やっと病院から電話があった。
随分と明るい声で、はきはきと告げられた。
もぐらと二人でろすのお迎えに行く。
それまで、結構病院に対して不信感を持っていた仔牛は、プライベートと言いながら、別の子達と一緒に焼かれてしまうのではないか、もしかして、何かの不手際で、もうろすの体は捨てられてしまったのではないか、ぐるぐる考えて夜もあまりよく寝れなかった。
もうだめだ、今日こそ帰りに病院によって聞いてこよう。あの建物には入りたくないけれど。
そう決意して、その朝に電話があった。
小さな四角いダンボール箱を受付で渡され、それまで仔牛がいつもお世話になっていて、ろすの今回の手術の予約も入れてくれたおじさんが、すかさず近付いてきてくれて、ろすの安否を尋ねてくれた。
彼は、エンセファリトゾーンの時からろすの事を知っていて、もうろすの名前も覚えてくれている。
なんと説明したものか、胸に箱を抱えて言葉に迷った。
結局、おじさんは、多分心から悼んでくれて、蒸し暑い日にろすはやっとえせる達のところに帰還。
ダンボールの箱を開けてみて、長方形のアルミ缶に貼ってあるシールを見て外注での作業と知る。
ビロードブルーの小さな巾着の中に、全部あった。
何日も前から用意していたシュガーポットの中でおねんねしてもらう。
おかえり。おかえり。おかえりなさい。