これは「イエス」です。
普段もそれなりに抜けますが、年に数度、換毛(かんもう)と呼ばれる派手な毛代わりがあります。
換毛の時期として一番多いのは春と秋ですが、エアコンなどの影響でへんな時期に換毛する子もいます。
昨日までなんともなかったのに、いきなり今日ごっそり抜けた、という感じで始まることもあります。
しかも、沢山の毛を捨てて新しく生やすために、換毛期のウサギは体力が落ちていることがあります。
特に、年をとったウサギはその傾向が顕著です。
換毛期に一番気をつけなければならないことは、ウサギが毛繕いしながらその抜けた毛を大量に飲み込んでしまうことです。
ウサギは猫と異なり、毛玉を吐くことができません。このため、なめて飲んでしまった毛は、胃袋にたまります。
普段は、これらの毛は、牧草を沢山食べることによって、牧草にからまってふんと共に排出されます。
しかし、換毛期はそれでは排出がおいつかず、胃袋が毛でいっぱいになって固まり、胃腸うっ滞を起こすことが多いのです。
このため、換毛期はとくにまめにブラッシングしてやる事が必要になります。
(ブラッシングしなくても大丈夫な子もいますが、駄目な子も結構多いです)
もし、うずくまって、ペレットも野菜も食べなくなったら、とにかくすぐにウサギに詳しい獣医につれていって下さい。
12時間以内に気づけば、おそらく補液と腸を動かす薬で回復すると思いますが、それ以上遅れるごとに、どんどん治癒が難しくなります。
決して素人判断で薬などを与えないように! 一部の薬(ラキサトーン等)は、胃の内容物が脱水している状態で与えても効果がありません。(かえって害になるケースもあるようです)
毛がつまっているなら、緊急手術で毛玉を出せば……と思うかもしれませんが、ウサギの消化器官は大変デリケートで、切開手術をした後にもとの機能を取り戻さないことも多いのです。
それ以前に、ウサギが弱っていたら、手術のための麻酔でそのまま旅立ってしまうかもしれません。
ウサギは、麻酔にもかなり弱い生き物です。
切開手術をしなければならないような状態まで放置しないことが、とても重要です。
また、換毛期のウサギはとてもおなかを空かせています。
体重が増えない範囲で、普段よりペレットや野菜を多めにあげると、急激な体力の減少を防ぐことが出来るかもしれません。
とくに野菜は、水分が多いので、胃の内容物の脱水を防ぐためにもおすすめです。
普段からペレットの量を絞っている子は、換毛がうまく出来ないことがあり、この時期にペレットを多めにあげたら急に換毛が進み出した、というケースもあります。
ウサギの様子を見ながら、加減して下さい。