うさ暮ら52号記載の「HRS式トイレのしつけ」の追記:ウッドペレットについて

前号から「うさぎと暮らす」に連載させていただいている「ハウスラビットとアメリカで暮らす」ですが、今回はHRS式のトイレのしつけについてレポート致しました!

もう、どーしてもうちのウサギはトイレ覚えてくれない!! という方、是非お試し下さい…(^^) ホント、トイレのサイズ大きくして牧草置くだけでできるようになっちゃう子、結構いますよ!

ところで、本文中で紹介したトイレの中に敷く木質ペレット(ウッドペレット)ですが、日本でも売っているようですね。
…が、、Amazonの紹介文なんかみると、消臭効果を期待してか、スギ、ヒノキ、マツなどの良い香りがする、という宣伝文句があったりして…(汗)

針葉樹木の芳香(フェノール類)には、微量ながら毒性があります。 (ちなみに、フェノールそのものはかなり毒性の強い劇物です。)
勿論、毒性といっても、木を食べたからすぐにお腹を壊す、といったものでも、ちょっと匂いをかいだら何か不都合が起きる、というようなものでもありません。

しかし、このような芳香が常時身近にあると、ウサギの肝臓はこれに対抗するために常に酵素を生成します。このため、血液検査で肝酵素の値が高くなります。そしてこの状態が長期間続くと、いわゆる、痛み止め飲み過ぎて痛み止めが効かなくなってきた、というような状態になります。

具体的にいえば、治療薬が獣医師の予想通りに効かない、あるいは安全に使用できる麻酔の許容量の範囲が極端に狭くなり、手術時の麻酔で命を落とす、といったことが起こります。

こういったこともあるので、手術の前はやはり血液検査は必須です。 HRSのウェブサイトにはこれに関するHRS内部での調査の結果が書かれています。
残念ながら数値を含んだ詳細については書かれていないのですが、みたところ、マツやスギのおがくずの使用率とウサギの肝酵素値の相関はかなり強く見られた模様です。

※マツ、スギのおがくず、小動物の肝機能に影響を及ぼすかについては、いくつか論文が出ていますが、影響がないとする反論もあります。HRSの調査結果は、あくまでアメリカの保護団体でそのような傾向が見られた、ということでご理解下さい。

(余談になりますが、ウサギに齧り木を与えるのに、乾燥木は良いですが、生の木の枝は駄目です。食べ過ぎると体を壊します。自然のものならば安全、という思い込みは結構危険です。)

ウッドペレットが良いのは、高温高圧処理されていて、こういった芳香成分がとんでいるからなのですが、日本人はとにかく木の香りが好きですし、ペット用にと消臭効果を期待して、わざと芳香成分が飛ばないように処理したりしていないだろうか、とちょっと心配になりました。

勿論、もとはおがくずですから、オシッコをした後ペレットが水分を吸えば、暫くは多少木の香りがします。その程度なら問題ないのですが……
ペレットの袋を開けた直後だけならともかく、ウッドペレットのある場所の近くで、いつも木の芳香が漂っている、というようなものは避けるべきだと思います。 敏感な動物の鼻には相当強い香水を置かれているようなものですしね。

というわけで、ウッドペレット試してみよう! という方は、できれば最初は小さい袋や量り売りで買って匂いをかいでみて、芳香がないかを確かめてから大きい袋を買うことをお勧めします。
乾燥したウッドペレットは、通常、鼻に相当近づけないと匂いは分かりません。スギ、ヒノキ、マツのような針葉樹ではなく、アスペンなどの広葉樹のウッドペレットであれば、問題となるフェノール類が少ないので問題はありません。

9 thoughts on “うさ暮ら52号記載の「HRS式トイレのしつけ」の追記:ウッドペレットについて

  1. ハムスターなどでは、針葉樹でのアレルギーなど昔から聞いていましたけど。なので、チップ購入時には必ず袋をひっくり返して広葉樹であることを確認。大した影響がないとはいえ、中には敏感な子もいるでしょうし、君子危うきに近寄らずですわ(^^;; 間伐材や加工くずの有効利用なのでしょうが、安全を考えるとどんなものでしょうね。もっとも、針葉樹広葉樹と言う言葉自体、「それなぁに?どう違うの?」と言う方もいらっしゃって・・・いや それが多いのかな。直球でアスペンか白樺にしておいてね、とでも言った方がいいのでしょうね。

  2. チーママさま、
    コメントありがとうございます!(またもや気づくのが遅れた…(汗))
    針葉樹、という言葉、あまり一般的ではなかったのですね。。こんどからは注釈つけよう。。

    スギは花粉アレルギーの印象が強いですが、日本人にとっては木は全て良いもの、のイメージですよね。ヒノキなどの芳香も、人間の体の大きさがあれば害どころか効用が見込めるので、安全だと思ってしまいがちです。

    針葉樹に限らず、ウサギ目線でみた時に、自然のもの=安全とは限らない、というのを、度々自分でも思い出さないといかんなあ、と思う毎日です。

  3. 下痢が続くので血液検査するとALPが高く1100を超えていた。
    暫く様子見と言われて下痢対策に良いかもとうさぎ専門店で購入したリグニンファイバーだったか椙の木を6気圧160度位で蒸した繊維食べさせて肝臓数値2400にドンと上がった。

    椙ファイバーを止めて薬を飲んで少しは数値落ちたけれど半年経ってもまだ1300だから心配です。

  4. うさ虎さま、

    コメントに気づくのが遅れ、大変レスが遅くなりましてすみません!
    リグニンファイバーの説明を見ると、6気圧下で120℃から160℃で約90分間とのことですが、どうやらそれでは不十分、ということの模様ですね…。HRSで使用しているウッドペレット(アスペン素材ですが)がどういう条件下で作られているのか私も知りませんので、比較もできないのですが、やはり芳香のある樹木は警戒した方がよさそうです。

    身近にフェノール類があることによってALPが上昇したような場合では、数ヶ月から半年ほどで正常値に戻る、という話をHRSで聞きました。しかし、うさ虎さまのウサギさんの場合、もともとALP値が高かったとのことで、その方面に感度が高いウサギさんであるかもしれません。もうしばらく定期的に血液検査を継続して、順調に下がっていくかモニタする必要があるかもしれません。

    下痢の方は改善したでしょうか? 個人的には、むしろ慢性の下痢の方が気になります。下痢をするのはウサギの腸内細菌が正しく働いていない、ということで、腸内細菌はウサギの健康を支える要ですから、そちらが改善しないと、体内のいろいろな部分で不具合が出てくると思いますので…。

    木のチップ以外で、こちらで私たちが注意しろと言われたことを列挙してみると、、

    たとえば家が新築であった場合の木材の芳香とか、人間でいうシックハウス症候群みたいなものは当然ウサギにも影響がありますし、絨毯から臭いがしている、ということもありえます。人間は絨毯近くまで鼻を近づけないからわからないけれど、ウサギはすぐ鼻の先に敷物がありますので、影響を受けやすいです。絨毯を掃除する際にクリーナーみたいなものを使っていると、そういうものはダイレクトに影響しますし、木の床でもワックスかけたりすると、しばらくはウサギは鼻が曲がりそうな強烈な臭いに悩まされることになります。
    それから、日本ではほぼ問題ないと思いますが、水も注意されました。
    古い家の水道管は鉛を使っていることがあるので、そういう水道の蛇口から出た水は飲ませるな、と…。

    うさ虎さまのお家がこれらに当てはまるというわけではありませんが、ご参考までに、このような視点でお家を一度見直してみるのも良いかもしれません。

  5. 初めまして、8ヶ月になるミニうさぎを飼っている者です。
    獣医から針葉樹がよくないも最近学び、トイレチップを広葉樹に切り替えたばかりです。

    それとは別でソアホックになっており、床材を木製に変えるようアドバイスをもらい、さっそく変えたのですが…
    天然木の表記をよくよく調べると針葉樹のようで…

    使用を中止し、広葉樹のスノコを探した方がいいでしょうか?
    詳しく書いてみえるので質問させて頂きましたが、ご迷惑でしたらすみません。

  6. こんにちは!
    お尋ねの件ですが、木がどのような形態かによっても異なるかと思いますが、木の芳香がなければ大丈夫かと思います。チップのようなものは、削りたてはかなり木の香りがしますので、多少気をつけた方が良いかと思いますが…

    それとは別に、ソアホックの件ですが、たとえば床材がスノコのようなものでしたら、あまりソアホック対策に効果は期待できないかと思います。体重が軽めの子はいいのですが、すでにソアホックで足を痛めている場合は、木材は固すぎますので、、(かかとにぽちっとハゲがある程度でしたら、家ウサギさんにはよくあるケースですし、それほどひどくはならないと思いますが)

    以下のページでソアホックについても触れていますので、よろしければご覧になってみてください。
    http://garden-of-ethel.com/blog/2011/02/post_123.php

  7. お返事ありがとうございます!

    使用したかったのは木製スノコですが、先ほどメーカーに問い合わせたら松を使用しているとのことでした。
    においはトイレチップほどありませんが、嗅いで何となく松かな?と見当がつく程度にはします。
    一晩問題なく(本人は警戒していましたが。)使用しましたが、今は不安になって樹脂フロアに戻しました。
    もともと便の状態も安定しておらず、何から気にしてあげればよいか悩んでいます。。

    ソアホックの記事拝見しました。
    もともと樹脂フロアで両かかとに5mm程度のソアホック
    →色々合うものを試そうとワイヤーメッシュにし、ソアホックの範囲が広がる。
    (赤みは強いですが、一応毛で隠れていて、出血などはありません)
    →木製に挑戦。という次第です。

    かかりつけの病院で週1のレーザー治療と、保湿系の塗り薬を処方されていますが改善も見られず、藁にもすがる思いです。

    長々と書いてしまい、申し訳ありません。

  8. 匿名 さま、

    かかとに5mmでしたら、それ以上広がらなければ大丈夫、というところでしょうか。
    それよりも、便の状態が安定しないことが気になりますね…。
    内臓系が弱れば、被毛にも影響しますので、、

    軟便などがあるのであれば、なおさら木製すのこはあまり良くないかと思います。木が汚れを吸ってしまい、清潔に保つのが難しくなります。
    SuSuなどのバスマットを2つ折りにたたんで(これで厚みが出ます)、樹脂フロアの片隅に置いておいてあげるのはいかがでしょう?
    足が痛いようであれば、ウサギさんは自分からその上に乗って足を休めると思います。バスマットなら洗濯も簡単ですので、汚れてもすぐに洗えますし。
    (SuSuでないとダメということではなく、類似品ならなんでも良いです)

    個人的には、すのこは足を保護する目的には使えない上に、多くのうさぎさんがかじり木にするためにすのこの上で足をふんばって、かえって足への負担を増してしまうケースが散見されるので、あまり良くないのではないか、と思っています。

  9. ご丁寧にありがとうございます。

    とにかくかじりたがる子なので布類は心配もあるのですが、試してみます!
    お腹の調子と被毛…それは考えていませんでした。
    両面からアプローチできるよう、食生活等も見直してみます。

    詳しくお返事頂いて、本当にありがとうございます!

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