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フランスのアンゴラウサギの毛毟りの話

え? フレンチアンゴラ? って言われそうですが、、そういう可愛い話ではなく。
残念ながら、アンゴラの毛皮を採取するのに、全身から毟り取って丸裸にする、というのがフランスの農家でも行われているらしい、という話です。
この状態を改善すべく、署名サイトが立ち上がっています。

https://one-voice.fr/en/petitions/stop-angora.html

英語のサイトですが、署名方法についての詳しい説明が以下のリンクにありましたので、署名したいけど、、という方はそちらもご参考ください。
https://m.facebook.com/JapanAntiVivisectionAssociation/posts/1276360892431704

中国の事例は、もう何年も前にPETAにすっぱ抜かれてましたが、フランスでも同様のことが起きているというのはショックでした。
(ちなみにそのとき書いたエントリーがこちら。)

まあ、ウサギ飼ってる人なら、いくらウサギの毛が抜けやすいといったって、全身丸裸になるまで引っこ抜かれたら、ウサギは恐怖と痛みでキーキー鳴き叫ぶし、その後は体温調節ができずに腹壊すし、肌には血が滲むし、ということは簡単に想像がつくと思います…。
これが、苦痛を与えない方法とは、ウサギの飼い主としては、決して言えない。

ちなみに、この署名サイトにはビデオがありますが、それを流していたら、毛をむしられるウサギの鋭い悲鳴が聞こえてきて、うちのウサギたち一斉に立ち上がって警戒体制になりました…(汗)
コンピュータのスピーカーからの音で音質悪いから大丈夫だろうと思ったのですが、そういう問題ではなく、やっぱりウサギにとって悲鳴は相当危険な警戒信号なんでしょう。
これを、毛がのびるたびに、年に何回もやられるのかと思うと、ウサギでなくてもゾッとします。

2013年に、アンゴラウサギに対する同様の扱いがEU各国に知れ渡り、イギリスなどでアンゴラ製品のボイコット運動が起きましたが、このサイトも2016年にこのフランスの6農場の報告をしていた模様です。

ところが、この署名サイトの記述によれば、エコロジー省の役人は、そのとき、生きたままアンゴラウサギの毛を引っこ抜くのは、National Institute of Agronomic Research (INRA)で承認された方法だ、と言ってとりあわなかったというんですね。
で、この団体が、直接INRAに連絡したところ、そんなことを書いたドキュメントは存在しない、という返答だった、と。
結果、6農家のウサギの扱いは改善していない、というのが最新の情報です。

要するに、エコロジー省の役人としては、自分たちの仕事は人間の安全を守るために畜産業の監視をすることであって、動物の福祉がどうの、というのは自分たちの管轄ではないから、適当なことを言って追い返した、ということの模様です。
アメリカでもさんざんこういう対応をされていることは、HRSの活動でもわかっていますので、まあどこの国でも同じ、なんでしょうが、、、

先進国には動物福祉法があるわけで、その中には動物の苦痛を最小限にすべし、という条項があります。食料や水の供給の義務、それから、守られていないことも多いけれど、傷病を負った場合に治療する義務、などなど。
当然フランスにも、これに相当する法律はあります。
ただ、これを守らせる行政側の意識は、屠殺のときに苦痛を最小限にするシステムができていればOK、という程度でしかないのが殆どなんですね、残念ながら。

しかし、アンゴラウサギの場合、「屠殺」じゃないわけです。生かしたまま毛をむしるわけですから。さらに、体は丸裸にするけど、水や食料を与えないわけじゃない。
そうすると、現行の動物福祉法では、積極的に取り締まる運動が起こらず、生産者のやりたい放題、になってしまう危険をはらんでいるわけです。
もっとも、生産者が悪いというよりは、安く買い叩く流通の方に問題があるかもしれませんが。

(厳密には、ウサギを食肉として扱う場合の屠殺にも、ほとんど法の規制はないに等しいですが。ウサギは鶏と同じ扱い、もしくはそもそもどのカテゴリーにも属さない、ということで、牛や豚ほど苦痛に配慮しろとか言われないことがほとんどです)

以前のアンゴラ製品のボイコット騒ぎのときは、中国の生産者が槍玉に上がったわけですが、中国には当然、ハサミでウサギの肌を傷つけないように採取している業者もありました。彼らがいうには、引っこ抜いた方が長い毛がとれるので高く売れる、と。でも、あえて、そういうことはやらない、という農家や業者もいるわけです。そういう人々が、一部の残酷な扱いを厭わない人々のために、製品を安く買い叩かれて不利益を被るのも気の毒です。

この署名は、問題の農家について改善を要求し、こういうアンゴラウサギの扱いができないよう規制を求める署名ですので、私は署名してまいりました。

動物福祉の問題は、人それぞれ、温度もそれぞれ、なので、署名の紹介をするときはなかなか気を使います。もちろん、「そもそもアンゴラ製品の生産をやめてしまえ」という意見もあるでしょうし、むしろウサギの飼い主としてはそう啓蒙すべきなのかもしれませんが、このサイトをご覧になる方はほとんどウサギの飼い主の方でしょうから、そこは私がわざわざ言わなくても言いたいことは分かっていただいている、と勝手に解釈しています(笑)。まあ、経済動物としてのウサギが、毛をむしられるまではなくともどのような扱いを受けるか、大体想像はつくと思いますので…。

ちなみに、アンゴラうさぎの毛の採取ですが、伝統的な方法は、毛の根元を一方の手の指ではさんで皮膚を引っ張らないようにしておいて、毛先の方をもう一方の手の指で梳いて、すっと抜ける毛を収穫する、というものの模様です。
毛が長いので、抜けた毛が落ちずに絡まっています。これを、指で梳いて集めるわけです。
うちにも今アンゴラうさぎのヴィンセントがいますが、たしかに、その方法なら、ウサギは気持ちよさげに毛を抜かれています。彼らも、自分であの長い毛を舐めて抜けた毛を取り除くのは大変なんでしょう。

うちのヴィンセントは、暑さでやられて大変なので、数週間に一度ハサミで短く毛を刈っています。電気バリカンは、毛が絡まってオーバーヒートする上に、皮膚を巻き込んで怪我をさせる危険が高いのでやめろ、と複数の人から言われたので、一度も試していません。
最近、ようやく背中は黙って刈らせてくれるようになりましたが、やっぱり顔まわりとお腹は必死で抵抗します。で、「ひどいことされた!!」とばかりにふくれっ面をしていますが、いざ散髪が終わると、世界が変わったみたいに元気になって大ゴキゲンです。
…やっぱり邪魔なんだな、あの毛(笑)。

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