プチがうさぎ胸腺腫ー冬虫夏草って効くのか?

5/26追記:
6/26、さらに追記:
2017/10/3 後日談「プチがうさぎ胸腺腫2」をアップ
2018/9/17 「プチがうさぎ胸腺腫その3(1年経過)と歯の問題」をアップ

我が家の11歳のメスうさぎ(プチ)が、この春からかなり体調不安定で、ひどい下痢をした挙句、ペレットが食べられなくなり、ぶうぶう言う呼吸音がかなりひどくなったので、全身CTを撮ったところ、胸腺腫が見つかりました。CTでは胸腺腫かリンパ種かの判断はつかないのですが、その後の針生検で胸腺腫であろう、という話になりました。

この子は、もともとイビキがひどい子だったのですが、ここ数年は普通にしていても「ぶうぶう」と呼吸時に鼻が鳴ってしまっていました。
数年前にも病院で「これなんですか?」と聞いたのですが、先生も理由がわからず、「そのうち頭部CTをとって調べてみましょう」と言われたのですが、もともと頑丈な子でその後レントゲンを撮るような事態が発生せず、この春まで実現しなかった、ということです。

どうせCTにかけるなら、と全身CTを依頼したおかげで、胸腺腫がみつかりました。医師の診断では、結局頭部には問題がなく、鼻が鳴っているのは鼻水のせいだから、と抗生物質10日分を処方されたのですが、鼻が鳴っていたのは鼻水が出る前も同じだったので、どうも納得いかず。
案の定、10日後に鼻水が止まっても鼻が鳴るのはひどくなるばかりでした。
むしろ、ゆっくり育ってきた胸腺腫の影響だと考える方が、しっくりくる感じです(昔はそこまでひどくなかった)。

私は日本にいて詳細は見ていないのですが、思えば胸腺腫らしい症状はあった模様です。

胸腺腫らしい症状というのは、一般に、

  1. 換毛がだらだらと続いて終わらない(これは胸腺腫以外にも体力の落ちたウサギにみられます)
  2. 水が飲めなくなる、ペレットが食べられなくなる
    • 野菜などの葉っぱの部分だけは食べる
      →胸部に大きな塊があり、首を下に下げると呼吸がしにくくなるため、比較的高い位置にある野菜の葉だけを食べる
    • もしペレットや水の位置を高くして、食欲が回復するようであれば、胸腺腫であるおそれがある
  3. 目が片方(または両方)飛び出してくる(瞬膜が見える)、毛がごっそり抜けてハゲる(リンパ腫の場合に多い)
  4. 箱座りになるときに、前足が並行にならず、開脚してしまう
  5. さらに症状が進行すると、餌入れや水飲みなどを枕のようにして、顎を上げて寝るようになる
  6. 末期では、牧草などを一気に食べられずに、口に牧草を半分咥えたまま居眠りをしているようなことがある
  7. 最後は呼吸困難のため、必死で呼吸しようとして消化器官に空気がたまり、お腹がふくれて食事がとれなくなる

というものです。
これは、先に旅立ってしまったハナちゃんが胸腺腫で、段階7に至ってもまだ胸腺腫だと気づかず、食べないので病院に連れていったらそのまま旅立ってしまった経験によるものです。

はたから見ると、ハナちゃんが本当に苦しそうだったのはその最後の1日だけでしたが、その前から呼吸はしづらくなり、頭もかなりぼうっとしていたのではないかと思います。

呼吸ができないのは苦しいので、今回は症状が悪化してきたら酸素室の準備をしようと思いますが、プチで見られた症状は段階2。発見としてはかなり早いらしく、胸腺腫は一般に進行が遅いため、あと3ヶ月後と半年後にそれぞれCTをとり、成長速度を見て放射線治療にするか、抗がん剤またはステロイド治療にするか考えましょう、とのことでした。
(内科的治療はリンパ種に効いて、胸腺腫の場合は放射線一択だと思っていましたが、最近胸腺腫でもステロイドが効く事例の論文が出たそうで。)

後日談:1年後にわかったことですが、胸腺腫というより、おそらくこの頃から歯の噛み合わせが徐々に悪くなり、固いものが食べられなくなっていた可能性が高いです。
その3で書いてますが、結局いびきは歯の問題でした。

しかし、放射線も抗がん剤もステロイドも、本兎の体力を奪うことにはかわりない。
そういうわけで、ちょうど私が日本にいたこともあり、犬猫でそこそこ効果が出ているらしい冬虫夏草(商品名コルディMコルディG)を試してみよう、ということになりました。

さて、コルディMとコルディGを買って、4月17日にアメリカに戻ってきたところ、プチはすっかり毛艶が悪くなり老け込んでいました。
私がいなかったのは3ヶ月あまりなので、その間の状態の変化としてはかなり急激でした。足回りも弱くなって、お尻を舐めようとするとよろけたりしています。
さらに、顔の左右の大きさが違うのが大変気になりました。目が飛び出しているわけではないのだけれど、向かって右側が萎縮している。

これは相当胸腺腫が進行しているか、と思いましたが、よく見るとどうみてもお腹をかばっている。背骨の一番高いところに力が入り、腰の部分が落ちている状態です。

お腹をかばうのは、お腹の調子が悪いからです。
それで、とにかく、まずお腹の愉気から始めました。胸腺腫が悪いのだとしても、まずは消化器官をまともに動かさないと、治るものも治りません。
お腹によく気を通して、胃袋あたりのこわばりを抜くと、少し肩甲骨あたりの力が抜けて、背骨の腰あたりの部分が高くなってきました。
この形にならないと、ご飯は食べられません。

その日はそれでご飯を食べ始め、報告できいていた通りの下痢のような盲腸ふんをたくさんこぼしたので、買ってきたコルディGを小さじ1/8(プチは1.4kgのウサギなので。分量は体重によって変わります)をオレンジジュースに溶かして飲ませました。
(注:後記しますが、もしかしたらいきなりこの量は少々多すぎたかもしれません。ペレットの切り替えのように、少しずつ与えてだんだん慣らしていく方が無難かも。)

で、翌日。
かなり食いが悪い状態が続いている、ペレットを完食できない、という話でしたが、ペレットを完食!
しかし、いやまさか、1日でこんなに変わるわけない、たぶん昨日お腹を緩めたから食べられるようになったんだろう、と思いました。

午後、嫌がるプチを無理やり膝の上に抱え上げて、もう一回愉気をしていると、背骨の胸椎と腰椎の隙間が異常に広くなっていることに気づきました。
さては、もしかしてコイツ、腰を打って悪くしたか?!

そこから1時間、ひたすらその隙間に愉気。幸いうちのウサギたちは愉気に慣れていてよく反応するので、気持ちがよければじっとしていてくれます。1時間後には広くなった間隔がかなり正常に近い位置に戻りました。

こうなれば、もう少し腰に力が入りやすくなり、肩甲骨から胃の裏あたりの背中の力が抜けます。胃の裏に力が入っていたら、人間だってご飯は食べられない。
顔の右が萎縮しているのが気になっていたので、ちょうど春だから頭蓋骨が動く時期ですから、頭にも愉気(穴追い)をしました。穴が開いているように感じるところに丁寧に気を通していくと、そのうち顔が対称に戻ってきました。

まったく、ウサギは本当に、整体で勉強したことを試すのにいい対象です(笑)
人間と違って、思い込みがないから、本当に素直に体に現れるんですよね。

これで放してやると、後ろ足を伸ばして寝そべるなど大分リラックスした姿勢が見られるようになり、夜もペレットは完食しました。
ウサギが1日中箱座りの姿勢しかとらないのは、(怯えているのでなければ)たいていどこか調子が悪いときが多いです。

盲腸ふんは相変わらず下痢便でした。
しかし、お腹の細菌バランスが崩れた場合、立て直すのに3週間はかかります。みたところ体に体力が戻ってきているようですし、今はとりあえずOKとしました。

この時点で私は、プチの体調がかなり悪そうだったのは、おそらく何らかの理由で腰椎が正しい位置からずれ、腰に力が入らないので姿勢を維持するために胸椎に力が集まってくたびれ、食欲不振、内臓機能の低下につながったのだと思っていました。(その後、やっぱり胸腺腫も影響しているかもしれない、と思ったわけですが)

実際、腰椎の位置を正してからは(翌日は横にズレたり、その翌日は奥に引っ込んだり、と色々あり、その後3日くらいは根気よく、腰椎に力が戻ってくるまで愉気する必要がありましたが)食欲もどんどん回復し、それに従って毛艶もよくなり、2ヶ月以上続いていた換毛も止まりました。

しかし、とりあえず買ったコルディGを使わないのも勿体無いので、とにかく1日に小さじ1/8だけは飲ませ続けていたわけです。
コルディGは、飲ませると体温が上がることがあるという記述が(FAQページに)あったので、体内の細菌バランスを立て直すのに基礎体温を上げた方がいい、と判断したこともあります。

気になったのは、盲腸便の下痢具合が、前よりひどくなったように感じたことです。コルディGは有機ゲルマニウムが入っていて、それでお腹を壊す場合はコルディMにしろ、とありましたが(4/30訂正:そう書いてあったように思ったのですが、勘違いでした。コルディGは呼吸が早い子、血流促進が負担になる子は避けろ、ということの模様です)盲腸ふんでないふんはちゃんと形がありますし、プチ本兎の体力は満ちてきている感じがあったので、もうしばらくコルディGで様子を見よう、ということになりました。

その後も、プチの体調は改善していたのですが、どうもまだ水が飲めない。
その間はたくさん野菜をやって、その水分でしのいでいたのですが、4日前に野菜の量が足りなかったらしく、糞づまりを起こしました。それで慌てて大量に野菜を置いておいたら、全部それを食べてしまい、今度は翌日にお腹がグルグル言うような腹下し状態に。これもひたすら気を通してガスを外に出してやると、またゆるい盲腸ふんを出してお腹が動き始めました。
同時に、少しずつ、牧草を食べる姿もみられるようになりました。

そこから丸1日、もはやぶどうの房の形もない、溶けたチョコレートのような盲腸ふんをひねり出していましたが、たまたま仔牛(ルームメイト)が飲んでいたArkophama社のローヤルゼリーの余りをコルディGと混ぜて飲ませてやったところ、翌日には完全に柔便がストップしました。

うーん、これは、どう判断すべきか?
コルディGはやはりお腹がゆるくなるけど、ローヤルゼリーとの併用で症状が和らぐ、ということなのか?
それとも、ここ数日はとにかく悪い菌が育ってしまった盲腸便を捨てていて、ようやく牧草が食べられるくらい胃腸が回復してきたので、下痢盲腸便がストップしたのか?

もっとも、下痢便をこぼさなくなった、というだけなので、相変わらず盲腸便はゆるいけど、全部食べてしまって見えない、というだけかもしれませんが。

とにかく、私が日本に行く前の状態には戻ったので、しばらくはコルディGとローヤルゼリー併用で様子を見よう、ということになったのですが…

お腹の状態がよくなってみると、今度は「ぶうぶう」音に変化があることに気づきました。

どうも、コルディGをやると、「ぶうぶう」がおとなしくなる模様なのです。
それも、どうも効き目は半日。もともとコルディGは1日の処方を何回かに分けて与えろ、と書いてありますので、長時間効くものではないらしい。

さらに、どうもプチ本人が、コルディGを入れたオレンジジュースを飲むと、「ぶうぶう」が楽になる、と学んできている模様なのです。
腹具合がおかしかった間は、あまりジュースを飲みたがらなかった(かといって水で溶かしてもまったく飲まないので、苦肉の策)のですが、今は置いておくと、全部は一気に飲まず、たまに立ち寄っては舐めています。

さらに、皿が空になってしばらく放置していて、またぶうぶうがひどくなってきたな、と我々人間が気づくと、プチは空の皿を丁寧に舐めていたりする(つまり催促している)のです。

販売会社のFAQページにあるように、コルディGは基礎体温を高めることがあるようなので、「ぶうぶう」は基礎体温となにか関連がある、ということは考えられます。そう考えると、半日で効果が切れるのも納得。

しかし、もしもそういうことで、「ぶうぶう」が胸腺腫となにか関係しているのであれば、もしかしたらホントに胸腺腫にコルディGが効くのかもしれない、、と、ちょっと期待を持っています。
現在は、朝晩2回、それぞれ小さじ1/8を与えています。

5/26追記:
結局、盲腸便が下痢になるのが止まらず、一時コルディGは中断、しばらく一人用こたつで保温して体調を回復し、先週から再開しました。予想していたとおり、こたつで保温でもぶうぶうは改善しました。コルディGは、今度は量を微量から始めて、今少しずつ便の様子をみながら増やしている最中です。現在1日小さじ1/16で、いまのところ軟便はありません。これについてはまた別記事で。

6/26追記:
ぶうぶうは相変わらずですが、4月の時点で小さく縮んでしまったように見えた体の大きさは元にもどり、お尻を舐めてもよろけることはなくなりました。
夏なので、たまに冷房をつけながら、プチの小屋の中では常時一人用こたつONという大変不経済な状況ですが、本兎が寒いと思うときは自分からこたつの上に乗ってお腹を温めている模様。コルディGは小さじ1/12(付属のスプーン1/4)を超えると軟便になることが判明したので、現在はこの量で固定。この量だと体温を高める効果はなさそうですが、とりあえず一気に摂取するより時間をかけて少しずつ摂取してもらいたいので、クリティカルケアに混ぜてどろどろにして夜においておくと、朝にはなくなっている、といった状況です。

体を触ると、胸椎の左1側〜3側に力がなく、温度も右に比べて低く感じるので、毎晩パワーヘルスにかけた後に胸椎の左側に愉気をして、冷えていると思われる箇所を玄米と塩を混ぜて布袋に入れたものをレンジで温めたカイロでピンポイントに温める、というのやっています(低温やけどしないように、肌の温度を確かめながら)。
人間の場合、整体では左1〜3側はがん、腫瘍の場合によく使われるらしいので(とくに胸椎2番の左1側と3側は胸腺に関係するらしい)、ウサギでも事情はかわらないようです。

5月までは、カシューナッツのような形に、体を大きく左側に曲げてかばっているような姿勢が多くみられましたが、現在は腰をちょいひねってバナナくらいになりました。まだ骨盤の位置がおかしいのかな?
温めるとやはりぶうぶうが減るのと、多少食欲が出てきたように思います。ペレットは、あいかわらずバニセレのスーパーシニアでは食いが悪く、コンフィデンスがお気に入り(前はバニセレ喜んで食べていたのですが)。その割に体重は増えないので、食欲増してもあまり吸収ができていないのかも知れないですが、すくなくとも本兎が前よりよく動くようになって楽そうに見えるので、まあもし増えた食欲分腫瘍を育てていたとしても、なるようにしかならないのかな、と思っています。

人間だろうと、動物だろうと、呼吸が浅くなれば体力は充実しませんので、呼吸状態を改善することで、病気を乗り越えられる、というのはよくある話だと思います。
もしキモが基礎体温の上昇であれば、コルディでなくともたとえば高麗人参でもいいんでしょうが、もともとキノコが癌に効くというのは昔からの知恵ですので、当面コルディGを続けてみようと思います。

いずれにしても、3ヶ月後と半年後に再度CTを撮るので、コルディが効くのかどうかわかりますから、その頃にまたご報告します。

ところで、、
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2 thoughts on “プチがうさぎ胸腺腫ー冬虫夏草って効くのか?

  1. こんにちは。いつも色々と参考にさせて頂いています。
    プチちゃんはその後、いかがですか?
    冬虫夏草が良いようなら、同じ病気と闘っているお友達に紹介してみようかと思います。

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