この記事は、「アメリカのウサギ保護事情1〜シェルター」からの続きです。
2)PetFinderへの登録
北米には、PetFinderという膨大な里親募集データベースがあります。非営利の、複数のアニマル・ケアの専門家と、大多数のボランティアが運営しているもので、ボランティアたちの多くは他に本業を持っている、とのことです。
実は、このホームページのできがあまりに良いので、私はこれもてっきり行政が管理しているものだと思い込んでいました。しかし、Humane Societyといい、本当に動物たちのために尽くし、うまく機能しているものは民間のボランティアによるプロジェクトなのです。
(勿論、行政からある程度の資金援助は受けているでしょうが)
このPetFinderには、全米の大小様々のシェルターから、里親募集中の動物の情報が写真付きで投稿されます。
ボランティアによる紹介文の他、子供や他のペットがいる家でもOKか(多少噛み癖があるなど、駄目な場合にはKids禁止マークがつきます)去勢/避妊はされているか、継続的な治療やケアなどが必要か、などの情報が分かりやすく表示されています。
このサイトの普及によって、シェルターまで足を運ばなくても、ある程度事前にどの子を迎えるか検討することが出来るようになりました。
ためしに、私の住んでいるマディソン周辺(150km以内)でアダプション待ちのウサギがどれだけいるか、検索をかけてみました。
なんと、252匹検索にかかりました。
距離の制限を外して、近隣の州も含めるようにすると、5557匹!!!
しかも、その多くが、別に問題があるわけでもなく、今も人間になついている、とても可愛いいい子達なのです。
「もはやウサギをペットショップで売る必要はない」と愛護団体が言うのもむべなるかな、です。
※ちなみに、ノーキル・シェルターであるWisconsin HRSが年間にひきとるウサギの数は、Wisconsin全州でも多くて50匹程度だと思います。
「殺さない」シェルターというのは聞こえはいいですが、全てのウサギに新しい家を探そうとしたら、そのくらいしか救えないのです……。
日本よりよほどペットをシェルターから迎えることが一般的なアメリカでさえ、一度棄てられた子たちの家を探すのは簡単ではありません。
ペット販売業者は、是非そのことを肝に命じて、安易に購買欲を煽るような事は謹んでもらいたいと思います。
3)ペット用品店での里親募集活動
ペット用品店の中には、動物の生体を売る代わりに、地域のシェルターと協力して、お店の中にアダプションセンターを設けているところもあります。
お店に訪れた人は、こういったサテライト・シェルターから猫やウサギなどを引き取ることも出来ます。
このシステムには、勿論お店側にも利点があります。
まず、自分たちが売れ残りのリスクを犯して、幼い生体を扱わなくても、動物をお店の中に置く事ができます。
更に、里親募集に貢献している、というお店のイメージアップにもなります。
こちらの人は、「どこのお店で商品を買うか」ということにポリシーを持っている方も結構います。
「いくら安くてもWalmart(生活雑貨の大手激安チェーン店)では買い物をしない」という人にも結構頻繁に出会います。(アメリカでは、Walmartは一種の労働者搾取、ローカルの産業を潰す企業の象徴として語られる事が多いのです)
つまり、幼い動物を売り物にしているようなペット用品店では買わない、という人もいるということで、こういった層は、知識層、富裕層に多い傾向があります。
そういう人達は、生体を売らずむしろ里親募集に貢献している店で買おうとしますから、無理な値下げをしなくても、コンスタントにお客が来てくれるわけです。
また、こういったペット用品店では、アダプションキャンペーンを行うこともあります。
Wisconsin HRSでも、イースターの前1ヶ月間、毎年ペット用品店にウサギを連れて出張し、イースターに合わせて安易にウサギを子供に買い与えようとしている親への啓蒙を行っています。
HRSボランティアとの会話を通して、ウサギというペットに対する理解を深めてもらうのが目的です。
我々も参加してきました。
このとき出ていたのは、Bunny Hopkinsという名前のやんちゃな男の子で、このMounds Pet Food店の中に設置されたサテライト・シェルターの子です。
Moundsペット用品店の中の、サテライト・シェルターの様子です。
そんなに広くはありません。結構広めにケージをとっているので、精々ケージ6つくらいですが、その分、皆とても大事にされています。
サテライト・シェルターは通常お店の販売エリアからガラス窓を隔てて分けられており、買い物の客の声や物音がシェルターの中の動物たちを脅かさないよう、あるいは人間が興味本位で声をかけたりつついたり出来ないよう、配慮されています。
売られているペットショップの動物たちよりよほど良い待遇です。
このように、シェルターには素晴らしい面も沢山あるのですが、残念ながら負の側面もあります。
次の記事では、そのことについて少し触れようと思います。
「アメリカのウサギ保護事情3〜シェルターをめぐる問題」へ続く
マディソン周辺の里親募集中ウサギたち
なんと、252匹検索にかかりました。
距離の制限を外して、近隣の州も含めるようにすると、5557匹!!!
しかも、その多くが、別に問題があるわけでもなく、今も人間になついている、とても可愛いいい子達なのです。
「もはやウサギをペットショップで売る必要はない」と愛護団体が言うのもむべなるかな、です。
※ちなみに、ノーキル・シェルターであるWisconsin HRSが年間にひきとるウサギの数は、Wisconsin全州でも多くて50匹程度だと思います。
「殺さない」シェルターというのは聞こえはいいですが、全てのウサギに新しい家を探そうとしたら、そのくらいしか救えないのです……。
日本よりよほどペットをシェルターから迎えることが一般的なアメリカでさえ、一度棄てられた子たちの家を探すのは簡単ではありません。
ペット販売業者は、是非そのことを肝に命じて、安易に購買欲を煽るような事は謹んでもらいたいと思います。
3)ペット用品店での里親募集活動
ペット用品店の中には、動物の生体を売る代わりに、地域のシェルターと協力して、お店の中にアダプションセンターを設けているところもあります。
お店に訪れた人は、こういったサテライト・シェルターから猫やウサギなどを引き取ることも出来ます。
このシステムには、勿論お店側にも利点があります。
まず、自分たちが売れ残りのリスクを犯して、幼い生体を扱わなくても、動物をお店の中に置く事ができます。
更に、里親募集に貢献している、というお店のイメージアップにもなります。
こちらの人は、「どこのお店で商品を買うか」ということにポリシーを持っている方も結構います。
「いくら安くてもWalmart(生活雑貨の大手激安チェーン店)では買い物をしない」という人にも結構頻繁に出会います。(アメリカでは、Walmartは一種の労働者搾取、ローカルの産業を潰す企業の象徴として語られる事が多いのです)
つまり、幼い動物を売り物にしているようなペット用品店では買わない、という人もいるということで、こういった層は、知識層、富裕層に多い傾向があります。
そういう人達は、生体を売らずむしろ里親募集に貢献している店で買おうとしますから、無理な値下げをしなくても、コンスタントにお客が来てくれるわけです。
また、こういったペット用品店では、アダプションキャンペーンを行うこともあります。
Wisconsin HRSでも、イースターの前1ヶ月間、毎年ペット用品店にウサギを連れて出張し、イースターに合わせて安易にウサギを子供に買い与えようとしている親への啓蒙を行っています。
HRSボランティアとの会話を通して、ウサギというペットに対する理解を深めてもらうのが目的です。
我々も参加してきました。
このとき出ていたのは、Bunny Hopkinsという名前のやんちゃな男の子で、このMounds Pet Food店の中に設置されたサテライト・シェルターの子です。
Moundsペット用品店の中の、サテライト・シェルターの様子です。
そんなに広くはありません。結構広めにケージをとっているので、精々ケージ6つくらいですが、その分、皆とても大事にされています。
サテライト・シェルターは通常お店の販売エリアからガラス窓を隔てて分けられており、買い物の客の声や物音がシェルターの中の動物たちを脅かさないよう、あるいは人間が興味本位で声をかけたりつついたり出来ないよう、配慮されています。
売られているペットショップの動物たちよりよほど良い待遇です。
このように、シェルターには素晴らしい面も沢山あるのですが、残念ながら負の側面もあります。
次の記事では、そのことについて少し触れようと思います。
「アメリカのウサギ保護事情3〜シェルターをめぐる問題」へ続く