このところ、人様のウサギの世話をすることが多く、しかもいずれも高齢なので色々と刺激の多い毎日を送っています。
今日は、こちらで知り合った友人の一人息子(?)、Eddy君の話。
(実は、知り合った、というより、スカウトされた、に近いのですが……。居間でウサギを放してのんべんだらりとしていたある日のこと、ベランダからいきなり男性に声をかけられ、「ウサギ飼ってますよね?」ときかれ、彼の友人が3週間家を留守にする間自分がウサギを預かることになっているが、ウサギのことはよくわからなくて自信がないので、代わりにウサギシッターをしてもらえないか、という話になったのでした。いや、コッチの人は積極的だなあ。。)
Eddy君は物怖じしない子でとても可愛いのですが、なにしろ、8歳というご高齢。
3週間の間に何かがあっては大変です。
慎重に慎重に、お世話をしていたつもりですが、……一昨日、恐ろしいことを発見。
どうも、非常にゆっくりとですが、頸が回っているように見えるのです……(汗)
目も、よく見ると、たまにドリフトしているように見える。
これがそのビデオ。
ものすごくゆっくり、僅かですが、左から右へ頸がまわっているように見えませんか?
さあ大変。
最初からこうだったのか、うちに来てからそうなったのか分かりませんが、頸が回って眼も振動している、となれば、まさかエンセファリトゾーン(E-cuniculi)か?!
すくなくとも、ぐるぐる回っているわけではないので、中耳炎ではないと思うけれど……
しかし、まだわが家に来て一週間もたっていないので、病院まで運ぶのもストレスになりそうで怖い。
症状はまだよーく見なければ分からないレベルだし、病院に連れて行ってもこの動作をお医者さんの前で見せてくれるかどうかわからない。
迷った末、とりあえずWHRSのG氏にビデオを見せて助言を仰ごうと決めました。
それまで、何もやらないよりはましかも、と思い、大急ぎでローヤルゼリーを擂りリンゴに混ぜて与えてみました。
これは1本15mlの中に1gの生ローヤルゼリーが入っていて、残りはオレンジジュースとはちみつだけ、というフランスのアルコメディカ社(なんか今はArlkopharmaに変わったみたい)のローヤルゼリーです(なんか笑っちゃうほど人間にはよく効くんですが、残念ながら現在日本では売っていない)。
獣医さんに聞いた事はありませんが、少なくともうちのウサギ達4匹の元気を回復するのには抜群の効果があります。
1日に1回8滴程度(1mlくらい)、ローヤルゼリーの量にして60mg程度与えると、1日くらいで結構効果が現れます。
人間に換算すると1日3~4本くらい飲んでいる感じになりますが、うちの父も調子悪いときはこのくらい飲んでるので大丈夫だろう、ということで。
このくらいの量を……
すりリンゴに混ぜてみた。。
(うちのウサギ達なら、これをオレンジジュースで割ってやれば喜んで飲むのですが、Eddy君は飲んでくれなかった……)
今のところ、完全に回転がとまったとも言い切れないのですが、頻度は随分減り、なんか少し元気がなく居心地悪そうな感じはなくなりました。
単に、元気が出て頸をまっすぐ支える力が増しただけかも知れませんが、エンセファリトゾーン症の原因は免疫システムの暴走だし、ローヤルゼリーは人間の場合自律神経失調症に効果があるから、まあ、ウサギでもそれに近い効果はあると期待して。
(そもそも、人間の薬や健康食品って、ウサギでも検査されてるんでしょうから……考えるとちょっと悲しいですけど)。
注:はちみつ、プロポリス、生ローヤルゼリーなどを幼児に与えると重篤な状態に陥るケースがあるそうです。原因は、1歳未満の乳児の未熟な腸内では、これらに含まれている可能性のあるボツリヌス菌が繁殖する恐れがあるからです。
ちなみに、ボツリヌス菌は自然界に普通に存在する菌ですので、大人ならば胃酸や腸内細菌で不活性化されて問題ありませんが、母親から早くに離されたウサギは、母ウサギから十分な腸内細菌を受け継いでおらず、この乳幼児のような状態である可能性があります。
うちのウサギ達は、最低でも1ヶ月は母ウサギに育てられているので大丈夫ですが、普通にペットショップなどで飼った子は殆ど2週間で母親から離されるので、危険かもしれません。これらをウサギに与える際は、仔ウサギの育った環境に注意して下さい。
で、このビデオをWHRSのG氏に見せた結果ですが……
ひとこと、
「もしかすると、歯に問題があるかもしれない」
だそうです……。
な、なんで?! って感じ(汗)
G氏の助言は、
- E-cuniculiなら殆どの場合、足からくる。見た感じ、足腰はしっかりしているので、そういう感じはしない
- 口をもごもごやっているのは、歯が伸びすぎているなどの問題がある可能性が高い
- 頸の動きも、それに関連している可能性はある
- 歯ならこのレベルだったらすぐにどうこうなるわけではないが、飼い主が3週間も戻ってこないなら医者につれていくべき
でした。。
なるほどね。
うちの子たちは牧草を食べるよう徹底的に教育されているので、実は歯のトラブルって起きたことがないのです。
なので、歯が伸び過ぎの子の動作というのはよくわかりません。
歯に問題がでてくると、まず牧草を好きなものだけよって食べるようになり(柔らかいものばかりとか?)、つぎに野菜も食べるものと食べないものとが出て来るようになり、そしてペレットが食べられなくなってくる、とのこと。
この最終段階までくると、かなり問題が進行しているのですぐに病院に連れて行かなければならない、だそうです。
まあ、歯のせいだとしても、そうでないにしても、やっぱり病院には連れていった方がよさそうなので、連れて行きました。
……で、その結果ですが。
どこも、なんともない……(汗)
(歯も含めて)
お医者さんにも上のビデオを見せて、たしかに回っている、という話になったのですが、いつもそうなわけではなく、予想通りEddyちゃんは診察室ではパーフェクトな振る舞いを見せてくれて、「このビデオを見なかったら完璧に健康、と思うだろうね」とのことでした。
そういうわけで、やっぱり原因はわからずじまいです。
E-cuniculiの検査をするか、と言われたけど、どうせ陽性だろうし(アメリカでは殆どのウサギが持っているといっても過言ではない)、陽性だから発症するわけでもないし。
ただ、この状態からここ数週間で急に悪くなるとは考えにくいので、この頸がまわる頻度を定期的にチェックしつつ、頻度が高くなってきたら検査して薬を始める、ということで良いのでは、という話でした。
これが、ろし太みたいにいきなり斜頸になっちゃう前兆ではない、と分かっただけ、まあ良かったですが。
しかし、やっぱりなんか、ものを食べる時が食べづらそうなんだよなあ……。
ムシャムシャムシャ、と噛んで、暫く宙を見つめてぼーっとしている、というか。
うちの子達は、もう食べ始めたらお腹ふくれるまで止めないので、結構な違和感があるのです。
G氏の言う通り、何か口にトラブルがある、ということならものすごく納得がいくんですが。
お医者さんに駄目出しされるほど酷くはないけど、何かしら、不具合があるのかもしれない。
まあ、とにかく、今まであきらかに牧草を食べる量が少なかった子なので、この3週間で牧草を沢山食べさせてみましょう。。。