2016年8月追記:
ウサギ用ペレットが劇的に改善したことにより、大人でもアルファルファペレットで問題のない時代になりました(ただし成分表を見てタンパク質、カルシウムがチモシーペレット程度に抑えられているものを買う)。
したがって現在の答えは「どちらでもよい」であり、以下の記述は少々古いですが、記録として残しておきます。
ペレットについてはこちらの記事もご覧ください。
これは、意外かもしれませんが、「ノー」です。
より正確には、プラスよりマイナス面が強くでる可能性があります。
「与えても良いか」という質問ならば、「イエス」です。
が、この場合でも、アルファルファペレットだけで慣らすのはおすすめしません。
子供のころに、大人用のチモシーペレットの味にしっかり慣らしておく、というのが、大人になった後ウサギの健康を保つのにとても大事だからです。
もっとも、ウサギにとってアルファルファペレットは美味しいので、あまり沢山あげすぎると、チモシーベースのものと混ぜて与えても、ほとんどはアルファルファだけ拾って食べてチモシーは残すと思います。混ぜるなら、少量を頻繁にあげるとか、工夫が必要です。
こういう状態に陥り、結局アルファルファペレットしか食べない、となると、のちに色々面倒な問題が起こる恐れがあります。
ウサギは、とても味に対して保守的な生き物です。
子供の頃に、母親から教わった味を安全な味とみなし、一生それを保ち続けます。
それは、単に神経質だから、という理由ではなく、ウサギの消化メカニズムに関係しています。
盲腸内で細菌の力を借りて消化を行うウサギは、この盲腸内細菌のバランスが崩れると、重篤な状態に陥ります。
それぞれの細菌の数は、非常に微妙なバランスによって保たれており、たとえば食べるものが変わっただけでも大きく変化してしまいます。
このため、ウサギは、食べ物が変わる、ということに対して、とても用心深いのです。
(同じ理由により、ペレットを切り替えるときは、一週間ほどかけて少しずつ古いペレットに新しいペレットを混ぜて与えるようにしないと、体調を崩す恐れがあります)
子ウサギの頃に覚えた味が一生の嗜好を左右するため、子ウサギ用のアルファルファペレット、人参などの味をつけて子供用に嗜好性を高めたペレットは、具体的に以下の問題を引き起こす恐れがあります。
- 大人になったのに、がんとしてチモシーペレットを食べてくれない
- 普段はチモシーペレットを食べても、体調が悪くなると子供の頃に食べたペレットしか食べてくれない
- チモシーの味に慣れていないため、チモシーの牧草も食べてくれない※
※チモシーの牧草を食べてくれない子が、ペレットをチモシーベースのものに切り替えたらチモシー牧草も食べるようになった、という例もあります。
そもそも、自然界では、子ウサギも大人ウサギと同じ草を食べます。わざわざ違うものを与える事の方が不自然なのです。
子供の頃に慣れていない味を、大人になってから主食にしろ、という事自体が土台無理な要求です。(人間だってそうですよネ)
チモシーペレットでも、分量をアルファルファペレットより多く与えれば、仔ウサギに必要な養分は十分摂取できます。
実際、ウサギのことをよく知っているウサギ専門店では、上記の理由から、子ウサギにもチモシーペレットを勧めるお店もあります。
子ウサギにアルファルファペレットを与えるなとは言いませんが、そういう恐れもある、ということを念頭においていただければ、と思います。
追記:
子ウサギにチモシーペレットを与えるとタンパク質の割合に対して脂肪分の割合が多すぎるのでアルファルファを与えるべき、という方もいます。実際その通りかもしれません(特に長毛種ではその傾向が強いでしょう)。
もし今これをご覧になっているあなたが、そういったことまで分かっておられるウサギ飼育のベテランなら、その時がきたらウサギが多少抵抗してもペレット切り替えを断行するでしょうから、勿論アルファルファで良いと思います。
しかし、一方で、この切り替えに失敗してしまって、大人になったのにどうしてもチモシーペレットを食べてくれない、という方が沢山いるのも事実です。そして「店員にすすめられたから」という理由でアルファルファを与えていた人の殆どが、この切り替えに結構ウサギが抵抗する(ハンストして食べてくれないなど)という事実を知らされていないのです。
そういうわけで、多少飼育書やペット産業に喧嘩を売った書き方になりましたが(笑)少なくとも子供のうちからチモシーの味を覚えさせておくべきだ、というのがこの記事の狙いです。
100%ティモシーベースのペレットはOXBOWのバニーベーシックTしかない、という記事を以前読んだ事があります。私自身、それ以外では国内で入手できるティモシーベースのペレットには食いつきを良くするためにアルファルファ・ミールが入っているのしか見た事がありません。そういうペレットを与えた場合、もぐらさんの心配している事は回避出来るのではないでしょうか?
また、もぐらさんも書いているように普通のペットショップに生後一ヶ月足らずで置かれている子は栄養失調ぎみなので、私はアルファルファペレット+アルファルファの乾牧草も与えていました。素人考えなのですが、幼い間に少しでも栄養価の高い食餌を上げたい、という思いからです。カルシウムも多いですしね。
勿論、二ヶ月間母親の元にいた子ならその必要はないと思います。
それと、
>チモシーペレットでも、分量をアルファルファペレットより>多く与えれば、仔ウサギに必要な養分は十分摂取できます。
この部分ですが、ペレット(特に国産)によっては多めに食べると糞が緩くなる場合がありました。粗繊維の量とかが関係しているのかもしれません。
我が家ではOXBOWですが、このペレットだと食べ過ぎても糞の状態が悪くなった事はありません。
>100%ティモシーベースのペレットはOXBOWのバニーベーシックTしかない、という記事を以前読んだ事があります。私自身、それ以外では国内で入手できるティモシーベースのペレットには食いつきを良くするためにアルファルファ・ミールが入っているのしか見た事がありません。
そうなんですか! それは困りましたね。
>それと、 >チモシーペレットでも、分量をアルファルファペレットより>多く与えれば、仔ウサギに必要な養分は十分摂取できます。 この部分ですが、ペレット(特に国産)によっては多めに食べると糞が緩くなる場合がありました。粗繊維の量とかが関係しているのかもしれません。 我が家ではOXBOWですが、このペレットだと食べ過ぎても糞の状態が悪くなった事はありません。
そうですか。私は国内産の市販ペレットは試したことがなかったので(いつもウサギ屋さんで販売しているバルクペレットを使っていました)、ふんが緩くなるケースがあることは知りませんでした。情報ありがとうございます!
ラパンパパさまもペレットの試食をしたことがおありのようですが、OXBOWは確かに筋っぽいですよね(笑)。こちら(アメリカ)でKeyteeのものも試食してみましたが、へんに金臭い味がしました。OXBOWは草っぽい。
もうひとつ、Purinaという有名なメーカーがあって(日本ではピュリナ)、HiFiber Lab DietもしくはRabbit Chow Fiber3というのが、低タンパク、高繊維質です。
が、残念ながら、こちらはアルファルファベースでして、太りはしないのだけれど、これをあげてしまうとやっぱりチモシー牧草食べない子がいるんですよ……。一部のウサギですが。
実験室用の大袋で売っていて安いので、WHRSでは実はこれを使っているんですが、私はうちに来た子達にはOXBOWに慣れてもらっています。
味は、やっぱりアルファルファペレットの方が美味しいですね(笑)甘い、というか。
ウサギだって、そりゃ、こっちの方が好きだろう、と思います。
日本のペットフードは、成分表をきちんと書くべきですね。
チモシーが形だけ混じってても、そのほかがコーンミールや大豆ミールばっかりじゃ意味ないですから。
ところで、OXBOWって、どこまで安全なのかな、と最近思います。
こちらでZuPreemというメーカーがあるんですが、ここは無農薬、大豆ミールなし、の完全100%チモシーペレットと、無農薬牧草を出しています。
ZuPreemは、エキゾチックペットと動物園用のフードを扱う会社らしいです。
残念ながら、うちのウサギ達はすっごくまずそうにこれを食べるのと、将来日本に連れ帰った時にZuPreemが手に入るとは思えないので、今のところOXBOWなんですが、OXBOWのチモシーの色を見ると明らかに着色してるっぽいんですよね……。
Pesticide Freeって書いてないところを見ると、やっぱり農薬使っているだろうし、着色もしているんだろうと思います。
もうちょっとチョイスの幅が広がるといいんだが……うーん。
ちょっとだけ、補足します。
食べ過ぎるとうちの子たちの糞の状態が悪くなったペレットというのは、うちの子たちを購入したペットショップで、「当店で使用しているペレット」として、300gに袋詰めしてあるものなので、ブランド名は不明です。業務用かもしれませんが、仔ウサギ用なのでアルファルファベースだと思います。そこの店はよくある、問屋を通してうさぎがやってくる店なのでブリーダーも複数です。なので、離乳と共に食べ始めているペレットと同一ではない筈なのですが、食い付きはとても良いペレットでした。
おー!私の試食記事読んでたんですか?実は、私はペレットの粗繊維の%は腸よりも不正交合防止に役立つのかなって思ったりしました。歯の横の動きでの咀嚼回数ですね。
ペレットの粉状になった繊維には、胃腸に対して牧草の繊維質のような効果はない、とも聞きますしね。
OXBOWの牧草、そういわれてみると不自然な色ですね。着色という手もあるんですか?考えた事もなかった。でも、高いですよね、あの値段。試しにアメリカのamazonでも検索した事がありますが、アメリカでも結構な値段なんですよね。
OXBOWの無農薬ペレットでは、オーガニックラビットhttp://item.rakuten.co.jp/mapet/k0744845710006/
というのがありますよ。
うちはバニーベーシックスTから半年位これに切り替えた事があるんだけど、普通の安いバニーベーシックスの方が食い付きが良かったので、購入やめました(笑)
うちの連中はグルメじゃないみたいで、舌も庶民の味を好むらしい。ま、飼い主思いともいえますがぁ。
そそ、Purina評判良いみたいですが、アルファルファベースがねぇ。そうなんだぁ、牧草を食べなくなるのね。
牧草の農薬に関してはこちらの説明が説得力ありますよ。
http://usagian.jp/?tid=7&mode=f17
ここでは具体的な価格までは書いていませんが、輸入牧草の流通価格は60円~80円/㎏だそうですから、殆ど只みたいなものですよね。その安いものに対してコストアップになる農薬は余り使わない、いや使えないというのが本音でしょうね。ここでも触れているように最終的に人の口に入る家畜用の餌な訳ですから、有害な農薬は使ってないと思って良いのでは?
このサイトは京都では有名なショップらしいです。特に牧草に対しての拘りでは評判が良いそうですよ。京都在住のブロガーさんから私の記事にそのようなコメントが入った事があります。
OXBOWの話に戻りますが、アメリカで買うバニーベーシックスはどうですか?アメリカでもあんなさえない茶褐色なの?赤道直下を通る時、ビタミンなんかの栄養素は低下してるだろうし、熱で色が悪くなってるのかなって思って気なってます。
アメリカのamazonから個人輸入すれば航空便で送ってもらえると思って、トライしたことがあるんだけど、支払いのページまで進んだ段階で、購入不可の表示が出ちゃいました。
あ~、今回のコメ長過ぎたかなぁ。前回のコメのバニーベーシックス、最後のスが抜けてました。ごめん。
>ちょっとだけ、補足します。 食べ過ぎるとうちの子たちの糞の状態が悪くなったペレットというのは、うちの子たちを購入したペットショップで、「当店で使用しているペレット」として、300gに袋詰めしてあるものなので、ブランド名は不明です
ああ、やっぱり結構こういうケースあるんですね。案外、ラボ用のバルク売りだったりして。。
私も日本にいたときはそれで問題ないと思ってましたけど、今はやっぱり成分表と原材料が分かるものがいいですね。
>実は、私はペレットの粗繊維の%は腸よりも不正交合防止に役立つのかなって思ったりしました。歯の横の動きでの咀嚼回数ですね。 ペレットの粉状になった繊維には、胃腸に対して牧草の繊維質のような効果はない、とも聞きますしね。
これは、こちらで複数の獣医さんから、「どんなに繊維が多いペレットでも牧草の代用にはならない」と聞きました。HRSの見解もそうです。というのは、ひと噛みで砕け散ってしまうからです。細かくなれば飲み込めるので、きちんとすりつぶす動きにならない、ということでしょうか。実際に、歯に問題のある子でも、完全に悪化するまでなんとかペレットは食べ続けます。歯にトラブルがあるのに食べられる、ということは、歯を使わなくても食べられる、ということです。
「繊維が多いから歯に良い」と誤解させるようなペレットのパッケージはよくないと思います。
>OXBOWの牧草、そういわれてみると不自然な色ですね。着色という手もあるんですか?考えた事もなかった。
いや、私も、日本でウサギ屋さんに聞くまでは、そんなこと考えもしませんでした。
消費者は青い草の方が栄養があると思うので、着色するってことでしょうか。
ご紹介のリンク拝見しました。たしかに、農薬散布にも手間がかかる、と思うと、やらないのかな、という理屈も納得できるんですが……
実際にアメリカに住んでいる身としては、正直、それはないな、という印象なんです。
あくまで印象なんで、多分きちんと調べておられるリンク先のご意見が正しいんだと思いたいですし、勿論無農薬でやっている方もいるとは思うのですが、Oxbowみたいな大企業が本当にやっているかと言われると……うーん。。
アメリカ人は、日本人より、ずっと農薬の危険に対する意識が低いです。
綺麗な商品が出来るなら、結構平気で高濃度の農薬も使うし、家畜ならホルモン剤も使います。
英会話学校で教えている、まがりなりにも教師という立場の人が、抗生物質を鶏に食べさせれば自分達も抗生物質がとれて安全だからいいんじゃないの? とか言っちゃうような国なんです。
だから、見た目きれいな商品が作れるなら、殆ど何でもアリです。
(日本で「オーガニック」といったら、農薬はあまり使っていないことが多いですけど、こっちでは、有機肥料さえ使ってればオーガニックだから、農薬は結構使ってます)
なので、「牛や豚などの家畜が食べるものだから…」と農薬を使わない、って考え方は多分ないんじゃないかなあ、と……(あくまで印象ですよ!)
私がOxbowにちょっと疑いの目を持っているのは、あれだけの牧草の中に、まったく他の草も混じっていなければ、虫もいない、虫食い穴すら見つからないからです。
あとは、どこにも”Pesticide Free”と書いていないから、ですね……。
手で虫をよりわけるような気の遠くなるような作業をやってるなら、書いてあってもよさそうですが。
HRSで入手出来る、馬用の牧草(無農薬)は、虫も入ってるし、鳥の羽やら別の種類の草も混じっています。湿度の高い時期なら、カビることもあります。無農薬、無除草剤、無保存剤であれば、こうなるのが当然だと思うんですよ。
> OXBOWの話に戻りますが、アメリカで買うバニーベーシックスはどうですか?アメリカでもあんなさえない茶褐色なの?
これは、そうですね。というか、バニーベーシックスはまだ青いほうですよ。
先に紹介した、ZuPreemはもっと茶色いですし、PurinaもHighFiberはそうです。
でも、私は茶色い方が自然なんじゃないかな、と思います。加工されているのだし、そんなに緑が残るものかな、と……
我々の食事だって、青いものはよっぽど短時間調理にしないと、青い色なんて残らないじゃないですか(笑)
> そそ、Purina評判良いみたいですが、アルファルファベースがねぇ。そうなんだぁ、牧草を食べなくなるのね。
いや、あくまで、一部の牧草キライなウサギが、ですよ!(笑)
アルファルファペレットが駄目な一番の理由は、タンパク質、脂肪が高すぎるからです。
これを十分に抑えたペレットなら、アルファルファベースでも問題なくて、実際アメリカではそういうLab用、ブリーダー用のアルファルファベースのペレットが、25kg入りの袋とかで手に入ります。しかもかなり安くで(単位重量あたりにしたら、Oxbowの半分以下です)。
こういうペレットが入手できて、しかもチモシー牧草もちゃんと食べてくれて、お腹もゆるくならない子なら、それでも良いと思います。
あー、ごめんごめん。
>「繊維が多いから歯に良い」と誤解させるようなペレットのパッケージはよくないと思います。
この部分は私が試食した時の印象なだけです。(>_