地震発生直後から、ツィッターやustreamのNHK放送に釘付けです。
被災地の方々、私も遠くからですが、出来る限りのことをします。
簡単に頑張って、などと言えないほどの酷い災害ですが、どうか、くじけないで、と毎日祈っております。
さてツィッターが威力を発揮しているようですが、残念ながら怪しい情報もかなりあるようです。
義援金募集のツィートは、募金する前に、必ずどういう団体なのかをご自分でよく調べることをお勧めします。
義援金よりも深刻なのは、「被災地のペットを保護します」というツィートです。
被災地でペットへの対応が遅れがちなのはその通りですが、きちんと行政と連絡をとりながら保護活動をしてもらわないと、勝手に被災地に入り勝手な行動をされては、現地の方が大変困ります。現実に、阪神大震災の時もそういった「自称ボランティア」が現地の活動を邪魔しています。
被災地ペット保護に関しては、「エンジェルズ」という団体についてのツィートが広まっています。
被災地のペットを動物保護団体が預かってくれるらしい、といった内容で、リンクをクリックすると「エンジェルズ」のホームページに飛びます。
この団体は、旧「アーク・エンジェルズ」という団体で、色々な問題を起こしているようです。
「エンジェルズ」のホームページを見たところ、既に被災地に向かってバンを走らせているようですが、このページからは、現地のレスキューの方々ときちんと連絡をとってやっていることなのかどうか、判然としません。
2011/3/25 追記
「NPO法人動物愛護福祉協会」もヤバいところの模様です。
非常によく似た名前の社団法人日本動物福祉協会(こちらはまっとうな組織です)が過去に上記団体を動物愛護法違反で告発しています。
劣悪多頭飼育のNPO法人告発に至る経緯について
ある意味、募金詐欺なら財布が痛いだけで済みますが、このような非常時に、勝手な行動は下手をすれば人命に関わります。
こういった団体にペットの保護を頼む場合は、きちんと先方と連絡をとってやっていることなのか、必ず確かめましょう。
また、リツィートするときは、必ず自分でリンク先を確かめ、これまでまともな活動をしていた団体かどうかも調べて、拡散して良いものかどうかの判断をすべきと思います。
ところで。
これは、完全に余談ですが……。
(ペットに関係のない話なので、興味のない方はスルーして下さい)
注)この記事は3/14に書かれました。現在のアップデートはこちらをご覧下さい。
私は以前放射線管理区域で研究をしておりましたので、一応放射線関係の講習を受けています。
今回の福島第1原発の爆発について、爆発から2時間以上経ってからしか詳細な情報が公表されなかったことに、憤りを感じている方も多いと思います。
しかし、あのような爆破が起こった場合、現状把握といっても簡単には出来ない、という現実があることも知っておいていただきたいと思います。
- まず、現地に簡単には近づけません。残留放射能濃度がどのくらいあるか分からないのに、十分な準備もなしには踏み込めません。私は、むしろ救護隊が爆破後すぐ4人の方の救護のために入ったということに驚いたくらいです。
- 救護隊がすぐに入ったことから、もしかしたら炉心を覆う外の容器の破壊には至っていないことが最初から見当がついていた、という可能性もあります。しかし、「多分」破壊されていない、というだけでは、とても公式発表など出来るものではありません。本当に放射線が漏れ出ていないのかどうか、暫く大気中の放射線量を定期的にモニタして、それが次第に落ち着いてきている、ということを確かめる必要があります。しかし、誰かがちょっと線量計を持って入り測ってくる、ということは出来ませんから(線量が高いかも知れないので)測るのだって色々準備と手順が必要です。
- そう言う状態で、炉心がどうなっているか、防護壁の中がどうなっているか、なんて事が、そんなに簡単にわかるわけがありません。センサーが生きていても、正しく働いているという保証もありません。爆発があったのなら、尚更です。
- つまるところ、焦る気持ちは大変よく分かりますし、マスコミは情報公開が遅いと怒っていましたが、あれ以上早くは出来なかった、というのが実情だと思います。私は、約3時間弱で政府があそこまでの発表が出来たのは、かなり速かったと思います。
そうはいっても、実際に、その3時間の間に外を歩いていて被爆した方がいます。そういう人を出さないために、爆発した時に現状わかる限りの情報を提供すべきだった、という意見ももっともです。
もっともではありますが、ショッキングなニュースは、それを受け止める側にも十分な知識が必要だと思います。でなければ、皆パニックを起こし、収集がつかなくなって更なる悪化を招きかねません。
- 被爆には急性障害と晩発障害があり、急性障害が現れるのは大体一度に1シーベルト以上浴びた場合です(一時的な白血球の減少は500ミリシーベルトくらいで現れることもあります)。
- 従って、このような線量を一度に浴びるほどの放射がなされたのなら、その時点で、いくら早く公表しても、健康に重大な被害のある被曝は避けられません。
- 逆にそうでないのなら、気にするべきは晩発障害となります。晩発障害は積算でどれだけ浴びたかが問題になりますから、正しい線量の測定値なしには、その危険度をはかることは出来ません。また、この場合、内部被曝と呼ばれる被曝が一番厄介です。放射化したホコリを吸い込まないようにすること、放射化したホコリが届く範囲内の飲食物を口にしないことです。肌や服についたものは短時間で洗い流せば問題ありません。どのくらい短時間で洗う必要があるかは、放射線量によります。
- 「通常の1000倍」という言葉が頻繁に出て来て危機感を煽られた方も多いと思いますが、放射線管理区域で業務を行う人が1年に浴びてもよい上限は50ミリシーベルト、しかも日本の基準は世界でも有数の厳しさですから、最大でも1.8ミリシーベルト/時間ほどしかなかった今回の場合、ずっとその中に住むのでなければそれほど怖い線量ではありません。大事なのは、「何倍か」ではなく、実際に何ミリシーベルト浴びるか、の積算値です。
つまり、キノコ雲が立つような爆発が起こって放射性物質の混じった爆風を浴びたとか、臨界事故が起きた時にすぐ近くに居た、というのでない限り、内部被曝さえ気をつければ、実はそんなに一分一秒を争うほど大変、というわけではないのです……。
爆発が起きた、ということを知ったら、すぐに建物の中に入り、窓を閉めて換気扇を止め、シャワーを浴び、コンクリートの壁を背にして、行政の指示があるまで待機。
下手に遠くへ逃げようと建物の外に出るのは危険です。広島のときも、コンクリートの影にいて助かった方は沢山います。コンクリートは、良い遮蔽材なのです。
……ということを全国民がパニックにならずに出来るようになれば、国もさっさと爆発が起きたことを公表するようになると思います。
国民にそういう教育をして来なかったことは責められても仕方ありませんが(といっても、それをしてこなかったのは自民党ですが)、まる一日遅れて発表とかいうのならともかく、3時間の遅れを責められるのは可哀想かな、と思います。私が政府の立場でもああしたでしょう。
キノコ雲が立ったわけでもないのに、まだ確かな放射線量も分からないうちに下手な事を言ってパニックになり、今本当に救援が必要な人達のためのライフラインや帯域、資源が、パニックになったその他の地域の人に使い尽くされることになったら大変です。
情報を示せと要求するなら、その情報を受け止めるだけの知識と覚悟も必要だと思うのですが、マスコミはその辺は完全にスルーですね……。
わざとなのか??
ただ、この問題と、原発をこれからも使っていくのかどうかは全く別の話で、これを機会にそれでも原発を使うか、それともやめるのか、議論になると思います。
ただ、その場合にも、ただヒステリックに被曝が怖い、ではなくて、どういう線量が危険なのか、どういう状況が致命的なのか、ということをきちんと知って議論した方が、実のある議論になると思います。
正直、私は今の現状はかなり怖い、と思いますけれど……。
一歩間違ったら、キノコ雲が出来てもおかしくない状況です。
しかし、今は現場の人を信じて祈るしかない。それこそ、文字通り命がけで作業しているはずです。
これを機に、最低でも、国内の原発、とくに古いものは徹底的に非常用設備の点検、あるいは入れ替えを考えるべきと思います。
2011/3/25 追記:
この記事、たまにリツイートされているようなので、一応追記します。
事故発生から2週間がすぎ、状況は大分変わりました。
現時点で、もっとも最悪のシナリオは、原発近辺で放射線量が高くなりすぎて作業員が近づけなくなる、といった状況になることだと思います。
そうすると、上の記事で心配した急性障害より、事態の長期化による晩発障害の方が心配になります。
じゃあ、どのくらい心配すればいいのか、って話ですが……。
これは、かなり個人差がある上に、急性障害ほど線量に相関したデータが得られているわけではないのです(すくなくとも人間では)。
どういうことかというと、たとえば広島の被爆者の場合、白血病の割合は被爆後数年後にピークがきて、その後減る、という明らかな被曝の時期との相関が見られるのですが、それ以外の癌については、かなり長い間潜伏して、一般に癌の割合が増えてくる年齢に達したときに出る、という感じになります。
このとき、被爆者は複数の癌を煩うことがあるので、被曝した事実との因果関係はたしかに認められます。
しかし、それだけが原因かというと、下手をすれば何十年も前の被曝から、発病に至るまでの生活や、自分が被曝したことによる不安、ストレスも、完全に切り離すことは出来ないわけですね。
(戦後、被爆者は、がんの発病の心配の上に、酷い被曝差別を受けた方も多く、心身ともに大変なストレスに晒されました。がんの発生率は、ストレスに強い相関があることは既に分かっていますから、これも原因になり得るわけです)
そういうわけで、いったいどのくらい積算で浴びたら本当にヤバいのか、という質問には、多分誰も答えられないと思います。
だからこそ、教科書を開くと、急性障害には1シーベルト、というはっきりとした閾値があるのに対し、晩発障害に関しては具体的な危険しきい値の数字を書かず、「なるべく浴びる線量を少なくすることが唯一の対策」と書かれていることが多いのです。(ここまでは安全だろう、という指標はありますが)
被曝の遺伝的影響(子供に影響が現れる)についても、マウスなどでは相関がわかっていても、人間の場合にはまだはっきりとした相関がみられていない、と教わりました。
一方、被爆時に胎児だった場合には、影響がみられることがあるようです。
(これは原爆のレベルの被曝量の話です。具体的にどのくらいの線量で影響が出始めるかは、文末につけたリンクの中に論文の引用がありましたので、そちらをご覧下さい。)
……というわけで、以下、私の勝手な意見ですが。
正直、今の数十倍以上の量が、長期にわたってダダ漏れになる、とかでない限り、放射性物質そのものの害より、「毎日被曝してる、どうしよう、水飲むの怖い、野菜食べるの怖い」という心配の方が、実際に水道水を飲むより、よほど癌に直結するストレスになると思います。
何度もいいますが、ストレスと癌には、既に相関関係が認められています!
勿論、事態を軽視したり、被曝を甘くみるのはいけませんが(とくに妊娠中の方、乳幼児の場合)、闇雲に怖がるのではなくて、自分で大体どれだけの線量を浴びているのか、大体の値でいいから各自治体が公表している線量計の値を見て、被曝量を計算して管理すれば良いと思います。
http://ribf.riken.jp/~koji/monreal.pdf
上のスライドの14ページ目によると、1年間で1シーベルトを浴びると、1万人につき白血病患者の割合が3人増える、とかいう数字らしいですね。
このくらいの数字だと、高度経済成長期の日本とか、ただ今大気汚染甚だしいお隣のとある国で暮らす方がよっぽど怖いんじゃないか、という気がしました(^^;)
(そのお隣の国は、日本からの関東の野菜の輸入止めてますけど。。。)
このスライドには内部被曝についての記載がないですが、放射性物質のついたものを食べてしまったからといって、一生それを抱えていくわけではなくて、数十日、セシウムなら3ヶ月ほどで体外排出されます。それも計算に入れて積算量を考えると、現状、ヒステリックにならなければならない量ではないですね。
(4/3追記)
これに対し、呼吸によって肺に吸い込んでしまうものはそう簡単には輩出されないようです。従って、怖いなら、花粉症対策マスクをつけるという手はあります。
現在の線量を見る限り、例えば都内であれば、子供も含め、そんな対策が必要だとは(私は)思いませんが、それで安心が買えて、ストレスが軽減するなら、意味があります。
ただ、誤解しないでいただきたいのは、たとえばセシウム137の1個の放射性原子が、30年に渡って放射線を出し続けるわけではなく、1個のセシウム137は1回放射線を出したらもうそれで終わりなのです。半減期は、まさしく放射性物質の総数が半分になるまでの時間、という意味です。
(だからこそ、吸い込んだ総量が問題になるわけですが)
まあ、こんなことは常識、と思われるかもしれませんが、たまに、まるでウィルスか病原菌のように、1個の放射性物質が代替わりをして何度も正常細胞を傷つけると勘違いしているのではないか、と思われる記述を見かけますので、敢えて書いてみました。
(4/3追記終わり)
私は、こっちで中国産の乾燥キノコを買って、水でもどした瞬間にあまりにすさまじい薬品の匂いがしたので、慌てて捨てたことがあります。あれよりは絶対マシだと思う。。。(あ、名指ししちゃった(爆))
こっちの安い鶏肉とかも、かなりヤバいです。ものすごいホルモンくさいというか、薬臭い。抗生物質も普通に使ってますからね…アメリカの畜産。
牛は糖蜜飼育って話もあるし……。ありえない。もう自分が何食べてるんだか、って感じ。
正直、物理屋(くずれ)としては、放射性物質なんて精々電子や光子などを放出して、DNAを傷つけるくらいしか出来ないけど、有害化学物質は他の物質と結合して臓器に蓄積したり、なにかと反応が複雑だからよっぽど怖いという気がする。
(めちゃくちゃ偏見かも(笑))。
ちなみに、人間の体は、ちゃんと放射線で傷つけられたDNAを修復(あるいは破棄)します。
あまり一度に大量に傷つけられると、修復が追いつかなくなって残ることもありますが、傷ついた細胞が残ったからといって、それが皆ガンになるわけじゃないです。
そういうわけで、「とにかく放射線が怖い!」という方は、やっぱり線量計を手に入れて被曝量を管理するのが一番いいのかな、と思います(手にはいるなら)。
フィルムバッジは、多分簡単には手にはいらないんだろうな…。あれは、放射線の種類も計測できて、毎月解析に出さなければならないので、多分放射線業務従事者の登録をしてないと難しいような気がする。
しかし、どうしても不安な人のために、そういうものを早く流通させるべきだと思います。
自分で測れれば、トラックの運ちゃんも安心して福島まで物資届けてくれるかもしれないから。
多分、その安心が、(現状の線量なら)一番の抗放射線薬でしょう。
3/28, 4/3 追記:
私のような素人が云々するより、よほど素晴らしい記事がありました。
今まで見た記事の中で、一番根拠の部分もデータもしっかりしているものです。
内部リンクも辿って、じっくりご一読をおすすめします。
「「最悪のシナリオ」という脅しに騙されないために 」
http://getnews.jp/archives/105518
また、勉強するったって何をどう判断して良いかわからない、という方は、以下の記事も大変参考になるかと思います。
「どうしてそう判断するに至ったか」が詳しく書かれていますので、ご自分のケースにも当てはめ易いと思います。
「放射能漏れに対する個人対策(改版) ]
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
追記終わり
すっかり余談が長くなってしまいました。
ところで、突然で恐縮ですが、このブログの更新を暫くお休みすることにしました。
これから会議シーズンに突入するため、本業の方が大分煮詰まってきています。なんとか、避妊手術に関する投稿のシリーズを上げてから、と思っていたのですが、そうも言っていられない状況になってきました(汗)
仕事が一段落したら、また戻ってきますので、気長に待っていて頂けると嬉しいです。
勿論、HRSでのボランティアは続けていますので、新しい情報が入ったときには、皆様に不定期にお知らせしたいと思います。
ブログ、一時休止ですか?
残念です。もぐらさんとの交流はとても楽しかったので・・・
ま、気長に待ちましょう。
福島の原発のメルトダウンが心配です。
もしもそういう事態になれば、関東域と東北域との陸路は壊滅状態になるのでは?と思っています。
そうなると、我が家ではペレットも牧草も入手出来なくなってしまうのです。
お仕事頑張って下さいね。
陰ながら応援しています。
コメント、長いこと気づかずにすみません!
応援ありがとうございます(T_T)
あと2ヶ月(未満)で結果出せるのか…ううむ。。厳しい。
もうこの記事を書いてから2週間近くたってしまっているので、福島原発の状況も随分変わりました。
炉心停止して2週間ですので、メルトダウンの心配はもうないと思って差し支えないと思いますが、すっかり事態膠着してしまいましたね。
爆発まではいかないが、放射線漏れがひどくなり、作業員が近づけなくなって、放射性物質を漏らしながら、もはや手のうちようがなくなる、というのが、最悪の次くらいに恐れていたパターンです。
コンクリート詰めにするにしても、もう少し冷えないと危険でしょうし。
放射線漏れ、という意味では、関東と東北の交通が断絶される必要は全くないと思います。
このまま漏れが続いたとしても、車で東北へ行ったからといって危険なほどの線量にはなり得ません。毎日往復していたとしても、本当に放射線数値が高い場所はそんなにありませんから、時間で積分したらたいしたことない値だと思います。
ただ、運送会社の人が嫌がって行きたがらない、という可能性はありますよね…。
うーん。冷静になって欲しいなあ。
運送屋さんに、フィルムバッジ(線量計)配るのはどうだろう。
で、上限こえたらもう行かない。
そこが不安だから、なかなか近づきにくいんじゃないかな。