年はお客にならない可能性が高いわけですから、たとえそうであってもビジネスとして当然のことだということです。
勿論、ウサギ生体の販売しかしていないところが全てそうだといっているわけではなく、アフターサービスに力をいれているところも沢山あると思いますが……。

ウサギが欲しい? でもちょっと待って、ウサギを買う前に…

かわいいくてふわふわのウサギ。見ているだけで癒されますが、そのうち、うちにこんな子がきてくれて、毎日モフモフできたらな〜、なんて思ったりしますよね(^^)。

ウサギはとても表情豊かな動物ですが、残念ながら、一般の方のウサギのイメージと、ウサギの実際には、結構隔たりがあります。
かわいい、ふわふわ、のつもりで家にお迎えしたのに……いうケースがとても多いのも、ウサギの特徴です。

というわけで、いざ飼い始めたら「こんなはずじゃなかった」というトラブルや、里子に出されてしまうウサギさんを少しでも減らす事ができないか、と、こんなチェックリストを作ってみました。
これからウサギを飼ってみようと思う方、是非一度目を通してみて下さい。
○、×、△で評価しています。理由は、各項目をクリックして下さい。
(一般論なので、勿論例外のウサギさんもいます)

ウサギ理解度チェック!

※文中「ウサギ初心者」という言葉が結構出てきますが、ウサギを飼った事がない人、の意味です。(何見下してるの、とか思わないで下さいね!私もその一人でしたし、まだまだ勉強中の身ですので。)

  1. ウサギは、ウサギ初心者にも比較的簡単に飼える ……… ×
  2. ウサギは小さいし、ワクチンもないので、犬猫よりお金がかからない ……… ×
  3. ウサギは、仔ウサギを買った方がなつく ……… ×
  4. 普通のペットショップで売っている仔ウサギの大半は、虚弱体質の傾向がある ……… ○
  5. ウサギがいると、簡単には旅行に行けなくなる ……… ○
  6. ウサギは、力も弱そうなので子供のペットに適している ……… ×
  7. ウサギは、家の外で飼っても、家の中で飼ってもなつく ……… ×
  8. ウサギは、臭わない ……… △
  9. ウサギは、沢山毛が抜ける ……… ○
  10. ウサギは、人間を噛まない ……… ×
  11. ウサギに、人間を噛まない躾をすることはできる ……… ○
  12. ウサギに、もの(コードや家具など)をかまない躾をすることはできる ……… ×
  13. ウサギに、おしっこをトイレでする躾をすることはできる ……… ○
  14. ウサギに、ふんをトイレでする躾をすることはできる ……… ×
  15. ウサギを、名前を呼べば来るように躾けることができる ……… ×
  16. ウサギの寿命は、約10年 ……… ○
  17. ウサギは、台所の野菜くずで育てられる ……… ×
  18. 仔ウサギには、アルファルファペレット(子ウサギ用ペレット)を与えなくてはならない ……… ×
  19. ウサギは、だっこされることがあまり好きではない ……… ○
  20. ウサギは、落としただけで骨折することがある ……… ○
  21. ウサギは、自分の筋力で骨折することがある ……… ○
  22. ウサギは、24時間何も食べないと死ぬ ……… ○
  23. ウサギを、正しく診療できる獣医さんは少ない ……… ○
  24. ウサギを飼うのに、アレルギーが問題になることがある ……… ○
  25. ウサギは、去勢/避妊されていれば、複数同じケージで飼うことが出来る ……… △
  26. ウサギは、犬猫と違って家の外を歩き回らないので、避妊手術は必要ない ……… ×
  27. ウサギは、飼い主が十分に気を付けてやれば寿命を全うできる ……… △

いかがでしょうか。
思っていた通りでしたか?
それとも、「意外!」と思う事も沢山あったでしょうか?

ウサギ初心者がウサギを入手するのにベストな方法 

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ウサギに避妊手術は必要ない?

これには諸説あるでしょうが……

雌のウサギに関しては、「ノー」といって差し支えないと思います。
理由は、雌のウサギは高齢になると、非常に高い確率で子宮・卵巣系の疾患を煩うからです。
(※最近は雄のウサギも高齢になると精巣疾患を煩うケースが増えてきている模様です。これは、昔より病気がちになった、というより、それより前にうっ滞など別の理由で亡くなっていたウサギ達が、医療の進歩や飼い主の知識の向上により長生きできるようになった結果だと思われます。)

どのくらい高い確率かは諸説ありますが、ウサギオーナーの間で常識となりつつある「5歳で80%」といった数字は、1959年に発表されたGreeneの論文に依っていると思われます(こちらの記事をご参照下さい)。

参考記事で触れた通り、80%という数字は、現在のペレットや医療の進歩を考えると高く見積もりすぎである可能性もありますが、少なく見積もっても、5歳をすぎると2匹に1匹のウサギが子宮疾患を抱える可能性がある、ということになります。
残りの50%にかけて、避妊手術を行わない、という選択肢もありますし、実際に問題が起こったときまでメスは入れない、という選択も出来ます。

しかし、考えておかなければならないのは、もしも疾患が見つかって手術したときには、既に癌が転移していて手遅れ、という可能性もある、ということです。
ウサギはギリギリまで病変を隠しますから、気づいたときには手遅れ、というのはとても多いのです。
また、5歳という年齢は、人間でいえば既に40歳後半、手術に耐える体力も、手術後の回復力も、通常避妊手術をする1歳前後よりはるかに劣る、ということも考慮しなければなりません。(うさぎの年齢と人間の年齢の換算表はこちらを参照させていただきました)

5歳で疾患が見つかればまだ良いですが、これが8歳や9歳となると、もはや手術すら出来ない可能性もあります。
更に、腫瘍がもし癌ならば、たとえ手術に成功しても、まだ再発・転移の可能性があります。
癌の再発に怯えるのは、人間だけではありません。
また、癌ならば、ウサギも痛い思いをしたり、苦しむことになります。
人間ならば、何故痛い治療に耐えなければならないのかも理解しますが、ウサギにとって、痛い辛い治療は、ただ苦しいだけです。

一方、ウサギの去勢/避妊手術による死亡率は、十分にウサギの手術の経験のある獣医の手にかかれば、0.5%程度です。
しかし、これも、年齢によって差があることは十分に考えられます。
若い方が成功率が高く、年をとると下がる、という仮定は決して不自然ではありません。

……そうは言っても。
去勢/避妊手術で、大事な子を失う苦しみは、正直、本当に地獄です……。
我々も、大切な子を、4歳時の去勢手術で亡くしました。
(その時我々がどれほど苦しんだかは、ペットロスの項目にまとめられています)
しかし、これも、エンセファリトゾーンにやられ、年老いて、体力がなくなってから初めて重い腰を上げたために起こったのだ、と今は理解しています。
もっと若い元気なうちに手術して、大好きなえせると一緒にしてあげられたら、結果は違っていたかも知れません。
……もっとも、若くて健康なら絶対に大丈夫、とは言えないのが、この問題の辛いところなのですが……。

確率なんて問題ではない。
自分の大切な子がもし死んでしまったら、どうしたらいいのか。
どうしても手術が怖い。
気持ちは痛いほどよくわかります。
だからこそ、この問題は簡単ではないのだと思います。
沢山勉強し、ウサギの手術に慣れた獣医さんを探し出して十分に相談し、最後は自分の信念で決めるしかありません。

しかし、その問題を一気に解決する方法がひとつだけあります。
それは、既に去勢/避妊された子を、里親募集の中から選んで迎えることです。
ウサギ初心者なら尚更、去勢/避妊されて穏やかになり、人間にフレンドリーな大人のウサギの方がきっとうまく行きます。
是非検討してみて下さい。

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ウサギは、複数同じケージで飼うことが出来る?

実はこのエントリー、最初は○印をつけていたのですが、どうもウサギ理解度チェックリストだけをご覧になって説明リンクをクリックせずに帰ってしまう方も多いようですので、△印に変更しました。

結論をいうと、以下の条件が満たされれば「イエス」です。

  • 性別に関わらず、グループの全てのウサギが去勢/避妊されていること
  • 正しい手順を踏んでお見合いをさせること

ちなみに、繁殖させる場合は、雄と雌が一緒にいられるのはほんの数分ですから、同じケージで飼うことは出来ません。
なお、雄同士のペアは大変相性が難しく、殆どは成功しません。
一番相性が良いのは、雄と雌のペアです。
グループが大きくなる(最低4匹以上)と、雄が複数匹いても大丈夫なこともあります。

このようなケースを多頭飼いと言います。
日本では多頭飼いの導入方法が全く普及していませんので、飼い主が勝手にペアになる子を買って来て、いざウサギを同じ部屋に放してみたら大喧嘩、ということがままあります。
人間と同じく、ウサギのお見合いにも手順と相性が必要です。

こちらのカテゴリに、多頭飼いの方法についてまとめてありますのでご参照下さい。
ただし、ウサギ初心者には、最初から複数匹のウサギを飼うのは多少荷が重いかもしれません。少しウサギに慣れてから、パートナーを検討することをお勧めします。

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ウサギを飼うのに、アレルギーが問題になることがある?

答えは「イエス」です。
ウサギ本体に対するアレルギーもありますが、ウサギに不可欠な牧草に対しアレルギーを起こす場合もあります。
アレルギーである以上、いつ発症するかは分かりません。

しかし、アレルギー性の疾患を発症しないよう、あるいは、いざアレルギーになってしまった時のために、準備しておくことはできます。

[ウサギを迎える前に出来る対策]

・ウサギを迎える前に、最低でも自分でウサギさんと、そのウサギが飼われていた環境を見ておく。
最初からアレルギーを持っているなら、この段階である程度はわかるでしょう。
また、最近は兎アレルギー、牧草アレルギーともに、パッチテストで調べられるそうですから、本来ならこういった検査を先にしておくべきと思います。

・離れた家に住んでいる家族や親戚、友人などの理解を得ておく。
症状が和らぐまで、ほんの少しの間でも預かって世話をしてくれる人がいるかいないかで、いざ問題が起きた時の選択の幅が大きく変わります。
とくにウサギの場合、緊急性が高いトラブルが起こる事も少なくないので、かならず協力者を見つけておいて下さい。

[ウサギを迎えた後に出来る対策]

・掃除をまめにする。
アレルギーは、アレルゲンの摂取量が臨界値を超えたときに、症状として現れます。
逆に言えば、アレルゲンの摂取量が少ないほど、発症の危険が低くなる、ということです。
また、ペット由来のアレルギーは、殆どの場合、アレルゲン単体ではなく、ハウスダストなどの複合的な要因によって発症に至ります。
従って、最初から、これらの混合物を大量に吸い込まないよう、とくにウサギの毛とホコリなどのゴミをまめに掃除機で吸い取る、ということを心がけましょう。
掃除のときや、牧草を扱うとき、あるいはウサギの毛をブラッシングする時などに、防塵マスクをしてなるべくアレルゲンを吸い込まない、などの対策も出来ます。

・規則正しい生活を心がける
生活が不規則だったり、食生活が乱れていたり、運動不足だったりすると、自律神経系がうまく働かず、アレルギーなども発症しやすくなります。
ウサギはもともと、非常に規則正しい生活を好む生き物です。
ウサギと一緒に、規則正しい健康な生活を心がければ、ウサギの体調も人間の体調も安定して一石二鳥です。

[もしも発症してしまったら]

・絶対に、ウサギを棄てないで!
切羽詰まって、協力者もなく一人で行き詰まってしまうと、今は捨てるなんて事は全く考えていなくても、ついそんな気になってしまうかも知れません。
しかし、カイウサギのもとになっているアナウサギは、本来日本では生息していない種類です。
ペレットもなく、水もなく、草だけで生きられるほどの草地もなく、隠れる場所もない。
おまけに、犬、猫、からすなど、ウサギを傷つける動物は山ほどいます。

カイウサギは、人間の手を離れてしまったら、生きて行けません。散々追い回されて怖い思いをし、傷付き、弱って死んで行きます。

何があっても、絶対にウサギを棄てないで下さい。
それが守れない方は、どんな理由があっても、ウサギを飼うべきではありません。

・ひどくなる前に、専門家に相談しましょう。
一度ひどくしてしまうと、その後の選択肢の幅が狭くなってしまいます。
「おかしいな」と思ったら、早めに対策を打ちましょう。

・情報を集めましょう!
すぐに里親募集に出すのは、ちょっと待って下さい。
お友達やご家族の協力も得ながら、なんとかアレルギーを抑えながらウサギと暮らす方法がないか、是非検討して下さい。
ウサギのアレルギーに関して、大変参考になるページがありますので紹介します。
うさぎアレルギー対策情報

・外飼いは、ちょっと待って!
アレルギーになれば、医者は「ウサギを手放すか、外飼いにしなさい」と言うかも知れません。
しかし、一度室内飼いで可愛がられたウサギを外飼いにするのは、とても残酷なことです。
ウサギだって、人間に可愛がられていたことを覚えているのです。
そして、自分が見捨てられた、ということも理解します。
もとからあまり人間が好きではなかった子なら、もしかしたら去勢/避妊してお友達のウサギをつけてあげれば、外飼いでも楽しく暮らすかも知れません。
(ただし外飼いで、逃げ出したり猫や犬などに襲われたりしないようにするにはかなりの設備投資が必要です)
しかし、人間と仲の良かった子なら、人間の方がなんとか対処して最後まで可愛がってあげるか、それも駄目ならきちんと可愛がってくれる人に里子に出した方が、ウサギにとっては幸せだと思います。

[最後に]

最後に、一言……。

新しい命を迎える、というのは、自分一人では荷が重すぎることです。

このことは、どんな命でも、変わりません。
ウサギでも、犬でも、猫でも、ハムスターでも……
人間の子供が一人増えるのと同じように、自分一人でなんとかできる事ではないのです。
「たかがペットのことで、誰かに協力を頼むなんて、甘えているんじゃないか」
「自分が好きで飼っているのに、誰かに協力なんて頼めない」
そんな風に、遠慮してしまって、自分一人でなんとかしなければ、と思っている人は結構多いのではないでしょうか。

白状すると、私も最初はそう思っていました。
しかし、ウサギという生き物の大変さを知るにつけ、それが大きな思い上がりであることがはっきり分かりました。
命というのは、待ったがきかないし、人間の都合なんておかまいなしなのです。
だからこそ、自分一人ではどうにもならない事が、必ずいつか起こります。

では、どうしたら良いのか?
いざという時に、助けを求められる仲間との繋がりを大切にしましょう!
ウサギ友達が出来れば、お互いに助け合えるかもしれません。
ウサギをきっかけに、家族や友人達と、新しい絆を築く事ができるかもしれません。
折角ウサギを迎えるなら、自分とウサギだけの関係に閉じこもってしまうのではなく、ウサギの可愛さや、ウサギがどんな生き物であるかを積極的に周囲にアピールして、社会との絆を強くする方向に持って行ければ良いと思います。

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ウサギを、正しく診療できる獣医さんは少ない?

これは、「イエス」です。
普通、町の「獣医さん」は犬や猫の診療は出来ますが、それ以外の動物についてはほとんど経験がありません。
ペット、と一口にいっても、それこそ魚類からサルまであまりにも広範囲ですから、全てを網羅することは出来なくても、ある意味当然と言えます。

このため、ウサギを飼うなら、ウサギを家に連れてくる前に、ウサギを診療できる獣医さんを探しておく必要があります。
というのは、最悪の場合、家に来た翌日に病院に連れていかなければならない可能性も、ウサギの場合十分に有り得るからです。

ここ数年、都市部ではウサギがペットとしてかなり普及しつつあり、それに伴ってウサギを診療出来る獣医さんも増えています。
また、ウサギを飼っている友人がいれば、その友人にかかりつけの獣医を教えてもらうのも良いでしょう。
どうやって信頼出来る獣医さんを探すかについては、こちらの記事もご参照下さい。

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ウサギは、24時間何も食べないと死ぬ?

現在ペレットや野菜などが食べられないウサギが居る場合は、こちらの記事をご覧下さい。

これは、「イエス」です。
正確には、腸の動きが止まって24時間経つと、非常に危険な状態に陥る、ということです。
(したがって、健康なウサギで、24時間ご飯がもらえなくても、自分のふんを食べてお腹を動かしていた場合は死にはしないと思います。小学校などで休日ご飯がもらえなくてもサバイバルしているウサギはそういう状態でしょう。しかし、これはウサギに心身共に大変な負担をかけることです。生きているから大丈夫、で済ませられる問題ではなく、常習的にやればれっきとした虐待です。)

これには、ウサギの消化システムが関与しています。
生き延びるため、他の動物たちが見向きもしない、もっとも繊維が多く栄養の少ない草を主食に選んだウサギは、これを消化するために、盲腸の機能を最大限に使っています。
人間の盲腸は退化して小腸の端にぶら下がっているだけですが、ウサギの盲腸はお腹の右半分を殆ど埋め尽くしています。
この盲腸の中では、細菌が固いセルロースなどを分解しています。
つまりウサギは、自分の消化酵素だけでは栄養の貧弱な草から十分な栄養を摂取できないので、細菌の力を借りて消化を行っているのです。

さて、お腹が動いている間は、盲腸内でも正常な発酵が進んで、何も問題はないのですが……。
腸の動きが止まると、盲腸の中の栄養物の動きも止まります。
ウサギの温かな体温の中で、栄養の高いものを放置したらどうなるか──当然、有害な菌が増殖します。これが、ウサギが発酵のために使っていた善玉の細菌を打ち負かし、有毒ガスを生成します。
この有毒ガスのために、ウサギは死に至ります。
(さらに、このガスがたまった状態は、ウサギにとって大変な腹痛を伴うものだそうです)

胃腸うっ滞については、以下に大変詳しい記事があります。
ウサギを飼うなら是非一読をおすすめします。
Dr. Dana Krempels / Translated by: Dr. Ayako Imai
胃腸内容うっ滞 物言わぬ殺し屋

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ウサギは、自分の筋力で骨折することがある?

これも、「イエス」です。
脆い骨にオーバースペックな脚力のおかげで、ウサギは暴れると自分の筋力だけで骨折することがあります。
特に、背骨の部分は簡単に潰れてしまいます。
具体的には、強いキック力で背骨が反り返った反動で、背骨を繋いでいる部分がやられる、といった感じです。

人間と同じく、背骨を損傷すると、手足が動かなくなったりします。
これを防ぐには、ウサギが暴れそうになったら、とにかく背中を丸く丸めさせることです。
背中を丸めると、ウサギは後ろ足に力を込めることができず、暴れられなくなります。
薬の投薬など、ウサギが嫌がるようなこと、パニックになりそうなことをやらなければならないときは、とにかく背中を反らせさせない、ということを肝に命じて下さい。

「下半身不随のうさぎちゃんと暮らす」というサイトを運営されているごえもん様のサイトに、背骨の損傷に付随する危険について書かれています。
是非こちらの記事もご参照下さい。

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ウサギは、落としただけで骨折することがある?

これは、「イエス」です。
ウサギの体は、なるべく体を軽くし、筋力を強くして、速く飛ぶように逃げるのに適した体に作られています。
そのため、骨はとても脆いのです。

そもそも、ウサギは地面で暮らす生き物ですから、猫のように高いところから飛び降りる衝撃に耐えられるような体の構造をしていません。
だっこした時に暴れて取り落としたりすると、その衝撃で骨折することがあります。

これも、ウサギが力の弱い(従って暴れるウサギを押さえつけられない)子供のペットに向かない理由のひとつです。

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ウサギは、だっこされることがあまり好きではない?

これは、基本的には「イエス」です。
まれに、飼い主さんの努力で、「だっこされると美味しいものがもらえる!」と楽しみにしている子はいますが、「だっこ」という行為そのものが好きな子は滅多にいないと思います。

「えーっ、そんなぁ、ウサギをだっこしたいから飼うのに!」
という人は、あまりしつこくだっこするとウサギに嫌われる可能性がある、と思って下さい。
むしろ、ウサギがだっこが嫌で逃げ回るので、折角のウサギを抱かせてももらえない、という飼い主さんは沢山います。

ペットショップでだっこできたからといって、家でもだっこさせてくれるとは限りません。
(ショップでは怖くて動けなかっただけ、という可能性が高い)
だっこの方法については、こちらの記事もご参照下さい。

なお、ウェブでよく見る「仰向けだっこ」はかなり難易度が高いです。
訓練すればどんなウサギさんでも出来る、というものではないので(無理にやるともがいて背骨を骨折することもあり危険)、最初からこれを目的にウサギを飼うのは止めた方が良いです。

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ウサギは、台所の野菜くずで育てられるか

これは、「ノー」です。

野菜だけでは繊維が足りませんし、野菜だけでウサギに必要な栄養を補おうと思ったら大変な量になります(人間が1日に食べる葉野菜より沢山必要)ので、少なくとも「ご飯の残りの野菜くず」だけではウサギが飢え死にします。

ウサギはネズミなどと同じく、一生歯が伸び続けますので、始終繊維質を噛んで歯をすり減らさなくてはなりません。
人間用に品種改良された野菜だけでは、この繊維が足らず、じきに歯が伸びすぎて頬や舌に刺さり、ご飯が食べられなくなります。
また、適度な繊維質がないと、腸の動きも悪くなり、胃腸うっ滞を起こします。
ウサギを育てるなら、野菜の他に、十分な量の牧草(馬用のチモシーなど)と、脂肪やタンパク質、カルシウムを低く抑え、繊維質をたっぷり含むウサギ用ペレットが必要です。

ウサギ用ペレットにも、ウサギ用と銘打っておきながらウサギにあまりよくないものも結構ありますので、注意が必要です。
参考までに、ペレットを選ぶ際は以下の点に注意して下さい。

  • ペレット以外の混ぜ物が入っているものは選ばない(袋に何が書いてあっても、大抵のものはウサギの健康によくありませんし、ペレットと一緒にやる理由ありません。ものによっては、腸につまる可能性があるなど危険なものもあります)
  • チモシーベースのものを選ぶ。アルファルファベースは仔ウサギには与えてもいいですが、大人ウサギには向きません。また、こちらで述べる理由により、子ウサギであってもチモシーベースで慣らした方が無難です。
  • 祖タンパク質は14%未満、カルシウムは0.9%未満、脂肪は2%未満、繊維は18%以上のものを選ぶ。成分表が書かれていないペレットは、チモシーベースでも大豆やコーンミールなどが大量に含まれていてこれらの条件を満たしていないことがあるので、避ける

なお、大人ウサギ、子ウサギのいずれも、家にお迎えしてから最低2週間は、それまで与えられていたペレットと同じものを入手して与えて下さい。
その後、まず古いペレット80%、新しいペレット20%の割合で混合し、新しいペレットに慣らします。数日ずつ同じ割合で様子をみながら、徐々にこの比率を逆転させていきます。
間違ってもいきなり新しいペレットしか与えない、という危険なことはやらないで下さい。
ウサギによっては、いきなり新しいペレットも食べるかもしれませんが、場合によってはウサギの盲腸内部の細菌バランスが崩れ、ウサギが危険な状態に陥る恐れもあります。

ペレットの量について。
8ヶ月未満の仔ウサギなら体重の5%程度(牧草をきちんと食べる子なら量を増やしても良い)、大人ウサギなら体重の3%未満が1日分です。この量を朝と夜、1日2回に分けて与えます。1日2回に分ける理由は、ウサギが万が一体調を崩し、ペレットを食べられなくなっても、最悪でも12時間以内にその不調に気付くことが出来るからです。

子ウサギには無制限にペレットをやっても良い、と書いてある飼育書もあります。栄養面ではそうなのですが、常にペレットがお皿に入っている状態だと、いつ食べているのか分からず、体調不良に気付きにくくなります。少なくとも一日中ペレットがお皿に入っている状態はよくありません。何時間たってもなくならないペレットは、一度ケージから出して下さい。たとえお腹がすいても、牧草を食べますから大丈夫です。
大人ウサギで牧草をあまり食べてくれないようなら、少しペレットを減らしても大丈夫です。

また、牧草と水は、いつも無制限に食べたり飲んだり出来るようにしておきます。
「水をやると下痢する」という話を聞いた事があるかもしれませんが、たとえ仔ウサギでも、水を飲んで下痢はしません。むしろ、冷えなどの方が危険です。
野菜は、生後3ヶ月くらいまでの仔ウサギには与えない方が無難です。
(母ウサギに2ヶ月間育てられている子ウサギは、そこまで神経質にならなくても良い場合もあります)
とくに、根菜類は危険です。
お腹の弱い子の場合、水分が多すぎて、高い確率で下痢をおこします。
どうしても野菜をやるなら、葉っぱのもの(ネギ類以外)を、一日にウサギの耳の大きさくらいまでならやっても大丈夫でしょう。
大人のウサギなら、葉っぱのもの(ネギ類以外)を中心に、刻んだ量にして体重1kgあたり1カップ、というのが相場のようです。
ただし、この量やると、牧草を食べてくれない子も結構います……。
あくまで、牧草を食べてくれる範囲で、野菜やペレットは加減すべきと思います。

2014/1/31追記:
所謂ペットショップでも、明らかに生後1ヶ月ちょっと、というウサギを見ることは少なくなってきましたので、多少記述を変えました。
しかし、母ウサギに何ヶ月育ててもらったかは外見だけでは分かりません。店員も知らない事が殆どだと思いますので、そういうケースはお腹が弱い子である、と仮定して細心の注意を払う必要があります。

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ウサギの寿命は、約10年?

これは、「イエス」です。

最近はペレットがよくなったお陰で、10歳を超えるウサギさんも結構います。
それだけの長い時間、きちんとウサギの世話ができるか、よく最初に考えておいて下さい。
人間と同じで、年をとるごとに、医療も必要になります。
こちらの記事もご覧下さい。

ちなみに、ギネスのウサギの最高齢記録は2004年時点で18歳だったそうです。
(出典はこちら
この記録、更新されているんでしょうか。
いずれにしても、すごいです。

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