ウサギに与える野菜に含まれるカルシウムについて

(このエントリーは、アメリカのHouse Rabbit Societyから管理人が学んだことをもとにしています)

ウサギのダイエットについて」の記事コメント欄でカルシウムの話題になり、昨日HRSで色々話をきいてきましたので、少々ご報告したいと思います。
お話を聞いたのは、ウィスコンシン大学マディソン校の栄養学の教授Susan Smith博士と、やはりウィスコンシン大学で研究をされているGeorge Flentke博士(専門は薬学)です。
ちなみに、Flentke氏はwisconsin house rabbit societyの代表者、Smith女史はその奥様です。

※2020/8/7更新  Smith博士とFlentke博士はサウスカロライナ州に移られ、Wisconsin house rabbit societyの代表は現在は別の方が務めておられます。


1)ウサギにカルシウムは必要!
ウサギににカルシウムの多い野菜をやっても良いか、と言われたら、多分殆どのウサギオーナーの方は「あまりよくない」と答えると思います。
ウサギにカルシウムは禁物、でないと尿結石になるから、というのが、日本のウサギオーナーの常識となりつつあるのではないでしょうか。

ところが、二人が口を揃えていうには、
「ウサギにカルシウムは必要!」
とのこと。
勿論、骨のある生き物ですから、まったく不要なわけはないのですが、尿結石を恐れるあまり、必要なカルシウムがとれないのは問題だ、というわけです。
ウサギは、歯が伸び続ける生物なので、カルシウムはとても重要で、これが不足すると歯がぼろぼろになる、とのこと。

2)尿結石を作らないために
しかし、一方で、結石は怖いです。
どうしたらいいのか、という質問をしたら、以下の点を懇切丁寧に説明してくれました。

  • そもそも、摂取する、というのは、体が取り込んで初めて摂取したことになる。通常、人間もウサギも、過剰に口にすれば余りは排泄される。
  • したがって、結石になるのは、カルシウムの摂取過多のせいではなく、排泄の問題である。それを解決しない限り、いくら食餌でカルシウムを制限しても問題の解決にはならない。
  • カルシウムが不足すると、むしろ石が溜まりやすくなるという結果がでている。自分達は実際にウサギを使って、野菜の量などを変え、カルシウムの摂取量をコントロールしたウサギ達の体をレントゲンに撮って調べる実験をした。その結果、野菜の多い少ないは結果に全く影響しないが、むしろ意図的にカルシウム摂取量を少なく制限していた個体に、典型的な腎臓結石がみられた。(ちなみにこの石を排出させるのは本当に大変だったそう。勿論、HRSの保護ウサギで実験したわけではありません。栄養学の専門家ですから、きちんと研究の一環として、研究室のウサギで実験したのです。余談ですが、仕事で実験動物を扱う人達がこういった動物愛護活動に取り組んでいるあたり、矢張り進んでいるなと思います。)
  • 結石を防ぐ一番の方法は、水分の摂取量を上げ、とにかく不要なカルシウムをどんどん排出させること。HRSのウサギ達は、その対策もあって、事情がない限り水ボトルは使わず、いくらでも水が飲めるよう陶器の水入れを使っている。
  • 水分の摂取という観点からは、野菜は理想的。野菜に含まれるカルシウムが心配で野菜を制限し、オシッコが濃くなってしまったら、それは本末転倒。
  • まとめると、カルシウムが順調に尿から排出されていれば、野菜からのカルシウムの摂取しすぎを心配する必要はない。オシッコが濃かったら、むしろ野菜をあげて良いことはあっても、悪いことは何もない。

ということです……。
ただし、これには以下の注意事項がつきます。

  • 肥満しているウサギは、オシッコのときに正しい姿勢がとれず、腎臓や尿道が圧迫され、それが一種の濾過器のような働きとなって、その部分に石が出来ることがあるので、注意が必要。この場合は、ダイエットすべき。
  • 野菜のカルシウムを警戒する必要がないのは、一方で野菜が水分を大量に含んでいるから。乾燥しているペレットや牧草のカルシウムは注意が必要で、カルシウムが少ないチモシーベースのものを与えなさい、とのこと。
  • ただし、上記の2点も、ペレットを減らし野菜を増やす(水分の摂取量を上げる)ことで改善できる。つまり、野菜からのカルシウムの摂取し過ぎを警告する一部の獣医や、ウェブサイトなどの情報はまったく的を得ていない。

誤解を招かぬように注釈しますが、、、
あくまで、主食は牧草ですよ!
牧草を食べなくなるほど野菜をやってもいい、という意味ではありませんので、そこはしっかり守って下さい。

実をいうと、アメリカでもカルシウムの多い野菜は控えよ、という獣医さんもいるのですね。
ただ、彼らは、専門に栄養学をやっている立場として、そういう獣医の説明に納得したことは一度もないし、そう主張する人の話をきくと、そもそも化学や生化学がわかっていないことがある、と大変厳しいご指摘でした(^^;;)。
まあ、意外と専門家って、周辺範囲の知識に乏しいもんです……(自戒)。

3)ウサギの結石の治療で起こりえる問題点
さらに、これは薬学が専門のGeorgeからの忠告。

  • ウサギの腎臓結石を排出するのに、犬猫のストラバイト結石予防に使われるメチオニン(methionine, メサイオニン、メサジルとも言う。必須アミノ酸のひとつ)を処方する獣医がたまにいる。これは、犬猫とは尿のPHが異なるウサギではうまく働かない上に逆の結果をもたらすおそれがある。

7/20 改訂:
Georgeにもう一度詳しく話を聞いてきました。ウサギにメチオニンが危険な理由は以下の通りだそうです。

  • ウサギの尿はPH8程度でアルカリ性、主な結石の種類は炭酸カルシウムである。
  • 一方、健康な犬猫の尿は弱酸性で、結石の種類はこれがアルカリに傾いたときに生じるストルバイト結石が主なものである。
  • したがって、(犬猫の場合)メチオニンを投与してやると、体内でメチオニンが代謝されてH2SO4となり、H2は尿を酸性に傾け、一方SO4はストルバイト結石の生成を抑制する働きをする(ストルバイト結石のH2PO4-がSO4と置き換わって結晶が出来なくなる、ということらしい)。
  • ところが、メチオニンをウサギに与えると、ウサギの尿はもともとアルカリであるために、簡単には尿が酸性にならず、炭酸カルシウムが溶ける効果は見込めない。
  • 更に、ウサギの尿中にはカルシウムが大量に含まれているために、SO4がカルシウムと結合して硫化カルシウムが生成してしまう。硫化カルシウムは難容性であるため、この結果、メチオニンの投与によって更に石を増やしてしまう結果になりかねない。

……というわけで、メチオニンはウサギには効かない、ではなくて、有害となる恐れがあるそうです。

ちなみに、炭酸カルシウムを溶かせる内服薬はないのか、ときいたところ、おそらく塩化アンモニウムが腎臓まで届けばうまくいくだろうが、塩化アンモニウム(NH4Cl)の水溶液は苦くて匂いも酷いのでとても飲めたものではない、とのこと。
人間なら無理しても飲むかもしれないが、ウサギに飲ませるのは殆ど不可能だろう、とのことでした。
これらの量が多い野菜などを探しているが、まだ見つけていないそうです。

日本でも、ウサギに詳しい獣医さんのホームページでは、ウサギの結石に関しては、とにかく補液して水分で押し流すか、外科手術しかない(つまり内科的治療は出来ない)と書いておられる人が多いようです。
もし結石なのに、「薬で治ります」と獣医さんに言われたら、薬の成分をチェックし、それがメチオニンなら、別の獣医さんのセカンドオピニオンをとることをお勧めします。

4)補足:ほうれん草について
ここから先は、私の個人的な考察です。
石との関連でよくやり玉に上がる野菜といえば、ほうれん草です(シュウ酸を多く含む)。
ですが、これもHRSではウサギに与えてはいけない野菜のリストの中には入っておらず、むしろ食べさせて良い、というリストに入っています(ただし、大量に与えないように、という注釈はついています)。
ほうれん草は非常にビタミンが豊富な野菜なので、シュウ酸が多いというだけで諦めるのはもったいない、ということかも知れません。
(もっとも、こちらのほうれん草は、生食される事が多いため、日本のほうれん草より随分シュウ酸が少ない気がします。日本で代用するなら、サラダ用ほうれん草あたりにしておくべきかも)

それより、そもそも、本当にウサギはほうれん草で石が出来るのか、ということを考える必要もありそうです。
人間で、結石の原因になる、ということで有名なため、ウサギにも駄目と思ってしまいますが、人間の結石はシュウ酸カルシウムが主なもので、これは尿が酸性に傾いたときに生成します。
というわけで、そもそも尿がアルカリ性のウサギでは人間ほど石を気にする必要はないのかも知れません。

実は、シュウ酸の含有量という意味では、パセリの方が多いのですが、人間の場合もパセリが原因で石になる、というのは聞きません。理由は、パセリはシュウ酸だけでなくカルシウムも多く含むため、吸収される前にシュウ酸カルシウムとなって、体外排出されるためです。
HRSのHPによれば、ほうれん草をあげすぎた結果、シュウ酸が大量に体内に蓄積するとToxicだ、と書いてありますが、Toxic、というニュアンスが、結石のことを言っているのか、それとも別の疾患の可能性をさしているのかまでは分かりません。来週聞いてみようかと思います。
(もっとも、この注はWisconsin HRSのウサギの食餌に関する項目には書かれていないので、Susanは違うことを言うかもしれないですが。)

7/20 追記:
Georgeの話によれば、アルカリ性の腎臓内でシュウ酸カルシウムが出来ないとは言い切れないそうです。
しかし、ほうれん草に関していえば、ほうれん草はカルシウムも多く含むので、殆どは吸収されずにシュウ酸カルシウムとして排出されるだろう、とのことでした。人間の場合と同じだということです。
したがって、Wisconsin HRSはほうれん草が他の野菜に比べて特に注意が必要とはみなしていないそうです。

もしほうれん草をあまり与えない方が良い理由が、シュウ酸カルシウムによる結石であれば、人間でも最近言われているように、カルシウムをとることで回避出来ると考えられます。
つまり、ここでもカルシウムは「善玉」なわけですね。

そもそも、アメリカは硬水の国です。水に大量のカルシウムが含まれています。
どれくらいあるかというと、マグカップに水を張り、蒸発させたら、真っ白い炭酸カルシウムの粉がカップの底にびっしりつくくらいです。
こんなカルシウムリッチな水をがぶ飲みしているアメリカのウサギ達が、結石を作らずに健康に暮らしているということ自体、カルシウムの摂取自体が問題というわけではない、ということを証明しているかも知れません。

実は私も昔、最初のウサギ(ろし太)のオシッコが濃く、カルシウムの白い粉のようなものが混じったオシッコをしていましたので、野菜をかなり制限していました。
今にして思えば、そうだからこそ、もっと沢山野菜をあげるべきでした…。
水を飲めといっても、飲んでくれないのだから、だったら野菜で水分をとらせるしかないわけです。

おそらく、日本には、ろし太みたいに白い粉がどろどろ出ているようなオシッコをしている子が沢山いるのじゃないかと思います。
そういう子達には、是非野菜をあげてみて下さい。
(ただし、子ウサギは野菜のあげすぎに注意して下さい。お腹がゆるくなったり、下痢をする子もいます。いきなり沢山あげるのではなく、耳のサイズくらいから始めて、翌日のふんの様子を見ながら加減して下さい。)

5 thoughts on “ウサギに与える野菜に含まれるカルシウムについて

  1. 次々とお役立ち情報、本当にありがとうございます。
    これはせっせと広報する必要があるかもしれません。
    メチオニンによって酸性に傾けても、うさぎの結石の性質上溶かす効果が期待できないというのもあるかもしれませんが、もともとがアルカリ尿仕様になっている腎臓・膀胱・尿道などの組織にとって、酸性に傾くのはいかがなものかと。ヘタをすると、膀胱や尿道内面がただれたり、腎機能低下をおこしたりしないのかしらん?
    もともとウサギは腸からカルシウムを積極的に吸収する機能を持っており、たとえカルシウム少なめを与えたとしても、機能全開でもれなくカルシウムを取り込もうとするだけ。と聞いています。
    またとかく飼い主さんはカルシウムを気にするけど、特に育ち盛りにはカルシウムを十分与えて、多少日光浴して、丈夫な骨格をつくて欲しいとおっしゃってましたっけ。
    「カルシウムだけじゃなく、毛でも段ボールでも、お腹に入っても出てくれればいいんです。」とは、うちの先生の言(笑)
    で、栄養的なものを考えても、もともとが牧草と言うかなり質素低カロリーなものから、高カロリーを作りだすシステムを持っているのですから、野菜で栄養が偏るなんて事すらないのだと思います。また干されていない野草は、野菜ほどでないにしても、水分含有量が多い。と言う事は、もともとウサギは大量に排尿するという事で、カルシウムも排泄されているのでしょう。
    「あれこれ種類色々と」というのも、元は「○○だけ」食にしていると、○○がなくなった時が困るというのが1つ。キャベツばかりは甲状腺が気になるし、レタスだけってのも催眠効果がどうなのよ?という、それぞれの野菜の特性を考えて、平均化するって言う事が2つ目でした。
    とはいうものの、こゆきはもともと尿がかなり濃い方だったので(やっぱり個体差と言うのはありますね)、野菜も少しは考えようかと思ったのが始まりでした。
    それがすっかり悪循環スパイラルに陥って、大元のスタートラインを忘れていました(--)
    大事な事を思い出させてくださって、その上貴重な情報までいただいて、感謝しきれません。本当にありがとうございます。
    とにかく、牧草を食べないんだから、野菜食!
    カロリーを気にしなくていいなら、毎日がサラダバー♪
    病気になった事を考えれば、お安いものです(^^;;
    で、水ボトルですが、あれはどこから来たのでしょうね?
    普通の水入れではひっくり返すし、水が汚れるという事からかもしれませんが、それはやはり人間都合。ボールの加減が悪くて、実は水が出ていなかったとか、置き位置によっては不正咬合の原因にも。自然の状態では、あんな飲み方はしませんものね。動物実験システムの名残かなぁ?と。
    と言うわけで、やはり据付のステンレスボールや陶器の水入れとかが、うさぎさんにとっても一番飲みやすい気がしますね。
    さてさて、子ウサギミルク以降、今度 先生にも見せてあげようとかと思いますが、よろしいでしょうか?きっと興味をもたれると思いますので。

  2. チーママさんこんにちは!
    >もともとウサギは腸からカルシウムを積極的に吸収する機能を持っており、たとえカルシウム少なめを与えたとしても、機能全開でもれなくカルシウムを取り込もうとするだけ。と聞いています。 またとかく飼い主さんはカルシウムを気にするけど、特に育ち盛りにはカルシウムを十分与えて、多少日光浴して、丈夫な骨格をつくて欲しいとおっしゃってましたっけ。 「カルシウムだけじゃなく、毛でも段ボールでも、お腹に入っても出てくれればいいんです。」とは、うちの先生の言(笑)
    なるほど、そうなんですか!
    機能全開でカルシウム取り込み……Susan達の実験結果ともつじつまが合いますね! 歯を伸ばすのに必要だから、必死で溜め込んでしまうんでしょうか。
    「出てくればいい」というのは、本当にその通りだと思います。人間の体も邪魔なものはちゃんと出しますから、ウサギだってそのはずですよね。
    >で、栄養的なものを考えても、もともとが牧草と言うかなり質素低カロリーなものから、高カロリーを作りだすシステムを持っているのですから、野菜で栄養が偏るなんて事すらないのだと思います。
    おそらく、野菜食で一番辛いところは、必要な蛋白質をとるのが難しい、ということだと思います。
    ビタミンやミネラルについては、こゆきちゃんほど色々貰っていればほとんど心配する必要はないでしょうが、蛋白質はどうしても少ないので、大量に食べなければならない、ということではないかと。
    結局お財布の問題ですよね(^^;)
    >とはいうものの、こゆきはもともと尿がかなり濃い方だったので(やっぱり個体差と言うのはありますね)、野菜も少しは考えようかと思ったのが始まりでした。
    もしかして、こゆきちゃん、お水を器に張って置いておいたら飲みませんかね(^^;)?
    多分、いつもじゃなくて、たまに欲しいときがあるんじゃないか、ということなんですが……
    実は、うちのウサギ達、多いときには自分の体積の半分くらいの水を一日で飲み干します。あまりに飲むので、腎臓疾患を疑ったこともあるんですが、血液検査でまったく健康なので、最近はむしろ人間の方が水の飲み方が足りないのか、と思っています。
    どういう状態のときに飲み始めるのか、我々人間は野生が鈍っていて理解できないのですが、4匹とも揃って飲み始めるので、気候や季節と密接に関連しているようです。必ずしも暑い日や、乾燥している日とは限らないんですよ。水分が欲しくて飲んでいる、というよりは、排泄能力を高めたくて飲んでいるように見えます。
    ウサギ流デトックスかしら(笑)
    で、暫く飲むと、そのあとぱったり普通の量に戻ったり。止めるタイミングも、大体4匹連動しています。
    流石に、野菜で体の体積半分以上の水をとるのは難しいと思いますので、オシッコが濃いなら、もしかしたら、野菜の水分だけでは足りない日があるのかも……。
    (もっとも、口が野菜慣れしているので、乾いてても飲まないかもだけど、、、)
    >で、水ボトルですが、あれはどこから来たのでしょうね? 普通の水入れではひっくり返すし、水が汚れるという事からかもしれませんが、それはやはり人間都合。ボールの加減が悪くて、実は水が出ていなかったとか、置き位置によっては不正咬合の原因にも。自然の状態では、あんな飲み方はしませんものね。動物実験システムの名残かなぁ?と。
    まったくその通りだと思います。うちは、ろし太が急に給水ボトルから水が飲めなくなって(別にボールの不都合でもなんでもなく、いきなり飲むのを止めてしまった)、体調崩してから、もうボトルは全廃しました。危険の方が大きすぎると思います。長時間移動のときだけは止む無く使っていますが。
    >さてさて、子ウサギミルク以降、今度 先生にも見せてあげようとかと思いますが、よろしいでしょうか?きっと興味をもたれると思いますので。
    ご自由にどうぞ! おそらく先生はご存知のことばかりかと思いますが…(^^;)
    私の方も色々勉強する機会と、新しい情報を貰って大変楽しかったです♪ 

  3. はじめまして こんばんは。突然です。
    うちの子は腎不数値が悪いらしく(4.3)また1センチの結石が腎臓(尿管)に1個。また小さい0・5ミリ弱の結石がもう1つの腎臓にできております。
    超音波では、カルシウムが吹き出しており。大変な状態になのです。

    また腎臓に数値が(4.3)と高いので手術ができないと1個目のうさぎ専門の病院で聞かされリンゲル液100ccを毎日打っております。また飲み薬は、こうせいぶしつ少々を飲まし続しておりました。

    それでずっと様子を見てくださいという事で、早6ヶ月が経ちました。
    飼い主の私もその期間は不安でいっぱいでした。
    今日こちらのホームに辿り着き読ませて頂き
    コメントを入れてしまいました。

    突然で申し訳ございません。

    手術ではなく、人間のように結石を取る飲み薬を処方している病院があるんじゃないかなと思っておりました・・
    できればその薬が欲しいのですが飲ませたことのあるうさぎちゃんはないのでしょうか?・・・
    どうしたらいいのか全くわからなくてしまいました。

    手術ではなくリスクが少なくうちの子を助けたつ方法はないのかと思っております。

    そして6ヶ月まえより、点滴してるのですが、
    だんだんと結石が大きくなってきてる気がしてならないのです。
    すぐ転けてしまったり・・

    そして、もう一つの病院にセカンドオピニオンも受けてみたのですが、先生はまだ、腎臓数値が「ひとけただい」だから手術はできると話してくださり悩んでます。(そこの病院は犬猫小動物も見ている病院です。)

    因みに我がうさぎは白血球が多いらしいんです
    これはカルシウムを取ろう取ろうとしているらしく高すぎて(一桁代)の理由もあり手術が出来なくリンゲル液100ほど入れている状態です。
    その薬があれば我が子も救えるんじゃないかと素人で思っていました。とにかく毎日がうさぎともに辛いです。たいすけてあげたいんです。うさぎに詳しく飲み薬が処方してくださる何処か病院はを教えていただけないでしょうか?

    本当突然ですみません。

  4. あれ、コメントが消えている…(汗)
    他に同様の問題でお悩みの方のために、メールで返答した内容を転載します。
    —-
    1)ウサギの結石を溶かす薬について

    まず、ウサギの石を溶かす薬ですが、アメリカでは現状無い、というのが定説のようです。
    たしかにブログに書いたように、塩化アンモニウムが石を溶かすかもしれない、という予想は立てられるのですが、あくまで薬学の理屈の話であり、腎臓までそれを届かせるという難問がまだ残っているため、新薬としては開発されていないと思います。
    日本のエキゾチック専門の先生がどう仰るかは分かりません…既にうさぎ専門病院にかかっておられるようですので、日本でも状況は同じかもしれません。
    なお、ブログでも書いた通り、犬猫用のメチオニンを成分とした薬は逆効果の恐れがありますので、ご注意下さい。

    2)エンセファリトゾーンについて
    内股になってきた、とのお話なんですが、もしかして石が痛くなってきてお腹を庇っている、ということはありませんか?
    エンセファリトゾーンの場合は、見た目明らかにふらついたり、眼振があったりしますので、お話の感じだとそのケースではないように思われます。
    エンセファリトゾーンについては、フェンベンダゾールの予防的摂取が一時期検討されたこともあったのですが、この薬は虫下しのため肝臓に負担をかけるので、今では発症してから処方される先生が殆どだと思います。とくに腎臓に問題を抱えている状態では、投薬は慎重にされた方が良いかと思います。

    3)追記 食餌について
    薬については以上ですが、食餌の方はいかがでしょうか?
    まず、腎臓がうまく働いていない、ということですので、とにかく腎臓の負担軽減のためタンパク質の量を抑える必要があると思いますが、ペレット、牧草などはチモシーベースでしょうか。
    (アルファルファはタンパク質が多く腎臓に負担をかけます)
    お水はよく飲んでくれるウサギさんですか?
    野菜はどのような種類のものを、一日にどのくらいあげているでしょう?
    あと、体重はどのくらいでしょう?(痩せているか、丁度よいか、肥満しているか)

    栄養学の立場からすると、ウサギは確かにカルシウムを摂取しすぎる傾向がありますが、うまく排出してくれる限りそれでも構わないわけでして……そのためにもっとも重要なのは、実はオシッコの勢いなのです。
    オシッコがジャーッと勢い良く出てくれれば、それと一緒にカルシウムの粒も流されます。
    掃除は大変ですが、とにかく野菜を沢山食べさせて、じゃんじゃんオシッコさせると、腎臓の負担もかなり減りますし、細かい石は流れていくと思います。

    とくに、お話を伺ったところ、ウサギさんは沢山投薬されて点滴も打っているとのことで、相当腎臓に負担がかかっている状態だと思われます。であれば、なおさら、水分が必要です。
    (正直、その状態で抗生物質を処方されたというのが驚きですが…こちらで私がかかっている主治医だったら、腎臓に負担をかけるので抗生物質は控えると思います。既に出血していたなど、炎症がみられたのでしょうか?)
    点滴も打っているとのことですから、喉が乾かず、自分から水を飲まないかも知れません。
    もし十分に体重があるなら、あるいは、食餌をいっそ野菜主体にする、という方法もあるかも知れません。

    野菜主体にすると栄養バランスを考えるのが大変になるのですが、ウサギの本来の生態から考えると野菜食の方が体に合っています(ただし人間用の野菜はかなり高栄養にされていますので、色の濃い野菜ばかりでなく、ロメインレタスみたいな水の多い野菜も同時に与えてかさ増ししないといけませんが)。
    完全にペレットをやめてしまうとバランスをとるのが本当に大変になるので、ペレットはサプリメント程度にしてあとは野菜をじゃんじゃん与える、という風にゆっくりと時間をかけて切り替えていければ、これでもか、というくらいオシッコが出るようになると思います。
    (くれぐれも急に切り替えないようにご注意下さい、1ヶ月くらいかけるつもりで丁度よいと思います)

    実際のところ、内蔵系の数値があまりよくない状態での手術の成功率は、ウサギの場合あまり高くありません。ウサギ専門医で手術が出来ないと言われたのは、万が一を考えてのことと思います。
    どのような食餌で、どれくらいオシッコが出ているかが分かりませんのでなんともいえませんが、もしジャーッと音をたててオシッコができない状態であれば、私ならまずは野菜を増やして水分をとらせ、腎臓の負担を可能な限り軽減し、数値が改善した後に手術を考えると思います。

    以上、なにかご参考になれば良いのですが。
    また何かご質問がありましたら、ご連絡下さい。

  5. ピンバック: うさぎの食事管理~野菜 | Tom Lab

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