このサイトでは、アメリカのハウスラビットソサエティ(ウィスコンシン支部)で教わったウサギのびらんの治療法について、
「びらん(sore hock, ソアホック)の治療法」および
「うさぎソアホックの治療に使う医療用合成シープスキン(の入手)について」
の記事で紹介していますが、その後若干新しい情報が加わりましたのでお知らせします。
1) 日本で入手しにくい医療用合成シープスキンの代替について
びらんの程度が比較的軽度である場合、バスマットのSuSuで代用して改善が見られた事例の報告を(若干ですが)受けています。
ただし、バスマットを食べてしまう子には腸につまる危険がありますので、使用の際は十分ご注意下さい。
私がHRSで見たウサギ達は、獣医から「安楽死させるしかない」と言われたこともあるほどの重度のびらんの子達です。このような状態の子は、日本で通常に飼われているウサギさんにはなかなか居ないかもしれません。
しかし、こういった事例には、引き続き医療用合成シープスキンの使用を強くお勧めします。
2)びらんを防ぐケージセットアップについて
これはWisconsin HRSの代表者から聞いた話ですが、「どうも、ケージの中に一種類の床材しかないと、びらんになりやすい傾向が見られる」とのことです。
つまり、すのこでも、金網でも、フリース座布団でも、絨毯の切れ端でも良いので、最低でも2種類、固めのものと柔らかめの素材のものがケージの中にあり、ウサギが座る場所を選べる状態にしておくと、びらんになりにくい、ということだそうです。
実際、私の家でもトイレ躾中にびらんになりかけたウサギが居ますが、小さな絨毯の切れ端とフリース布地を8枚くらい重ねて作った座布団を入れてやっただけで、いつのまにか治っていました。
選べるようにしておけば、ウサギが自分で足に負担のない方法を探してくれる、ということです。
また、こういったセットアップのためには、ケージがある程度大きいことが重要です。望ましいケージのサイズ、もしくは治療のため一時的にエクササイズパンを小屋代わりに使いたい場合は、こちらの記事をご参照下さい。
なお、床をふかふかにしておけば絶対大丈夫、ということではなく、たとえば絨毯の合成繊維でアレルギーのようになってしまうウサギもいるとのことです。
このため、色々な素材がケージの中にあることが望ましいのです。
ただし、日本で床材として主流の木のすのこ、プラスチックのすのこ、金網、藁やチモシーなどで作ったマットなどは、いずれも、ウサギの足には少々固い部類に入る素材です。
本来、ウサギは芝のような草地で暮らす生き物ですから、そのくらい柔らかい床材が最適なのです。
固めの素材を主に使用する場合には、大きめの雑巾かランチョンマット程度の大きさで構いませんので、フリースなどの柔らかく、噛んでも長い糸くずが出にくい布地を重ねて作った座布団を一枚入れておくと良いそうです。厚さは、押さえつけない状態で1cm以上あることが望ましいです。
タオル地などは、噛むと長い糸くずが出て、これを飲み込むと腸の中でつまる恐れがありますので、避けて下さい。
雑巾程度の大きさですので、オシッコしてしまっても洗濯がしやすいと思います。
ただし、座布団を大量に食べて飲み込んでしまわないよう、十分に注意をして下さい。
3)ウサギを「洗う」ことについて
HRS方式のびらんの治療法は、足の裏をふやかします。
これは、一度固くなってしまった皮膚をやわらかくし、細胞の新陳代謝を活性化させるためですが、一方で、ウサギの肌は水に頻繁に濡れるだけでもPHバランスが崩れるほどデリケートです。
治療の際には、肌を痛めることと、新しい皮膚の生成を助けることが競合することになります。したがって、ふやかした後の足は、タオルなどでゴシゴシ拭ったりせず、軽くタオルを押し付けて水滴を吸わせる程度にして下さい。
自分で足を舐められるウサギなら、人間が手を貸す必要はありません。
ドライヤーなどの風で乾かすのも肌を痛める一因になりますので、部屋の温度が下がりすぎないようにして、ウサギに任せて下さい。
一方、介護が必要なウサギの場合は、もう少し水滴を拭ってあげる必要があると思います。しかし、その際にも、肌をこすらないよう気を付けて下さい。
こんにちは!
ソアホック治療の記事を7月30日、31日付けで公開しました。
内容等で不適切だったり、訂正などが必要と思われる個所があるかもしれませんので、お忙しいところ申し訳ありませんが一度目を通して頂けますでしょうか。
写真貼りつけの件ですが、私のやり方が悪いのかうまくいかなかった(重症のパソコン音痴なのです)ので、直接画像コピーさせていただきました。
こちらの方も差しさわりがあるようでしたら、削除させていただきます。
どうぞ、よろしくお願いします。
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