(注)このページには、ウサギ頭部のCTスキャン画像があります。医療画像で気分が悪くなる方はご注意下さい。
土曜の夜に左目が少し飛び出ていることに気づき、その場で主治医の先生に連絡、月曜朝一番で予約を入れてもらい、ルーファスの頭部CTスキャンを撮ってもらいました。
CTスキャンを撮るには麻酔が必要なので、朝にルーファスを預け、病院からの連絡を待っていました。
しかし、待てどくらせど、連絡が来ない……。
いつもなら、遅くても3時には麻酔から醒めた、と連絡が入るのに、それもない。
まさか、とんでもない病気か脳腫瘍でも見つかったんじゃ……と戦々恐々でした。
(麻酔中に息をひきとったなら、もっと早く11頃に連絡がくるのは体験済みなので、それはないだろうと思っていたけど)
4時ごろようやく連絡があり、麻酔からもきちんと醒めたので、5時に病院に来て欲しいと言われました。
学生さんからの電話だったので、それ以上細かいことも聞けず。
5時に病院には行きましたが、昨日はなんと患畜が8匹もいたとのことで(まあそのうち1匹はうちのルーが無理矢理ねじ込んだのだけど)、結局お話できたのは6時近くなってからでした。
で、先生は開口一番、待たせて申し訳ない、でも今日はとても忙しくて、電話をする暇もなかったが、結果的にはそれが良かった、と……。
なんのことかと思ったら、CTスキャンを解析した研修医が、「脳腫瘍がある」と報告してきた、というのです。
先生は、実際にルーファスをずっと診ている獣医として、何かの間違いなのじゃないか、と思い、その旨伝えたところ、結局もっと上の立場の人が解析して、これは腫瘍ではない、と診断された、とのことでした。(何かの影が映っていたらしい)
普段なら、診断が下った時点でオーナーに電話するけど、今日は暇がなくて、次の患畜を診たら電話を、と思っていたらその連絡がきた、電話しなくてよかった! とのお話でした。
(10/5追記、この脳腫瘍っぽく見えたのはこのページに乗せたCTスキャン画像には映ってません。脳の端の方に、丸く白い影があり、確かにそれっぽく見えました。その絵もファイルでもらってくればよかった。。)
それから、CTの画像を見せていただきました。
これを見て病変がわかるのには、やっぱり相当慣れが必要なんでしょうが、ルーファスの不具合の理由は素人目にもわかるほどはっきり映っていました。
手前が鼻先になるので、画面右側がルーファスにとっては左側になります。
左右に丸く移っているのが眼球です。
左目の下(画面では右側)の空間の大きさが、右目の下より大きく、しかも空間が何かで塞がれています。
この写真はpre contrastと呼ばれる(多分)造影剤を入れる前のものですが、次の写真はpost contrastでもっとはっきり、球状の膿瘍が分かります。
矢印Aが指している部分が膿瘍です。真ん中が暗く、まわりに円形に白っぽく膜があります。
もしこれが腫瘍なら、中も白く映ると言われました。
Rufusは、歯を削ったときに口の中は全部診てもらっているのですが、そのときに、とくに炎症などはありませんでした。
しかし、今回麻酔中に口の中をみたところ、奥歯の奥が500円玉くらいの大きさで赤くなっていて、膿みが出ていたそうです。先生は、これで食べられていたのがまったく不思議だ、と仰っていました。
この膿みは、図の矢印Bの位置から膿瘍の膿みが排出された可能性があり、だとすれば良い傾向だ、とのことでした。
実は、私達も、目玉が一番飛び出ていたと思われるのは先週の土曜日で、そのあと少し収まったように見えるのが不思議だったので、もしかしたらその後排出されたのかもしれません。
CTをとりにいった朝あたりから、ちょっと前日よりは食いつきが悪いかな、と思っていたので、いよいよ痛くなって来た、ということかも。
膿みは採取して、現在どんな菌が含まれているか調査中ですが、それがわかるまで、先にペニシリン注射で治療を始めることになりました。
ウサ飼いさんならご存知でしょうが、ペニシリンは、経口で与えるとウサギには劇薬で、腸内細菌が全滅してそのまま死んでしまいます。
が、皮下注射で与える場合には、主にグラム陽性細菌に有効です。
日本での治療の場合、レボフロキサシン(クラビット)と塩化リゾチームの治療例をいくつかwebで見ましたが、そういった薬品名は出てきませんでした。もしペニシリンが効かなければ検討するということかもしれません。
本来、膿瘍を根絶するには皮膚組織ごと外科手術で取り除く必要があるらしいのですが、場所が場所だけに、そういうことが容易に出来る位置ではないと言われました。
とすれば、まず現在の膿瘍を抑えること、あとは再発させない努力をすることしかありません。
ただ、未だに不思議なのは、何故こんなことが起きたのか? ということです。
実は、先生は、つい最近やってきた別のウサギさんのCTスキャンも見せてくれて、それがルーファスとまったく同じ位置の膿瘍でした。
更に、一見歯には殆ど問題なし、というところもルーと同じ。
(その後、HRSから、まったく同じ症状のウサギさんの手術資金の寄附を募るメールがまわってきました。その子も左目奥で、残念ながら抗生物質が効かず、眼球摘出することになったためです。今年のアメリカの気候がそういうのに合致したのかしら……)
ルーファスは少し歯を削りましたが、普通なら食べなくなるほどひどい状態ではありませんでした。
歯根も、CTで見る限り、炎症を起こしていたり、溶けかかっていたり、ということもない。
膿瘍は、あるとき急に膨張することがあるそうなので、おそらく先週の土曜日あたりに急に大きくなったと想像できますが、膿瘍自体はもっと以前からあったはずだそうです。
(実際その前一週間以上牧草が食べられず、ヨダレをたらしていたのはそのせいでしょう)
とすると、そもそもあれほど牧草を食べていたルーの歯が偏ってすり減っていたのは、かなり前から膿瘍があり、そのせいで噛み合わせがずれて少しずつ偏っていったのか?
それと、9/20の急激なPCV降下は何か関係があるのか?
あるいは、それまでなんとか自分の体力で抑えていた細菌の活動が、なんらかの理由でPCVが急降下したために体が処理できなくなり、膿瘍になったのか?
何が最初のトリガーなのか、依然としてよく分かりません。
良い報告は、またルーのPCVが1%上昇し、35%になっていたこと。
強制的に貧血にさせられたハナちゃんのように、急激な回復ではありませんが(この場合、造血幹細胞が大慌てで血液を作り送り出すので、回復も早い)、着実に、新しい血液を作っているようです。
つまり、ルーは今体力的にベストの状態ではない。その状態で膿みが出ているのなら、コンスタントに以前のPCV40%代の状態を保てれば、本来こんなことにはならなかったのではないか、という気もしています。
実は、整体では、膿みというのは食べ過ぎの一つの形と見ます。
PCVが下がったことで、鉄分を補給する必要があった(牧草、野菜には鉄分がほとんど含まれていないため、造血にはペレットが一番とのこと)のと、牧草がまったく食べられないため、腸を動かし続けるために、それまで朝夕大さじ2/3ほどしか与えていなかったペレットを、朝夕それぞれ大さじ2杯に増やしました。
本来、栄養のほとんどを牧草からとっていたルーファスにしたら、あきらかに高栄養、食べ過ぎです。
その結果膿みが育った、という考え方も出来ます。
しかし、PCVがもとの値に戻るまでは、ペレットを減らすのは怖い。しかも、ルーは今結構必死で食べています。
(もともとあまりご飯に執着がない子だったのに)
ローヤルゼリー入りのオレンジジュースも、以前はそんなに好きでもなかったのに、今は一生懸命飲んでいます。
現状は、ウサギの本能に任せ、とにかく自力でも膿みを排出させるよう、顔面に愉気しつづけるしかありません。
人間の場合、化膿活点(腕の外側、上腕三頭筋の逆三角形のとがった部分のすぐ下あたりにある、ちょっとコリコリした腺)を押さえて愉気すると、膿みに関する疾患は軽減しますが、ウサギも同じなのかな??
かかとの鼻血止血点がウサギにも効いたから、化膿活点も見つけられれば効きそうだけど。
今朝のルーファスは、日曜ほどがっついて食べる感じはなかったけど、それでもちょこちょことペレットの場所にやってきて大さじ2杯食べ、チンゲンサイも2枚食べ、ローヤルゼリー入りオレンジジュースも飲みました。
やっぱりちょっと痛いみたい。meloxicum(痛み止め)をバナナに塗って食べさせたら、そのあとペレットとオレンジジュースを完食しました。
顔は、日曜の夜にくらべると、ちょっとアンバランスな感じは軽減されたと思うけど……気のせいかな。
We took Rufus’s head CT scan on Monday.
Dr. Keller made his diagnosis as a Retrobulbar Abscess.
Following picture shows his CT scan (pre contrast). His nose is facing towards us, so that the right side of the picture corresponds his left cheek.
Under his left eye-ball (on right side of the picture), there is a wide area filled with something.
To get clear image of the area, we did contrast CT scan.
I added red arrows and circle in the next picture.
Inside the red circle, arrow A pointing the center of abscess.
If this is not an abscess but a tumor, the color should be white, Dr. Keller said.
He didn’t have any inflammation inside his mouth at two weeks ago, but this time Dr. Keller found a 1-inch circle inflammation behind Rufus’s left molars. She found pus too, seems like draining from the retrobulbar abscess through the area B (where the arrow B points).
We start medication with penicillin injection.
Rufus ate 2 Tbs of pellet and drunk 60ml of orange juice + royal jelly in this morning.
He still keeps his appetite, but we gave meloxicum 0.3ml this morning because now he seems start to feel pain.
(We also gave it the last night too)
We keep our eyes on his face and appetite.
脳腫瘍なんて!(@@) とんでもない。袋状になっているんだから、中は柔らかの膿瘍でしょうよ。頼みますよー研修医さん(--)
おそらく歯根膿瘍だと思いますよ。ウサギの歯根は開放根なので、いつかどこかで感染し、細菌が奥にいって根に巣食ってしまったことも考えられます。また、今回横のCTなりレントゲンがないので分かりませんが、年齢から言って歯根が上に伸びて(押し込まれて)はいませんでしたか?
ペレットの弊害のひとつが、この噛み潰す力なんですね。長い時間をかけて、歯根が釘の頭が飛び出すように顎の骨を突き抜けることがあります。その過程において、炎症もおきやすくなるし、細菌感染もしやすくなり、膿瘍の元にもなります。
これが一番私の恐れていることで、それでこの間ついでがあったので、シジミの頭部含めて横と上からのレントゲンを撮ってもらったのです。何しろ臼歯1本折れて抜けたままですので、この先一番気になるところ。できるものなら歯槽膿漏用薬用歯磨きで、ウサギの歯磨きをしたい!!(笑)
塩化リゾチームは日本独特の方法かもしれません。塩化リゾチームによって、チーズ状の膿瘍が柔らかくなって排出しやすくなる、あるいは抗生物質が中に届くことを狙っています。あくまでも獣医さんの経験則的治療だと思います。一般的には切開して抗生剤入りビーズを埋めたり、ドレーンを入れて日々洗浄なんてしますが、やはり完治は難しいですね。一番手っ取り早いのは、抜歯して根っこをきれいさっぱりなのですが、万が一根が顎の骨と癒着しているとこれができない。
場所から言って手術といっても表からのアプローチができないので、内科的治療でうまくいってほしいです。
でも膿が排出されれば圧迫痛もへって、楽になったのじゃないかしら。
食べられるうちは、食べて抵抗力もつけて。
がんばれ! ルーちゃん もぐらさん。
すみません、書き方が悪くて、脳腫瘍と間違った影はこの写真には映ってないんです(^^;;) しかも、たまたま角度が悪くてそれっぽく映ってしまったらしくて…脳腫瘍なんて話になると、普通一人では診断しないで何人かに意見を聞くらしいんですが、多分連絡がうまくいってなかったんでしょう。
なんにしろ、間違いでよかった!
CTなので、横からは見えませんが、タテ方向には輪切りで何枚も写真を見ました(マウスのスクロールを回すと、輪切りの位置が少しずつずれていって、連続的に変化が見えます)
…で、少なくとも歯根の炎症はない、と言われました。
ただ、突き破ってはいないけどこれから問題が出て来るのかはよくわかりません…
私も、ペレットが歯に悪い、というのは肝に命じていたのですが、どうも膿瘍の原因はそれだけではないようです。
なにしろ、ルーファスは体重2.7kgもあるのに、一日に小さじ4杯しかペレットを食べない子だったので、ペレットのせいで歯がおかしくなったとは考えにくいんですよね。
その分、チモシーばりばり食べて太ってました。
(チモシーも、開花前収穫だとタンパク質18%になることもあるそうで。)
もっとタンパク質の少ないこちらのローカル牧草でないと、どんどん太ってしまう、ってくらい牧草主食の子だったんですよ。
もっとも、ルーもまんごろし太と同じく、(別の)ブリーダーから救出された子なので、繁殖に問題があった可能性も否定できないのですが(汗)
目が飛び出ているのはあいかわらずですが、今日は遂にパセリを刻まなくても食べました! その分、ペレットを残していたりして、ようやくルーファスのいつもの嗜好に戻ってきているみたいです。
この調子で、気をぬかずに頑張ります!