ウサギを、名前を呼べば来るように躾けることができるか?

これは、迷いましたが、「ノー」にしました……。
実は、名前を呼べば来る子はいます。
しかし、名前を呼んだから来た、というよりは、「あのトーンの声が聞こえたら何かがもらえる」という感じの方がはるかに強いのです。
つまり「あ、ペレットの音だ!」と駆け寄って来るのと、たいして変わらない、ということです。
一方、「この子は本当に名前がわかってるんじゃないかな」と思える子もたまに居ます。
ただ、躾でそう出来る、というよりは、やはりウサギさんの個性の方が大きいでしょう。
というわけで、犬のように「○○ちゃん!」と呼んだら喜んで駆け寄って来る、という夢は、実現したらもうけもの、くらいに思っていた方が良いと思います。
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ウサギに、ふんをトイレでする躾をすることはできるか

これは、残念ながら、「ノー」です。

まれに、ふんもトイレでやってくれる子もいますが、できない子の方が殆どです。
ふんがコンスタントに出ている、というのは、ウサギの腸が順調に動いているということですから、むしろ「体調がいいのね」と喜んであげて下さい。

しつけようとして怒られ、それが嫌でふんを我慢するようになると、むしろそちらの方が危険です。

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ウサギに、おしっこをトイレでする躾をすることはできるか

これは、「イエス」です。
というより、ウサギはもともと、おしっこは数カ所にかためてする習性があるのです。

ですので、正確には、「躾ける」というより、「ウサギの決めた場所にトイレを置く」ということになります。
「絶対にここでして!」と人間がおしつける形でのしつけは不可能です。
また、トイレの躾が出来ている子でも、たまに粗相をすることはあります。この粗相は、いくら躾けても治りません(このことから、逆に、実は「躾けて」いるわけではない、ということが浮き彫りになるのですが)。
100%絶対にトイレ以外ではしない、という子もいますが、数は少ないでしょう。

しかし、たまに粗相するとはいえ、ケージの中では殆どトイレでやってくれる、というのは、飼い主の世話の負担がまったく違います。
是非、躾にトライしてみて下さい。
ただし、トイレの躾にもノウハウがあります。
飼育書にも色々書いてありますが、私の経験からすると、以下のHRS方式が圧倒的に優れていると思います。
詳細はこちらの記事をご覧下さい。

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ウサギに、もの(コードや家具など)をかまない躾をすることはできるか?

これは、残念ながら、「ノー」です。

人間を噛まない躾は出来るのに、ものを噛まない躾はできないのか、と思うかもしれません。が、これらは全く別のことです。
ウサギにとって、人間は「大きいウサギ」です。
「大きいウサギに噛み付いたら、怒られた」から噛まないだけなのです。
噛み付いても、(それ自体が)怒るわけでもないコードや家具に遠慮するはずがありません。
また、「大きいウサギ」が「噛むな!」といっても、「ふーん?」で噛んでしまうのが、ウサギという生き物です。
美味しいオヤツで条件付けをしようとしても、その関連は学びません。

そのあたり、ご主人様に怒られることはしない、と学ぶ犬とは決定的に異なります。
ウサギがものを齧るのは猫の爪研ぎと同じく種族の習性ですから、齧られてもよいように、あらかじめ家や家具を保護しておいて下さい。

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ウサギに、人間を噛まない躾をすることはできるか?

これは、殆どの場合「イエス」です。

ウサギが噛むのには理由があります。
正しい手順をふんで、根気よくしつければ、大抵のウサギは見境なく思い切り噛むのはやめてくれます。
(ただし、「チクっ」と遠慮して噛む程度の噛み癖は治らないこともあります)
詳細は、こちらの記事をご覧下さい。

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ウサギは、人間を噛まないか?

これは、「噛む」の程度にもよりますが、「ノー」です。

ウサギ同士の間で、「歯を使う」というのは、重要な意思伝達の手段です。
どういうときに使うかというと、たとえばテリトリーを守るとき、ウサギ同士で順位を決めるとき、不満の意思を表すときなどです。
相手が人間だからという理由で、「噛む」という動作を遠慮する、という思考回路は、ウサギにはありません。
(大きくて強そうだから噛むのをやめる、というのはあるかもしれませんが。)
ですので、ウサギを飼う以上、場合によっては噛まれることもあるかもしれない、と覚悟すべきです。

どのくらいの強さで噛むか、流血するほど噛むのか、それともチクッという程度で済ませてくれるのかは、ウサギの個性や飼育環境などによります。
勿論、噛まない、という子もいますが、噛む子も少なくはない、と思っておいた方が無難です。
また、これが、子供のペットにウサギが向かない理由のひとつでもあります。

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ウサギは、家の外で飼っても、家の中で飼ってもなつくか

答えは「ノー」です。
家の中で飼うウサギ(ハウスラビット)と、外のケージ飼いのウサギは、同じ動物とは思えないほど表情が違います。

外飼いでは、人間とのコミュニケーションが少なすぎて、知恵も育ちません。
可愛い仕草や、愛くるしい表情を見せてもらうためには、是非家の中で飼ってあげて下さい。

ウサギ保護団体としては世界一の規模を誇る「House Rabbit Society(ハウスラビットソサエティ)」の「House Rabbit」とは、まさしく「家の中で飼うウサギ」を意味します。
House RabbitとHouse Rabbit Societyについて興味のある方は、こちらのカテゴリをご覧下さい。

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ウサギは、子供のペットに適しているか?

「幼稚園や小学校にもウサギはいるし……」と思うかもしれませんが……。
答えは、「ノー」です。

幼稚園や小学校のウサギのように、ただ餌をやって、たまに見に来て、という付き合い方なら良いかもしれません(※注参考)。
しかし、家の中で飼って、犬や猫と同じような感覚でウサギと遊ぼう、ということになると、ウサギと子供の相性は決してよくありません。
(無論例外はありますが、それは殆どの場合、子供ではなく親がウサギを飼っていて、子供に正しいウサギとの付き合い方を教えているケースです。)

それに、ウサギは決して力が弱くはありません。
強力な後ろ足は、その筋力のせいで自分の背骨を骨折してしまうくらいのパワーがあります。
詳細は、こちらの記事をご覧下さい。

(※注)
私自身は、幼稚園や小学校でのウサギ飼育は大変難しいと考えています。
理由は、10年生きるウサギ達の継続的な世話(医療を含め)をするのに、現在の学校のシステムはあまりにも問題が多すぎると感じるからです。
無論、きちんと育てて子供達の情操教育に役立っているケースもありますが、熱心な先生などの無償の努力によって支えられており、ウサギ達の生活はそういった先生が居るかいないかに左右されてしまうケースが殆どです。
学校というシステムの中で、生き物を飼うということがきちんと予算のついた形で制度化され、休日や夜間緊急時にも対応出来る人がいる、という状況にならない限り、私は本来学校で生き物を飼うべきではないと思っています。

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普通のペットショップで売っているウサギは虚弱体質の傾向があるか?

これは、かなり高い確率で、「イエス」です。

2014/2/20追記:この10年で、状況は多少改善されているかも知れません。特に最近は、ミニウサギでもネザーやライオンと掛け合わせた、小さめのウサギを扱っているケースが多いため、一ヶ月よりもう少し育ってからお店に出していることもあるようです。

一般のペットショップに並んでいる可愛い仔ウサギ(大抵の場合ミニウサギ)は、大体生後4週間目くらいです。
もし誕生日をきいて「分からない」と言われたら、まずそんなものだと思います。

参考までに、生後27日目の仔ウサギはこんな感じです。

(このビデオの仔ウサギ達は、うちのえせるが生んだ子ですので、ミニウサギとドワーフのミックスです。背後でくだらない会話していますので音声OFFにしてお楽しみ下さい……)

もしショップにこのくらいの大きさの子が並んでいたら、その子達が仕入れられたのはその一週間前、さらに、ブリーダーが問屋に引き渡すのはそのまた一週間前、ということになります。
すると、仔ウサギ達が母ウサギと一緒にいられるのは、生後たったの2週間余りということになります。
実は、仔ウサギは、生後二週間少しで、大人のペレットも少しずつ食べられるようになります。
そこで、ショップでなるべく可愛い子供のうちに店頭に並べるために、この2週間というギリギリのラインで親から離してしまうのです。

しかし、ウサギは本来、生後8週間までは母乳も飲みます。
また、それ以上に大切なのは、母乳以外のものを口に出来るようになる2週間目から、母親の盲腸糞を食べて、腸内に必要な細菌を受け継ぐことです。
2週間で母親から離されてしまうと、この細菌を十分に受け継ぐことができず、その結果腸がとても弱い子になります。

現実に、こうして早くに親元から離されたウサギの3割〜5割近い数が、実はショップで店頭に並ぶ前に死んでいるのをご存知でしょうか?
生き残った子は、そういった子達よりは強いかもしれませんが、いつ死んでもおかしくない子がたまたま1ヶ月を生き延びただけかもしれないのです。
そして、なんとか大人になるまで生き延びても、基本的に腸が弱いことに変わりはないので、胃腸うっ滞などのトラブルを起こしやすくなります。
(勿論例外はあります……たまたま、成長が早くて、早くから盲腸糞を食べられた子は、大丈夫かもしれません。)

このことを知っている自家繁殖のウサギ専門店は、仔ウサギを最低でも1ヶ月は母親ウサギに育てさせます。
本来なら、2ヶ月はしっかり母親に育てさせるべきなのです。
最近は、ウサギ専門店なら、きちんと2ヶ月母ウサギに育てさせたウサギを扱っているかもしれません(5年前はほとんど皆無でしたが……)。
どうしても仔ウサギが欲しいなら、こういった店で選ぶことをお勧めします。
こちらの記事もご参照下さい。

このエントリーは、ウサギを飼うのが初めての方を対象に書いていますので、色々難しい点を挙げました。
しかし、出会いは一期一会、どうしてもお迎えしたい、ということはあると思います。その際は、こちらの記事も参考にしながら、とにかく下痢させないようにして下さい。

ペットショップで、すでに結構大きくなっている子であれば、少なくとも腫れ物に触るような扱いはしなくても大丈夫だと思います。

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ウサギは、仔ウサギを買った方がなつくか?

これは難しい質問ですが、どちらかといえば、「ノー」です。

この問題を考えるには、「なつく」と「慣れる」は別物だ、ということを考えておく必要があります。
仔ウサギの頃から人間に触れさせ、人間が怖いものではない、と教え込む、つまり人間に「慣れさせる」ことは可能です。
しかし、自分から積極的に人間に寄って来て、可愛い仕草をみせてくれる、つまり「なついている」状態になるかどうかは、人間の教育の成果より、ウサギさんの個性によるところの方がずっと大きいのです。

実は、仔ウサギの頃は、ウサギは比較的皆人間にフレンドリーです。
それは、まだ何が怖くて、何が怖くないか、あまり分かっていないからです。
ところが、4〜6ヶ月を過ぎたあたりから、思春期にさしかかり、思考もウサギらしくなってきます。
そしてこの時期を過ぎた途端に、別に人間を怖がっているわけでもないのに、以前ほど人間のそばに寄ってこなくなった、という子は結構多いのです。

思春期を過ぎても、自分から人間に寄って来て挨拶をしてくれるような子は、性格が人間にフレンドリーですから、可愛がってやればどんどんなついていきます。
しかし、もともとあまり人間にフレンドリーでない性格の子は、一生懸命可愛がってやっても、ご飯のときだけ寄って来て、なかなか「なついて」くれません。特にウサギ初心者は、気のないウサギを振り向かせようとオヤツなどをやりすぎて、健康を害してしまうこともあります。

つまり、仔ウサギを買うのは、ある意味博打だということです。
そのほか、仔ウサギには難しい面も沢山あります。
こちらの記事もご参照下さい。

また、HRSのHouse Rabbit Handbookには、ウサギの脳が人間との複雑なコミュニケーションを学べるようになるのは、生後1年以降だと記されていることも紹介しておきます。
実際、大人になってからも、ウサギは1年、2年と共に過ごすうちに、どんどん新しい面を見せてくれます。
ウサギはもともと警戒心が強いので、そう簡単には飼い主に全てを見せてくれないのです。
(もちろん、そうでない子もたまに居ますが)
いわゆる「人間があまり好きではない」子ですら、5年飼ったらなついた、という例もあります。
飼い始めて、数ヶ月で人間に全面の信頼を預けてくれる犬のようなわけにはいかないかもしれませんが、毎年、ウサギと少しずつ仲良くなっていき、常に新しい発見がある、というのも、ウサギの魅力のひとつではないでしょうか。

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ウサギは、犬猫よりお金がかからないか?

答えは、「ノー」です。

確かにワクチンなどはいりませんが、ウサギは一度体調をくずすと様子見をせずにすぐに病院に連れ込まなければなりませんので、医療費がばかにならないのです。

また、ウサギは暑さにも湿度にも弱く、すぐに食欲が減退して胃腸うっ滞につながりかねないため、夏は人間がいない間もクーラーつけっぱなし、という事態が頻発します。
電気代の請求を見てビックリ、ということもあります。
そのほか、家を齧らせないプロテクションも必要です。

したがって、犬猫と同程度、下手をするとそれ以上に、お金がかかります。
詳細は、こちらの記事をご覧下さい。

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ウサギは沢山毛が抜ける?

これは「イエス」です。
普段もそれなりに抜けますが、年に数度、換毛(かんもう)と呼ばれる派手な毛代わりがあります。

換毛の時期として一番多いのは春と秋ですが、エアコンなどの影響でへんな時期に換毛する子もいます。
昨日までなんともなかったのに、いきなり今日ごっそり抜けた、という感じで始まることもあります。
しかも、沢山の毛を捨てて新しく生やすために、換毛期のウサギは体力が落ちていることがあります。
特に、年をとったウサギはその傾向が顕著です。

換毛期に一番気をつけなければならないことは、ウサギが毛繕いしながらその抜けた毛を大量に飲み込んでしまうことです。
ウサギは猫と異なり、毛玉を吐くことができません。このため、なめて飲んでしまった毛は、胃袋にたまります。
普段は、これらの毛は、牧草を沢山食べることによって、牧草にからまってふんと共に排出されます。
しかし、換毛期はそれでは排出がおいつかず、胃袋が毛でいっぱいになって固まり、胃腸うっ滞を起こすことが多いのです。
このため、換毛期はとくにまめにブラッシングしてやる事が必要になります。
(ブラッシングしなくても大丈夫な子もいますが、駄目な子も結構多いです)

もし、うずくまって、ペレットも野菜も食べなくなったら、とにかくすぐにウサギに詳しい獣医につれていって下さい。
12時間以内に気づけば、おそらく補液と腸を動かす薬で回復すると思いますが、それ以上遅れるごとに、どんどん治癒が難しくなります。
決して素人判断で薬などを与えないように! 一部の薬(ラキサトーン等)は、胃の内容物が脱水している状態で与えても効果がありません。(かえって害になるケースもあるようです)

毛がつまっているなら、緊急手術で毛玉を出せば……と思うかもしれませんが、ウサギの消化器官は大変デリケートで、切開手術をした後にもとの機能を取り戻さないことも多いのです。
それ以前に、ウサギが弱っていたら、手術のための麻酔でそのまま旅立ってしまうかもしれません。
ウサギは、麻酔にもかなり弱い生き物です。
切開手術をしなければならないような状態まで放置しないことが、とても重要です。

また、換毛期のウサギはとてもおなかを空かせています。
体重が増えない範囲で、普段よりペレットや野菜を多めにあげると、急激な体力の減少を防ぐことが出来るかもしれません。
とくに野菜は、水分が多いので、胃の内容物の脱水を防ぐためにもおすすめです。

普段からペレットの量を絞っている子は、換毛がうまく出来ないことがあり、この時期にペレットを多めにあげたら急に換毛が進み出した、というケースもあります。
ウサギの様子を見ながら、加減して下さい。

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ウサギは臭わない?

これは、健康なウサギなら「イエス」です。
逆に、健康でないウサギは、匂いがすることがあります。

ウサギは、捕食される生き物ですから、自分の体に匂いがあったらすぐに見つかってしまいます。
このため、健康なウサギ本体はまったく匂いがしません。
ただし、おしっこは(ネズミほどではないものの)それなりに臭いますし、放置すればアンモニア臭が強くなります。
ふんはおしっこほどではありませんが、やはり少しは臭います。

従って、トイレはいつも綺麗にしてあげて下さい。
ウサギによっては、汚いトイレでは用を足さない子もいます。そういう子は、掃除したとたんにトイレに飛び込んで、盛大におしっこしたりします。

一方、ウサギの体から何か臭ったら、健康を疑うべきです。
一度ウサギに詳しい獣医さんに診てもらう事を強くお勧めします。
ただし、ひどい飼育状態(ケージが狭過ぎて十分に毛繕いができない、野放しにされていた、栄養状態が悪いなど)のブリーダーや飼主から保護された子などは、健康診断で健康とされても、毛が生え変わるまで、僅かに匂いがすることがあります。

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ウサギは、ウサギ初心者にも比較的簡単に飼えるか?

答えは「ノー」です……。
特に、仔ウサギの難しさは最大級です。

ウサギの何が難しいか。
第一に、体調を崩したとき、犬猫ほど持ちこたえてくれない、ということです。
例えば、朝、ご飯(ペレット)を全く食べずに踞っていたら、即その場で病院行きです。
仕事から戻るまで待ってね、とか、明日の休日まで待ってね、なんてやっていたら、あっという間に死にます。
24時間腸が動かないだけで、ウサギは重篤な状態に陥ります。
しかも、ウサギを家に連れて来て最初の二週間以内に、(ストレスで)こうなる可能性が結構高いのです。

ウサギの為に会社を休めるか、というところも問題ですが、それ以上に、初心者はウサギの異常に気づくのが難しいのです。
ウサギに慣れた人なら、ほんのわずかなウサギの行動の違和感や、表情などから、ウサギの不調を早期に読み取り、早めに手を打つことも出来るのですが……。
ウサギに接したばかりの初心者にはそれが出来ません。

第二に、いざ体調を崩したときに、頼れる獣医の数が犬猫に比べて圧倒的に少ない、ということですが、これはこちらの項目をご覧下さい。

第三に、ウサギは犬猫ほどには人間の言葉が通じない、ということです。
つまり、ウサギと仲良くなるには、ウサギ流のボディランゲージを覚え、ウサギの視点で思考しなくてはなりません。
慣れればそこそこ想像できるようになりますが、初心者には難しいのです。

しかし、どんな人でも最初は初心者ですから、難しいことは確かですが、無理というわけではありません。
大人のウサギならば、多少不調があっても、仔ウサギよりは長く耐えてくれます。
(というより、子ウサギは下痢をしたらもう助からない、というくらいに思っていて下さい。実際、下痢をした子ウサギに出来る医療行為はほとんどありません。たとえ元気に飛び跳ねているように見えても、数時間後には弱って死ぬケースが殆どです。しかも、通常のペットショップ出身の子ウサギは、簡単に下痢をしてしまいます。
既に子ウサギを家に連れてきてしまった場合は、こちらの記事を参考に、絶対に下痢させないように注意して下さい。
大人のウサギなら、下痢をした直後に病院に担ぎ込めば、子ウサギよりは体力があり出来る処置も多いので、医療処置が間に合う可能性があります。とにかく、一刻も早くウサギに慣れている獣医に処置をしてもらうことです。それでも、助からないこともあります。)

というわけで、犬や猫などに比べると、初心者がウサギを飼うのは難しいと思います。
勿論、犬や猫にもそれなりの難しさがあることは重々承知していますが、命に関わるトラブルの頻度という意味では、明らかに難しい、と言ってよいと思います。

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ADENOCARCINOMA OF THE UTERINE FUNDUS IN THE RABBIT

注)当HPの管理人は、獣医でも医学関係者でもありません。医学系論文の種類にも詳しくありませんので、もしかしたらProceedingsがこの一覧に混じっているかもしれません。 また、専門家ではありませんので、コメントが正しくない場合もございます。
この記事の情報をご利用の方は、かならずリンクを辿って原文を入手の上、お読み下さい。
この記事のコメント部分のいかなる情報も、レポート利用、web引用、その他いかなる手段によっても、コピー、引用を禁止します。
どうしてもweb等で紹介したい時は、このページへのリンクという形でのみ許可します(具体的な内容の紹介をされる場合は、必ずリンクを張って下さい)。
素人なりになるべく間違いを書かぬよう努力はしておりますが、専門家ではありませんので限界があります。なお、この記事の内容は今後手直しされる可能性があります。コピー禁止はそのための処置です。どうぞご理解下さい。
以上のお約束が守れる方のみ、本文をご覧下さい。


Harry S. N. Greene “ADENOCARCINOMA OF THE UTERINE FUNDUS IN THE RABBIT”, Annals of the New York Academy of Sciences, (1959) 75, 535-542
1959年のGreeneの論文ですが、原文は残念ながら無料では見られません。
図書館に行って見るか、上のリンクからお金を払って入手するしかありません。
というわけで、この論文については詳細な内容解説は控えさせていただきますが、若干、皆様の興味のありそうな点についてお話します。
(ちなみに私は図書館でコピーを入手しました。)
さて、何故こんな古い論文を引っ張り出してきたか、というと、これがメスのウサギの子宮系疾患(具体的には腫瘍ですが)の割合が年齢とともに上がる、という通説のもととなっている論文だからです。

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女の子を意識するとき

[:ja]うちのまんごろし太は、おトイレ完璧!の子です。
おしっこは勿論のこと、うんちもちゃんとトイレでします。ふかふかのお布団の上でも、粗相しません。
トイレを持って行けば、何処に置いてもそのトイレの中でしてくれます。
正直、ここまで完璧な子は、うちに来た子の中ではまんごろし太だけでして、普通はウサギはオシッコの躾はできてもうんちの躾までは難しい、といったところです。
が……!
そういうカンペキ男でも、女の子が来るとダメなのね(笑)
しっかり、隣のメイ(♀)のケージの前でやってます……。

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まんごろし太とAngelのデート1回目

実は、もう1ヶ月近く前から、我が家のまんごろし太のお嫁さん探しが進行しております。
なにしろ、前のパートナーのえせるとあまりに相性が良かったので、できればあのくらい気の合う子をつけてやりたいのですが、残念ながら今HRSは今すぐアダプション可能な女の子があまりおらず……
まんごろし太でさえでかいウサギ(3.5kg)だと思っていたのに、お相手はイングリッシュ・ロップのmix(4kg)またはフレミッシュジャイアント(5kg)、というわけで、まんごろし太はかなり押され気味。
もともと、女の子の方が気が強いので、これはついに、まんごろし太1位の座を明け渡すことになるか?!
以下、デートの記録映像です。


まずはコレ。
お互いに、興味はあるようだけど、まんごろし太がお友達探しに熱心なのに対し、お相手のAngelちゃん(白たれ耳)は外に出してもらったのが嬉しくて気もそぞろ。
ただ、一緒に並走して走ったり、顔を付き合わせたりするけれど、お互い噛もうとしないので、それほど相性は悪くなさそうです。
最後に、まんごろし太がマウンティングをしかけ、その後ダンゴになりかけたのですぐに仲裁しました。

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だっこの方法いろいろ

(このエントリーは、アメリカのHouse Rabbit Societyから管理人が学んだことをもとにしています)

ウサギが家に来たら、飼い主としては、是非だっこしたくなります。
が、なかなかだっこをさせてもらえないウサギさんも多いようです。

私の個人的な印象ですが、犬や猫でそんなにだっこが出来ない、という話はあまり聞かないように思います。
犬だって噛むかもしれませんし、猫だって引っ掻くかもしれないのに、何故ウサギのだっこがそんなに難しいのか?

ここに、ウサギという動物の特徴が隠れています。
本来逃げて命を守るウサギは、犬や猫にくらべて、「だっこ」という拘束される行為がずっと嫌いなのです。そして、身に危険が及ぶかもしれない事からは、本気で逃れようとします。
大きさは猫なみでも、後ろ足のキック力は猫をはるかに凌ぎます。
爪もウサギによっては自分で噛んでトキトキに研いでいますし、強い二重の前歯を持っていますから、本気で噛まれればザックリいきます。
おまけに、落としたら骨を折るかもしれない、などと飼育書に書いてあれば、臆するのも無理のない話です。

このことが、まさしく、HRSがウサギを力の弱い子供達のペットに勧めないことの理由のひとつにもなっています。
ウサギというのは、扱いを間違うと、実は結構危険な(かつ傷つきやすい)動物なのです。
しかし、臆してウサギの好きにさせれば、ウサギは完全に人間をナメてかかり、ご飯をあげてもおやつをあげても、気に入らなければ足や手に噛み付く危険な子になってしまう恐れがあります。

ウサギにトイレの躾をするのは、ウサギが一カ所でトイレをするのは彼らの自然ですから、そう難しいことではありません。
しかし、本来逃げる動物であるウサギに、「だっこされても安全」「だっこされるといい事がある」と信頼させるのは、それよりずっと難しいのです。

多くのウサギの生体を売るペットショップで、この大切なこの「だっこの方法」を教えないのはとても残念なことです。飼い主は、ウサギが家に来てから、自力でこの方法を学ばなければならない事が殆どです。

このエントリーでは、HRSが紹介する方法の他に、日本ではドワーフウサギ等小さなウサギの飼育が主流であることをふまえて、私自身がウサギ専門店から教わった方法を紹介します。
最後の方にYouTubeでみつけたビデオで、HRS方式に近いものをリンクしていますが、実はウサギのだっこは結構心構えが大事です。

いきなりビデオに飛ばずに、その前の記事にも目を通していただければ幸いです。 2016/5/7 項目3を追記しました

0)そもそも、だっこできるウサギか?
1)うさぎをだっこする時の気構え
2)掴んでいい場所、悪い場所
3)動きは「エレベーター」のように!
4)だっこの方法のVTR

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噛むウサギの扱いについて

「ウサギは、本来よほどのことがなければ人間を噛みません」
「ウサギが噛むのは、恐怖にかられたときなど、理由があるときです」

こういう文章を、ウサギの飼育書などでみかけたことがあると思います。
まさしくその通りなのだけど、これを、

「つまり、私がウサギを虐めなければ、ウサギは噛まないのね?」

と思ってしまうと、それは違います

思いがけず噛まれてしまうと、何か私がウサギに酷いことをしたのか? と落ち込むかもしれません。
どうしてこんなに可愛がっているのに、と悲しくなるかも知れません。
でも、そんな必要は全然ないのです。
だって、ウサギは、本来、噛む生き物なんですから(笑)。

噛むウサギと付き合うには、まず、
「ウサギが噛むのは鋭い歯を持つ動物として自然なことで、理由がある。それは必ずしも、人間が簡単に想像できるような理由ではないし、ウサギが「噛む」ということも、ウサギと付き合って行く上で大切なコミュニケーションの一つだ」
と肝に命じる必要があります。
その上で、ウサギの流儀に則って、むやみに噛むのはやめてくれ、と伝える必要があるのです。
ウサギだって、いつもウサギ同士で噛み付き合っているわけではありません。
つまり、ウサギの流儀できちんと伝えれば、噛むのをやめてくれる、ということです。

注)しつけのつもりでウサギを叩いたり、蹴ったりは絶対にしてはいけません(たとえどんなに加減していても、です)。
叩かれる、蹴られる、というコミュニケーションは、ウサギ同士には存在しませんので、こちらのメッセージを全く理解しません。
たまに掲示板などでそう書いている人がいますが、たまたまそのウサギが怯えて大人しくなっただけで、ウサギはその虐待の恐怖は絶対忘れないし、そうされた人間にも気を許しません。
むしろ、ウサギによっては、その恐怖から身を守るため、次から更に状況が悪化することもあります。

これは我が身を振り返って思う話なのですが……。
実は、最初にウサギを飼い始めたとき、私はそのことがよくわかっていなかったのです。
つまり、ウサギを飼うのに、噛まれる覚悟ができていなかった、というか(笑)。
「噛む」こともウサギの意思表示の一つなのに、それを想定せずに逃げ回っていたので、何故「噛む」のかも分からないし、「噛まないで」というこちらの意思表示も伝えられなかったわけです。

どうやったらウサギのメッセージを理解出来るか、ウサギの流儀で「噛まないで」と伝えられるか、随分試行錯誤しました。
自慢ではないですが、私は結構うちのウサギ達に噛まれています。
が、最近は、一匹につき一度噛まれたら、それ以後はほとんど噛まれなくなりました。
というか、一匹につき一回噛まれるのは、もうウサギの飼い主としての義務だと腹をくくったら、そうなった、というわけです。

以下、噛むウサギの扱いについて、私なりに学んだことをまとめておこうと思います。

以下、噛まないようにする躾についても書いてますが、これは獣医やHRSが勧める方法というわけではありません。あくまで、私個人の体験をもとに書いています。お試しになる場合は、自己責任でお願いします。万が一怪我をされても、本blogの管理人は責任を負いません。
噛まれる恐れがある時は、手袋をして、長袖長ズボンの分厚い服を着るなどの対策をして下さい。
特に、フレミッシュジャイアント、日本白色など大型のウサギは、ウサギにしたらかなり加減して噛んでいるつもりでも、大きな傷をのこすことがあります。

なお、HRSのアーカイブにも、この問題に関する記事があります。
幸いなことに、この記事には日本語訳があります!
色々参考になりますので、是非ご覧下さい。

うさぎの攻撃性について
(エンコードに失敗して文字化けする場合は、エンコードの設定をISO-2022JPにすると治ります)

以下、長くなりましたので項目ごとにリンクを張ってみました。
大体、上から下に行くにつれて、噛み方が穏やかになるように並べています。

はじめに)手やむき出しの腕など、素肌はそれほどひどくは噛まないのに、服の上からはひどく噛まれる場合

0)ひどく強く噛むウサギの場合
1)命にかかわる強い恐怖を感じたとき
2)足が弱っていて、本来逃げられるものを逃げきる自信がウサギにないとき
3)テリトリーを犯されたとき
4)人間から嫌なことをされたとき
5)特定の人間に敵意を抱いているとき
6)人間より自分(ウサギ)の方が偉いと思っているとき
7)人間と自分(ウサギ)の順位を決めようとしているとき
8)機嫌が悪いとき
9)人間の注意をひきたいとき
番外:
仔ウサギの場合(生後3ヶ月くらいまで)
追記:
ウサギのしつけのために「ウサギの頭の上に人間の顎をのせる」行為について

続きを読む

うさぎソアホックの治療に使う医療用合成シープスキンについてうさぎソアホックの治療に使う医療用合成シープスキンについて

こちらの記事で、HRS(ハウス・ラビット・ソサエティ)から教わったびらん(ソアホック)の治療について書いたのですが、この方法の要となる医療用合成シープスキンが日本では大変入手しにくいことが分かりました。

2011/8/16補足:

うさぎびらん治療法補足」の記事もご参照下さい。

代替品について記述があります。

はっきりいって、この「ふかふかの場所をつくる」というところがこの治療法の全てなので、この敷物のクオリティが低いとなかなか治癒しません。

実はアメリカでもそれほど入手は簡単ではないのですが、こちらのHRSの記事で、米ウィスコンシン州のペットプロダクツ会社が提供するものがベストだとわかりましたので、その報告と入手方法についてお知らせします。

今回入手したのは、Palace Pet Bedが扱うもののうち、一番分厚いSuper Deluxeタイプです。

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以前に紹介したSheepetteと比べると、分厚さも1.5倍くらいあります。

PICT0019

Wisconsin HRSで使っているものも、ここの製品だそうで、今まで使った中ではここの製品がベストとのことでした。

Palace Pet Bedに日本からのオーダー及び発送を受け付けるか、問い合わせてみました。

すると、決済については日本のクレジットカード(Visa, Mastar)などが使える、とのことでした。

発送料については、最終的な返答はセールスパーソンが戻る月曜日以降にする、とのことでしたので、月曜以降にまた追加情報をお知らせします。

12/7追記:

Palace Pet Bedとの交渉の結果、発送はUPSしか対応できない、とのことでした。USPSのFlat rate boxには入りきらない、という判断のようです。

したがって、直接Palace Pet Bedに発注すると、送料だけで100ドル超える可能性もあります。

ただ、先頃、16 x 23を3枚+20 x 30を1枚、このページをご覧頂いた方からのご注文で、私が代理で発送したものの送料は47ドル程度でした。
(2015/4/10追記:USPSの送料は毎年値上がりしていますので、現在もこの価格を保証するものではありません。)

枚数が少なければ、もっと安くで発送出来たと思います。

以上から、配送まで多少時間がかかっても良い、という方は私が代理で注文してUSPSで発送致します。

詳細は、このエントリーの最後をご覧下さい。

とりあえず、一刻も早く入手したい、という方は、以下の情報をご覧下さい。

※Wisconsin HRSではかなり治癒例がありますが、かならずしも治癒を保証するものではありません。

また、ウサギが敷物を食べてしまう場合は、ご使用をお止め下さい(どのくらい食べると危険かは、ウサギのサイズや普段からどのくらい牧草を食べる子かにもよりますので、ここでは言及しません。敷物自体に毒性はありませんが、腸内でつまると危険です。皆様ご自身でご判断下さい)。

「高いお金払って輸入したのに治らなかった!」というクレームは(私もWHRSも)一切受け付けられませんので、その辺もよく考慮された上でご注文下さい。

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