びらん(sore hock, ソアホック)の治療法

(このエントリーは、アメリカのHouse Rabbit Societyから管理人が学んだことをもとにしています)

飛節びらん(ソアホック、sore hockともいう)の治療はウサギの治療の中で厄介なものの一つです。
一度ハゲてしまった毛はそう簡単にはもとに戻りません。
中には、「一度そうなったらもう戻らない」と言われた方もいるかと思います。
びらんの治療が難しいのは、何をやってもウサギが薬を舐めてしまったり、プロテクトをはがしたりしてしまうからですが、その難しさは勿論アメリカのウサギでも変わりません。

が、今回、「これこそベスト、パーフェクトな方法だよ!」というのをWisconsin HRSのDirectorから教えて頂きました!
しかも、現在のところ、HRSにやってきた相当ひどいびらんのうさぎ(足の裏まるハゲで座ることすら出来ないレベル)でも、この治療でちゃんと毛が生えてきているのです!

現在、うちのえせるにも試しています。えせるは高齢の上、足の骨を昔骨折していて足の角度が悪く、 びらんの治癒はあきらめていましたが、現在少しずつ毛が生えてきています。
これが、治療前。
PICT0025
そして、こちらが治療約3週間後です。
PICT0113
PICT0122
完治まではいってないですが、かかとだけでなく足の真ん中にまで広がり始めていたびらんは治りました!
やることは、

  1. 1日1回、消毒液に浸したタオルを敷いたキャリーケージの中に入れて、20分足をふやかす
  2. 小屋、運動場、とにかくウサギの足の触れる場所全てを、ふっかふかの布で覆う

たったこれだけ!
よくよく考えてみたら、びらんは足が固いものに触れるのが原因で起こるわけですから、皮膚をやわらかくして足の負担を軽減すれば確かにもとに戻りますよね。
以下、準備するもの等は続きをご覧下さい。

注)ウサギが敷物を食べてしまう場合は、残念ながらこの方法は使えませんので、別の方法をご検討下さい。
(どのくらい食べると危険かは、ウサギのサイズや普段からどのくらい牧草を食べる子かにもよりますので、ここでは言及しません。ここで紹介している敷布は、それ自体に毒性はありませんが、噛んで飲み込んだくずが腸内でつまると危険です。絨毯でも同じ事ですが……。
どのくらいで危険とみなすかは、皆様ご自身でご判断下さい)。

 2011/9/3 追記
 たまたまWebを探していて、中津動物病院グループのページにいきあたりました。

ウサギの足底皮膚炎について

かなり酷いソアホックの子が、たまたま看護士さんが置き忘れたウサギのミルク缶の上にお腹を乗せて足裏を休ませることを覚え、完治した例が紹介されています。
我々がHRSで見たソアホックの子達も、既に前足の毛もなくなっており、これにかなり近い状況でした。 
HRSの医療用シープスキンの上のウサギ達は、ほとんど横になって過ごしていましたので、ウサギが長時間寝転んでも床ずれを起こさない環境を作る(つまり足裏の負担が減る)ことが重要であった可能性もあります。

続きを読む