不正咬合の治療について(門歯抜歯)

このエントリーについては、多少議論の余地があるかと思いますので、Wisconsin HRSの1事例として報告します。

先日HRSにやってきたロップイヤーの不正咬合の男の子ですが、体力が回復したら、門歯を6本全部抜くことになりました。

不正咬合の治療といったら、定期的に歯をトリムするのが常套手段だと思っていたのですが、George曰く、「うちでは門歯不正咬合でまだ若い場合には、基本的に抜歯している」とのこと。
何故かというと、第一に歯を削るために数ヶ月に一度麻酔をかけることの方が、門歯がなくなるよりウサギ本人への負担が大きいから。
第二に、飼い主の金銭的負担も大きいから、だそうです。
他の支部でもそうやっているのかどうかは分かりません。
Georgeは薬学の専門家ですから、麻酔が体に及ぼす影響については重々承知しているので、麻酔を何度もかける方が危険だと結論したのかも知れません。

このへん、すでに誰かのウサギになってしまった子達と、これから誰かの家に行くウサギの立場に差があるかもしれない、とも思います。
不正咬合で治療費がかかる、とわかっている子はなかなかアダプションされにくい、という現実もあるでしょう。

ただ、HRSの会員で11歳の不正咬合の子がいる人の話など聞くと、たしかに「麻酔の負担」は無視出来ない、という気もします。
11歳という高齢で、数ヶ月に一度全身麻酔というのは、毎回大変心臓に悪い事だと思います。
出来れば抜歯したいが、抜歯は大手術なので、高齢ではやれない、とのことでした。

日本では、無麻酔で歯を削ることの出来る獣医さんも居ますが、まだまだ数は多くありません。
また、無麻酔で歯を削られるストレスが、はたしてウサギにとって良いのかどうか、、まあ、慣れてしまえば大丈夫なのかもしれませんが、個人的には多少疑問があります。

勿論、以上の話は、既に育ってしまったウサギで、歯をトリムしたり、食事を変えたりするだけでは不正咬合が解消しない、と分かっている子の話です。
(ペレットをやめ、完全野菜食にすることで軽度の不正咬合のトリムが必要なくなった例があります。こちらでチーママさんがコメントされています。ただし、ペレットを完全にやめてしまう場合、毎日相当量の野菜が必要になります。)
また、門歯だけでなく奥歯も不正交合の場合は使えない方法ですね。

ちなみに、門歯が全部なくなっても、食べるのに殆ど支障はないとのことでした。
ただ、野菜は小さく切って与える必要があります。
牧草などは、上手く奥歯に突っ込んで自力で食べているらしい。
今迄もずっとそうしてきたが、門歯がないことでトラブルが起きた事例はない、とのこと。

また、このロップ君は、歯をカットした現在でも左目から涙を流していますが、こういった問題も、かなりの確率で、門歯を全部抜歯してしまうと解消する、とのことでした。

日本では、不正咬合の子の歯のトリムについて、何度も麻酔をかけたくないと悩んでいる方も多いと思います。
私も、今迄は、麻酔をかけてやるか、なんとか無麻酔で歯を削れる獣医を探すかの二者択一だと思っていましたが、今回の話をきいて、第三の道もあるのかな、と思いました。
もっとも、日本では、ウサギの抜歯を安心して任せられる獣医さんがどのくらいいるか、分かりませんが……。

この子がどうなったかは、また手術が終了して回復したらご報告します。

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ちなみに、先週のお掃除のときには、すっかり肉付きもしっかりしていました!
(何故か、体重は少し減ったらしい。でも、触れば、明らかに肉付きがみっしりとして、先々週より体力が満ちている感じでした。)

不正咬合の治療について(門歯抜歯)” への2件のコメント

  1. 初めまして、こんにちは。我が家に2歳2ヶ月のロップイヤー(♂)がいます。我が家に来た時、2ヶ月半で3ヶ月を迎える前元気がなくなり食欲も落ちたため購入したお店から紹介された病院に連れて行きましたが毛球症と診断されました。さらにビックリしたのがこの月齢で「切歯の不正咬合」と言われいきなりニッパーでパチンパチンと切られてしまいました。この獣医師はうさぎを診ることが出来ないと後になり知り、うさぎを診られる病院を探し、現在神奈川まで毎月2回通っています。正直麻酔の不安と嵩む治療費で悩んでいます。私事ですが、昨年シングルになり中学生の息子とうさぎの1匹で暮らしています。シングルになってから体調を崩しこれからの治療費をどうすればいいのかと眠れない日もあります。アドバイスがありましたらお願いします。長文になり申し訳ありません。

  2. 八ツ井さま、
    お話の件、是非主治医の先生と抜歯についてご相談されると良いと思います。
    首都圏近郊にお住まいのご様子ですので、もし主治医の先生があまり抜歯に積極的でなければ、ウサギ専門病院などにセカンドオピニオンをとる価値はあると思います。

    この記事のロップイヤーのウサギですが、この後無事完治して涙も止まり、すっかり健康になりました。2週間に一度も病院通いするというのはお世話する方も勿論ですが、ウサギにとっても大変な負担になります。
    (ただ、正直、何故そんなに歯の伸びが早いのかも気になるのですが…。2週間に1度というのは、かなり頻度が高いと思います)
    日本では、削るだけでは問題が改善しない場合の奥の手のような位置づけであることが多いようですが、WHRSでの事例(複数)を見る限り、切歯の不正咬合の場合は抜歯が成功すればむしろウサギ本人の負担は軽減されているように見えます。病院が嫌いな子であれば、間違いなくQOLは上がると思います。

    ただ、6本全部抜歯するのは、歯を削るよりはずっと大掛かりな手術になります。また、1回で全て抜けることもあれば、若干歯根が残り再手術が必要になることもあります。それに耐える体力が必要になりますし、獣医師の技術も必要ですし、おそらく手術費用もそれなりにかかると思います。しかし、乗り切れれば、そのあとはずっと楽になると思います。
    是非ご検討下さい。

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