Hokori

このウサギウェブサイトがほぼ放置状態になってしまってから、何年も経つ。
日本語のウサギ情報サイトも増えたし、HRS方式もある程度は日本で馴染みのあるものになってきて、このサイトの役割はほぼ終わった、ということもある。
でも、実際のところは、逐一ウサギたちの健康状態を記録する切迫感というか、義務感みたいなものがなくなってしまったことが一番大きいかもしれない。
初めて、プチ子をほぼ老衰で見送るまで、我々は失敗ばかりしてきた。
その後悔が、このサイトを運営する動力源だったのだけれど、プチ子でようやく、やれることはやって、老衰で見送ってやれた、と思えてから、そこまで日々の体調の管理に躍起にならなくなってきた、と思う。

その結果、「誇」(Hokori)についての最初の記事が、最後の記事になってしまったことを申し訳なく思う。
だけど、それは、「ほこち」が、いかに優秀で、八年間ほとんど健康トラブルなく生きてくれたか、の証でもあるのだ。

***

ほこちは、Madison Area Technical Collageの動物看護師コースのTeaching Bunnyだった。
看護師育成コースだから、当然、注射や何やらの練習をする生体が必要になる。
当時、MATCではとある民間の団体と提携していて、練習台になる動物たちを借り受け、当該学期が終わると可能な限りその練習台になってくれた動物たちの里親を探す、という活動を行なっていた。
耳にDusty、と刺青が入れられたそのウサギは、仔牛の学年が借り受けたウサギで、彼もまた、2回だけ生理食塩水注射の実習の練習台になったTeachinb Bunnyだった。
とにかく人懐こいウサギで、仔牛も私も最初から彼をアダプションすると決めていた。

Dustyじゃあんまりだ、でも他にどんな名前にする? という話になったとき、ホコリ、じゃなくて「誇」にするか、ということになった。毎度のことながら、うちのウサギたちは正しい名前を呼んでもらえることがほぼなく、すっかり「ほこち」で定着してしまったため、語源がなんだったのかわからなくなったが、ほこちはおよそ自分をウサギとは思っていないような、犬みたいなウサギだった。

歯のトラブルは全くなし。
よく食べて、よく太る(これは困りもの)。
鬱滞で病院の世話になったのは、通算3回だけ。

人間の毛繕いまでしてくれるとか、人の股の間に挟まって寝るとか、ウサギとしての本能はどこにいったんだ、というくらい大らかな一方、なぜか女子ウサギにはモテなかった。あんなに尽くす男なのに。

手のかからない子は、可愛いのに記録に残りにくい。
写真を整理してみて、思っていたよりずっといい写真が少ないことに驚いた。
いつもピンボケ。よく動くから、どうしてもピントがずれる。
じっとしているときは寝ているときだから、半眼になって、太ってるからどうしても所謂「カワイイ」写真にはならない。

元気なときに撮った最後の写真は、パートナーのVincent(彼も「びんち」だの「キング」だのと呼ばれている)と一緒の写真で、それもびんちが足に腫瘍を作って12/5に足の指の一部断指手術が決まっていたから、医師への報告のために撮ったものだった。
どうしてこの子の写真を、元気なうちに、もっとアップで撮っておかなかったのか。
いつも、旅立ってしまってから後悔する。

 

***

 

12/5は、9歳のびんちの断指手術。
その一ヶ月前のCTで胸部に肺炎の痕跡がみつかり、一ヶ月の抗生物質治療を続けてきた。
高齢、既往症持ち、ということで、手術はどうなるかわからない。
そんなこんなで、私も仔牛も、注意はすっかりびんちに向いていた。
そして、12月1日の金曜日の朝、ほこちの鬱滞が判明した。

思えば、11月30日の夜、ほこちは夕食時にペレットを残していた。
ただ、野菜を結構たくさんやったし、このところはあとで戻ってきて食べることもあったので、それが不調の始まりだとは気づかなかった。
しばらくしたらペレットはなくなっていたので、戻ってきて食べたのだろう、と思っていたのだが、あれはもしかしたら、びんちが食べたのかもしれない。

1日の朝、ペレットを食べないが、野菜は食べたので、これは鬱滞の始まりだと判断した。
うちでは、野菜はまだ食べられる、という場合には、胃袋の張りを見て、強制給餌を早めに開始する。ほとんどの場合、鬱滞の原因は脱水なので、気づくのが早ければ強制給餌2〜3回で復活するし、それでも復活が遅い場合には皮下注射で生理食塩水を補液する。通常の鬱滞はほぼこれで解決する。

12月1日の夜、3回強制給仕の後にもあまり事態が好転しているように見えなかったので(まだ昼ごろまでは野菜を食べていたし、少なくていびつな形だがふんもしていた)夕方に最初の60mlの補液を行う。あっという間に吸収された。

夜10時、少しお腹が動き始めている音がして、痛そうな顔をしているが、ふんが出てこないので、追加で60cc 補液する。これもあっというまに吸収された。

吸収の速度が速いので、相当脱水していると判断した。吸収された水分はちゃんと腸にも回っている模様で、お腹の音が大きくなり始め、それに伴って痛そうな表情をすることが増えた。
(ちなみにお腹の音は聴診器がなくても、直接脇腹や背中に耳をつければ聞こえる)
通常ならこれでしばらく愉気すればふんが出始めるのだけれど、なにしろ体が大きいので(5.6kg)、まだ足りないのかと思い真夜中に120ccの補液を追加。

結論をいうと、翌日やはり事態が改善しなかったため、救急で病院に連れていったのだが、その時に注入された生理食塩水は500mlだった。
つまり、5.6kgのウサギが鬱滞起こしたら、ほぼ半リットルの補液が必要だということだ。
全然足りなかった。

いずれにしても、この救急で同時にレントゲンと血液検査を行う。
12月1日の時点で、レントゲンには腸閉塞や急性胃拡張の兆候は見られず、さらに血液検査も血中タンパク質濃度が下がっている以外は正常とのことで、ひどい鬱滞だろう、という診断結果だった。
これだけお腹の音がして、動いているのにふんが出ないのはどこかで閉塞を起こしているからではないか、というのを心配していたので、それはない、ということで安心して家に連れて帰った。

家に戻ると、ほこちはかなりいびつな形だがいくらかフンをして、野菜も食べ始めたので、これで回復の方向に進むだろうと思っていた。
だが、夜中には完全にふんの排出も止まり、強制給仕は更にいやがるようになった。
そりゃ、出ないのに突っ込まれても食べたくはないだろうが、ウサギの場合、詰まったものは(腸閉塞や急性胃拡張でない限り)コンスタントに胃袋にクリティカルケアを流し込んで、押し出し式で出すしかない。可哀想だが食べてもらった。

ただ、よくわからないのは、それでも無理矢理口の中に突っ込めば食べるし、食べると胃が食物や水分に反応してきゅうきゅうと音を立てるのが聞こえるのだ。
胃からそういう音がするということは、胃袋は食物を欲している。なのに、食べたくない。やはり、どう考えても、腸の後の方でなにかが邪魔をして、ふんが排出できない症状にしか見えない。

このあたりから、これは普通の鬱滞ではないかもしれない、と思い始めた。
12月2日、事態は改善せず、痛み止めも切れて痛そうな顔をしているので、やはり普通ではないと判断して、もう一度救急へ。
週末なので踏み込んだ治療はできないにしても、ここまで鬱滞がひどいと口からメロキシカムを入れてももはや吸収しない可能性があるので、注射で痛み止めを入れてもらうのが目的だった。

医師の診断の結果は、やはり急性胃拡張の傾向は見られない、とのことだった。
痛み止めと食欲促進剤、あと一応吐き気どめを注射してもらって、月曜にエキゾチック部門で診てもらうことにする。

12/4、この日は、びんちが手術前入院する日だったが、先に朝8時にほこちを連れて病院に行く。レントゲンではわからない問題が隠れているおそれがあるので、全身CTと、血液検査再度行う。

昼過ぎに、病院から電話があった。
“I have bad news.”
二度と聞きたくなかったフレーズだった。

ウサギも8匹目になると、病院が、どういうときにどういう言葉を使うかが、わかってくる。
最初にこの言葉を聞いたのは、ろし太の手術の後だった。
手術は成功した、でも、麻酔から目覚めなかった、と。
それ以外は、かなり危険な状態でも、”bad news”という言葉は使わない。

診断結果は、回復の見込みなし、とのことだった。

  • 胸部リンパ節がかなり肥大している。これは、癌もしくはかなり深刻な感染症が進行している兆候とのこと。
  • 肺に大きな腫瘍または炎症の塊と、数カ所小さなスポットで腫瘍または炎症部位が見える。
  • 2日前は正常だった血液が、たった2日で白血球の形が大きく変形している。これは、あまりに白血球が急速に作られたときに起こる現象で、かなりひどい感染症がおきているか、癌がある場合とのこと。
  • 腹水あり(これは土曜日のレントゲンでもわかっていた)、さらに肺と心臓に水が溜まっていることが判明。

以上から、医療チームとしては、末期の癌である可能性が一番高く、次が何か深刻な感染症であり、抗生物質で現在は小康状態にあるが、2〜3日以内に安楽死を薦める、という結論だった。

CTスキャンの画像を見ると、盲腸がガスでパンパンに腫れていた。
これ以上盲腸ふんが出ないと、そのうち破裂してしまうかもしれない。
そうなれば勿論即死だけれど、ほこちもすごく苦しむことになる…。

安楽死の決断を迫られたのは、これが初めてではなかった。
まんごろし太のときにも、ウサギには例がない再生不良性貧血の診断で、結局最後は見送る決意をした。その時の記録がここにある。
https://garden-of-ethel.com/blog/2011/09/mangos_anemia_12thday.php

ただ、この時は、既にかなり状態が悪く、決断をした時にはもはや自力で立ち上がる元気もなかったのだ。
ほこちは、お腹の痛みが落ち着いているときはまだ自分で毛繕いもする。
もしも癌ではなく、感染症だったら?
抗生物質でなんとか炎症を抑えて、腹痛をコントロールできれば、もっと自然に旅立てるんじゃないか?

まんごろし太のときは、結局、決断はしたものの、その注射をする前に、まんごろし太は私たちの決断を汲み取ってくれたかのように、自分で旅立つことを決めてしまった。
時間にして、たった数十秒。
でも、そのことが、どれだけ我々の心を軽くしてくれたかしれない。
今回は、それは期待できない。まだ、ほこちはそこまで悪化していないからだ。

人間とちがって、動物の命は、我々人間がいつ終わらせるかを決めなくてはならない場合がある。
彼らの声を聞くこともできないのに。

病院は選択肢として二つ推奨してきた。
ひとつは、安楽死。
もうひとつは、現状を維持する治療を続ける。
ただしその場合は入院になるし、おそらく退院はもうできない。

いずれにしても、病院で、知らない人に囲まれて死なせる、という選択肢はなかったので、連れて帰ることにした。
アメリカには動物版在宅医療みたいなものがあって、家で見送ることを決めた場合には家まで訪問して最後の処置をしてくれる。
見送るにしても、病院ではなくそちらで、ということに決めた。

家に戻ると、ほこちは幾分元気になり、野菜を食べ始めた。

そのうちに、完全に詰まっていると思われた盲腸から立て続けに数回、盲腸ふんを排出した。
CTスキャンの結果から、一番ガスが多く溜まっていたのは盲腸だったので、盲腸ふんが出れば腹痛はかなり楽になるはずだ。実際、お腹の張りもかなり改善された。

こんなにまだ食べる元気があって、盲腸ふんもでたので腸管破裂のリスクは減った。
これなら、痛みさえコントロールできれば、自然に見送ってやれるんじゃないか?
どうしても、迷う。

まんごろし太のときもそうだったけれど、死に向かう動物は、ものすごくよく愉気に反応することがある。
一生を通じて、正直、ほこちは気の通りにくいウサギだった。
もともと体癖的に伸びるウサギで、人間でいえば1種、野生的な性質の薄い体癖だった、という事情もあるのだろうけど、とにかく気を通してもお腹が反応しない。
それが、その夜は、すんなりと気が通って、ちゃんとこちらの愉気に呼応して腸管が動いていた。
耳を動かしたり、瞼が動いたり、しゃっくりをしたり、色々な活元運動が出た。
なんとか体が回復しようとしているのかもしれない。
でも、苦しまずに旅立つための活元運動もある。
そう、まんごろし太のときに整体の先生に教わったことを思い出す。

夜中に、ほこちは下痢をした。
盲腸ふんではなく、本来固形の硬いふんが出るはずなのに、それが下痢になってしまっている。
何度も野菜を食べて、それでお腹が動くと、お腹が痛くなってトイレに駆け込み下痢をする。
結局、翌日の昼までそれは続き、回を重ねるごとに、水分が多くなっていった。

出せば痛みが少しおさまるから、少し元気になって走り、毛繕いもする。
そういう姿を見ていると、まだ早いんじゃないか、とどうしても思ってしまう。
でも、自分の意思で食べたものがちゃんと消化できないというのは、もう天命は終わっている、ということに等しい。
ふんの匂いが、ぷち子が最後にしたふんの匂いと同じだった。
イカのような、タンパク質が悪くなったような匂いだ。
ぷち子は13歳生きて、胸腺腫があったけど、結局最後はおそらく風邪をひいて、鬱滞を起こし感染症で旅立った。
だから、これは、やはり医師の言うように、全身レベルで感染症が起きているサインなのだろう。

この子たちは最後まで諦めない。だから、可能なら、その最後まで見届けてやりたい。
でも、そのために、ほこちは多分これからまだ数日は、食べては痛い、を繰り返す。
メロキシカムも既に規定量の3倍を与えているけど、それでも痛みはコントロールできない……。
ほこちは、その状態が、もう金曜から5日も続いている。
それは、人間でいえば、下痢の腹痛が半月ちかく続いている、というのと変わらない。

自分が腹痛のときだって、1〜2時間も腹痛が続けば、もうたくさんだ、という気分になる。
それだって、出し切ってしまえば楽になる、という希望があるから耐えられるのだ。
しかも、ほこちは、何度このプロセスを繰り返しても、もう改善はしない。
ただ、痛いだけで、その痛みを抑える方法ももう殆ど尽きている。

それを考えたとき、もう、今日、見送ってやろう、と決めた。

 

その心が、やはり、通じてしまったのかもしれない。
彼らは、言葉は理解していないかもしれないが、人間が何を考えているかには、本当に聡い。

昼ごろから、しゃっくりの回数が増え、まだ食べようとはするものの、前日夜ほどの元気はなくなってきた。
しゃっくりは、野口整体によれば、肝臓に問題があるときに出やすい。
しゃっくりで肝臓を揺らして、働きを回復させようという活元運動のひとつだ。
人間には頻繁にあるが、健康なウサギでは殆ど見ない。
つまり、ほこちは、血液検査では肝臓関連値に問題はなかったけれど、この24時間でそちらも悪化した、ということかもしれない。

体温の維持が難しくなってきたので、水で絞って1分レンジで温めたおしぼりをタオルの布団の上に置いて、背中から腰骨を温める。
鬱滞のときによくやる方法だ。
(音がないと、逆に突然の音にびっくりして怯えることがあるので、背後でハイキューの第1シーズンをNetflixで流してます)

病院から3か所ほど、在宅医療を提供してくれる獣医師を紹介してもらって、Dr. Miranda Braithwaiteに連絡をとった。
https://thesagepet.com/about-dr-b/
電話をするとすぐに連絡をくれて、夕方には来てもらえることになった。
まだ若い、とても感じの良い女性のドクターだった。

アメリカでは、獣医師は5年から10年でかなりの数が心が擦り切れてしまい、鬱になったり辞めてしまったりする、というデータがあるらしい。
それは、人間と違って、安楽死のプロセスがあるから、そして、それを要求する人間が、かならずしも動物のためばかりを思っているわけではないケースが結構あるからだ(勿論経済動物の話ではなく)。
どこまで本当の話か知らないが、夏と冬にはeuthanasiaの依頼が増えるらしい。
理由は、家族旅行に行きたいけど、年老いた犬ががいると、簡単に家を開けられないから。
勿論、そんな理由の安楽殺を獣医師が請け負う義務はない。
でも、既に既往症がある年老いた動物で、経済的理由を盾にされたら、本心がどうあれ、むやみに首を横に振ることもできないだろう。
そんな中で、在宅のeuthanasiaを請け負う獣医師は、本当に動物たちのQOL維持のために強い信念を持って活動をしているのだろうと思う。
まだ若いドクターが、擦り切れてしまわないことを祈る。

ドクターにUW-Vetからの診断書を見せた。実際に手を下すのはドクターだから、本当にもうそのほかに手段がない、ということを知って欲しかったからだ。
ドクターは、これは相当シビアな状態だ、私は良い決断をしたと思う、と言ってくれた。

 

安楽死の手順は、まず鎮静剤で落ち着かせ、ほぼ眠っているような、痛みも恐怖も感じない状態にするところから始まる。
それで刺激に反応しなくなったのを確かめてから、薬液を静脈注射する。
最初の鎮静剤が筋肉注射だったので、ほこちは驚いて抵抗した。
(筋肉注射の方が効きが早いから、ということらしい。ただ、人間でもそうだけれど、筋肉注射は痛い)
まだ抵抗する余力があるし、体が大きく力も強いので、仔牛が保定していなかったら、もっと可哀想なことになっていたと思う。
この子たちのおかげで、今仔牛は動物看護師として働いている。
仔牛はどこも怪我させずにほこちを落ち着かせて、宥めていた。
すごいな、と思った。

数分で眠くなるはずが、ほこちはますます目が冴えてしまった。
おそらく、腹痛で痛みが強いので眠くならないのと、動かない下半身に驚いて、危険を感じてしまったのだと思う。
かなり太っていて脂肪がついていたので、薬の効きが悪い、ということもある。
結局、今度は皮下注射で(こちらの方がそんなに痛くない)、追加でもう一本鎮静剤を打っておちついた。

まんごろし太のときは、もうかなり弱っていたから、こんな姿は見なかった。
こんなに状態が悪くなっても、最後まで必死に生きる道を探す。
それが生命なのだ、と見せつけられたような気がした。

2本目の鎮静剤でほぼ全身の力が抜けたので、ようやく、ほこちは痛みから解放されたのだと思う。
旅立ったのは、それからすぐだった。

***

 

毎回のことながら、全てが終わってしまってから、なにかがまずかったのではないか、もっとなにかができたのではないか、と考えてしまう。

癌またはひどい感染症とのことだが、もしかして感染症で、それは私がうちの庭から採取して与えたパセリになにか危険な細菌かウィルスがついていたからではなかったか、とか。
(一応野ウサギに食べられないように、野ウサギが入れない柵をしてあるが、そういう菌やウィルスを、鳥やリスなど、ウサギ以外の何かが持ち込む可能性もゼロではない)

剖検すればどっちだったのかはわかるけど、剖検する勇気がなかった。
びんちも同じものを食べていたけど、びんちは肺炎の治療中で抗生物質を投与されている。そのおかげで助かったと考えられなくもない。
だとしたら、私は、ほこちに毒を盛ったに等しいから。

医師も、仔牛も、感染症の可能性はゼロではないけど、癌を強く疑っているようだった。
仔牛は、感染症といえば普通は傷口からの感染経路を考える、という。たしかに、口から肛門までは、言ってみれば体の外と同じ扱いなわけで、食べたもので感染症を起こすのであればそもそも何も口にできない。
でも、それだけではなくても、色々な不運が重なって、ということはあるかもしれない。
奥歯が少し伸びていたので、噛むたびに少し口の中を傷つけていて、そこから感染したかもしれない、とか。

ウサギは本当に痛みを隠すのが上手いから、普通に食べていたからといって、痛くなかったとは言えない。
考えてみれば、少し前から、ペレットを一気に完食できなくなっていた。
あまりにお腹を空かせているので、もう年だし、肥満を気にしてペレットの量を絞るより、もう少し多めに食べさせてやろう、と、数ヶ月前からペレットの量を朝晩大匙2杯から3倍に増やした。
コンスタントに3杯与えているので、少し満足してきたのか、としか思わなかった。

でも、1年前のほこちだったら、それでも一気に完食していたかもしれない、と思う。
高齢になれば、食べる速度は落ちてくる。それは本当だ。
だから、本当のところは、何が原因だったのか、わからない。
外の野菜を与える時には、かなり水できちんと洗わないといけない。
そうSueに言われていたのに、ウサギは入れないエリアだから、ということで油断してしまった。

金曜日に、ペレットを食べなかった時点で、迷わずに病院に連れていってCTを撮影していれば、もしかしたらその時ならまだなにか出来たのかもしれない、とか。
たとえ癌で、手術ができない部位であったとしても、感染症の発症は遅らせられたのじゃないか、とか。

まだ野菜は食べているし、ふんもしている、ということで、様子を見てしまった。
びんちの治療で最低でも40万円かかる、というのがわかっていたので、このまま回復してくれたら、と、まったくお金の勘定をしなかったといったら嘘になる。
本当に、タイミングが悪かった。
びんちの手術がここまで近い日程じゃなかったら。
これが金曜でなく、月曜や火曜だったら。
深刻な状態に陥ったときにも平日で、CTが即日に撮影できて、すぐに感染症がわかっていたら。
(もっとも、土曜の血液検査では異常は見られなかったので、CTで胸部の異常はわかっても、感染症が進行していることはわからなかったかもしれないけど)

そして、「ほこちは健康優良児」という思い込みを、もっと早くに正せていたら。
(そのくらい、ほこちは本当に、健康トラブルがない子だった)

今更考えてもしかたのないことだ、とわかっていても、考えずにはいられない。

 

ただ、通算8匹もウサギたちを見送っていると、非常に非科学的な話ではあるのだけど、その子の運というか、天命みたいなものが命を左右している、と思わされることがある。
ほこちは、本当に運がなかった。
そして、こういう生死に関わるところで運がない、というのは、その子の生命力がもう尽きかけている、ということなのかもしれない、とも思うのだ。

一方で、びんちは今のところ、強運に恵まれているような気がする。
足に腫瘍が出来たために病院に連れて行って、そこで撮影したCTで肺炎が見つかった。
肺の影そのものは過去に患った肺炎でも残るので、これが進行中のものか確かめるために、一ヶ月抗生物質治療を続けてから、足の断指手術をする、ということになった。
びんちは抗生物質と本当に相性が悪く、抗生物質を投与すると食べなくなる。
それで、今回は、皮下注射で投与することにしたのだけれど、それが幸い体に合って、食欲を落とさずに治療が可能になった。ずっと治らなかった鼻水もクシャミも止まった。
先日のCT再検査の結果、肺の状況は劇的に改善した、という報告があった。
つまり、びんちは、足に腫瘍ができていなければ、ほこちよりも先に肺炎で旅立っていたかもしれないのだ。

そして、昨日の後脚の断指手術もウサギとしてはあまり一般的ではない手術なのに成功し(ウサギはどうしても後脚に負荷がかかる生き物だというのと、糞尿を踏んで傷口から感染するのが怖いので、大腿部の付根から断脚する方が安全だということらしい)、家に帰ってきたびんちは順調に回復に向かっているように見える。庇いつつではあるが、リビングを既に歩き回っている。
勿論、まだ採取した腫瘍の詳細を調べてみないとどういう種類の癌かわからないし、その結果、この手術をしても既に転移していて結局余命数ヶ月、ということもあるかもしれない。
でも、すくなくとも、今はまだびんちの命運は尽きていない。
そんな気がする。

そうやって、我々の注意がびんちに向いてしまったので、ほこちの体調悪化が急激に進んだ、ということもあるかもしれない。
これも現代の科学では説明のつかない話だけど、生き物は全て、お互いに気のやりとりをしながら生きている。
それまで必死で気を張ってきたものが、我々人間の注意が逸れた瞬間に、気が緩んで一気に悪化する。
そんなウサギたちの姿を、これまでに何度も見てきたからだ。

……だから、ほこちは、びんちに、命を譲って旅立ったのかもしれない。
お前はまだツイてる、だから、生き残れよ、と。
最後の一年、一緒に仲良く過ごした仲間だから。
本当に、気が優しくて、男にも女にも、尽くすタイプの男だったから。

 

***

 

私の専門は物理だから、正直、死後の世界とか、頭ではそれほど信じているわけじゃない。
この世の形ある有機物は、全て、究極のところ、波動関数の重ね合わせにすぎない。
燃えて灰になれば、その波動関数の局所的な偏在は解け、地球上でもっともありふれた原子のひとつである炭素になる。
ただ、それだけだ。
勿論、有機物が無機物になった後に、意識なんて存在しない、と思っている。

でも、感情はまったく違うことを考えている。
うちのウサギたちは、皆月で楽しく暮らしている、と思っているし(そのために月の土地も買った!)彼らと今生きているウサギたちの間には、なにかクラウドのようなつながりがあって、こちらが過去に犯した失敗とか、ダダモレに伝わってるんじゃないか、とか、結構真剣に考えている(笑)。
そうとしか思えないような振る舞いを、生きている彼らがすることがあるからだ。

でも、本当のところは、違うのだろう。
変わったのは、我々なのだ。

彼らは、生きた証を、我々人間の心に残す。
彼らの魂は、虹の橋のふもとで飼い主を待っているのでも、極楽浄土で餅を食っているのでもなく、我々の心の中に棲んで、我々の行動を変える。
びんちが回復したら、またシェルターで、びんちのお眼鏡にかなうパートナーを探すことになるだろう。
その時に我が家に来てくれる子は、それまでとはまったく違う兎生を送ることになる。
そうやって、虹の橋がほこちから別のウサギにかかることもあるし、我々がほこちから学んだことで、今後、我々がウサギたちを見る目や、親しい人たちと接するときの態度も変わる。
彼らと暮らしていると、先に旅立った子の魂が還ってきて、この子の中に溶け込んでしまったんじゃないか? と思う瞬間に結構頻繁に出会うのだ。
変わったのは私たちだ。
でも、多分、そう思ってていいんだろう。
それを繰り返しながら、少しずつ、自分の親や近しい人を見送り、また自分の番がきたときの準備をしていくのだろう、と思う。

それは、本来パウリの排他律によって、決して存在の境界が交わることがない個体が、別の個体の波動関数の状態を変える、ということなのだ。
それも、そのインパクトの一瞬だけではなく、その後の長い時間に渡って。
そんな反応は、私が普段相手にする素粒子の世界にはない。

それを考えるたび、命の不思議さと、愛おしさを思う。

ほこち、うちに来てくれてありがとうね。
君は本当に、我々の「誇り」だったよ。
また、元気な体になって、帰っておいで。

 

 

涙目のウサギのマッサージ記録

うちのびんびん(またはキング、本当はVincent)は、レスキューされたウサギなんですが、保護当時にすでに両耳をかじられていて、常に目から涙を流している状態でした。

ただ、それがひどくなるかというとそういうわけでもなく、軽症のパスツレラ感染症ではあるんでしょうが、鼻水に色がつくほどでもない、という状態が慢性化しています。一度病院に連れていって、根治を目指して抗生物質の目薬を試したんですが、(一番腸に影響がない方法だと言われたにもかかわらず)お腹がゆるくなってしまって明らかに体力を削られたので、これ以上重症化しないか様子をみよう、ということになって以来、結局薬による治療はしていません。

その後、抗生物質よりArkopharmaのローヤルゼリーの方が涙の量をおさえるのによほど効く、ということがわかり、しばらくこれでコントロールしていたのですが、2度ほど量を少し多くあげすぎてしまって、やっぱりお腹がゆるい状態に。
ローヤルゼリーでお腹ゆるくなるウサギなんて、これまでうちに来たウサギにはまったく見られなかった症状なので、どうも彼はかなり殺菌効果のある薬物やサプリにセンシティブらしい、ということがわかりました。

そういうわけで、ちょっとマッサージを試してみようか、と思い立ちました。

かじられた耳は本人も触られるのが嫌らしく、これまであまり触らないようにしてきたのですが、いざ触ってみると根元ガチガチ!!
こんなにいつも力入ってたら、耳の根元や首、顔の筋肉も凝って大変なんじゃないかと思います。
そんなわけで、しばらくマッサージを続けてみて、涙の量が減ってくるか見てみようかな、と思います。

1回目(2019/12/8)

フランスのアンゴラウサギの毛毟りの話

え? フレンチアンゴラ? って言われそうですが、、そういう可愛い話ではなく。
残念ながら、アンゴラの毛皮を採取するのに、全身から毟り取って丸裸にする、というのがフランスの農家でも行われているらしい、という話です。
この状態を改善すべく、署名サイトが立ち上がっています。

https://one-voice.fr/en/petitions/stop-angora.html

英語のサイトですが、署名方法についての詳しい説明が以下のリンクにありましたので、署名したいけど、、という方はそちらもご参考ください。
https://m.facebook.com/JapanAntiVivisectionAssociation/posts/1276360892431704

中国の事例は、もう何年も前にPETAにすっぱ抜かれてましたが、フランスでも同様のことが起きているというのはショックでした。
(ちなみにそのとき書いたエントリーがこちら。)

まあ、ウサギ飼ってる人なら、いくらウサギの毛が抜けやすいといったって、全身丸裸になるまで引っこ抜かれたら、ウサギは恐怖と痛みでキーキー鳴き叫ぶし、その後は体温調節ができずに腹壊すし、肌には血が滲むし、ということは簡単に想像がつくと思います…。
これが、苦痛を与えない方法とは、ウサギの飼い主としては、決して言えない。

ちなみに、この署名サイトにはビデオがありますが、それを流していたら、毛をむしられるウサギの鋭い悲鳴が聞こえてきて、うちのウサギたち一斉に立ち上がって警戒体制になりました…(汗)
コンピュータのスピーカーからの音で音質悪いから大丈夫だろうと思ったのですが、そういう問題ではなく、やっぱりウサギにとって悲鳴は相当危険な警戒信号なんでしょう。
これを、毛がのびるたびに、年に何回もやられるのかと思うと、ウサギでなくてもゾッとします。

2013年に、アンゴラウサギに対する同様の扱いがEU各国に知れ渡り、イギリスなどでアンゴラ製品のボイコット運動が起きましたが、このサイトも2016年にこのフランスの6農場の報告をしていた模様です。

ところが、この署名サイトの記述によれば、エコロジー省の役人は、そのとき、生きたままアンゴラウサギの毛を引っこ抜くのは、National Institute of Agronomic Research (INRA)で承認された方法だ、と言ってとりあわなかったというんですね。
で、この団体が、直接INRAに連絡したところ、そんなことを書いたドキュメントは存在しない、という返答だった、と。
結果、6農家のウサギの扱いは改善していない、というのが最新の情報です。

要するに、エコロジー省の役人としては、自分たちの仕事は人間の安全を守るために畜産業の監視をすることであって、動物の福祉がどうの、というのは自分たちの管轄ではないから、適当なことを言って追い返した、ということの模様です。
アメリカでもさんざんこういう対応をされていることは、HRSの活動でもわかっていますので、まあどこの国でも同じ、なんでしょうが、、、

先進国には動物福祉法があるわけで、その中には動物の苦痛を最小限にすべし、という条項があります。食料や水の供給の義務、それから、守られていないことも多いけれど、傷病を負った場合に治療する義務、などなど。
当然フランスにも、これに相当する法律はあります。
ただ、これを守らせる行政側の意識は、屠殺のときに苦痛を最小限にするシステムができていればOK、という程度でしかないのが殆どなんですね、残念ながら。

しかし、アンゴラウサギの場合、「屠殺」じゃないわけです。生かしたまま毛をむしるわけですから。さらに、体は丸裸にするけど、水や食料を与えないわけじゃない。
そうすると、現行の動物福祉法では、積極的に取り締まる運動が起こらず、生産者のやりたい放題、になってしまう危険をはらんでいるわけです。
もっとも、生産者が悪いというよりは、安く買い叩く流通の方に問題があるかもしれませんが。

(厳密には、ウサギを食肉として扱う場合の屠殺にも、ほとんど法の規制はないに等しいですが。ウサギは鶏と同じ扱い、もしくはそもそもどのカテゴリーにも属さない、ということで、牛や豚ほど苦痛に配慮しろとか言われないことがほとんどです)

以前のアンゴラ製品のボイコット騒ぎのときは、中国の生産者が槍玉に上がったわけですが、中国には当然、ハサミでウサギの肌を傷つけないように採取している業者もありました。彼らがいうには、引っこ抜いた方が長い毛がとれるので高く売れる、と。でも、あえて、そういうことはやらない、という農家や業者もいるわけです。そういう人々が、一部の残酷な扱いを厭わない人々のために、製品を安く買い叩かれて不利益を被るのも気の毒です。

この署名は、問題の農家について改善を要求し、こういうアンゴラウサギの扱いができないよう規制を求める署名ですので、私は署名してまいりました。

動物福祉の問題は、人それぞれ、温度もそれぞれ、なので、署名の紹介をするときはなかなか気を使います。もちろん、「そもそもアンゴラ製品の生産をやめてしまえ」という意見もあるでしょうし、むしろウサギの飼い主としてはそう啓蒙すべきなのかもしれませんが、このサイトをご覧になる方はほとんどウサギの飼い主の方でしょうから、そこは私がわざわざ言わなくても言いたいことは分かっていただいている、と勝手に解釈しています(笑)。まあ、経済動物としてのウサギが、毛をむしられるまではなくともどのような扱いを受けるか、大体想像はつくと思いますので…。

ちなみに、アンゴラうさぎの毛の採取ですが、伝統的な方法は、毛の根元を一方の手の指ではさんで皮膚を引っ張らないようにしておいて、毛先の方をもう一方の手の指で梳いて、すっと抜ける毛を収穫する、というものの模様です。
毛が長いので、抜けた毛が落ちずに絡まっています。これを、指で梳いて集めるわけです。
うちにも今アンゴラうさぎのヴィンセントがいますが、たしかに、その方法なら、ウサギは気持ちよさげに毛を抜かれています。彼らも、自分であの長い毛を舐めて抜けた毛を取り除くのは大変なんでしょう。

うちのヴィンセントは、暑さでやられて大変なので、数週間に一度ハサミで短く毛を刈っています。電気バリカンは、毛が絡まってオーバーヒートする上に、皮膚を巻き込んで怪我をさせる危険が高いのでやめろ、と複数の人から言われたので、一度も試していません。
最近、ようやく背中は黙って刈らせてくれるようになりましたが、やっぱり顔まわりとお腹は必死で抵抗します。で、「ひどいことされた!!」とばかりにふくれっ面をしていますが、いざ散髪が終わると、世界が変わったみたいに元気になって大ゴキゲンです。
…やっぱり邪魔なんだな、あの毛(笑)。

プチの胸腺腫その3(1年経過)と歯の問題

以前の記事はこちら:

今回のもくじ

  • 胸腺腫の経過
  • 注射や採血のときのアルコールに注意、使いすぎは下痢をするかも
  • いびきは歯のせいでした
  • 現在のトリートメント

胸腺腫の経過

去年の春、偶然プチに胸腺腫がみつかってから1年が経過しました。あれから数ヶ月に一度のペースでCT撮影をしてきましたが、この春の検診後、進行が早くない、ということで、定期検診はひとまず終了、ということになりました。

今年の2月に、1年ぶりにプチが換毛しました。去年はもう、換毛する元気もなかったのだと改めて気づきました。
換毛をうまく経過したら、多少体に力が戻ってきました。
やはり、換毛は年寄りや虚弱体質のウサギには危険だけど、うまく経過すれば体調が整うんだな、というのも改めて実感。

私の目にはゆっくりとはいえ、胸腺腫は確実に大きくなっているように見えるのですが、診断書には1ミリ以下の成長度しか記録されていませんでした。医師が言うには、CT画像からサイズをはかるのはそれなりにテクニックが必要だそうで、ここは医師の報告を信頼すべきと思っています。

petit_201804_1

1年前は1.7cm、今年の春は2.5cm、に、見えるんですけどね。。。

以下は2017年8月。縦方向の長さが3.5cm程度?
Petit_20170822_thymoma_side

で、こっちが2018年4月。縦方向3.7cm、2mmくらいは伸びてる。
petit_201804_2

ただ、たしかに、医師が言うように、あまり早い進行ではなさそうです。
胸腺腫はそもそもそのように進行が遅いものなのか、それともプチが高齢(13歳)のため人間と同じく成長速度が遅くなっているのかはわかりませんが、このペースであれば、呼吸困難になるより先に寿命がくるかもしれない、とも思っています。

片肺が腫瘍で完全に潰れてしまったら、まずステロイドで当面しのぎ、その後は酸素室、ということで、一応主治医と段取りの相談はしています。

ステロイドの使用については、一時しのぎであることは主治医に聞かされています。一時的に多少小さくなる効果を得られるかもしれない(必ずというわけではない)ので、一度苦しくなった息を多少楽にさせてやれる程度のものです。
胸腺腫がみつかってから、とにかく延命よりプチが一番苦しくない方法で、ということで方針は決まっていますので、その時がきたら迷わず使おう、と思っています。

注射や採血のときのアルコールに注意、使いすぎは下痢をするかも

定期検診をやめたのは、それがかなりプチの負担になっているからだったのですが(検診後3週間ほど下痢で体調が悪くなる)、なんどか通っているうちに、原因がわかりました。

なんと、検診前の採血時に、後ろ足をアルコールでびしょびしょに濡らされてしまうのが問題だったのです。

高齢のためもう自力で足をきちんと舐められなくなっているプチは、濡れた足を乾かす方法がなく、体温も昔ほど高くないので、アルコールが何時間も乾かない。その間に、足もお尻も氷のように冷たくなり、体温もかなり低くなってしまってしまっていたのでした。

あれだけ冷えればお腹を壊すのは当然です。

最後の検診時にそのことに気づき、CT検査が始まるまでの間に必死で足をペーパーでぬぐい、医師に頼んで保温パックを持ってきてもらって体温を上げ、ということをやったら、その日の夜は下痢をせず、その後もそれほど体調は崩れませんでした。

次回検査をするときにはそのことを重々お願いするつもりですが、足を完全に乾かすまでやるのは忙しい病院では難しいかもしれないので、その時は我々がついていってドライヤーで乾かすしかないかもしれません。

人間でも、足、とくに足首を冷やすのは致命的にお腹に打撃を与えますが、プチの場合、人間でいえば、片足の膝から下全部をガンガンにアイスパックで冷やされていたような状態だったわけです。

それでお腹を壊すなという方が無理。

もしかして、今まで検診後にお腹を壊していた子たちは、ストレスではなく同じ原因だったのかもしれない、と思いました。

アルコールで足を濡らすのも、人間の目でみたらちょっとの面積に見えますが、人体の比率に当てはめてみたらかなり広い面積になります。若いウサギや元気なウサギは濡らしても割合すぐに乾きますが、年寄りや弱ったウサギはなかなか乾きませんので、注意が必要。
(余談ですが、人間でもお風呂のあとの髪の乾き方の速さで体調をはかることができます。なんか乾きにくい、というときは、体が低調期または不調のときです。一方、今日はすぐに髪が乾く、というときは、好調期にさしかかって体が活動的になっているときです。昔は部屋の湿度の問題かと思ってましたが、そういう話じゃなかった(笑)。)

いびきは歯のせいでした

さて、そんなこんなで、検診をやめた数週間後。
プチの食欲があまり安定しなくなりました。

とにかく、去年の2月ごろ大きく体調を崩してから、簡単に下痢をするようになったので、そういう問題かと思っていたら、よく見ていると、どうも食べたい、とは思っている模様なのです。硬いペレットも、一度くわえてはみるのだけど、ちょっと考えて食べるのを止めて落としてしまうとか。野菜も、柔らかい葉っぱのところは食べる、とか。

しかも、口を動かすと、歯のあたりでへんな音がする。
なにしろ、12年間歯のトラブルがなかったウサギだったので、「歯、、なのかな?」と思いつつも、なかなか行動に移せずにいました。

柔らかいペレットや、ふやかしペレットは、食べていましたし。

ところが、ある日、よだれを垂らしているのを見て、「これ、間違いなく歯だ!!」とようやく確信し、翌朝病院へ駆け込みました。
その前日に撮ったビデオでも、歯がキュッキュッ、とたてるへんな音が録音されています。

主治医は、なにしろ13歳の高齢ということもあり、このビデオを見ても、最初はなるべく麻酔をかけたくないと言っていましたが、2度目に口の中をのぞいて大きな舌の傷を発見。これは多少リスクがあっても歯を削るしかない、という話になりました。
主治医は、「この状態でよく食べていたわねえ!」とびっくりしていました。
まあ、プチは我慢強い子なので、、、。

で、諦めて麻酔をかけて歯を削ったのですが、そうしたら、あの酷かったいびきがすっかりおとなしくなってしまいました!
(完全になくなったわけではありませんが)

うさぎのいびき、といっても色々あるのでしょうが、とにかく、プチのいびきは、呼吸がしづらそうで、見ていてツライのです。
もう、横隔膜を必死に使って吸い込まないと、息が吸えない、って感じで。
それが、歯の治療をしたら、そこまで辛そうな呼吸がなくなってしまいました。
イビキは胸腺腫のせいではない、このサイズの胸腺腫でそこまで呼吸が難しくなるわけがない、と以前から先生はいっていましたが、やっぱりその通りでした。

さらに、呼吸が難しいため、どんなに頑張って食べさせても減り続けていた体重が、1.3kgで減少が止まりました。マスクダイエットじゃないですけど、呼吸がしづらい、というだけで、ものすごくエネルギーを消費してしまうんですね。
若い頃は1.5kgちょっとあった子なので、本当はもう100gくらい重い方がいいのでしょうが、今は胸腺腫もあり、肺活量が若い頃より減っている状態でしょうから、その呼吸量でちょうどいい体重に落ち着いているのかもしれません。

ただ、歯は、6週間後にはまた伸びてしまい、再度病院で削ってもらうハメに。
これからずっと、6週間ごとに麻酔かけて削らなくちゃいけないのか、、と暗澹としていたら、先生曰く、

「不整合の場合は別だけど、そうでない場合は、歯が削れた状態で顎をきちんと動かせるようになって、噛み合わせが整うまでしばらく時間がかかる。その間、数回は、短い期間で歯のメンテをしなければならないことはあるけど、その後はだんだん時間があいてくるから大丈夫」

とのこと。

で、現時点で、3回目の歯のメンテはまだやっていないので、たしかにその通りでした。

でも最近また牧草食べなくなってるから、そろそろまた注意して食べる様子を観察していないといけない感じです。
だんだん、柔らかいものしか食べなくなったり、食べようかな、というそぶりを見せたのに、ふい、とそっぽを向いてやめてしまうような行動が見られたら、要注意、ということで。

今、また換毛してるから、当面はなんとかもってほしいんだけどな。
まあ、秋にも換毛できるようになったのは、良い傾向ですが。
(もちろん、換毛で体力を削がれてコロっといってしまう恐れもあるので、かなり注意は必要ですが。)

現在のトリートメント

現在使用中のサプリと投薬、その他もろもろは以下のとおりです。
現在のプチの体重は1.3kgです。

朝晩のペレット:

Oxbow、Supreme Science、バニーセレクションのスーパーシニア、コンフィデンスをそれぞれ小さじ1ずつ与える

夜食(活動的になる時間に与える)

Oxbow、Supreme Science、バニーセレクションのスーパーシニア、コンフィデンスをそれぞれ小さじ1ずつ、お皿に入れる。さらに、白井田七人参1/2錠を砕いて入れる。
(写真ではまだ砕いてないけど、スプーンの背で簡単に押しつぶせます)

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これをお湯でふやかして、、、

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そこに、、フランス・Arkopharma社のローヤルゼリーを20滴と、メロキシカム0.4mlを入れてまぜる。

メロキシカムは、どうも高齢で関節痛があるようなそぶりをするようになったので、医師と相談の上ではじめました。
やはり、これを与えていると、体が軽く動きますし、あまり舐められなかった後ろ足なども舐めている様子がみられます。
本当は、痛みを抑えているだけで関節は炎症を起こしているのだろうから、無理に動かさない方がいいのかもしれませんが、痛いのを我慢して、動きたくても動けない、というのはかわいそうなので。
多少それで寿命縮めても、好きなことをして生きる方がいいかな、と。
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最後に、ビオフェルミンS顆粒を、付属のスプーン1杯ふりかける。
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で、プチはこのビオフェルミンが大好きで、これがかかっていると喜んで食べます。
甘いから好きなんだろうと思っていたけど、ビオフェルミン食べてると大変胃腸の調子が良いのです。

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ビオフェルミンの主成分は人間の腸に住む菌で、ウサギにはいないものなんですが、そんなことは関係ないらしい。とにかく生きてても死んでてもいいし、自分の腹にいない菌でもいいから、菌をとると腸内フローラが活発になる、という話はどこかで聞いたのだけど、まさにその通りなんだ、とウサギで実感(笑)。

居住環境:

ギリギリまで足腰を使ってもらうためと、部屋の位置を床から高くして冷えの影響を被らないようにするため、現在は牧草ボックスの上にダンボールをかぶせたものの中で生活してもらっています。
(家の中が凄まじいことになってますが、、(汗)その辺はさくっと無視で。。)

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牧草だらけのベージュのマットの下には、実は山善(YAMAZEN)の一人用こたつが隠れています。これが横から牧草ボックスを温めて、段ボールハウスの中をほんわか暖かくしてくれるのと、寒いときはこの上に座ればお尻が暖かい。

手前に見える木の細長いものも、ヒーターです。夏でも冬でもおかまいなく、ウサギが寒いと感じたときには暖まれるようにしています。

そのほか、以前与えていたコルディGまたはプライオは、現在は与えていません。
これは、どうもプチはこれらと相性が悪く、ちょっと体調がよくないときや、少しでも量がすぎると、下痢をするからです。

去年いろいろ試した結果、結局、ウサギは腸内細菌が命なんだ、と思い知りました。
腸内細菌のバランスがよくないと、十分に発熱できずに体温を維持できない。体温が低くなると、ウサギのお腹に必要な菌が育たず、さらに体調が悪くなる、という悪循環。
いくら腫瘍が小さくなっても、腸内細菌がきちんと働かない状態になってはもとも子もありません。なによりも、本人、というか本兎が辛そうですし、それで無理やり長生きしても意味がない。
そういうわけで、下痢する可能性のあるものは一切やめることにしました。
体温上げる効果なら、田七人参で代用できてますし。

ただ、プチの腫瘍の進行が遅いのも事実で、それにコルディやプライオがまったく貢献していなかったという証拠もないので、下痢をしない子にはいいのかもしれない、とは思いますが…。

パワーヘルスも、現在はお休みしています。
これは、呼吸がつらくてあまり眠れないのを解消するために乗せていたので、いびきが解消して昼間よく寝ている現在では、無理にストレスかけることもないかな、と思ってやめています。
ただ、プチは13歳でもまだ両目がはっきり見えていて、これはもしかしたらパワーヘルスのおかげかもしれないので、また食欲がおちてきたり、眠りが浅くなってきたら試してみようかと。

温灸は、現在のところ、体を触って片側だけ極端に冷えている感じがなくなったのでしていませんが、たまに体調が悪いときには、玄米3に対しと粗塩1の分量で布袋にいれたカイロをレンジで1分あたためたもので温灸しています。

 

プチがうさぎ胸腺腫(その2)

この記事は、プチがうさぎ胸腺腫ー冬虫夏草って効くのか?という記事のアップデートです。
この記事の後日談は、こちらへ。

初回診断の4月6日からほぼ4ヶ月が過ぎた8月22日に、プチの胸部CTを再度撮りました。4月6日のCTおよびその後の針生検で、プチは胸腺腫と診断されています。

その後、巷で聞く冬虫夏草は胸腺腫に効くのか、と思い、コルディGおよびプライオを購入して毎日付属のスプーン1/4ほど与えてきました。

で、結論なんですが、効いているのか効いていないのかわからないけど、とにかく本兎は元気になったので、現在のトリートメントを続けてみよう、ということになりました。

以下、4月と8月の比較写真です。頭からシッポの方向に輪切りにした絵です。
左側が4月、右側が8月です。
上下は、頭方向からスキャンしていくと、2箇所ほど胸腺腫のサイズが拡大したところがあったので、その一番大きく見える2箇所で比べたために合計4枚になりました。

Petit_20170822_thymoma_front

医師の見立てでは、成長速度は数パーセント、予想通り進行は早くないし、なにしろ12歳なので、たぶん危機的状況に育つ前に寿命がくる、という話でしたが、こうやって真面目にみてみると、そうでもないように見えますね。

スケールを入れたのは私なので、測り方これでいいのかわかりませんが、仮にこれが正しい胸腺腫のサイズだとすると、4ヶ月で30%増です。肺は片方でも生きられるとはいえ、このまま4ヶ月で30%ずつ増えていくと1年後には片肺は使えなくなりそうな気がします。
その頃になったら、たぶんステロイド療法から始めることになると思いますが、、、

8月は上、横からも撮影したので、その写真も上げておきます。(8月のみ)
これも、上、横からスキャンして、一番大きく見える場所を切り出しています。

Petit_20170822_thymoma_side

この成長度が胸腺腫としては早い方なのか、遅い方なのかはわかりませんが、一方で、プチ本兎は4月にくらべて随分元気になったように見えます。
体重は、周期的に上下しつつ全体のトレンドとしてはじわじわ落ちてきている感じはありますが、本兎はその方が楽そうというか、おそらく使える肺の容量に体重を合わせているのかも、という気もします。
すくなくとも腸内の環境は整ってきている模様です。

で、それが冬虫夏草のおかげか、と言われると、実はそうとも言い切れない状況でして…。

以下、現在のプチの1日です。なんだかサプリ祭りみたいになってますが、冬虫夏草以外は人間用なので、まず人間で試して効果があったものだけウサギにもおすそわけしています。

  1. 朝一番で、フランス・Arkopharma社のローヤルゼリー(オレンジジュースに溶かしたもの4ml程度)+白井田七人参1/4錠を砕いて100%オレンジジュース30ml程度に溶かしたものを飲ませる
  2. ペレット(朝)コンフィデンス大さじ1+小さじ1
  3. 小屋の中に山善(YAMAZEN)の一人用こたつを横倒しにして置き、その上にタオルをかけて保温場所を確保(クーラー稼働中もコタツは切らない)
  4. 夕刻、シラントロやパセリ、ロメインレタス、セロリなどを与えて水分をとらせてから、ペレット(夜)コンフィデンス大さじ1+小さじ1
  5. パワーヘルスの弱(7200Vp)に合計3時間
  6. 終わったら体重測定。そのときに体を触ってみて、冷えているところがあれば、玄米と塩を布袋にいれたカイロをレンジで1分あたためたもので温灸。(ただし頭を上にして背中からみたときの体の右側は、盲腸がすぐ皮膚の下にあるので、そこは手で温めるのみ止める。そこをカイロで温めすぎると下痢する危険大。また、低温やけどさせないよう絶対長時間は当てない。)
  7. クリティカルケア(ハービケア)大さじ1に、コルディGまたはプライオを付属スプーンに1/4混ぜたものをお湯で溶き、ビオフェルミンの顆粒を小さじ半分ほどふりかけておいておく(夜のうちに少しずつ食べている)

という感じで、何かが効いているのだとしても、どれが効いているのかわからない状況です。どれかひとつずつやめてみて、状況が変わればそれが効いていた、ということになるんでしょうが、現状本兎元気なので、今の状態を崩したくなくてそのままです。

どれが効いているかわからないけど、プチが一番好きなものはわかっていて、1のジュースと3のコタツです。冬虫夏草も、ゲルマニウム入りのものはおそらく体温を高める効果があって、それが効いている感じはあります。ただ、体温を高めるのは田七人参(朝鮮人参)も同じなので、草食のウサギとしては、キノコより人参の方が好みなのかもしれません(田七人参を導入する前は、おなじようにして冬虫夏草入りのクリティカルケアを舐めていました)。

プチは生まれてからずっと我が家にいますが、非常に野生的な感覚の強い子で、自分の体に今なにが必要かがよくわかっている子なので、たぶんこの二つが今彼女にとって一番必要なものなんでしょう。

田七人参入りのジュースは目の色を変えて舐めます。ローヤルゼリー入りのオレンジジュースは昔からよく舐めてましたが、田七人参が入ってから、もはや必死、といった感じです。田七人参は相当苦くて、いくらオレンジジュースに混ぜてあるといっても私が舐めたら口が曲がりそうなのですが、そんなことおかまいなし。(ウサギには苦味の感覚がないのか?)

(余談ですが、ウサギの味覚は好き嫌いはあっても、体に有害かどうかを感じる能力はない、と言われています。ただ、過去にうちに来たウサギたちを見ていると、体に悪いものでも甘いと食べてしまうウサギはいますが、本当に毒であるネギ類とか、お酒に興味を示すウサギは1匹もいませんでした。もちろんお腹が空いたら食べてしまうかもしれないので避けておくべきですが、ウサギにもそのへんの感覚が鋭い子とそうでない子がいて、ポテチだのコーラだの平気で食べる子もいれば、厳密に体に良いものだけを選んで食べる子もいます。ただし、チョコレートだけは、ほぼ例外なくどんなウサギも一度味を知ると食べるようになってしまうので注意が必要。ちょっと体にいい成分もある甘いジャンクフードが一番危険なのかもしれません。)

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それから、コタツはこの夏のプチの必需品になりました。
おかげで、年寄りウサギにとって、冷房は冷えすぎてしまうことが結構あるのだ、ということがよくわかりました。
かといって冷房かけないとバテるので、不経済ですが、部屋は冷房を効かせつつ、24時間冷えたときに暖まれるスポットを確保しました。

上の写真にあるように、温度調節ツマミのある面を上にしてわざわざ横倒しにしているのは、本当に寒いときは、こたつからの光が当たる暖かい場所で寝られるようにするためです。
こうしておくと、勝手にお尻をあたためたり、お腹を見せて横になって体側を温めたり、本兎でいろいろ工夫して使っています。
普段は、上に飛び乗って、タオルの上でお腹側だけ温めています。
一人用コタツはつけっぱなしでも熱くなりすぎると切れるし、電気代もたいしたことないので重宝しています。(ただし、電源コードは保護が必要ですが。うちではタオルで巻いて縫いつけています。)

面白いのは、コタツの上に乗っている時間は、かならずしも室温に連動していない、ということです。
骨盤が開いていれば暖かくても冷えるし、閉まっていれば、多少寒くても冷えてはいない、ということの模様。つまり、その日の気温だけでなく、明け方の気温や湿度がどうだったか、その前数日の天気がどうだったか、というようなことも影響するわけですね。
人間は汗をかくのでその傾向が顕著ですが、ウサギも基本は変わらないようです。
おかげで、人間側が勝手に判断して、「今日は気温27度もあるからコタツ切っておこう」とかやらない方がいいんだ、というのがよくわかりました。
理想は、クーラーで部屋の温度と湿度を下げながら、同時に暖まれる場所も作って、兎が自分の体調で居場所を選べるようにすることなのかな、と。
(もちろん、若いうちからそんなに甘やかしたらあとが大変なので、年寄りウサギと病気のウサギ限定ですが。)

5のパワーヘルスですが、効くという人もいれば効かないという人もあり、賛否両論です。ただ、うちの家族の使用感をいえば、効いていると思います。
パワーヘルスは、効くという人の場合、最初数ヶ月がめちゃくちゃ「効いた!」って感じがあります。ただ、その状態に体が慣れちゃうんですよね。なので、しばらくすると、「効いてない」と思うみたいです。
実はこれは東洋医学ではよくある話で、お灸も鍼も、やりすぎると慣れて効いた感じがしなくなるのです。それでやめてしまって、また数年たってやってみると、「効いた」と思う、と。じゃあ、やめないで続けていたらどうなるかというと、コリはほぐされているので、現状を保つのに役に立っている、という感じです。

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パワーヘルス(というか電位治療器)の場合、睡眠改善は効能として宣伝してもいいことになっています。プチの場合、その睡眠が、鼻づまりのおかげでかなり阻害されている感じなので、ちょっとじっくり眠ってもらうために、上の写真のようなセットアップにして、1日3時間部屋を暗くして休んでもらっています。食欲がないときも、パワーヘルスにかけて野菜おいておくと、結構なくなっています。野菜は最初から食べるわけではなく、1時間くらいたってから食べ始めるので、たぶん何かしらは効いているのかな、と。
ウサギのために買うほどではないと思いますが、自分の睡眠改善もしたい方は自分用に買ってみてウサギと共有する手はあるかもしれません。相当古いものでも壊れないので、安い中古で十分です(ただしマットは定期的に交換が必要な模様)。

6の温灸ですが、4月当初は、休むときはいつも体が(頭を上にして背中からみて)左側にはげしくカシューナッツのように曲がってしまう状態で、いつもそこを触ると冷えがあったので開始しました。温灸を始めて1ヶ月ほどで、カシューナッツは解消しました。
以前の記事にも書きましたが、この背骨の左側というのは、整体でいうと免疫系や交感神経の調節に使うところです。なので、ここに力がないのはやはり胸腺腫のせいなのかな、と。現在は4月よりはこの部位に力が出てきたので体の曲がりは大分マシになりました。ただ、まだ左の骨盤が開いているようで、何度か調節を試みましたが、素人ではうまく調整できませんでした。もう少し秋が深くなってくると、また冬に向けて頭蓋骨が動き始めるでしょうから、そのときを捕まえて根気よく愉気するしかなさそうです。
う●ちの状態は、カシューナッツが解消したら正常に戻りましたので、ひどい下痢をしていたのはやはり冷えが問題だった模様です。体温が低すぎておそらく正常な腸内細菌が育たなかったのかな、と。

だいたい哺乳類であれば構造は似ているのですが、上にも書いたように、兎の場合背中からみて体の右側に盲腸がありますので、温灸で右を温めるのは注意が必要です。最初そういうことを考えずに温灸を右側に結構長時間あててしまって、見事に下痢してくれました。おそらく温度が変わったために通常と異なる菌が繁殖し、体が排出しようとしたのじゃないかと推測しています。数回やって数回とも同じ結果でした(プチにはかわいそうなことをしました)。肌を刺激して血行をよくするくらいの短時間なら問題ないと思いますが。

↓ご飯とお水のお皿は、高さを高めにして、胸が苦しくてもアクセスしやすいようにしています。
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というわけで、4月の時点で、胸腺腫といってもまだ初期なので、これがお腹の不具合やぶうぶうに影響しているとは思えない、と医師から言われていましたが、やはりその通りだった模様です。
胸腺腫自体はなくなることはないでしょうが、とにかく今本兎が楽しくやってくれればいいや、と思い、体調が安定したのでお見合いを再開しました。
やっぱり、ルーファスさんが先にお月様へ旅立ってしまったのが、プチには相当寂しかった模様で。
若い男の子と暮らすようになって、ちょっとやる気が出ればいいな、と思っています。

次は12月ごろにCTとりますので、その結果はまた。

En-En遺伝子をもつウサギの巨大結腸症についての論文一覧

注目

イングリッシュスポット、チェッカードジャイアント種またはそれに似た模様の種類のウサギに時折見られる、ちょっと色の模様やブチが少ない子は巨大結腸症を患う恐れがあるよ、という話です。

ウサギの柄は白という毛の色地に別の色が乗っているものもあるので、「うちの子スポット少ない!!お腹弱いの?!」とすぐに慌てる必要はないのですが、もともと全身色つきの子が、お腹の中で育つ間に、その色のある細胞が死んで白いところが増える、というパターンでスポット柄になった場合は要注意です。

どうも、スポット柄にする遺伝子には色素細胞を殺す(アポトーシスさせる)機構があって、それが一緒に腸の大事な細胞も破壊してしまうんじゃないか、と、まあ以前WHRSの代表者が話していたのですが…(これはあくまで推測 って思ってたら、2014年の論文にまさにそういう話だ、ということが書いてありました(汗)この会話は2014年以前の話なんですが、G氏の読みは当たってたわけです。

で、この話、なぜか日本ではあまり知られていないのだけれど、実は1958年にはすでに論文が出ていて、海外では結構有名な話です。
代表的なところを挙げると、

  • Robinson R (1958) Genetic studies of the rabbit. Bibl Genet 17: 229–558.
  • Böderek D, Türk O, Lovén E, Wieberneit D, Wegner W (1995) Pathophysiological and functional aspects of the Megacolon-Syndrome of homozygous Spotted rabbits. J Vet Med 42: 549–559.

ずっと以前からこの論文気になっていたのですが、読むのが面倒でずっとほったらかしていました。

ところが、先日入手した町田修さん著の「新うさぎの品種大図鑑」の最後に、この遺伝の話が出てきたにもかかわらず、遺伝疾患について何も触れられていなかったので、思わずAmazonのコメントに「注意書きかいといてよ」と入れてしまいまして。

それからWebで調べてみたら、お一人だけ、すでにブログでこの点に触れられている方がいらっしゃいました。
お家にいるチェッカードジャイアントのウサギさんがこのケースに当てはまるおそれがあり、大変詳しく海外の情報を集めておられます。以下のリンクで関連投稿がみられます。

(・∀・)ノ❤️LoveMyCheckeredGiant

それで、amazon越しに文句つけたのがその方だと思われたら気の毒だと思い、あわててこのエントリーを書いている次第です。

 

で、具体的にどうなると遺伝疾患のおそれがあるのか、という話なんですが、、

イングリッシュスポット、チェッカードジャイアントのあの特徴的なスポット模様(ブロークン柄)は、実は2種類の遺伝子が関係して生まれます。
ウサギの毛の色を決める遺伝子には、模様のないソリッド型を生む遺伝子(en)と、ブロークン柄になる遺伝子(En)があり、enの方が劣勢遺伝子です。
なので、お父さん、お母さんの両方からen遺伝子を受け継ぐと、両親はブロークンでも模様のない子が生まれます。

ここからはメンデルの法則のとおりで、片親からEn、もう一方からenを受け継げばブロークン、両方からEnを受け継げばやっぱりブロークン、ということになります。

ところが、この最後のパターン、両方からEnを受け継いだEn-Enタイプの場合、もっとスポットが多くなるのかと思ったらその逆で、スポットが減るんですね。
これが、最初に「もともと色がかった部分の色素が死んで」白いところができてスポット模様になる、と書いた理由なんですが、、

つまり、En-Enの場合、色素細胞が死にすぎて、ほとんど白にちょっとだけ模様、という柄になるんじゃないかと。
ちなみに、この場合、鼻先の模様が縮小してチャップリンのチョビヒゲみたいに見えるので、「ブロークン」ではなく「チャーリー」と呼ばれます。

で、この「チャーリー」が、実はかなりの割合で巨大結腸症を患う、という話が、昔から言われているわけです。

 

1958年の論文はさすがに古いので、とりあえず1995年の論文のアブストをみてみると、、、
(実はこの論文、medirabitで配布されている、、勝手に配布していいんか? という気もしますが、原文全部にあたりたい方はご覧ください)

The Megacolon-Syndrome is a hereditary disease of homozygous spotted rabbits (En En).

Investigations have been performed on some special traits related to functional aspects of the gut in comparison to vital heterozygous spotted rabbits (En en). It was found that En En rabbits showed significantly reduced sodium absorption rates across the wall of the cecum. Consequently, the dry matter content of the ingesta was reduced at this location, whereas the content of the ashes was increased. These results indicate that a further important pathogenetic aspect of this hereditary disease is an undue liquification of ingesta in proximal parts of the large intestine. (後略)

以下、(かなりいいかげんな)意訳。

「巨大結腸症は同型接合型遺伝子(En-En)を持つスポット模様のウサギの遺伝病である」

ウサギの腸の機能について、異型接合型遺伝子(En-en)を持つウサギとの比較実験を行った。 En-En型のウサギは、盲腸壁におけるナトリウムの吸収率が明らかに低いことがわかった。その結果、腸内における乾燥物の割合が減少、灰分が増加した。
この結果は、この遺伝疾患の病因が大腸近傍で水分の吸収が十分にされていないためであることを示唆している。

ちなみに「灰分」って何?と思ったのですが(英語ではashes)、たぶんその前にナトリウムが吸収できないとか書いてあるので、ソーダ石灰かな、、(汗)と思ったり、、よくわからないのでそのまま灰、と書いてあります。

補足:相方の仔牛に聞いたら、「栄養学で灰分といったら微量のミネラル分だけど、、」だそうです。
さらに、”dry matter”を「乾燥物」と訳したけれど、栄養分から水分を抜いたものではないか、とのことです。つまり、栄養学でタンパク質何パーセント、というときに、食物に含まれる水分込みで何パーセントなのか、あるいは水分を抜いた残りのうちの何パーセントなのかによって絶対量が大きく変わってしまうので、通常は水分をのぞいた値で計算するらしい。そして、そのときに”dry matter”という言い方をするらしいです。
ただ、ナトリウムの吸収が悪いならむしろ内容物は増えるんじゃ??(吸収できないんだから)と思ったんだけど、、いまいちよく理解できていない。

実はこのあと、さらにひどい症状はむしろ便秘で、その場合は小腸ではむしろ乾燥物容積が増し、大腸では水分が増えるとかなんとか書いてあるのですが、なんだか細かい話なので省略。
ようするに、水分の吸収がうまくできないのが原因だよ、ということらしいです。

ちょっと話は逸れますが、この論文のイントロダクションに、チェッカードジャイアントなどではen-enのソリッドまたはEn-Enのチャーリーはショーラビットの基準を満たさないため、しばしば生後すぐに殺される、とあります。1995年の話なので、現在はそのようなことはないと思いたいですが、実際のところはどうなんでしょうか。
血統管理の重要さはある程度理解していますが(一番の利点はやはり親の素性がわかっているので遺伝病の管理がしやすい)、ショーで優秀な成績を収める子を産むためにはその兄弟を殺しても、、というのはやはり矛盾を感じます。

 

さて、さらに新しいところでは、2014年の論文が、全文無料で見られます。

で、ここには、実際に、En-Enのウサギと、En-enのウサギの腸がどうなっているか、お腹を開いた写真が上がっています…
ウサギの解剖写真はムリ!!! という方はご覧にならない方が良いと思いますが、たしかに一目瞭然です。
で、おそろしいことに、解剖した15匹のEn-Enのウサギ全部に巨大結腸症の傾向がみられ、En-enやen-enでは1匹も見られなかった、と書いてある。
これらは生後70日くらいのウサギばかりなので、もう最初からお腹弱くて、すくなくともチェッカードジャイアントの場合、En-Enだと腸の働きが不全になるのは時間の問題、という話になってしまうのかと…。

(蛇足だけどこの論文、実験ウサギ全部解剖されちゃうんですが、解剖される前のウサギの写真も載っていてなかなかせつない(T_T) 我が家のウサギたちの命も、こういう犠牲の上に助けられているんだなあ、と、、、)

実は、昔WHRSにまさにこれなんじゃないか、と思われるイングリッシュスポットの子がいまして、その子もやっぱり模様が少なくて全体に模様自体も薄くて、いつもへんな形のうんちをしていました。経験上、巨大結腸症だとやはり4〜5歳でなくなってしまうケースが多いということで、アダプションに出せるか、かなり様子を見ていたと思いますが、いつのまにかいなくなってしまったのでアダプションされたのか、それとも亡くなってしまったのか、今も不明です。

 

で、このEn-En遺伝子の話、じゃあ、他の種類のブチ模様はどうなの? と大変気になるわけですが、、、
いまのところ、他の種類がどれだけこの遺伝疾患を被る可能性があるのかについて書かれた論文はみつけていません。
しかし、イングリッシュスポットもチェッカードジャイアントも比較的古い品種なので、これらと掛け合わせて作ったスポット柄(ホト、ラインランダー、ロップ・レッキス・サテンなどのブロークンなど)は同じ疾患を受け継いでいると思います。
ただ、どのくらい生活に支障が出るレベルで巨大結腸症を患うかについては、もしこれらの品種のすべてに同程度疾患が出ると思うと、報告例が少ないような気もするのですが。

うちに昔、サテンのブロークンがいました。
事故でうちのメスとかかって子供産まれちゃったんですが、メスが一色のソリッドで、子供は3匹がソリッド、2匹がブロークン(うち1匹は死産)。
きれいに半々なので、彼はEn-enで、もし母親がブロークンだったらチャーリーが生まれていた可能性が高かったと思います。
やっぱり素人が交配するのは危険です。

さきに紹介した方のブログには、「ブリーダーはチャーリーを生まないため、ソリッド・ソリッドまたはソリッド・ブロークンで交配する」と書かれていました。

Megacolon(巨大結腸症)~柄うさぎさんの巨大な●は遺伝子疾患?

本当に、すべてのブリーダーがそのようにしていてくれれば良いのですが。

前出の本にも書かれていましたが、ようするに、ソリッドとチャーリーをかければ全部の子がブロークンになるわけで、ブロークン柄を出したいならそれが一番効率が良いわけです。
ショーに出せないソリッドやチャーリーが生まれないわけですから。
しかし、そのかわり、お父さんだかお母さんだか一方がチャーリーということになり、その多くが下に紹介するような苦しいウサギ生を送ることになります。

チャーリーでも巨大結腸症の急性症状が出ない子もいる模様ですが、この疾患は年をとるごとに悪化するので、WHRSでは「遅かれ早かれだ」と言われました。
ただ、チェッカードジャイアントのような大型種の場合は、もともと寿命が短い傾向がありますので、4〜5歳くらいまで頑張れれば、それほど他のウサギと寿命は変わらないかもしれません。
いずれにしても、ブリーダーの皆様がどれだけウサギたちを愛しているか、その愛情に期待したいところです。

 

最後に、medirabbit.comに掲載されているEsther van Praag Ph.Dの以下の記事を紹介してシメたいと思います。内容を大体把握したら、英語のページを見ていただくと、写真がたくさん掲載されていますので「なるほど!」と思っていただけると思います。
あくまで意訳ですので、参考程度に。

http://www.medirabbit.com/EN/GI_diseases/Mega/mega_en.htm


Hello, I am Zippy a small tricolor Charlie rabbit, over 2 years old. I was born with a congenital disorder that affects roughly 25% of all spotted and checkered rabbits with a butterfly surrounding the nasal region: megacolon.

こんにちは、僕はZippy, 2歳の小さな3色のチャーリーラビットです。僕は巨大結腸症という先天的な障害を持っていて、この障害はおよそ25%のスポット模様またはチェッカー模様で、鼻の周りにバタフライ模様があるウサギに現れるんだよ。
(訳注:子供の25%がチャーリーになるのは両親が双方ともブロークンの場合です。)

We, Charlie’s, are bicolored or tricolored spotted straight eared or lop rabbits, characterized by fur is more white over our body than our litter brothers and sisters. Our nasal butterfly is reduced and stops in the middle of our upper lip already, which led to the surname “Charlie”, a reminder of the moustache of Charlie Chaplin.

ぼくらチャーリーは、2色か3色の立ち耳またはロップイヤーのウサギで、同腹の兄弟より白い毛が多いのが特徴なんだよ。ぼくらの鼻の周りのバタフライ模様は小さめで、上唇の真ん中くらいで消えちゃうから、チャーリー・チャップリンのヒゲみたいで「チャーリー」って呼ばれるんだ。

Our eyes are surrounded by a ring of colored fur, our nasal region has typically a partial butterfly or spots, our ears are usually colored, a colored spot is found on our cheek and we have a finer and/or partial dorsal line. Spots on the hip region are reduced or absent.

僕らの目の周りの毛は色がついていて、鼻の周りは通常一部分だけバタフライ模様かスポットになってる。耳はふつう色がついていて、頰にも色付きのスポットがあって、背中のラインは薄め。お尻のスポットは少なめか、またはないこともあるよ。

The spotted fur is under control of the ‘En’ gene, which is dominant on the ‘en’ gene, responsible for colored fur throughout the body. An ‘enen’ individual will have colored fur all over its body, while an ‘Enen’ individual will be spotted/checkered, and an ‘EnEn’ rabbit will be a Charlie with a very white fur. Offspring of two spotted rabbits (e.g., the Swiss Petit Papillon Tricolor rabbit) that each necessarily have the ‘En’ gene, will thus be composed of newborns possessing:

  • Heterozygous ‘Enen’ offspring with a spotted coat,
  • Homozygotes ‘enen’ offspring with a harlequin coat,
  • Homozygotes ‘EnEn’ offspring with the characteristic white fur characteristics and few colored regions only.

このスポットの毛色は’En’遺伝子で発現するんだ。これは、体全体に色をつける’en’遺伝子より優勢なんだよ。’enen’遺伝子をもっていると体の全身の毛に色がついて、’Enen’遺伝子だとスポット柄やチェッカー柄になり、’EnEn’遺伝子を持っていると白い毛が多いチャーリーになる。2匹のスポット柄のウサギ(たとえばスイス・ペティート・パピヨン・トリカラー・ラビット)は必ず’En’遺伝子をもっていて、だから生まれる子供たちは、

  • 異型接合の’Enen’を持つスポット柄の子供
  • 同型接合の’enen’を持つハレクイン柄の子供
  • 同型接合の’EnEn’を持つ特徴的な白い毛皮に少しだけ色つきの部位がある子供

になるんだよ。

Charlie spotted rabbits suffer from the megacolon syndrome

The deleterious effects of the ‘En’ gene manifest themselves at several levels in homozygous ‘EnEn’ individuals. Many newborns die at weaning or shortly thereafter. Those that survive often develop chronic megacolon, a syndrome that worsens with age. This condition is caused by an abnormal dilation of the colon and by the absence of neuroganglionic cells (aganglionosis) regulating the muscular contractions of the digestive system, which allow its content to progress towards the anus. The activity of the intestine as well as the cecum is affected.

巨大結腸症に苦しめられるチャーリー模様のウサギたち

‘En’遺伝子の有害突然変異は、’EnEn’の同型結合の際に際立って現れる。多くの子ウサギたちが、離乳時またはそのすぐ後に死ぬ。この期間を生き延びた個体はしばしば慢性の巨大結腸症を発症し、それは年齢とともに悪化する。この症状は大腸の異常膨張と、消化器官における筋肉の収縮をつかさどり内容物を肛門まで運ぶ神経節の欠乏によって引き起こされる。腸および盲腸の運動がこれに影響を受ける。

The small intestine is shorter in megacolon rabbits, compared to normal rabbits. The pH of the intestinal content at the initial portion of the small intestine (duodenum) is also lower than that observed in normal rabbits.

巨大結腸症のウサギは、健康なウサギに比べて小腸が短い。また、小腸の入り口部分(十二指腸)の腸内容物のpH値も健康なウサギに比べて低くなっている。

Absorption of sodium (Na+) through the wall of the cecum is much reduced. As a result, this organ has a reduced content of dry matter derived from the ingested food. Abnormal liquefaction of the intestinal content has also been observed in the first half of the colon (proximal colon).

盲腸壁におけるナトリウムイオンの吸収率は格段に低い。この結果、ここでの内容物は消化された食物からくる乾燥物(栄養物)の割合が少ない。大腸の最初の半分(近位結腸)での腸内容物の異常液化もみられる。

The heart and adrenal glands of megacolon rabbits are larger than those of healthy rabbits. It is possible that the increase in the size of these organs is associated with the metabolic megacolon disorder.

巨大結腸症のウサギの心臓と副腎は、健康なウサギよりも大きい。これらの臓器の肥大は、巨大結腸症による代謝異常と関連している可能性がある。

Effects of megacolon on health and fecal production

Abnormalities of the intestine and the cecum result in a distension of the abdomen. Megacolon rabbits often have the appearance of having a pot belly stomach. These changes lead to intestinal food malabsorption and, consequently, nutritional deficiencies. These rabbits must receive a variety of food rich in fiber: good quality pellets containing minerals and vitamins, fresh hay and, if tolerated, a variety of fresh vegetables and aromatic herbs. In some megacolon rabbits, the administration of vitamin C or multi-vitamin supplements has allowed them to gain vitality and produce more normal looking and drier hard droppings.

巨大結腸の健康およびふんの生成への影響について

腸および盲腸の異常は腹部の膨張をひきおこす。巨大結腸症のウサギはしばしば太鼓腹をしている。これらの症状は消化吸収を阻害し、やがては栄養不足につながる。これらのウサギたちには、多種類の繊維の豊富な食事、ミネラルやビタミンを含んだ質のよいペレットや、新鮮な牧草、そしてもしウサギのお腹が耐えられるなら、さまざまな種類の新鮮野菜やハーブを与えるべきである。一部の巨大結腸症のウサギは、ビタミンCやマルチビタミンのサプリメントが症状を改善し、より通常の乾いた糞に近い糞をするようになる。

Fecal production is also affected. The hard droppings are large, oval, and rich in water, like a sponge. It is impossible to detect the presence of fibers when fresh. The latter only appear once the droppings have dried out, which may take a few days.

Mucus is often present, which is indicative of a disorder or irritation in the intestine.

ふんの生成も影響を受ける。硬いふんは大きく、楕円形で、スポンジのように水っぽい。新しいふんでは、繊維質をみとめることは不可能である。繊維質が見えるようになるのはふんが乾いたあとで、数日かかる。
しばしば粘液が付着しており、これは腸内の不調または炎症を示唆している。

The loss of fluid mucus via the anus colors the hair of the perineal region. This characteristic helps confirm the diagnosis of megacolon in spotted rabbits.

肛門から粘液が漏れていると、会陰部の毛に色がつく。これは、スポット模様のウサギが巨大結腸症を患っているかを判断する材料になる。

Some anecdotic studies mention that megacolon rabbit may never produce cecal droppings. Zippy did, however, bend down towards his anus several times a day, then took the characteristic position of any rabbit ingesting his “trophy”.

いくつかのケーススタディでは、巨大結腸症のウサギは盲腸糞を生成しない、と言及している。しかし、Zippyは日に何度か体を曲げて、盲腸便を食べていた。

A megacolon crisis is caused by the passage of a particularly large hard dropping and is accompanied by abrupt and violent abdominal spasms. Droppings collected at the end of such a crisis often present an outgrowth. Thir progression through the intestine was accompanied by severe pain. Zippy did often moan, in spite of analgesic medication, and he would knock strongly onto his abdomen with his nose during these episodes.

巨大結腸症でもっとも危険な状態は、とくに巨大な硬いふんが激しく急激な腹部のけいれんを伴って排泄される場合に起こる。排出されたふんは、しばしば大きくなりすぎている。このような巨大なふんが腸内を通り過ぎる際にはひどい痛みが生じる。Zippyはしばしば、鎮痛剤を併用しても痛みに呻き、腹部に強く鼻をぶつけていた。

Help a Charlie rabbit during an acute crisis ?

More and more spotted straight-eared or lopped rabbits become pet rabbits nowadays. It is, therefore, important to understand the causes of intestinal crises and be able to treat them. To date, there is no consensus between veterinarians and experts.

チャーリーラビットを急性疾患から救え?

近年は、スポット模様の立て耳またはロップイヤーのウサギが多くペットラビットとして飼育されている。それゆえ、この腸の急性疾患を理解し治療することは重要だ。(しかしながら)今日、獣医師とエキスパートたちの間にコンセンサスはない。

Crises are episodic, characterized by sudden outbreaks and calm periods. Dehydration, lack of fiber, nutrient deficiencies, or stress (unusual noise, abrupt weather changes) may trigger them. During a crisis, Zippy had been administered a painkiller (Metacam) and received 2 ml of virgin olive oil orally. This oil has stimulating properties on the intestinal peristaltic movement. It acts softly, without intestinal cramps (there is a risk of rupture of the caecum during these crises) in contrast to chemical stimulants of the peristaltic movement (e.g. metoclopramide, cisapride). Zippy was kept hydrated orally with a syringe. Hay and fresh or dried greens possessing carminative or antispasmodic properties such as celery branches, coriander, fennel, thyme, lemon balm, or raspberry leaves were given on a daily basis, at will. If he tolerates it, his abdomen is gently massaged and he was encouraged to exercice. The longest crisis up to the age of 2 years lasted 9 hours. Luckily, Zippy came out well every time. The frequency of intestinal crises decreased after Zippy was given sunflower seeds daily.

Zippy died at the young age of 4 years and some weeks after struggling with renal failure during the last weeks of his life.

急性疾患は時折起こり、急激な発生と落ち着いた症状の期間があることで特徴づけられる。脱水、繊維質の不足、栄養不足、ストレス(耳慣れない音や突然の天候変化など)がきっかけとなることもある。急性症状を見せたときには、Zippyは鎮痛剤(メタカム)と2mlのオリーブオイルを処方されていた。オイルは腸の蠕動運動を刺激する。これはメタクロプロマイドやサイサプライドのような腸蠕動を促す化学薬品よりソフトに効き、腸のけいれんを引き起こすこともない(急性期には盲腸の破裂の危険がある)。Zippyは口からシリンジで水分を補給されていた。牧草や、腸内のガスを排出する効果のある乾燥野菜、また鎮痙の効果のあるセロリ、コリアンダー、フェンネル、タイム、レモンバーム、ラズベリーの葉などの野菜を毎日与えられていた。もし彼が耐えられるようであれば、やさしく腹部のマッサージを行い、運動させていた。もっとも長時間に及んだ急性症状は彼が2歳のとき、9時間に及ぶものだった。幸運にも、Zippyはそのたびに回復した。急性症状の頻度は、Zippyがひまわりのタネを毎日与えられるようになってから減少した。

Zippyは4歳と数週間で、腎不全により、数週間の闘病ののち亡くなった。


この記事は以前にも目を通していたのですが、自分が読むだけだとわからない単語は飛ばして適当に読んでしまうので、今回ちゃんと調べて大変勉強になりました。。

プチがうさぎ胸腺腫ー冬虫夏草って効くのか?

注目

5/26追記:
6/26、さらに追記:
2017/10/3 後日談「プチがうさぎ胸腺腫2」をアップ
2018/9/17 「プチがうさぎ胸腺腫その3(1年経過)と歯の問題」をアップ

我が家の11歳のメスうさぎ(プチ)が、この春からかなり体調不安定で、ひどい下痢をした挙句、ペレットが食べられなくなり、ぶうぶう言う呼吸音がかなりひどくなったので、全身CTを撮ったところ、胸腺腫が見つかりました。CTでは胸腺腫かリンパ種かの判断はつかないのですが、その後の針生検で胸腺腫であろう、という話になりました。

この子は、もともとイビキがひどい子だったのですが、ここ数年は普通にしていても「ぶうぶう」と呼吸時に鼻が鳴ってしまっていました。
数年前にも病院で「これなんですか?」と聞いたのですが、先生も理由がわからず、「そのうち頭部CTをとって調べてみましょう」と言われたのですが、もともと頑丈な子でその後レントゲンを撮るような事態が発生せず、この春まで実現しなかった、ということです。

どうせCTにかけるなら、と全身CTを依頼したおかげで、胸腺腫がみつかりました。医師の診断では、結局頭部には問題がなく、鼻が鳴っているのは鼻水のせいだから、と抗生物質10日分を処方されたのですが、鼻が鳴っていたのは鼻水が出る前も同じだったので、どうも納得いかず。
案の定、10日後に鼻水が止まっても鼻が鳴るのはひどくなるばかりでした。
むしろ、ゆっくり育ってきた胸腺腫の影響だと考える方が、しっくりくる感じです(昔はそこまでひどくなかった)。

私は日本にいて詳細は見ていないのですが、思えば胸腺腫らしい症状はあった模様です。

胸腺腫らしい症状というのは、一般に、

  1. 換毛がだらだらと続いて終わらない(これは胸腺腫以外にも体力の落ちたウサギにみられます)
  2. 水が飲めなくなる、ペレットが食べられなくなる
    • 野菜などの葉っぱの部分だけは食べる
      →胸部に大きな塊があり、首を下に下げると呼吸がしにくくなるため、比較的高い位置にある野菜の葉だけを食べる
    • もしペレットや水の位置を高くして、食欲が回復するようであれば、胸腺腫であるおそれがある
  3. 目が片方(または両方)飛び出してくる(瞬膜が見える)、毛がごっそり抜けてハゲる(リンパ腫の場合に多い)
  4. 箱座りになるときに、前足が並行にならず、開脚してしまう
  5. さらに症状が進行すると、餌入れや水飲みなどを枕のようにして、顎を上げて寝るようになる
  6. 末期では、牧草などを一気に食べられずに、口に牧草を半分咥えたまま居眠りをしているようなことがある
  7. 最後は呼吸困難のため、必死で呼吸しようとして消化器官に空気がたまり、お腹がふくれて食事がとれなくなる

というものです。
これは、先に旅立ってしまったハナちゃんが胸腺腫で、段階7に至ってもまだ胸腺腫だと気づかず、食べないので病院に連れていったらそのまま旅立ってしまった経験によるものです。

はたから見ると、ハナちゃんが本当に苦しそうだったのはその最後の1日だけでしたが、その前から呼吸はしづらくなり、頭もかなりぼうっとしていたのではないかと思います。

呼吸ができないのは苦しいので、今回は症状が悪化してきたら酸素室の準備をしようと思いますが、プチで見られた症状は段階2。発見としてはかなり早いらしく、胸腺腫は一般に進行が遅いため、あと3ヶ月後と半年後にそれぞれCTをとり、成長速度を見て放射線治療にするか、抗がん剤またはステロイド治療にするか考えましょう、とのことでした。
(内科的治療はリンパ種に効いて、胸腺腫の場合は放射線一択だと思っていましたが、最近胸腺腫でもステロイドが効く事例の論文が出たそうで。)

後日談:1年後にわかったことですが、胸腺腫というより、おそらくこの頃から歯の噛み合わせが徐々に悪くなり、固いものが食べられなくなっていた可能性が高いです。
その3で書いてますが、結局いびきは歯の問題でした。

しかし、放射線も抗がん剤もステロイドも、本兎の体力を奪うことにはかわりない。
そういうわけで、ちょうど私が日本にいたこともあり、犬猫でそこそこ効果が出ているらしい冬虫夏草(商品名コルディMコルディG)を試してみよう、ということになりました。

さて、コルディMとコルディGを買って、4月17日にアメリカに戻ってきたところ、プチはすっかり毛艶が悪くなり老け込んでいました。
私がいなかったのは3ヶ月あまりなので、その間の状態の変化としてはかなり急激でした。足回りも弱くなって、お尻を舐めようとするとよろけたりしています。
さらに、顔の左右の大きさが違うのが大変気になりました。目が飛び出しているわけではないのだけれど、向かって右側が萎縮している。

これは相当胸腺腫が進行しているか、と思いましたが、よく見るとどうみてもお腹をかばっている。背骨の一番高いところに力が入り、腰の部分が落ちている状態です。

お腹をかばうのは、お腹の調子が悪いからです。
それで、とにかく、まずお腹の愉気から始めました。胸腺腫が悪いのだとしても、まずは消化器官をまともに動かさないと、治るものも治りません。
お腹によく気を通して、胃袋あたりのこわばりを抜くと、少し肩甲骨あたりの力が抜けて、背骨の腰あたりの部分が高くなってきました。
この形にならないと、ご飯は食べられません。

その日はそれでご飯を食べ始め、報告できいていた通りの下痢のような盲腸ふんをたくさんこぼしたので、買ってきたコルディGを小さじ1/8(プチは1.4kgのウサギなので。分量は体重によって変わります)をオレンジジュースに溶かして飲ませました。
(注:後記しますが、もしかしたらいきなりこの量は少々多すぎたかもしれません。ペレットの切り替えのように、少しずつ与えてだんだん慣らしていく方が無難かも。)

で、翌日。
かなり食いが悪い状態が続いている、ペレットを完食できない、という話でしたが、ペレットを完食!
しかし、いやまさか、1日でこんなに変わるわけない、たぶん昨日お腹を緩めたから食べられるようになったんだろう、と思いました。

午後、嫌がるプチを無理やり膝の上に抱え上げて、もう一回愉気をしていると、背骨の胸椎と腰椎の隙間が異常に広くなっていることに気づきました。
さては、もしかしてコイツ、腰を打って悪くしたか?!

そこから1時間、ひたすらその隙間に愉気。幸いうちのウサギたちは愉気に慣れていてよく反応するので、気持ちがよければじっとしていてくれます。1時間後には広くなった間隔がかなり正常に近い位置に戻りました。

こうなれば、もう少し腰に力が入りやすくなり、肩甲骨から胃の裏あたりの背中の力が抜けます。胃の裏に力が入っていたら、人間だってご飯は食べられない。
顔の右が萎縮しているのが気になっていたので、ちょうど春だから頭蓋骨が動く時期ですから、頭にも愉気(穴追い)をしました。穴が開いているように感じるところに丁寧に気を通していくと、そのうち顔が対称に戻ってきました。

まったく、ウサギは本当に、整体で勉強したことを試すのにいい対象です(笑)
人間と違って、思い込みがないから、本当に素直に体に現れるんですよね。

これで放してやると、後ろ足を伸ばして寝そべるなど大分リラックスした姿勢が見られるようになり、夜もペレットは完食しました。
ウサギが1日中箱座りの姿勢しかとらないのは、(怯えているのでなければ)たいていどこか調子が悪いときが多いです。

盲腸ふんは相変わらず下痢便でした。
しかし、お腹の細菌バランスが崩れた場合、立て直すのに3週間はかかります。みたところ体に体力が戻ってきているようですし、今はとりあえずOKとしました。

この時点で私は、プチの体調がかなり悪そうだったのは、おそらく何らかの理由で腰椎が正しい位置からずれ、腰に力が入らないので姿勢を維持するために胸椎に力が集まってくたびれ、食欲不振、内臓機能の低下につながったのだと思っていました。(その後、やっぱり胸腺腫も影響しているかもしれない、と思ったわけですが)

実際、腰椎の位置を正してからは(翌日は横にズレたり、その翌日は奥に引っ込んだり、と色々あり、その後3日くらいは根気よく、腰椎に力が戻ってくるまで愉気する必要がありましたが)食欲もどんどん回復し、それに従って毛艶もよくなり、2ヶ月以上続いていた換毛も止まりました。

しかし、とりあえず買ったコルディGを使わないのも勿体無いので、とにかく1日に小さじ1/8だけは飲ませ続けていたわけです。
コルディGは、飲ませると体温が上がることがあるという記述が(FAQページに)あったので、体内の細菌バランスを立て直すのに基礎体温を上げた方がいい、と判断したこともあります。

気になったのは、盲腸便の下痢具合が、前よりひどくなったように感じたことです。コルディGは有機ゲルマニウムが入っていて、それでお腹を壊す場合はコルディMにしろ、とありましたが(4/30訂正:そう書いてあったように思ったのですが、勘違いでした。コルディGは呼吸が早い子、血流促進が負担になる子は避けろ、ということの模様です)盲腸ふんでないふんはちゃんと形がありますし、プチ本兎の体力は満ちてきている感じがあったので、もうしばらくコルディGで様子を見よう、ということになりました。

その後も、プチの体調は改善していたのですが、どうもまだ水が飲めない。
その間はたくさん野菜をやって、その水分でしのいでいたのですが、4日前に野菜の量が足りなかったらしく、糞づまりを起こしました。それで慌てて大量に野菜を置いておいたら、全部それを食べてしまい、今度は翌日にお腹がグルグル言うような腹下し状態に。これもひたすら気を通してガスを外に出してやると、またゆるい盲腸ふんを出してお腹が動き始めました。
同時に、少しずつ、牧草を食べる姿もみられるようになりました。

そこから丸1日、もはやぶどうの房の形もない、溶けたチョコレートのような盲腸ふんをひねり出していましたが、たまたま仔牛(ルームメイト)が飲んでいたArkophama社のローヤルゼリーの余りをコルディGと混ぜて飲ませてやったところ、翌日には完全に柔便がストップしました。

うーん、これは、どう判断すべきか?
コルディGはやはりお腹がゆるくなるけど、ローヤルゼリーとの併用で症状が和らぐ、ということなのか?
それとも、ここ数日はとにかく悪い菌が育ってしまった盲腸便を捨てていて、ようやく牧草が食べられるくらい胃腸が回復してきたので、下痢盲腸便がストップしたのか?

もっとも、下痢便をこぼさなくなった、というだけなので、相変わらず盲腸便はゆるいけど、全部食べてしまって見えない、というだけかもしれませんが。

とにかく、私が日本に行く前の状態には戻ったので、しばらくはコルディGとローヤルゼリー併用で様子を見よう、ということになったのですが…

お腹の状態がよくなってみると、今度は「ぶうぶう」音に変化があることに気づきました。

どうも、コルディGをやると、「ぶうぶう」がおとなしくなる模様なのです。
それも、どうも効き目は半日。もともとコルディGは1日の処方を何回かに分けて与えろ、と書いてありますので、長時間効くものではないらしい。

さらに、どうもプチ本人が、コルディGを入れたオレンジジュースを飲むと、「ぶうぶう」が楽になる、と学んできている模様なのです。
腹具合がおかしかった間は、あまりジュースを飲みたがらなかった(かといって水で溶かしてもまったく飲まないので、苦肉の策)のですが、今は置いておくと、全部は一気に飲まず、たまに立ち寄っては舐めています。

さらに、皿が空になってしばらく放置していて、またぶうぶうがひどくなってきたな、と我々人間が気づくと、プチは空の皿を丁寧に舐めていたりする(つまり催促している)のです。

販売会社のFAQページにあるように、コルディGは基礎体温を高めることがあるようなので、「ぶうぶう」は基礎体温となにか関連がある、ということは考えられます。そう考えると、半日で効果が切れるのも納得。

しかし、もしもそういうことで、「ぶうぶう」が胸腺腫となにか関係しているのであれば、もしかしたらホントに胸腺腫にコルディGが効くのかもしれない、、と、ちょっと期待を持っています。
現在は、朝晩2回、それぞれ小さじ1/8を与えています。

5/26追記:
結局、盲腸便が下痢になるのが止まらず、一時コルディGは中断、しばらく一人用こたつで保温して体調を回復し、先週から再開しました。予想していたとおり、こたつで保温でもぶうぶうは改善しました。コルディGは、今度は量を微量から始めて、今少しずつ便の様子をみながら増やしている最中です。現在1日小さじ1/16で、いまのところ軟便はありません。これについてはまた別記事で。

6/26追記:
ぶうぶうは相変わらずですが、4月の時点で小さく縮んでしまったように見えた体の大きさは元にもどり、お尻を舐めてもよろけることはなくなりました。
夏なので、たまに冷房をつけながら、プチの小屋の中では常時一人用こたつONという大変不経済な状況ですが、本兎が寒いと思うときは自分からこたつの上に乗ってお腹を温めている模様。コルディGは小さじ1/12(付属のスプーン1/4)を超えると軟便になることが判明したので、現在はこの量で固定。この量だと体温を高める効果はなさそうですが、とりあえず一気に摂取するより時間をかけて少しずつ摂取してもらいたいので、クリティカルケアに混ぜてどろどろにして夜においておくと、朝にはなくなっている、といった状況です。

体を触ると、胸椎の左1側〜3側に力がなく、温度も右に比べて低く感じるので、毎晩パワーヘルスにかけた後に胸椎の左側に愉気をして、冷えていると思われる箇所を玄米と塩を混ぜて布袋に入れたものをレンジで温めたカイロでピンポイントに温める、というのやっています(低温やけどしないように、肌の温度を確かめながら)。
人間の場合、整体では左1〜3側はがん、腫瘍の場合によく使われるらしいので(とくに胸椎2番の左1側と3側は胸腺に関係するらしい)、ウサギでも事情はかわらないようです。

5月までは、カシューナッツのような形に、体を大きく左側に曲げてかばっているような姿勢が多くみられましたが、現在は腰をちょいひねってバナナくらいになりました。まだ骨盤の位置がおかしいのかな?
温めるとやはりぶうぶうが減るのと、多少食欲が出てきたように思います。ペレットは、あいかわらずバニセレのスーパーシニアでは食いが悪く、コンフィデンスがお気に入り(前はバニセレ喜んで食べていたのですが)。その割に体重は増えないので、食欲増してもあまり吸収ができていないのかも知れないですが、すくなくとも本兎が前よりよく動くようになって楽そうに見えるので、まあもし増えた食欲分腫瘍を育てていたとしても、なるようにしかならないのかな、と思っています。

人間だろうと、動物だろうと、呼吸が浅くなれば体力は充実しませんので、呼吸状態を改善することで、病気を乗り越えられる、というのはよくある話だと思います。
もしキモが基礎体温の上昇であれば、コルディでなくともたとえば高麗人参でもいいんでしょうが、もともとキノコが癌に効くというのは昔からの知恵ですので、当面コルディGを続けてみようと思います。

いずれにしても、3ヶ月後と半年後に再度CTを撮るので、コルディが効くのかどうかわかりますから、その頃にまたご報告します。

ところで、、
まったく別件ですが、現在販売中の学研「うちのウサギのキモチがわかる本」の特集「2匹目うさぎのじょうずな迎え方」の監修を担当させていただきました。写真がたくさん入ってわかりやすい説明になっていますので、よろしければお手にとってみてください。

うちのうさぎのキモチがわかる本 春&夏2017 (Gakken Mook)

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ウサギ(去勢避妊済み)のお家探し+ボランティア様募集(三重)

[:ja]三重県のお寺に保護されていたウサギ達の新しいお家を探しているそうです。
この子たちは多頭飼育されていたため、あまり人慣れしていない子もいますが、今家にいるウサギさんのパートナーとしては、一頭飼いされていた子たちよりも一般にお見合い成功率が高い傾向があります。
お見合いには、双方去勢/避妊手術が必要ですが、この子たちは去勢避妊済みです。

お店で売られているウサギさんではまずお見合いは不可能ですが、一時預かりボランティアさんとの交渉次第で家のウサギと相性が良いか、事前に様子を見ることもできるかと思います。
家のウサギが寂しそうでお友達をつけてあげたい、と思っておられる方、検討されてみてはいかがでしょうか。

現在お家さがし中のウサギさんたちへのリンクです。(私が把握しているものだけですので、まだあると思います)

http://ameblo.jp/ibrahimomich/

http://uttokonoko.blog.fc2.com/

http://namakeusagi.kyo2.jp/

※多頭飼いされていた子は人慣れしていないことも多いのですが、ボランティアさん達の頑張りで、もともと人なつこい性格の子はどんどん人慣れしてきています。そういうウサギさん達は、単体でお迎えしても素晴らしい家族になりますので、是非ご検討を!

※「私ツンデレが好き!」という方は、人慣れしていない子を敢えてお迎え、という選択肢もアリです。何年もかけて信頼を築き、ちょっと気を許してくれたときの幸福感はこたえられません。しかし、個人的には、ウサギが初めて、という方にはこのタイプのウサギさんはおすすめしません…多分かなり苦労すると思います。

※人慣れしていない子でも、人なつこいウサギさんとペアになると、一緒に人間に寄ってくるようになりますので、心配はありません。しかし、家にいるウサギも人間に寄って来ない子だと、相乗効果でよけいに人間から離れてしまうかもしれないので、そういうウサギさんのパートナー選びは慎重に。

※現在治療中のウサギさんは完治してからお見合いさせて下さい。

※ウサギのお見合いは、とにかく双方の気持ちが最優先です。飼い主の好みが入る余地はありません。でも、最高のパートナーを見つけると、ウサギ達は本当に幸せになれます!

保護活動の詳細については以下のブログをご覧下さい。

http://ameblo.jp/darumausagi/

※現在ボランティアが少なく四苦八苦されているところに代表者様が作業中にお怪我をされてしまい、大変な模様です。支援やボランティアを募集されていますので、情報を以下に転載します。


(http://ameblo.jp/darumausagi/entry-12054949542.html からの転載)

☆現地ボランティアさま☆

・現地にてご自身の都合の良い時にごはんのお世話などしていただける方

※決まった日でなくてもホント、時間のある時にで構いません。

※掃除用具、ペレット、チモシーは現地に準備いてありますので手ぶらで行ける状態です。

※但し小屋内用の靴、手袋、マスク等は各自ご準備下さい。

メールフォーム http://ws.formzu.net/dist/S64901527/

↑へご連絡下さい。よろしくお願いします。

★☆一時預かりさま☆★

・里親様が決まるまでの間のお預かり、もしくは手術~小屋へ戻るまでの間、寺っ子をお預かり頂ける方

また、現在預かり様宅に居る子をお預かり出来る方。

※三重・滋賀・奈良・京都・大阪近郊にお住まいの方

※8/8に関東(東京近郊)へ移送に行きます。その際にお預かり可能な方

☆★☆医療費支援のお願い☆★☆

お寺にはまだ不妊手術を受けていない子達が30羽近くいます。

これ以上増えない対策をしていく上で欠かせない事ですが、1羽あたりの手術費用はどこの病院でも同様にかかります。

何卒ご協力をお願いしますm(__)m

ゆうちょ銀行

記号:12200
番号:14065021
口座名:ダルマウサギレスキュー

店名:二二八(ニニハチ)
店番:228
普通預金
口座番号:1406502
口座名:ダルマウサギレスキュー

三菱東京UFJ銀行 四日市支店
普通口座  0294053
ダルマウサギレスキュー ニッタヒデヤス
[:]

ウサギのエンセファリトゾーン血清有病率についての論文

注)当HPの管理人は、獣医師でも医学関係者でもありません。医学系論文の種類にも詳しくありませんので、もしかしたらProceedingsがこの一覧に混じっているかもしれません。 また、専門家ではありませんので、コメントが正しくない場合もございます。
このページの情報をご利用の方は、かならずリンクを辿って原文を入手の上、お読み下さい。
このページのコメント部分のいかなる情報も、レポート利用、web引用、その他いかなる手段によっても、コピー、引用を禁止します。
どうしてもweb等で紹介したい時は、このページへのリンクという形でのみ許可します(具体的な内容の紹介をされる場合は、必ずリンクを張って下さい)。
素人なりになるべく間違いを書かぬよう努力はしておりますが、専門家ではありませんので限界があります。なお、このページの内容は今後手直しされる可能性があります。コピー禁止はそのための処置です。どうぞご理解下さい。
以上のお約束が守れる方のみ、本文をご覧下さい。


久々にE-Cuniculiの論文を検索したら、ペットウサギのエンセファリトゾーン血清有病率(集団の中でその疾患に対する検査が陽性の個体の割合)に関する論文が随分沢山でていました(…っても2008年のものとかあるので、とくに新しい話というわけではなくて、私が今迄知らなかっただけ。)
今時間がないのでちゃんと目を通していないですが、あとで読むためにリンクしておきます。

Igarashi, M. et al. High seroprevalence of Encephalitozoon cuniculi in pet rabbits in Japan. J. Vet. Med. Sci. 70, 1301–1304 (2008).

日本のペットラビット337匹の血清有病率の調査。337匹はグループ1(全部健康なウサギ)74匹、グループ2(健康かつ多頭飼いのウサギ)121匹、グループ3(神経症状を見せているウサギ)105匹、グループ4(そのほかの病気のウサギ)37匹にわけて調査。
血清有病率がもっとも高かったのは81%(グループ3)、次は75.2%(グループ2)、3番目が43.2%(グループ4)、そして最も低かったのが29.7%(グループ1)とのこと。

(グループ3(神経症状を見せたウサギの群)が高い血清有病率を示したのはもっともな話ですが、次が多頭飼いの健康ウサギの群であった、というのが興味をひく部分です。多頭飼いの場合、群の1匹でもエンセファリトゾーンに寄生されている場合、群全体が寄生されますので、こういう数値になってしまうわけですね。
うちのウサギ達も全てエンセファリトゾーン検査陽性です。まあ、持っていても全てが発症するわけではない、といえばそれまでの話なのですが。)

Shin J-C, Kim D-G, Kim S-H, Kim S, Song K-H. Seroprevalence of Encephalitozoon cuniculi in Pet Rabbits in Korea. The Korean Journal of Parasitology. 52(3):321-323 (2014)

韓国の(特に疾患をみせていない)ペットラビット186匹に対し、血清有病率を調査した論文。おおよそ22%、性別差、年齢差などはみられなかった、という話。

(この数字は日本の1頭飼いの健康ウサギのケースとあまり変わらないように思いますが、韓国では多頭飼いが少ないとかあるのかなあ?? それとも、ブリーダーできちんと駆虫ができているのかしら……)

Tee, K.-Y. et al. Serological survey for antibodies to Encephalitozoon cuniculi in rabbits in Taiwan. Vet. Parasitol. 183, 68–71 (2011).

同様の研究の台湾版。こちらは171匹中 63.2% (108/171) と67.8% (116/171) ということで、韓国より高い。サンプルのうち、155匹は健康なウサギで、健康診断に訪れたものを使用とのこと。サンプルは4カ所(の病院)から集められ、数値に有為な地域差がみられた。4ヶ月以上の大人ウサギは、それ以下の子ウサギよりも有為に血清有病率が高い。

Dipineto, L. et al. Serological Survey for Antibodies to Encephalitozoon cuniculi in Pet Rabbits in Italy. Zoonoses and Public Health 55, 173–175 (2008).

同様の研究イタリア版。125匹中、47匹が健康なウサギ、残りはエンセファリトゾーンが疑われる症状を見せていた。血清有病率は84/125 (67.2%)。4ヶ月以上の大人ウサギは、それ以下の子ウサギよりも有為に血清有病率が高い。


以上、4ヶ月未満のウサギで血清有病率が低い、というのはちょっと予想外でした。
というのは、エンセファリトゾーンは当然母子感染(…という言い方は正しくないかもしれないが、要するに離乳前に母親からエンセファリトゾーンの胞子をもらってしまうということ)するものだと思っていたので、大人ウサギと仔ウサギでそんなに差があるとは思っていませんでした。

とりあえず台湾の文献だけ入手してざっと眺めてみましたが、著者のDiscussionによれば(つまり著者の予想)、1)初乳の感染防御抗体が生後4週間まで持続すること、2)台湾では、生後4週間で仔ウサギが販売されるため、この期間内に両親から感染するリスクが低いと思われることから、仔ウサギの感染率が低い、と考えていることが見てとれます。

となると、その後感染率が高くなるのは、やはり多頭飼いや他のウサギとの接触で全頭感染するケースが多い、ということになるのでしょうか。
エンセファリトゾーンは空気感染はほぼしないと考えて良いレベルだと思いますが、オシッコには胞子が入るので、感染ウサギのオシッコがかかった牧草を食べる、共有トイレなどで他のウサギのオシッコのあとを舐める(ウサギは結構これをよくやります…要らないから捨ててるんじゃないの?と不思議になりますが)などでも感染します。

多少危惧するのは、この結果から、「だからウサギは生後1ヶ月以内に母ウサギから離した方がいいんだ!」という論調にもっていかれかねないことです。
ウサギが一生健康に生きていくためには、母ウサギからの母乳や盲腸糞はかかせないものです。母子感染を防ぐ為に仔ウサギを早く引き離すくらいなら、繁殖前にエンセファリトゾーンキャリアのウサギは投薬して治療する方が良いんじゃないか、と素人考えではありますが、思います。

実は、IgG値で陽性反応を示したウサギ(IgG値は過去に感染があったかを示す)が、現在も体内にエンセファリトゾーンがいるか、を調べる方法は、解剖以外にはない、という問題もあり、正直すぐにエンセファリトゾーン検査陰性のウサギだけを繁殖に使え、というのは難しい状況だと思います。
しかし、それでも投薬治療で駆虫ができているケースも沢山あるのですから、やらないよりは多分マシなんじゃないかと……。この場合の投薬の目的は、尿から胞子が出るほどエンセファリトゾーンを活性化させないこと、ですので。(うちのろし太も、投薬治療後、死後の剖検で脳内などにエンセファリトゾーンがいないことは確認されています)。

もっとも、感染の疑いのあるウサギとそうでないウサギを厳密に分けることが、多分一番の難点なんだろうと思いますが……。

エンセファリトゾーンにフェンベンダゾールが有効である論文が発表された2002年以降、一時エンセファリトゾーンはとにかく駆虫する、という雰囲気が強かった時代があったように思います。現在はどちらかというと、症状が出たら投薬する、といったスタンスのところが多いようです。私自身も、正直、そこまで目の敵にすべきものなのか、わからなくなってきました。

しかし、現実に発症したとして、すぐに治療が開始できれば良いですが、どうしてもすぐに投薬が開始出来なかった場合は、重度の障害が残ったり、脳の障害の程度が大きければ死ぬこともあるわけです…。

もともとエンセファリトゾーンがいる子は仕方がないとして、エンセファリトゾーンフリーのウサギを他のウサギから感染させない対策は、やっぱり必要なのではないか、とつらつら思う今日このごろです。

ウサギのうっ滞初期に乳児用ガスリリーバ(シメチコン)が有効、という話

注目

アメリカでは、ウサギのうっ滞初期に家で試す事として、乳幼児用のガスリリーバを飲ませろ、と言われることがあります。ガスリリーバ(主成分シメチコン)は、日本では「ガスコン」「ガスピタン」などの商品名で売られているものとほぼ同じですが、小児用のものは余計なものが入っておらず、「体内で吸収されないので薬ではない」とされ、アメリカでは獣医師の処方がなくても使えます。

こういうものです↓

little_remedie

私はもともと、薬もサプリも頼らない方が吉、という考えなので、これまで積極的にウサギにガスリリーバを使ったことがありませんでした。しかし、うちのウサギ達も高齢になり、友人のYさんが14才のうさちゅうにこれを使用して大変効果があることを教えてくれたこと、また私自身も使用してみて、これを使った方が良いと思われるケースも多いことを実感したので、報告します。

現在、日本では乳幼児用のガスリリーバは売られていません。入手方法は個人輸入ということになると思いますが、個人で使用する範囲の数量なら比較的簡単に入手できると思います。infant gas relief などの単語で検索してみて下さい。

記事を読む前に、以下のご注意をお読み下さい。

  1. アメリカでは医薬品ではありませんが、日本では医薬品扱いです。アメリカのウサギでは多くの実績があり、獣医師やHRSも勧める方法ですが、日本のウサギとアメリカのウサギは異なる部分もあります(例:アメリカのウサギは生後8週間以内は販売できないなど)。情報のご利用はあくまで自己責任でお願いします。このページの情報をご利用になった結果不都合が生じても、当方は責任を負えません。
  2. 現在薬を処方中のウサギさん、通院中のウサギさんは、必ず獣医師とご相談の上お試し下さい。それ以外のウサギさんも、主治医がいる場合はご相談下さい。
  3. 日本で販売されているガスコン、ガスピタンなどの成人用消化管内ガス駆除薬は、シメチコン以外の成分が入っている模様です。ウサギに使用して良いものかどうか当方には判断できませんので、用いないで下さい。(獣医師によってはOKという方もいらっしゃる模様ですので、どうしてもという方は獣医師にご相談下さい。)

1)ガスリリーバとは何か?

有効成分はジメチルポリシロキサン(ジメチコン)です。これにケイ酸オイルを混ぜたものをシメチコンと呼び、これが主成分となっているものがほとんどです。
ジメチコンは、気泡の表面張力を低下させることで、泡を潰すはたらきがあります。このことから、化粧品などにも使われ、それだけ聞くと「赤ちゃんの口に入れても大丈夫?」という気になりますが、気泡を細かくするだけで、人間の体内では消化されず、経口摂取しても便と一緒に排出されるため安全とされています。

(余談ですが、毛玉リムーバのペトロモルトやラキサトーンの主成分は、ベビーオイルと同じものです。ベビーオイルが安全なのは、鉱物油で体内吸収されないから。時折、植物由来だから安全、といった企業宣伝をみかけますが、決して植物だから安全なのではありません。むしろ、野生の植物は身を守るため多少の毒性を持っていることの方が普通なので、ウサギに植物由来のものを与えるときは注意が必要です。)

2)どのような時に使うか?

ウサギの場合、以下のようなときに使用すると、効果が高いようです。

  • ご飯をあげてもなんだかいまひとつ食欲がない
  • 普段は結構動き回って、頻繁に牧草をつまみにいくのに、何時間も同じ場所にうずくまって、だるそうにしている

このような状態で、なおかつ、

  • お腹の腸のあたりをよく見ていると、たまに、大きな気泡の塊がぼこっと動く、腸の動きが、しばらくつっかかって、急に泡の移動とともに動き出すなど、スムーズではない
  • ときおり、ウサギのお腹から、「ぼこっ」という空気が動く音が聞こえて、なんだかウサギが痛そうな表情をしている

ポイントは、まだお腹が動いているうちに与えることです。うっ滞になってしまってからでは、いくら口から押し込んでも腸内の気泡まで届きませんので、余計なことをせずに、すぐに獣医師に診せて下さい

お腹の音は、わかりにくければ、うずくまっているウサギの背中の腰あたりの部分に耳を直接つけると、より良く聞こえます(聴診器がなくても大丈夫です)。
調子のよいときは、それほど間を開けず、「コポ、…コポ、…ピチュ」といった感じの小さな音が聞こえます。

これが、ガスの泡が大きくなり始めると、もっと「ボコッ」という感じの音になり、音から音までの間隔が大きくなります。更に泡が大きくなると、横からお腹を見ていても、空気の塊がボコッという感じで動くのが見えるようになります。それでも泡がスムーズに動いているうちは良いのですが、やがて腸の一部にしばらくひっかかって、それから一気にボコっと動く、という感じになります。

よく注意してみていると、ウサギはこのとき遠い目をしていたり、痛そうにちょっと目を細めたりしています。そのような表情がみられる場合には、既にウサギが痛みを感じて、そのためにお腹に力が入り、腸の動きが更に悪くなる悪循環にはまっていますので、ガスリリーバの使用が有効です。

分量は、パッケージに書いてある乳児用の処方と同じでおおむね大丈夫ですが、特に小さい種類のウサギ、大きい種類のウサギには、多少量を加減した方が良いかもしれません。また、薬ではないので、あまり分量に厳密である必要はありません。1回与えてみたけど、どうもまだ泡が小さくなりきっていない、という場合、追加でもう1回分くらい与えても大丈夫です(ただし、分量多く与えると、ふんにシリコンオイルが多くつきます。下痢ではないので問題はありませんが。)

小児用のガスリリーバは、液体で子供でも飲めるようにもともと甘い味がついていますので、飲ませるのにそれほど苦労することはないと思いますが、バナナなどに塗って与えても大丈夫です。

ウサギによっては、音が聞こえるほど泡が育ってなくとも、単にお腹の張りによる不快感で食べなくなることもあります。そのような場合にも、有効だと思います。

3)飲ませたあとの経過など

お腹からボコボコ音が聞こえるほど泡が育っているような場合は、数十分から数時間で、その音が消えます。うちのウサギ達は、30分くらい経過するとその状態に移行し、目に力が戻ってきますが、これは個体差が大きいと思います。

お腹の音がなくなると、牧草や野菜を食べ始めるウサギもいます。この場合は、そのまま自力で回復することが多いです。これを飲ませてから、以前紹介した愉気を併用すると、経過が良いようです。

お腹の音がなくなったのに、依然として食欲が戻らない場合は、既にうっ滞が進行しているか、なにか別の原因の体調不良の恐れがありますので、獣医師に診せて下さい。

4)その他

薬ではないので、予め大きな泡を作らないように常習的に与えるというのは可能か? という点について。

実は、もともと赤ちゃん用のものなので、infant gas reliefなどの語句で検索すると、これを使用した方が良いのかどうかについて書かれたページにヒットします。
で、そういうページを見ていると、中には、むしろ必需品みたいな書き方をされているものもあります。勿論、ネット上の情報、しかも素人が書いたものか、きちんとした知識のある人が書いたものかわからないような記事を鵜呑みにすべきではないですが、これを見て実際にかなりの頻度で赤ちゃんに与えている人もいそうです。

ただ、ウサギに与える、という観点からのみ言えば、ガスリリーバを飲ませると、(与える量にもよりますが)ふんがシリコンオイルにカバーされているのが目でみてもわかります。ウサギのふんは通常乾いているものですから、常にこのような湿ったふんがお腹のなかにある、というのは、やはり自然な状態ではないと思います。

以上から、私自身は、やはり「ちょっと体調がおかしいかな?」と思ったときに試すものであって、基本的には普段から常習的に飲ませるものではない、と思っています。
ただ、とくにお腹にセンシティブな子で、これを飲ませた方がコンスタントに食事がとれて体調が良い、というウサギさんがもしいれば、例外になるかもしれません。
とくに高齢のウサギでは、きちんと毎回バランスの良い食事がとれる、というのが何よりも大事ですので、そのへんは主治医とご相談の上加減するのが一番良いと思います。

◆◆◆

ガスリリーバの紹介は以上です。

始めにも書いたとおり、我が家のウサギ達の場合、若い頃は愉気だけで回復していたので、極力このようなものには頼らない方針でした。
しかし、自力で回復するためには、そこに至るまで、ウサギ本人にも痛みや不快感と戦う精神力、気力が求められます。回復までに数時間かかることもあり、年をとれば、それもだんだん大仕事になって気力が続かなくなります。
痛み止めは使用しすぎれば効かなくなってきますが、ガスリリーバは体に作用するものではないので、そういった心配もありません。

人間の年齢にすればもう70才というような年ですので、痛いのを長時間無理に頑張らせるより、なるべく痛くなく、自分から食事をとれるようにするほうが良いかと思い、去年あたりから使用を始めました。現在までのところ、愉気単体でがんばるより回復が早く、(ガスによる疼痛がなくなることで)食べないでいる時間を短縮できるため、翌日の体調への影響もかなり少なくなりました。
勿論、獣医師の指導のもとで試してみていただきたいことですが、これまで夕方から体調が下降気味なのがわかっていても有効な手を打てず、結局夜中に全く食べなくなり薬を飲ませるしかなかった、というようなケースでは、使える場面もあるのではないかと思います。

ウサギのハエウジ症:普通のハエ1匹でも危険!

アメリカに来て気づいたことに、ウサギのハエウジ症(ウサギの皮膚が蛆に侵される疾患)に対する危機意識の違いがあります。

こちらでは、イエバエ1匹が家の中に侵入しても、「すぐに退治しなさい!」とすごい剣幕なのです。

正直、ハエは刺さないし、そりゃウザいけど、そんなに目の敵にするほどか? なんて思ってましたが……

今回、ちょっと色々海外のリンクに目を通してみて、驚きの事実発見(汗)。

なんと、日本のウサギ飼育書は、ハエウジ症をちゃんと正しく記述していない!!!

というわけで、ハエウジ症の何が危険なのか、のまとめです。

(この件について、友人とその友人の獣医師MRさんにお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。)

以下、ハエウジ症とハエについて書いています。写真はありませんが、文章で気分悪くなる方も多分いると思いますので、そういうのがダメな方はご注意下さい。

続きを読む

うさ暮ら52号記載の「HRS式トイレのしつけ」の追記:ウッドペレットについて

前号から「うさぎと暮らす」に連載させていただいている「ハウスラビットとアメリカで暮らす」ですが、今回はHRS式のトイレのしつけについてレポート致しました!

もう、どーしてもうちのウサギはトイレ覚えてくれない!! という方、是非お試し下さい…(^^) ホント、トイレのサイズ大きくして牧草置くだけでできるようになっちゃう子、結構いますよ!

ところで、本文中で紹介したトイレの中に敷く木質ペレット(ウッドペレット)ですが、日本でも売っているようですね。
…が、、Amazonの紹介文なんかみると、消臭効果を期待してか、スギ、ヒノキ、マツなどの良い香りがする、という宣伝文句があったりして…(汗)

針葉樹木の芳香(フェノール類)には、微量ながら毒性があります。 (ちなみに、フェノールそのものはかなり毒性の強い劇物です。)
勿論、毒性といっても、木を食べたからすぐにお腹を壊す、といったものでも、ちょっと匂いをかいだら何か不都合が起きる、というようなものでもありません。

しかし、このような芳香が常時身近にあると、ウサギの肝臓はこれに対抗するために常に酵素を生成します。このため、血液検査で肝酵素の値が高くなります。そしてこの状態が長期間続くと、いわゆる、痛み止め飲み過ぎて痛み止めが効かなくなってきた、というような状態になります。

具体的にいえば、治療薬が獣医師の予想通りに効かない、あるいは安全に使用できる麻酔の許容量の範囲が極端に狭くなり、手術時の麻酔で命を落とす、といったことが起こります。

こういったこともあるので、手術の前はやはり血液検査は必須です。 HRSのウェブサイトにはこれに関するHRS内部での調査の結果が書かれています。
残念ながら数値を含んだ詳細については書かれていないのですが、みたところ、マツやスギのおがくずの使用率とウサギの肝酵素値の相関はかなり強く見られた模様です。

※マツ、スギのおがくず、小動物の肝機能に影響を及ぼすかについては、いくつか論文が出ていますが、影響がないとする反論もあります。HRSの調査結果は、あくまでアメリカの保護団体でそのような傾向が見られた、ということでご理解下さい。

(余談になりますが、ウサギに齧り木を与えるのに、乾燥木は良いですが、生の木の枝は駄目です。食べ過ぎると体を壊します。自然のものならば安全、という思い込みは結構危険です。)

ウッドペレットが良いのは、高温高圧処理されていて、こういった芳香成分がとんでいるからなのですが、日本人はとにかく木の香りが好きですし、ペット用にと消臭効果を期待して、わざと芳香成分が飛ばないように処理したりしていないだろうか、とちょっと心配になりました。

勿論、もとはおがくずですから、オシッコをした後ペレットが水分を吸えば、暫くは多少木の香りがします。その程度なら問題ないのですが……
ペレットの袋を開けた直後だけならともかく、ウッドペレットのある場所の近くで、いつも木の芳香が漂っている、というようなものは避けるべきだと思います。 敏感な動物の鼻には相当強い香水を置かれているようなものですしね。

というわけで、ウッドペレット試してみよう! という方は、できれば最初は小さい袋や量り売りで買って匂いをかいでみて、芳香がないかを確かめてから大きい袋を買うことをお勧めします。
乾燥したウッドペレットは、通常、鼻に相当近づけないと匂いは分かりません。スギ、ヒノキ、マツのような針葉樹ではなく、アスペンなどの広葉樹のウッドペレットであれば、問題となるフェノール類が少ないので問題はありません。

牧草食べてるから大丈夫とは言えない!腸閉塞(または急性胃拡張)の話

注目

腸閉塞というと、何か固いものを飲み込んでしまったとか、牧草の食いが悪くて毛玉が詰まるのが原因と思っていましたが、そうではない、というのを今日知りました…。

ソースはこちらです↓

http://www.ohare.org/images/harelines/v13n2.pdf

Dr. Barbara Oglesbee が Buckeye House Rabbit Societyの機関誌に掲載した記事です。

英語ですが、レントゲン写真もありますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

獣医さんがかかれた記事ですので、翻訳は(許可が必要なので)やりませんが、要点だけかいつまんでお知らせします。

まず、腸閉塞とは? どのようにして起こるのか? について。

  1. 腸閉塞と胃腸うっ滞は全く異なるものであり、これらの間に関連性はまったくない
  2. 腸閉塞は、突然腸が何かによってつまる現象。多くは小腸の、胃を出てから5〜7.5cmくらいのところでつまるが、小腸と盲腸の合流するところの近くで起こることもある。
  3. 胃の直後でつまると、あっという間に悪化し命の危険にさらされる。もっと後ろの方でつまると、症状の悪化は比較的ゆるやかになる(危険なことにかわりはない)。
  4. つまるのは、ほとんどがフェルト状にまで固く固まった毛球で、その起源は日々のグルーミングで飲み込んでしまった毛が胃の中で固まったものではない。どのようにしてそんな固い毛球ができるのか原因はよくわかっていないが、有力な説は、盲腸の中で作られる、という説。盲腸で固く固まってしまった毛球は盲腸糞に包まれ排出されるが、ウサギは盲腸糞を噛まずに飲み込むため、固い毛球のまま小腸まで行ってしまう

盲腸には牧草の繊維質はいきませんから、どんなに牧草を食べていても、盲腸の中の毛を定期的にお掃除、というのは出来ないわけです。
2014/10/1訂正:
盲腸に牧草の繊維質がいかない、というのは私の勘違いでした!
HRSのカンファレンスで見たアニメーションによると、小腸を抜けた内容物は一度盲腸に入り、更にその一部は大腸に押し出されます。ただし、大腸の前半部分で、大きな繊維質はそのまま肛門側へ送られ、細かな粒子は盲腸に戻ってきます。
これを繰り返して、盲腸の中には細かな粒子だけが残り、発酵が進んだあと、盲腸糞として大腸に送られる、という仕組みです。
しかし、盲腸が袋小路になっている構造上、牧草を食べていても、毛玉がたまるのを100%防ぐことはできない、というのが、「腸閉塞は普段の食生活に関係なく起こる」という表現の意味だと思います。しかし、このような仕組みであれば、やはり牧草を食べることによって、その危険を減らすことは出来るのかもしれません。
(訂正終)

つまり、たとえ牧草バリ食いのウサギでも、腸閉塞になってしまう危険はあると……。

うちの子は牧草よく食べるし、飲み込んで危険なものは置いてないから、腸閉塞になるわけがない! と思っていると、対処が遅れて手遅れになりかねません。

 

次に、腸閉塞になるとどのような経過をたどるか、という話。

  1. ウサギは普段から唾液を沢山飲み込み、胃液を沢山出している。腸がつまることによって、これらの液の出口がなくなり、胃にたまり始める(つまり、胃がふくれる理由は、最初は水分)
  2. 胃の中の水分が停滞することにより、電解質バランスが崩れる。またバクテリアが繁殖し、これらがガスを生成する。
  3. これらの相乗効果により、水分とガスで急激に胃が膨らむ。このため、ウサギは痛みを感じてうずくまる。また、胃が膨らむことにより胃の周囲の臓器(心臓、腎臓など)への血流が阻害される(→手術をしても回復しない原因)
  4. 更に膨らむと、胃が破裂(この時点でウサギは即死)。
  5. とにかく悪化の速度が早い。朝は普通、またはちょっと元気がないかな、くらいだったのに、仕事から帰ったら死んでいた、というケースもある。

というわけで、胃が大きく膨らむ、というのは非常に危険なサインだ、ということです。

理由は、胃が膨らむことによって周囲の臓器への血流が阻害され、臓器不全になってしまうためです。

余談ですが… このように胃が膨らむのは、なにも腸閉塞だけが原因ではありません。 なんらかの原因で胃の中で異常発酵が起きれば同じことになります。

というわけで、腸閉塞は疾患の原因を表した病名ですが、このように胃が急激に膨らむ症状を急性胃拡張といいます。

……ということは、原因が何であれ、胃が大きく膨らんだら(急性胃拡張)、もう迷わず救急診療だ、ということですね。

ちなみに、どのくらい大きいと危険なのかは、田園調布動物病院のレントゲン一覧が大変わかりやすいかと。

http://exoticpetdata.blog33.fc2.com/blog-entry-4.html

このページの最後のレントゲン写真が、急性胃拡張の写真です。

上三枚と比べて、非常に胃が苦しそうなのが分かると思います。

膨らみ始めると、本当にあれよあれよと言う間に大きくなっていくので、こうなる前に病院に連れて行くのが大事です

ちなみに、胃は、ウサギを背中からみて、頭を上にしたときに、左側に「し」の字のオシリがくるような感じでおさまっていますので、胃がガスなどでふくれると、最初は体の左側、肋骨のすぐ下くらいに大きなコブができて、触ると風船のような感触になります。

更にガスがたまると、今度は固くなり、胃の周辺全体が膨らみ、押してもへこまなくなります(そうなったら危険)。

(まれに、普段からそっち側が出っ張っているウサギもいるようですが……うちのまんごろし太もそうだった。でも、触ってみれば、ガスが詰まっているか、普通の状態かの違いは分かると思います。普段からそのあたりを触って、固さを確かめておくと良いと思います。)

 

というわけで、胃腸うっ滞と腸閉塞の見分け方(非常に難しいですが)。

  1. 腸閉塞は、食べるものには全く関係がない。一方、胃腸うっ滞は、多くは繊維質(牧草)の不足や、炭水化物のとりすぎなどの関連がある。食事習慣の大変良いウサギでも、腸閉塞にはなり得る
  2. 胃腸うっ滞の場合は、そうなる前に何かしらの病気、痛み、歯の不具合など、ストレスがかかる事項がおきているケースが多い。一方、腸閉塞は病気のウサギも煩うが、殆どの場合は直前まで元気そのものであったケースが多い
  3. 腸閉塞の場合は、突然に無気力になったり、痛みを感じている様を見せる。中には、あまり出歩きたがらなくなったり、(他のウサギや人間と)交流したがらなくなる、というのが痛みの(初期の)サインのウサギもいる。
  4. 胃が血流を圧迫し、更に胃の中の電解質バランスが崩れることで、ウサギはショック症状を見せる。ショック症状のウサギは、非常に無気力で、しばしば体温が低下している。
  5. 腸閉塞のウサギは、唐突に、まったく食べなくなる。一方、胃腸うっ滞のウサギは、だんだんと食欲が落ちる。

非常に難しいですね……。

うちのウサギ達は、軽度のうっ滞でもほとんどの場合、いきなりまったく食べなくなるんですが……(汗)

(まあ、日中はみてないから、だんだん食べなくなっているのかも知れないが)

ただ、そういう場合はほぼ100%補液のみで回復しているので、脱水して腸が動かなくなる場合には、症状としては腸閉塞と同じように、胃に胃液と唾液が溜まってガスが充満している、ということなのかもしれません。

うっ滞の場合は、(うちのウサギ達を見ると)食べなくなっても暫くは余裕かまして走り回ってたりしますね。

腸閉塞は、一方、もっと急激に動かなくなったり、体温が下がったり、という兆候がありそうです。

というわけで、見分け方は、

健康で、楽しそうにしていたウサギが、どれだけ唐突に全く食べなくなり、痛そうにしていたり、無気力になんの反応を示さなくなったりしたか

その落差が大きいほど、腸閉塞の可能性が高い、ということになりそうです。そして、もしそのような状態を見たら、とにかくその場で救急病院に連れていくことです。

 

最後に、病院ではどのように診察して、腸閉塞の判断を下すかと、どのような治療が行われるか、です。

  1. どれだけ突然に痛みを感じたり、食べなくなったりしたか。
  2. 触ってみて、どれだけ胃袋に水分やガスが大量に溜まっているか。腸閉塞がおきてからの時間経過によっては、ウサギはショック症状を見せているので、その確認。
  3. X線写真を確認して、胃袋にガスや水分が大量にたまっている一方で、小腸以降にはガスがほとんどないこと。

これで腸閉塞(あるいは急性胃拡張)と診断されると、まず最初の処置として、胃の拡張を和らげ、ショック症状の原因を取り除きます。

ウサギに鎮静剤を与え、ゴム管を口から胃まで通し、ガスと水分を抜きます(pdfにその写真があります)。 その一方で、点滴を開始し、ショックからの改善をはかります。

その次のステップは、外科手術で毛球を取り出すかどうかを決断します。ほとんどの場合、手術で取り除くことが一番生存率が高いですが、まれに(内科的処理によって)詰まったものが流されることもあります。

その場合は、完全に押し流されるまで、胃袋にたまったガスと胃液の除去が必要になります。勿論、この間ウサギは集中治療が必要になります(点滴、頻繁なレントゲン撮影など)。

運がよければ、切らずに回復しますが、多くのケースは手術が必要になります。

残念ながら、たとえ手術をしても、予後はよくないとのこと(よく言われることですが…)。

もし詰まったものを早期に取り除くことが出来れば、回復の見込みがある模様です。

しかし、多くの場合、気づいたときには既に肝臓や他の器官への血流が長時間妨げられたあとで、予後が非常に悪いようです(胃壁が壊死している、肝機能が戻らない、腎臓への血流が回復しない、など)

悲しいことに、多くのウサギが、手術を生き延びても、その後2〜3日で腎不全などにより死に至ります。 ただし、悲観的になる必要はなく、十分に早い段階で摘出できれば、手術をしても回復の見込みがある、とのことです。 つまり、

  1. いかに早くに飼い主が緊急処置が必要であることに気づき、
  2. 獣医師がうっ滞ではなく腸閉塞であるという診断を下し、必要な処置を開始できるか

が非常に重要だということです。

◆◆◆

以上でまとめは終わりですが、これを読んでいて、先日のルーファスの胃腸うっ滞を思い出しました。

ご存知のように、胃腸うっ滞でも胃は膨らみます。

朝からどうにも食欲がないし、胃が固くなってきたので、午後4時に病院に連れていきました。

軽度のうっ滞と診断され、補液してもらって家に戻ったものの、全然胃の固さが緩む気配がない。

むしろ、まだどんどん固くなってくる印象だったので、腸閉塞を疑って、午後8時に再度救急で観てもらうことを決断。

8時30分に病院に到着。

でも時間外なので、結局先生の診断が9時過ぎになり、折悪しく別の急患も入って、レントゲンの準備が出来たのが10時過ぎでした(ここで4時にも診療してくれたエキゾチックの専門の先生が駆けつけてくれた)。

その、危険を感じてから2時間のあいだに、ルーファスの胃袋はあれよあれよという間に大きくなっていきました。

待っている間に、もし間に合わずに破裂したらどうしよう、と泣きそうになりました……。

細菌は指数関数で増える、をまさに実感(いわゆるネズミ算)

もしも、あと2時間様子見していたら…、と思うと、ゾッとします。

先生は、レントゲンをとるのに鎮静剤をかけるので、そのときに胃袋の空気を抜く処置をやってみるが、食べ物も結構つまっているのでうまく抜けるか分からない、と……

今にして思えば、このときの先生の処置は、まるきり上で書いた手順の通りです。 まあ、先生曰く、まだとても危険、というところまでは膨らんでいなかった模様ですが……。

レントゲンの結果、幸い(というか先生の4時の時点の見立て通り)、腸閉塞ではなくやはり胃腸うっ滞であることが分かりました。

ただ、最初の補液150mlのコブが、たった3時間で完全消滅してしまったこと、オシッコをまったくしなかったことから、かなりひどい脱水だったと思われます。

脱水は、通常肩の部分の皮膚をつまんで計るのですが、この計り方ではルーファスの場合脱水とはわかりませんでした。 この子は脂肪が多いので(汗)そのせいだったかもしれません。

しかし、腸閉塞でなくとも、とにかく胃の中のガスが動いてくれないと危険であることに変わりはないので、できれば今日は病院に泊まって点滴を入れた方がいい、との診断(これも上に書いてある通り)。

勿論、家に連れて帰っても何もできないので、入院させました。

一晩中定期的に様子を観てくれた獣医学部の学生さんの報告によると、ルーファスがもそもそと動きだし、食べ始めたのは朝の6時だったそうです。

一体どれだけ脱水してたの!!!(涙)

結局、そこまでひどくなった原因は、歯に問題があっていきなり何も食べなくなったからだ、というのが翌週判明したのですが……

何が原因であれ、胃の強ばりが抜けない、どんどん固くなる、というときは、膨らみ始める前に病院に連れていった方がいいと思います……。 一度膨らみ始めると、本当に数十分単位で悪化していく感じです。

というわけで、昔書いた「食べなくなったときの処置」の記事も、少し直さないとですね。

ウサギは本当に難しいなあ……(溜息)。

ロンドンのレストラン、虐待を知りスペイン産ウサギ肉を撤去

ロンドンのレストランが、スペイン産の肉用ウサギのあまりに酷い飼育状況と屠殺の現状を知り、ウサギ肉料理をメニューから撤去したそうです。

http://www.huffingtonpost.co.uk/2014/06/05/animal-cruelty-london-restaurants_n_5453829.html

以下、ビデオは残酷なシーンも含まれていますのでご注意下さい。

英語はかなり分かり易く喋ってくれていますが、要点をまとめると、

  • ビデオは、スペインの70カ所のウサギ農場と、4カ所の屠殺場を2年間かけて取材したもの。
  • 生まれたばかりの子供を、他の子供より小さいから、という理由で、生きたままゴミ箱に放り込んで死ぬまで放置している
  • 獣医師の一部も、ウサギに対する扱いがひどい(耳をつかんで持ち上げたり、床に打ち付けて殺している映像があります)
  • 耳にID番号を麻酔なしで打ち付けている(まあ、これはどの家畜でも似たような扱いなので、これだけで特にウサギに対する虐待とは言えないかも)
  • 狭く不潔なケージに押し込められたストレスで、多くが病気を煩っているが、治療はされない
  • 複数のウサギが同じケージに押し込められている場合は、喧嘩して怪我を負う個体が多数
  • 内耳炎のため斜頸を煩っているウサギも相当数いるが、これも治療されず、そのまま出荷される(内耳炎はウサギにとって痛いので、これはかなり可哀想)
  • 怪我をしたウサギは、首や頭を殴って首の骨を折りゴミ箱行きになるが、いくらかはまだ生きていて、ゴミ箱の他のウサギの死体の中で何時間、ひどい時は数日も生きている
  • これらの状況は、一、二カ所ではなく、全ての農場で確認された
  • 体重が2kgを超えると出荷
  • コンテナーに詰められたストレスと恐怖で失禁するウサギがいる(うーん、、これも、所謂人間が恐怖で失禁、みたいに考えるとちょっと違うかも知れない。ウサギって、ちょっと違うところに来たらオシッコして気をおちつけて…みたいなところあるから。勿論、ストレスは感じているだろうけど)
  • ウサギはスタン(気絶)されてから喉を切られるが、いくらかは気絶していないのがいて、喉を切られても必死でもがいている(その映像があります)
  • イギリスのレストラン、例えばナショナルシアターの中に店を構えるThe Terraceは、これらの農場と取引があり、この映像に驚いて取引をやめ、ウサギ肉の扱いを終了した。

日本で売っている輸入ウサギ肉、ほとんどがスペイン産です。

ジビエ料理も結構ですが、こういった悲惨な状況でウサギ肉が生産されていることも知っておくべきかと思います。

そりゃ、産業動物である以上、怪我や病気は直すより淘汰、というのは理解しますが、死に切れていないものを炎天下のゴミ箱に放り込むってどうなのよ??

そもそも、怪我や病気をさせないように配慮するのが筋ってもんなんでは??

どうせ沢山生むから、どうしても売れない傷モノは捨てればいいじゃん、って考え方なんでしょう。

鶏は、廃棄率が3%を超えると非常に厳しくなる商売だそうです。

だから、まあワクチンだのなんだので薬づけかもしれないが、大手養鶏場(肉用)でここまで病気や怪我をした個体が蔓延しているということはないと思う。

ウサギはそこまで行政の目が厳しくないのか、こういう酷い状況でも、どうにかこうにか乗り切れてしまう、というのが、家畜としてかなり問題なのかも知れません。

ウサギは省スペースで飼えて、肉質も脂肪が少なく、良質のタンパク源。牛よりもずっと効率がいい。

…とまあ、こういう宣伝文句を最近ちょくちょく見るんですが……

牛よりも効率がいいのは本当だとしても、だからといって鶏ほど効率良くはありません

鶏は、ヒヨコをだだっぴろい鶏舎に放して、出荷まで掃除せず、殆ど食わせて眠らせて終わり、という究極のコスト削減みたいな飼育法がとれますが、ウサギはそういうわけにはいかない(糞尿で足を痛めて病気になるし、そんな多頭飼いしたら喧嘩して怪我だらけになる)。どうしても人の手がかかります。しかも、鶏よりもとれる肉が少ない。

それなのに、鶏とたいして変わらないような値段で売れるとしたら、それは上の農場のような酷いことをやっているからです。

ウサギの多産をいいことに、売れなそうなものは片っ端から間引いて、病気のウサギでもどんどん出荷して、掃除はせず、設備投資も人件費もかけない、という手でも使わないと、そんな値段で売れるわけがないです。

8/20訂正:上記については、鶏はコーンを食べるので餌代がかかる、およびワクチン代がかかる、という指摘があったので、単純比較はできないと訂正します。

 

日本で入手できるスペイン産のウサギ肉、100gあたり2~300円、ってところですよね。

輸入もので輸送費がかかっているのに、こんな価格で手に入る肉なんて、一体どれだけ酷い扱いを受けてるんだか、という話です。

で、まあ、なんでこんな映像に行き当たっちゃったかというと、今HRSが反対しているWhole Foodsでのウサギ肉販売の件について調べていたら偶然みつけちゃったんですが……。

(このほかに中国の四川でウサギの頭の料理が大人気、とかいう記事もあった。中国のウサギ飼育の状況は多分もっと悲惨だろうが、殺したら頭まで食う文化は評価します。。)

アメリカのWhole Foodsのウサギ肉販売の件で、HRSは今月17日に米国全土でWhole Foodsに対する反対キャンペーンをやることになりました。

正直、他人が何を食べるかについて、私自身はあまりとやかく言いたくありません。

(というか、HRSの人だってかなりの数はそう思っています)

しかし、Whole Foodsが4年もかけて制定したそうな「ウサギの福祉を考慮したスタンダード」とやらが、まったくウソっぱちだったというのが分かって、ちょっとこれは完全にWhole Foodsが顧客を騙しにかかっている、としか思えなくなってきています。

流石にこれは大問題だと私も思うので、キャンペーンに参加することにしました。

 

一例をあげると、

Allow the mother rabbit time to nurse and recover before being re-bred, as rabbits are famous for their prolific breeding

ウサギは多産な動物ということで有名であるので、母ウサギには子ウサギを育てる時間を与え、再度妊娠するまでに回復できるようにする

という一文があるのですが、じゃあ、1年に何回生ませるつもりなのか、といったら、なんと12回なんだそうです!

ウサギの妊娠期間は31日なんだから、それ以上は生ませようがない。。

つまり、生んだら翌日にはまた雄ウサギと掛け合わせるってことですよ。

これを、「動物愛護に配慮した」と宣伝しているのは、普通の人がウサギの妊娠期間を知らないことをいいことに、消費者を騙しにかかっているとしか思えない。

そのほかに、

Take into account the fact that rabbits socialize in groups. While most rabbits raised for meat are kept in cages, we require group pens on solid floors with plenty of dry bedding, additional places to hide and climb, and room to forage, groom, hop, socialize and play.

ウサギが社会性をもつ動物であることを配慮する。ほとんどの肉用ウサギはケージで育てられるが、我々はウサギをグループにして、床飼いにし、乾いた寝床や隠れ場所、草を食べたり毛繕いや飛び跳ねて遊ぶことが出来る場所を農家に要求する

なんてのもあるんですが、じゃあ一体一匹あたりどのくらいのスペースをもらえるのか? ときいたところ、なんと0.19平方メートル!

つまり、1匹あたり、40cm x 40cm程度の場所しかもらえないのです。

そんな場所で、一体どうやって、飛び跳ねて遊ぶって???

第一、それだったら、普通の今あるウサギ農場のスペースとまったく変わらないです。

しかも、床飼いは結構だが、掃除についてはまったく触れられていないというお粗末さ。

床飼いでまともに掃除しなかったら、ワイヤーケージよりも悲惨なことになるよ???

また多頭飼いしたら、いくら若齢とはいえ、雄は喧嘩するけどどうすすんの? という質問には、怪我を避けるため、雄は別々に飼う、との返答。それ、言ってること違うやん!!

ダブルスタンダードもいいところです。別に未去勢の雄の多頭飼いがいいとは思わないが、そうやってウサギをよく知らない人に耳あたりの良い言葉を並べて、イメージ戦略で売ろうとしているのが気に食わない。

あとは、病気をしたら治療するとか、いつも新鮮な水や牧草がとれるようにするとか、動物愛護法でもともと決められているようなことばかり。

HRSがWhole Foodsに尋ねた質問とそれに対する回答は以下のページで見ることができます。

http://rabbit.org/how-whole-foods-bunnies-live-before-they-are-slaughtered/

この程度のことを、「ウサギの福祉に配慮した」と胸を張るなんて、片腹痛いを通り越して、詐欺ですよ。

だって、Whole Foodsは、動物福祉に関心がある人たちを多数顧客にしているわけで、彼等は本当に動物が酷い扱いを受けていない、ということを信じて、他のスーパーよりずっと高い肉を買ってるわけですから。

安かろう悪かろう、でOKなお客がターゲットの他のスーパーとは、違う信義を通す必要があるはずです。

実際、これだけ動物愛護に配慮した肉ならいいじゃない、という意見が沢山あります。私だって、この惨状を知るまでは、そこまで配慮したなら文句もいえない、と最初は思っていましたから。

お陰で、Whole Foodsの他の肉も信用できなくなりました。

他のスタンダードもこんな見かけ倒しだったとしたら、私が今迄動物達がひどい扱いを受けていないと信じてサポートしてきた企業は一体なんだったんだ。。

いや、ほんと、酷いな、Whole Foods。。。

(実は、ほんのちょっとばかし、あそこのチーズは美味かったな、とか、オリーブオイルが美味しかった、とか未練があったけど、なんかもう本当に買う気なくなった。。。)

ウサギ肉販売についてのWhole Foodsに対するHRSの反対声明(続報)

Update 9/16/2015:
Whole Foodsは、ウサギ肉の販売を現在の在庫をもって終了することを発表しました。アナウンスは以下のページをご覧下さい。
http://www.wholefoodsmarket.com/department/article/rabbit

米Whole Foods Marketでのウサギ肉販売の件についての続報です。

HRSは、ついに明確にWhole Foods Marketボイコットの呼びかけを開始しました。
http://rabbit.org/boycott-whole-foods/
(8/20 追記:現在リンク元の記事は消されている模様。多分牧場名を出したのがひっかかったか?)

一部のみ意訳します。

These are the rabbits who will be bred over and over (Oz Farms, one of the growers who will be supplying Whole Foods in Northern California, brags that “one rabbit can produce up to 320 pounds of meat in a year in just a small area” – Press Democrat, June 20, 2014) until they are spent, while their babies (called “fryers”) are slaughtered, with no protection from the Humane Methods of Slaughter Act, screaming in pain.

(肉用の)ウサギ達は(母ウサギが)すっかり消耗しつくされるまで何度も繁殖にかけられます。その間に、その子ウサギ達は痛みに泣き叫びながら、(米政府の)動物愛護に則った屠殺方法に関する法律の保護もないまま(注:アメリカにはウサギの屠殺方法を規制する法律が現在存在しない)、屠殺されていきます。
Whole Foodsにウサギ肉を卸すことが決まった農場のひとつであるオズ・ファームは「1匹のウサギから、少ないスペースで、年間320ポンド(約150kg)の肉がとれる」と自慢しているのです。

(There are two preferred methods of killing rabbits before their throats are slit–one involves smashing them on the head with a blunt object like an iron bar, and the second involves pulling on their body while snapping their head back, breaking their neck. Neither are foolproof, nor are they painless. They are slaughtered at 9-12 weeks, when they reach 5 pounds, or 2.5 pounds “dressed,” which means butchered.) Oz makes $7.99 for each of the rabbits that they raise, kill and sell (Press Democrat, Jan. 2, 2014).

((血を抜くため)ウサギの喉を裂く前に行われるウサギの屠殺方法に、好ましいとされる方法が二つあります。ひとつは、鉄棒のような鈍器で頭を殴りつける方法、もうひとつは体を引っ張って首を折り曲げ、首の骨を折る方法です。どちらも確実な方法でもなければ、痛みのない方法でもありません。ウサギ達は9〜12週ごろ、体重が2.3kg程度になったころ、あるいは肉にして1kg程度になったころに屠殺されます。)
オズ・ファームは、ウサギまるごと1匹を、育成、屠殺、販売のコストも全て含めて、(1ポンド(454 g)あたり)7.99ドルで販売しています。

(注:1ポンドあたり7.99ドル、というのはリンク先の記事で確認しましたが、現在リンク先の記事は削除されています)

EUの大きな屠殺場のイメージしかなかったので、驚きました……。
首の骨へし折るとか、頭殴るとか、ナニソレ??(涙)
むしろ、大きな屠殺場で、ちゃんとアメリカにウサギ屠殺に関する法律があるなら、まだずっとマシなんだと思います。
ところが、Whole Foodsは、「ローカルファームと」契約しています。ローカルファームは、多くが家族経営です。
こういう小さな所では、当然電気ショックだとか二酸化炭素だとか、大型の屠殺の施設は作れないでしょう。

(ちなみに日本はどうよ、と思って検索したら、とある狩猟ブログで、狩猟の現場で一発で死ねなかったウサギの頭殴ってる場面に遭遇しました…(T_T)
ってことは、やっぱり設備のないところでは頭殴るが推奨なのか……。
なお、日本の屠殺場はウサギは扱いません。
ちなみにこの記事、コメント欄が大炎上していて、ちょっと思うところがあったので、それについては後日また。)

本当は、一番動物が苦しまない屠殺方法は、本当に切れるナイフで一気に頸動脈を切ることらしいです(イスラムのハラールはもともとそういうものだとか)。これだと、脳に切られた痛みの信号が行く前に意識が遠のくらしい。しかし、ウサギの喉触っても脈は感じませんから、それも簡単ではないでしょうし……

1ポンド8ドル、1匹あたり約18ドル、という値段も気になります。
私が以前みたリヨンの朝市で売ってた(生きてる)ウサギの写真には、40ユーロの値段がついてました。まだ殺してさばく手間が必要なのに、です。(まあ、2.5キロよりは重そうだったけど、倍はないと思う)
フランス人はそのくらいのお金を出してもウサギ肉を食べたい層がいるかもしれませんが、アメリカでは他の肉の値段が安いので、これ以上高い値段では売れないでしょう。

しかし、育てて、屠殺して、皮を剥ぐところまでやっても1匹2千円にもならないって、一体どれだけ生きている間にウサギ達に手をかけてやれるんでしょうか?

第一、1匹から(まるごとでも)2.5kgしかとれないウサギを、年間母ウサギから150kgもとれる、と言っているのも問題です。
要するに、1年に60匹生ませる計算ですよね。もし肉だけで150kgならその倍?!
(注:肉用ウサギは3ヶ月で出荷されるので、子供からさらに仔ウサギが、ということはない。大人になって出産すれば肉が固くなるので、種ウサギと肉用ウサギは厳密に分けられているはずです。)

そもそも、体重のほとんどが内臓で、肉なんて背中とオシリ、太腿から僅かにしかとれないウサギを、動物愛護に則った方法で商業ベースにのせるっていうのが、土台無理な気もします。

肉の味は鶏肉に近く、とくに美味と珍重されるほどの特色はないから、肉の単価はそんなに上げられない(まあ、白状すると、私はフランスでウサギ肉食べたことがあります。大昔ですが。鶏肉と言われても分からないような味です)。

それでも、今は、そんなに簡単に手に入らないから、多少単価を上げてもレストランなんかには売れるかもしれないが、スーパーに並ぶのが当たり前になっちゃったら、薄利多売の代表格になるんじゃないか、という気がします。

そうなれば、確実にウサギ達が搾取されます。
鶏も相当人間から搾取されていますが、1羽の親鶏から生まれるタマゴの数がまったく違うし、ウサギと違って親が子を育てる必要もない。ウサギよりは生産性が高い。
更に、まだ鶏の方が食べるところ多いから、1体あたりの単価上げられるよね?
8/20追記:
別の場所で、「鶏の方が餌代、ワクチン代がかかる」というコメントをいただきました。たしかにその通りなので、単純に比較はできないと訂正します。
(鶏と比較したのが、アメリカのUSDAではウサギは他の哺乳類と同じ(こちらは屠殺に関する愛護法が定められている)ではなく、鶏と同じカテゴリーに入れられている(こちらには屠殺に関する愛護法が決められていない)からですが)

ただ、人件費が高いアメリカでは、広い鶏舎に放し飼いにしたまま出荷まで掃除がいらないのと(多くの大規模養鶏場はすでにそのスタイルになっています)、ケージを毎日掃除する手間がかかるのとではかなりコストに差がでるのではないかと思います…不法移民を無茶な条件で働かせるとかしない限り。

もう一つ、ワクチンの問題は、鶏が鳥インフルエンザにかかるから厳しいわけですが、ウサギはそういう人間に危険な病気がない、ということで、斜頸などの病気のウサギも治しませんし、それが蔓延したからといって気にしません。そういうところも倫理的に問題になり得ると個人的には思います。

さて、HRSの抵抗はその後も続き、続々と記事がアップロードされていますので、興味のある方はwww.rabbit.orgで見て下さい。

ひとつだけ、気になった記事の紹介をば。

http://rabbit.org/how-whole-foods-bunnies-are-killed/

上の記事は、何故HRSがウサギ肉を商業ベースに載せることを恐れるのか、屠殺の問題に絞って議論しています。

上記ページによれば、Whole Foodsは自社で取扱うウサギ肉用のウサギについて、非貫通タイプのスタン・ガンで予め気絶させてから屠殺すること、というガイドラインをもうけているようです。非貫通式にも色々ありますが、たとえばZephyr というのはウサギ用スタンガンとして知られていて、これは圧縮空気で気絶させるものだとか。

問題は、(これに限らず全てのスタンガンがそうですが)間違いなく一発で十分な時間の気絶時間を得るのはほとんど熟練の技だということです。
しかも、スタンガンはそれぞれの会社で独自の癖があり、十分な気絶時間を得るためにはどこを狙えばよいかなどもメーカーによって違ってきます。

ウサギが鳴き声を上げるときはよほどの恐怖か強い痛みがあるときだ、というのはウサギ飼いの間では常識ですが、困ったことに、この「声」というサインは、(アメリカの)実験動物学会の出版物の中でもほとんど無視されています。
文中では、マウス等げっ歯類の断首は、断首後も少なくとも14秒間脳波があり意識があると思われるケースがしばしば確認されているにも関わらず、脳が脊髄から切り離されているというというだけで「意識がない」=「痛みがない」ということにされ、その後に現れる体からのサインは無視されている、という例をあげて、「ウサギについても同じ理屈が適用されないとは限らない」と警告しています。

更にいえば、もともとUSDAにはウサギ屠畜を規制する法律はないのですが、たとえあったとしても、実際の検査では屠畜の現場ではなく肉になった部分だけを見るのが殆どだ、と指摘しています。
実際、USDAの監査官の言葉によれば、彼らは動物達が動物愛護に則って屠殺されているかを保証することはできないし、そのために何らかのアクションを起こすこともない、という話です。彼等の仕事は危険な肉が市場に出回るのを阻止することですから、動物愛護云々は別の管轄だ、と言われればたしかにその通りだと思います。

以上のことは、動物を商業動物として見た場合には、なにもウサギに限った特別なことではありません。つまり、ある動物を商業動物にする、というのは、そういうことです。(だからHRSは反対しているわけですが……)

問題は、Whole Foodsが上記の実態を明らかにせず、いかにも動物愛護に配慮して万全の準備をととのえたかのような宣伝を行っていることです。
非常にアメリカ的ではありますが、彼等は彼等の立場で、可能な限りの配慮をしたから、その通りの宣伝をして構わない、という考え方です。

日本だったら、いや、そうはいっても、一歩Whole Foodsの外を出たら、全然宣伝と違うことやってるじゃん、というのが、ある程度は問題になりますよね?
そして、それが問題になれば、企業としては、「すみません、監督不行き届きでした」といった謝罪に繋がります(まあ、本心は「知るか!」と思っているのが見え見えだとしても、です)
しかし、アメリカは「分業」という概念が大変すすんでいるので、「そこから先はうちの責任じゃありません」というのが大変深く浸透しています。
日本のどこまでも(どう考えてもそこまで責任を負う必要があるとも思えない)関連責任を追求する報道にウンザリすることは多々ありますが、アメリカでは逆に「そりゃいくらなんでも開き直りじゃないのか??」と思うことも多々あります<当然当人達はそんな後ろめたさは微塵も感じてはいない。。

さきほど、農水省の方のツィートで、日本の牛には全て個体識別番号がついていて、その牛やその親牛がどういう経歴を辿ってきたかが、普通にウェブで検索できてしまうのを知って驚きました。
こういった文化は上の「分業文化」とは対極をなすものです。消費者にだって分かってしまうのだから、肉の生産側が、その動物がどんな経歴を辿ってきたのかを知らないでは済まされない。つまり、過去に遡って責任を負う、という文化です。
(アメリカだって個体識別番号はあるかもしれませんが、消費者に公開はしてないと思います)

今回の一連の議論、興味深く見ていましたが、私がアメリカに来た当初に感じた「騙されないぞ!」という危機感を新たに思い起こす良いきっかけになりました。
渡米した当初は、何から何まで、「そんなうまいこといって、騙されないぞ!」の連続でした。
ところが、10年も暮らすと、段々こちらの感覚に馴染んできてしまって……

要するに、、、
Whole Foodsなら色々企業が動物に気遣ってくれているから安心、というような企業まかせ、他人まかせの行動は、やっぱりアメリカでは危険です。。。

やっぱり、Whole Foodsはイメージ企業だな。。。で、ものすごく高いブランド料を代金に上乗せしている。
つい最近も、カリフォルニアで計量器の不具合(細工じゃないのか?)で常に重量より重めに計量して、消費者に超過請求してたのが明らかになったし、なんかそういうことが起きる企業の言うことは信じ難い。

というわけで、非常に個人的な結論。
やっぱりWhole Foodsでは(ウサギ肉販売やめるまで)もう買わないぞ!!

(ま、もともと、Whole Foodsはやけにブランド料が高いから、あんまり買ってないんだけどね。。たまにオーガニックの野菜とかオリーブオイルは買ってたけど、もう全部Coopにする。)

HRSが米Whole Foods Marketへのボイコット呼びかけ開始

Update 9/16/2015:
Whole Foodsは、ウサギ肉の販売を現在の在庫をもって終了することを発表しました。アナウンスは以下のページをご覧下さい。
http://www.wholefoodsmarket.com/department/article/rabbit

What You Can Do About Whole Foods
米Whole Foods Marketがウサギ肉の販売を開始したことを受け、House Rabbit Societyはウサギ愛好者に対しWhole Foods Marketでの購買をやめるよう呼びかけを開始しました。

詳細は以下の記事をご覧下さい。(英語)
http://rabbit.org/what-you-can-do-about-whole-foods/

HRSはウサギ保護団体、ウサギに関する啓蒙団体で、菜食主義などからは距離をおいていますが、ウサギを商業動物とする活動(食肉、毛皮など)はサポートしない、というポリシーがあります。
今回の声明は、このポリシーに沿ったものだと思われます。

アメリカという国は不思議な国で、牛肉や豚肉、鶏肉を大量に生産し大量消費する一方で、肉以外の部分(内臓やタンなど)は気味悪がって食べない、その三種類以外の動物を食べることに大きな抵抗がある(シカは食べる人もいますが…)という人がかなりの割合でいます。
しかし、これは先祖がどこに居たかにも大きく依存する模様で、イタリア系移住者の子孫は牛の胃も食べますし、フランス系はウサギ肉も食べます。アジア系はもっと選択肢が広がります。

そういった中で、今回HRSからWhole Foodsに対しウサギ肉の取扱をやめるよう要請の声明が公表され、かつ状況が改善するまでWhole Foods Marketをボイコットするよう呼びかけがなされたのは、私も驚きました。

上記のような状態の中での議論ですので、Educatorメーリングリストでは「だからヴィーガンになってしまえば良いのに」といった声もありますし、「ウサギはペット、ペットを食べるのは犬や猫を食べるのと変わらない」といった議論もなされています。

正直、過去に四つ足を食べることを禁じられても、ウサギだけは食べ続けてきた歴史を持つ日本で生まれ育った私には、HRSは折角そういった感情論から距離をおいて、冷静な活動を続けてきたのに、そういった倫理的な問題に首を突っ込んでしまうと収拾がつかなくなるのではないか、という懸念もあります。

実際、ウサギを飼っていてこんなことを言うのもナンですが、ウサギというのはお金がない場所では非常に優れた家畜になります……痩せた土地の作物でも育ち、飼育スペースもそんなに必要なく、多産で、毛皮は防寒具としても使える(というのは昔の話で、今はすぐ毛が抜けるウサギの毛皮よりずっといい合成繊維があるので、実際使うかどうかは疑問)。肉の味が牛や豚より淡白なので、日本では家畜としては廃れてしまいましたが、牛や豚はコストがかかりすぎる、といった食糧難が将来訪れれば、必ず家畜として復活するだろう、という予感もあります(良い悪いは別にして)。

しかし、そういったことは、(末端のEducatorはともかく)HRSの上層部は当然分かっているはずです。

この件については、メーリングリストの議論を傍観していましたが、今日まわってきたHRS代表者のメールで、大体上層部が問題視している部分は分かりました。

  1. ウサギ肉業者が発端と思われる疾患を持つウサギが全米に沢山いる
    (ブリーディングの問題、etc.)
  2. 現時点でUSDA(アメリカの農務省)はウサギ屠殺に関しては現在規制をもうけていない(そのため、残酷な屠殺も可能になってしまう)。過去に視察したウサギ屠殺場の例を考えても、臆病なウサギを「動物愛護に則って」屠殺することは不可能である。
  3. もしこれが一般になれば、アメリカにおいてペットとして広く認知されている動物を食肉として売る最初の例になる

日本もそうですが、アメリカでもウサギは犬、猫についで3番目に数が多いペットです。ペットにしている動物が肉として売られているスーパーに、ウサギ愛好者が行きたいと思うか? というのが論点の模様です。
とくに、実はウサギ愛好家はWhole Foods愛好家も多い(ウサギのためにオーガニックの野菜を買うから)ので、その顧客が離れてしまったら実は利益にならないのでは、といった提言もなされています。

最後の点に関していえば、切り肉になっちゃってたら多分もうウサギとはわからないでしょうから、気にしない人は気にしないかも……と思いますが。

しかし、昔フランスで売られているウサギまるごと肉の映像をみた事があります……頭も全部ついてて、キレイに皮だけ剥がされてました。睫毛が残ってたのがやけに生々しくて、肉のつき方や骨格から、多分ハバナ種だろうな、と思いました。当時まだ生きていたまんごろし太と同じ肉付きです。そう思ったら、ダメ、これは絶対食えない、と思いました。。。(T+T)

別に他人を洗脳しようとは思わないけど、感情的に、食えないものは食えないよね。。

EUのウサギ屠殺場の映像をみたことがあります。ちゃんと対外的に公開されているもので、別にヒドイ虐待をしていて愛護団体にすっぱ抜かれた、とかではありません。最初に電気でショックを与えて気絶させてから、後脚をフックにつるすのですが、、、
やっぱり気絶し損ねたのがいて、脚を吊るされたまま、必死でもがいてキーキー鳴いてました……。そういうのは、そのまま首の後ろにナイフを入れられて放血、耳を毟られて屠殺、となります。

ちゃんとした屠殺場でもそういうことが起こるんだから、そういう規制すらないアメリカで食肉産業として大々的に展開したら、何が起こるか、というのがたしかに心配です。

それに、実際、各地のシェルターは既に肉用ウサギ(ニュージーランドホワイトやカリフォルニアンなど)で溢れてますからね……。このウサギ達、白毛に赤目で、本当にアダプションが難しくて、何年も残ってしまうんです。
この子たちがどこから来たのか、カリフォルニアンはともかく、ニュージーランドホワイトはペットショップでは売ってませんから、推して知るべし、です。
ウサギ肉食が盛んになって、これ以上シェルターで何年もお迎えを待つ子を増やすのはしのびない。

……というわけで、私も個人的にWhole Foodsで買うのはやめようと思います。日本には幸い?  Whole Foodsはありませんが……
日本でも同じことが起こったら、皆様はどうされますか?

 

Rufus: GI stasis? Teeth problem?

On Monday 6/30, Rufus suddenly stopped to eat. Here is the record of his conditions.

6/30 10:00
Give critical care 60ml + meloxicam 0.5ml (1.5mg/ml) oral
Give massage. Slow gut sound is observed. He dug carpet several times (This is normal action he does when he feel pain and try to recover from GI stasis), but quit soon.
No feces and urine observed through the day.

Rufus’s small intestine still responds my massage (more correctly, oriental “Chi” treatment which encourages intestine’s movement more active).
Usually he get well with the treatment in 2~3 hours if GI stasis is mild.

6/30 15:30
His condition doesn’t improve.
Because Rufus’s gut sound stopped and doesn’t respond my “Chi” anymore, I take him to UW-Vet.
Doctor give his dignosis of GI stasis. Rufus get 150ml fluid.
Somehow, he doesn’t show any sign of dehydration. His back skin and gum is still soft.
His condition looks typical mild GI stasis, so I agree to try fluid and get him back to home.

6/30 17:00
At home, give 20ml critical care + meloxicam 0.4ml oral + metoclopramide 0.5ml (1mg/1ml) oral.

6/30 21:00
Rufus’s fluid under his skin is mostly absorbed. No urine is observed.
He doesn’t show any sign of recovery. Stomach start to swell.
G. Flentke (a former WHRS chapter manager) mentioned about a possibility: Rufus is severely dehydrated and the 150ml fluid is not enough, though his skin doesn’t show any sign of dehydration.

I feel like it’s not a problem of intestine, but he has issues somewhere in stomach and the duodenum. Usually in Rufus’s case, small intestine and cecum stops first, feel low temperature around lower abdominal. However, this time I feel issues on stomach and somehow staff inside the stomach doesn’t get through the duodenum. I start to doubt ileus.

6/30 21:30
Take Rufus to UW-vet again. We agree that his condition is getting worse, now his stomach is full of gas, and need X-ray to proceed next step.

In the next one hour, Rufus’s stomach get harder and harder

6/30 23:00
Got X-ray image. no ileus is found!
During Rufus is under sedation, Dr. Sladky tried to release gas in stomach with tube, but does not succeed.
Make discussion with Dr. Sladky how we treat him. I feel dangerous to let him go home because his stomach is very hard, so Rufus stays in hospital care. He get fluid with IV catheter.

xray photos:

Rufus_20140701_VD_abdomen
Rufus_20140701_R_lat_abd

7/1 6:00
Rufus start to move around, show interest to foods

7/1 8:30
I see him at UW-Vet. He looks much better than last night.
Massive amount of gas in stomach moved to intestine. Cecum is still gassy.
He ate carrots and small amount of hay, and droped hard feces and cecum pellets.

7/1 16:00
He looks better so I take him back to home.
He eat small amount of hay and carrots. I hear clear gut sound.
He drops hard feces.

photos and movies



RIMG0897

7/1 22:30
give 20ml critical care.

7/2 3:30
His interest to food is gradually decreasing.
I still hear his gut sound, now his stomach and intestine responses my “Chi” quickly.
I feel remaining gas in his stomach, intestine and cecum, but his abdomen have more strength than yesterday. I’m not sure why he is loosing interest to food, and looks uncomfortable.
Because his stomach is not full, give 10ml critical care to let move his intestine.

7/2 8:00
He looks tired (or uncomfortable).
Give another 10ml critical care and 0.4ml meloxicam.
Dr. Sladky’s prescription is 0.9ml for every 24 hours, but I split the doze in two.
All my bunnies tend to run out the pain relief effect in the last ~5 hours and stop eating, then they feel uncomfortable again after 6 hours. It may be because I’m using “chi” treatment too, it helps to move GI track, but the same time it tend to enhance liver function that may result in excretion of the drug earlier than prescribed.

7/2 16:00
He finished 1 inch length of carrot. I’m not sure if he ate hay or not because I was on work.
With Chi treatment he start to nibble small amount of hay.
Give 20ml critical care + 0.5ml meloxicam, but he hated to be wrapped.

Total amount of feces and urine in the last 24 hours:
RIMG0901

7/2 20:00
I don’t hear gassy sound from his intestine anymore, but still he doesn’t recover his full appetite.
Usually the amount of hay he nibbles increases gradually, but I don’t see the sign yet.
He is very picky about hay.
Good news is he eats carrot tops, romaine lettuce, broccori, and small amount of water-soaked normal timothy pellets (~1 tsp).
He shook his head when he eat soaked pellets, it looks like he is trying to avoid to touch left cheek (or gum) with food. I hear strange sound when he is grinding. He also doesn’t eat hard part of vegetables.
Might be a teeth issue?
Size of hard feces is getting smaller than last night.

7/3 0:00
Give 20ml critical care + extra 0.5 ml meloxicam.
He resisted hardly (he ate most of them though).
I start to doubt mouth issue, because Rufus is a very sensitive boy about it.
May be that was the direct cause why he stopped to eat suddenly.
I hear normal sound from his guts and his abdominal strength recovered almost normal.
He may be uncomfortable, but for me it doesn’t seem to be a cause why he still hesitate to eat, there will be another cause (most likely mouth issue).
In the past experience about Rufus, I learned pain medication will help to improve the situation, so I gave extra 0.5 ml meloxicam.

7/3 0:30
Rufus start to hop around, and eat hay. After a while, he start to nibble small amount of vegetables and soaked pellets without my “Chi” treatment.

7/3 4:00
Rufus nibbled thick stem of hay, which he was avoiding in the past 3 days.
He also finished soaked pellets (in total 1 tbs).

7/3 9:00

I give soaked pellet (1tbs), and he finished 1/3. Also, he eat small amount of romaine lettuce.
Because he hate to be wrapped and eat critical care, I stop syringe feeding.
Give 0.3ml meloxicam (1/3 of 24 hours doze).

During the night he tried to eat some vegetables. He is still trying to avoid hard part.
However, it’s good that he start to eat by himself — without my attention.

RIMG0903

feces from 16:00 yesterday:
the size and amount of feces is smaller than yesterday. He passed urine on two other litter boxes.

RIMG0902

7/3 12:00
Rufus start to dig carpet, and then eat vegetables. He also finished almost all amount of soaked pellets.
I think he is on recovery track and I don’t hear strange grinding sound now, but I’m a little worrying about this long weekend… If he has a teeth issue, he may get worse again during the weekend.
However, I’m not sure what doctors can do for his teeth right now, because I guess it is very minor issue. May be I should have subcutaneous fluid in my home just in case if he get dehydrated again??

7/3 20:00
Got fluid kit from UW.
He eats soaked pellets and vegetables.

feces from yesterday
RIMG0905

7/4 0:00
He finished remaining pellets. Give meloxicam 0.3ml.
He eats a lot of vegetables.
He also start to eat enough amount of hay, finally he is recovered?
(but still picky, he can eat oats hay and soft timothy leaves only)

7/4 8:00
He finished vegetables, but it looks like he didn’t eat in the last 4 hours.
His GI track is getting slower again.
Give soaked pellets(1TBS). Rufus finished 2/3 of it.
Give meloxicam 0.3ml.

7/4 12:00
He is losing interest to food again. Looks uncomfortable.
Guts sound become slower.

feces from last night
RIMG0906

7/4 16:00
Since he doesn’t drink water at all, give electrolyte solution + critical care (just a pinch) with syringe. I hear large growling from stomach. I understand he was dehydrated again.Give meloxicam 0.3ml.
He looks very uncomfortable.

7/4 20:00
He eats soaked pellets a little, but looks uncomfortable, and I don’t see his GI movement. Also I feel gas bubbles in his intestine.

7/4 22:00
Rufus drinks orange mango juice 40ml (diluted with electrolyte solution 60ml), he finished all in one hour. I added another juice 30ml diluted with electrolyte solution 60ml. He drinks 1/3.

7/5 0:00
He start to eat hay, but still picky. He eats oats hay and
I still doubt teeth problem.
I give meloxicam 0.3ml.

7/5 8:00
He eats hay well up to 3:00, but it looks like he stopped to eat after I went to bed. Somehow he lose interest to food when I’m not in living…
But he finished 1tbs soaked pellet.Because I feel gas in stomach, I give 0.3ml meloxicam and 0.3ml infant gas reliever.

Size of feces is getting larger.
RIMG0907

7/5 16:00
He doesn’t eat at all in the last five hours, and looks uncomfortable. His guts sound gets slower again. He seems to become worse in daytime.
I don’t want to disturb his sleep, but if I don’t let him eat at all, his GI gets full of gas at night as yesterday…
I give very thin critical care and 0.3ml meloxicam.

7/5 22:00
He finished water soaked pellets (1tbs).
He start to recover his appetite around 20:00, but he can’t eat hay (he shows interest but doesn’t eat).
I give hay cube and somehow he start to eat!I have no idea why a bunny can eat cubed hay but not loose hay??

7/6 0:00
Because he doesn’t drink water for 24 hours, I give electrolyte solution + critical care with syringe. give 0.3ml meloxicam

7/6 3:00
He is eating some hay, but not as much as yesterday.
Is he having teeth problem? or having Retrobulbar Abscess again so that his molar doesn’t meet in right position?

7/6 6:00
He doesn’t eat in the last 4 hours (during I was sleeping…)
give massage 20 min, and he start to eat vegetable and drink a little amount of juice.

7/6 9:30
He finish 1tbs water soaked pellets. looks better than yesterday, but I think it’s because he drink juice at 6:00 am.
Give 0.3ml meloxicam.

He dropped a lot of feces last night though.
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7/6 14:00
His stomach and intestine getting larger again, and I hear gas sound…
give very thin critical car (almost water)

7/6 16:00
give very thin critical car (almost water), meloxicam 0.3ml
After one hour, he start to nibble hay just small amount.

7/6 17:00
He is eating hay. It looks like he is using only right molar to eat long hay?

7/6 18:00
Turn on air conditioner. He start to eat loose local hay.

7/6 20:30Give 1TBS soaked pellets. He finished all.
He eats feces(I’m not sure if this is cecal pellet or not). He is eating it very frequently today.

7/6 21:30
eats vegetables (parsley, celery, romaine lettuce) and hay.
Looks quite normal appetite. If he drinks pure water, I feel much better…

7/6 23:30
Drinks mango-orange juice + water, nibble hay cube.

7/7 0:00
Because he is still eating, I skipped meloxicam.
His condition will be monitored every three hours.

7/7 3:30
Rufus is eating hay and drinking orange juice + water.
However, he is trying to avoid to use left molar…

7/7 6:30
He still nibbles a small amount of hay.

7/7 8:00
He finishes 1TBS soaked pellet quickly. After that, I hear gas sound from his intestine and he looks uncomfortable.

7/7 8:30
Give 0.3ml gas reliever.

HRSのEducatorになりました

当サイト管理者の「もぐら」と「仔牛」、HRSのEducatorになりました!
というわけで、なにかHRSについてご質問がありましたら、上のメールフォームよりどうぞお気がねなくお尋ね下さい。
お返事は、大体翌日には差し上げていますが、仕事の都合で3日ほどかかる場合もあります。ウサギの健康に関わることなど、緊急を要する案件、3日も様子を見たら困る、というようなご質問はなさらず、直接獣医師さんにお尋ね下さい。

ひとつお知らせです!

今年秋の9/26−28にかけて、アメリカ・ミズーリ州でHRS初のEducational Conferenceが開かれます!
講師は、HRS創立時代からの中心人物や獣医師など、そうそうたる面々。
2日間かけてのツメコミ合宿です(笑)

日本からではなかなか参加が難しいと思いますが、このサイトはアメリカの方も結構ご覧になっておられるようですので、お近くの方で興味の有る方は参加を検討されてはいかがでしょうか。
私達も参加の予定です。

ウサギに使用するステロイドについて

※このエントリーは、管理人が勉強したことのメモです。どのような薬が最適かはウサギさんの他の疾患にも強く依存しますので、あくまで参考資料としてご覧下さい。【】内は情報源。

低血糖のウサギの食欲増進にステロイドを用いることについての質問に対する返答。【2014/5/12 George F. Ph.D】

  • DEXAMETHONE(デカドロンなど)は食欲増進の効果があるが、同時にウサギの筋肉を燃焼してしまうので、長期の処方には向かない。ANABOLIC(アナボリック)は食欲を増進するが筋肉は燃焼しないので、低血糖の食欲対策なら後者の方がよい。
  • ステロイド摂取中のウサギに対しては、非ステロイド系の鎮痛剤(アスピリン、メロキシカムなど)は非常に相性が悪い。免疫機能を過度に抑制し思わぬ感染症を引き起こす恐れがある。

うさぎ80匹、全員無事保護宅へ移動完了、引き続き飼い主様募集中

こちらの記事で紹介したウサギ達ですが、なんとか期限までに全員現地を離れることが出来た模様です。
最終的に80匹あまりが保護または譲渡されました。
遠くからで何もできませんでしたが、関係者の皆様の努力と情熱に本当に感動致しました。お疲れさまでした!

とはいえ、まだまだこれからです。
保護宅のウサギ達のお家を探す活動が始まっています!
保護宅は皆様ウサギに詳しい方ばかりですので、治療が完了したら、ウサギに慣れていない方にもピッタリのウサギさんが沢山いると思います。
(ウサギを飼うのが初めての方は、こちらのカテゴリもご一読下さい)

以下、保護宅の一覧を転載します。(mixiからの転載)


★the VOICE様
募集ブログ(イブうさぎ)
http://ameblo.jp/ibrahimomich/entrylist.html

★らび・れすきゅー様
http://rabbit-rescue.info/index1.html

募集ページ→らび・れすきゅーの里親募集中のうさぎ達
http://rabbit-rescue.info/satooya/rabi_rescue.htm
(多くのうさぎさんを預って頂いてます。
移動した女の子から赤ちゃんが産まれております)

★幸せうさぎ計画+様
募集ブログ(晴れ時々台風)
http://rapetihei.com/days/blog/

状態のあまり良くない子を引き受けております。治療中です。
詳しくは晴れ時々台風ブログをご覧くださいね。

★兎鳥庵日記様
http://usabun.blog110.fc2.com/


この他にも個人で預かっておられる方がいるかもしれません。また見つけたら追記します。